うちのカルデアに星5の鯖がようやく来たんだけど、全クラス揃えるとか夢物語だよね? 作:四季燦々
今回の話は新宿ピックアップのお話ですが、召喚されたサーヴァントとマシュの現状によりシリアスなお話となっています。その点に関してだけご注意を。
まさかこいつが召喚されるとは……!
PS:フォウ君に関する部分を勘違いしていたので一部修正しました。というか、その部分丸々カット。今後気を付けます。申し訳ありませんでした。
『悪』
そのまま読むと2文字。漢字にするとたった1文字にしかならないこの単語には、その文字では収めきれないほどの意味を持つ。正義の対となる言葉、憎むべき相手、排除されるべき存在。それは小さなものから世界を脅かしかねない大きさのものまで様々だ。
オレは人理焼却を巡る戦いでいくつもの『悪』に触れてきた。――いや、所詮は触れてきたつもりだったのだろう。自身が正義の立場だと勘違いも甚だしい考えを持たなかったとは言えない。それらを打倒せねばならないという使命感に駆られなかったとも言わない。心のどこかでこれは正義の為なのだと自分に言い聞かせて、目の前の敵を排除したのだ。
しかし、特異点を巡る戦いでオレは悟った。それが今まで戦ってきたものは『悪』ではなかったのだと。決めつけていたものは『もう1つの正義』だったのだ。『正義の反対はもう1つの正義』とは使い古された言葉だろう。この旅を経て、オレはその言葉の重みをようやく理解した。
例えば、第六特異点で出会った獅子王。またの名を『女神ロンゴミニアド』。彼女は特異点の中で円卓の騎士達や聖騎士達と共に『聖罰』という一方的な虐殺を行った。その一面だけ見ると、なるほど。確かに彼女は紛れもない『悪』であろう。しかし、その本来の目的は『聖抜』として自身の思想に賛同できる魂を集めることで『聖都キャメロット』の存続を願ったものであり、彼女なりに人理焼却による人類滅亡の危機を救わんとする手段だった。
また、他には人理焼却を図った魔神王ゲーティア。人々を見守るために在った彼は人間全てに失望し、人類を無に還そうと試みた。彼が成そうとしたことはとても許されることではない。絶対に正さなければならないことだった。だが、健やかな知性体を育み、死という終わりのない完全な環境を創り出そうという行為は視点を変えてみれば彼なりの『正義』でもあった。
――そう、『正義』と『悪』は表裏一体。見方を。立場を。意識を。少しでも変えてしまえばどちらにもなりうるのだ。
そのことに気づいた頃、オレは1人の英霊に出会った。彼の生き方は『正義』と『悪』が幾重にも重なり、混沌と化したものだったといえよう。『正義』の為に殺しつくし、『悪』という魔道に堕ちてしまった英霊。非情を貫こうとしたその心は、やがて鉄のように固く冷たく閉ざされてしまった。
しかし、彼がそのことを嘆くことはない。何故なら彼は、何のために刃を取ったのかすらも忘れてしまったのだから。
「新宿ヤバ過ぎワロタ」
「……あの先輩、頭大丈夫ですか?」
レイシフトにより帰還してからの第一声がこれである。ついつい口から出てしまった正直な感想に、マシュは割と本気で心配した様子で問いかけてくる。あのお嬢さん、その言い方は傷つくからやめてね。
「すまん、ちょっと言ってみたかっただけだから気にしないでくれ」
「はぁ……分かりました。とりあえず先輩、お帰りなさい。ご無事で何よりです」
「うん、マシュもお疲れさま。サポート疲れただろ?」
「い、いえ。これくらい先輩の苦労に比べたらなんてことないです」
ニコリと微笑みながら笑いかけてくるマシュ。だが、その笑みはいつものよりどこかぎこちないように感じられた。おかしいな、いつもなら全回復するぐらい癒されるはずなのになんだか物足りないぞ?
「この後はすぐにお休みになられますか?報告に関してはまた後でいいとダヴィンチちゃんも言ってましたし」
「うーん、とりあえず疲れたから休みたい気もするんだけど――」
「するんだけど……って、まさか先輩」
オレが中途半端に言葉を区切ると、マシュの目の色が変わる。流石は相棒、これだけで何が言いたいのか分かってくれたようだ。ジト目の視線にあははと空笑いをしつつも、オレはグッと拳を突き上げる。
「――新しい特異点も終わったことだし、やっぱりここはやっとかないとな!」
その手の中にはキラリと光る聖晶石。もう、言いたいことは分かるな?
「まったく!先輩はもっとご自愛を心がけるべきです!先輩はこのカルデアで唯一のマスターなんですよ!」
「ごめんって。でも早くしないとタイムオーバーになっちゃうかもしれないだろ?」
「タイムオーバーってなんですか!」
タイムオーバーって言ったらあれだよ、ピックアップ期間だよ(メタ)
プンプンと怒るマシュを宥めつつ召喚部屋へと向かうオレ。マシュの気遣いは素直に嬉しいがあの新宿で出会ったサーヴァント達にもう一度会いたいという気持ちが足を進ませる。どいつもこいつもクセのある奴らだったけど、というか
というか、ぶっちゃけて言うとセイバーオルタとか邪ンヌが来てほしいです。理由とか言うまでもないな?可愛いからだ(言ってる)
「もう、先輩はこういうことに関しては本当に強情なんですから……」
「いやー照れるねー」
「褒めてないです」
「ごめんなさい」
ふざけた態度取ってたら真顔で怒られました。うん、我ながら反応早すぎでしょ。すごーい!君は謝罪が早いフレンズなんだね!(知能低下)
「とにかく、今回は召喚したらすぐに休んでくださいね!」
「わ、分かったよ……」
グイッと顔を近づけてくるマシュ。ほのかに鼻についてきた彼女の甘い匂いと端正に整った顔に思わず顔を逸らす。マシュは最近こういう感じに距離感が行方不明になることが頻発するようになった。スキンシップと括ってよいのか分からないが、これは男として少々困ってしまう。
だってほら、少なからず意識している異性が警戒も何もせず距離詰めてくるんだぜ?こう、照れるじゃん……?
しかし、マシュは顔を逸らしたオレの態度が自分の言うことを聞いてくれないのだと誤解したようでさらに顔を近づけてくる。ちょっ!流石に近いよっ!?鼻がついちゃうから!つーいーちゃーうーかーら!
「――先輩?」
「わわわ分かったから!だから早く離れてくれ!」
「あっ……」
あまりに近過ぎて照れがMAXになり悲鳴に近い声を上げると、マシュもようやく自分がどれだけ近づいていたか理解したのか、小さく息を漏らすと顔を真っ赤にして離れた。
「す、すみません、つい熱くなってしまって……」
「い、いや。マシュがオレのことを心配してくれたのはよく分かったから。オレも変な態度取ってごめん」
互いに謝ると2人の間に沈黙が漂う。何を話せばいいのか分からず、マシュの真っ赤になった顔可愛いなーとか、オレ今顔真っ赤なんだろうなーとかどうでもいいことを考えていた。
「と、とりあえず召喚を終わらせるか」
「そ、そうですね!……あっ、ですが護衛のサーヴァントがいませんね。今の私ではその、先輩の護衛はできませんので……」
この気まずい空気を払拭するために召喚を進めようとするが、その前にマシュの言葉にオレはハッとなる。
実はマシュは現在サーヴァントとしての力が使えない。あの最後の決戦の後、1度は命を落とした彼女は再びその命の輝きを取り戻した。だが、その反動かサーヴァントとしての力を失ってしまったのだ。普通の人間としての寿命を獲得したもののその魔力回路は機能を停止。正真正銘ただの人間になったのだ。
護衛ができないと口にするマシュはとても悔しそうに俯いていた。ギュッと拳を握りしめ、わずかに肩を震わせている。
今回の探索は彼女にとって歯がゆい物だっただろう。訪れた新宿は本来の世界とは異なり、文字通り悪の巣窟であり、オレだって何度死にかけたか分からない。『守護』を何よりも重きに置いているマシュからしたらモニター越しに見るそれらの光景は耐えがたいものであったに違いない。
さっきの迫力もそのことが関係しているとオレはようやく理解する。心配で心配で堪らなかったから出た言葉だったんだと理解すると目の前の少女がより一層愛しくなる。その震える身体を思わず抱きしめて、大丈夫オレはここにちゃんといるからと伝えたい衝動に駆られる。が、ここはまだカルデアの通路。先程からチラチラと行き交う職員達の視線が刺さってくるため流石に自重した。
と、職員の中からこちらへと向かってくる影がある。主に白衣を身に纏っている職員とは違い、その服装は真っ黒だった。抜けるような白い肌や本来の色である金髪もやや色が抜けておりまるで亡霊のようにも感じられる。――その手にターキーさえ持っていなければ。
「トナカイ、盾の娘。このような通路で何をしている?先程から職員達の物珍しげな視線が浴びせられているぞ。あと、次のクリスマスはまだか?」
「いや、まだ3月だから。あと9ヶ月ぐらいあるから。そういうサンタオルタこそ何してるんだ?」
「愚問だな。次のクリスマスで何を配るか聞き込みをしているに決まっているだろう。私は準備というものはすぐに終わらせる主義だからな」
そう言いつつモグモグとターキーを頬張るセイ――ライダーのサンタオルタ。新宿のセイバーオルタと同じでジャンクフード好きですね。ちなみに今はサンタの大きな袋は持っていない。ジャンヌ・リリィにでも渡しているんだろうか?
というか、一応カルデアの通路って飲食禁止なんですけど。えっ?そんなこと知るか?ですよねー。
「それで、こちらからの質問にも答えてもらおうか」
「ああ、今から召喚をしてみようかなと思ったんだけど。その……」
「…………なるほど」
オレがチラリと気まずそうにマシュへ視線を向けると、それだけでサンタオルタは察してくれたようだった。納得の言葉を零し、少しだけマシュと向き合う。オルタ化し、クラスも変わり、色々と「どうしてこうなった」とツッコミどころ満載のサーヴァントであるがこれでも元々は一国を率いて幾度と勝利を掴んできた王だ。コスプレのような形をしていても堂々たる風格は失われていない。そのような人物にじっと見つめられたマシュは、やがて気まずそうに目線を逸らしてしまう。
「いいだろう、その召喚には私が付き合ってやろう」
「えっ?いいのか?今忙しいんじゃ」
「かまわん。その分、お前が私の手伝いをすればいいだけなのだからな」
「ああうん、なるほど。ありがとうサンタオルタ。じゃあよろしくお願いするよ」
「任せておけ。それでいいな、盾の娘?」
「……はい」
ぽそりと蚊の鳴くような返事をするマシュ。それが聞こえたのか聞こえなかったのか分からないが、サンタオルタは先に歩みを進め始めた。その背中を追うようにオレ達も歩き始める。召喚部屋へと向かう道中、オレ達の間に会話らしい会話は無かった。
……こんな気まずい感じになるんだったら、召喚は先延ばしにしていた方が良かったかもしれない。マシュを落ち込ませるだけじゃないか、と自分自身を心の中で罵倒する。だが、今更やっぱり今日は止めておこうと言うと、マシュが自分に気を使われたと分かって余計落ち込んでしまうかもしれない。
結局この堂々巡りの思考は、召喚部屋にたどり着くまで続くのだった。
召喚部屋へと到着するとサンタオルタに急かされるままに召喚を行う。10連1回分に呼符が7枚。平均ぐらいの素材である。最初の10連はまあいつも通りの結果だった。すでに宝具レベルMAXなサーヴァントや礼装ばかり。うん、まあそうだよね。
次の呼符についてだが、すでに6枚目を用いての召喚は終わってしまった。結局新宿に関係するようなサーヴァントは1体も現れていない。サンタオルタも飽きてきたのか、どこからか取り出した新しいターキーを口にしている。いや、あのここも飲食は禁止なんですが……えっ?『私がルールだ』?流石はオルタ。良い暴君っぷりです。
「トナカイ……モグモグ。お前の召喚運は……モグモグ。相変わらずだな……モグモグ」
「とりあえず、そのターキー食い切ってから喋ろよ。何言ってるか何となくわかるけどよ。あと無表情でモグモグすんな」
「サンタオルタさん、よくそんなに食べて太りませんね……」
「サーヴァントの姿が変わるわけないだろう。故に太るわけもない」
「そう、ですよね。サーヴァントなら、ですよね……」
いつもであれば何気ない会話の1つであっただろうに、サンタオルタの言葉を変な風に受け取ってしまったマシュは再びションボリと落ち込んでしまう。ううむ……これはさっさと召喚を終わらせた方がいいかもしれない。
そう考えたオレは、最後の呼符を使い召喚を試みる。波紋上に広がる光の帯は3本ライン。つまりはサーヴァントが召喚されたということだった。そうして現れるクラスカードは銀色の枠のアーチャークラスのカードだったがすぐにバチバチと光を放ちその色を金色へと変化させる。
まさかこの状況で高レアのサーヴァントが来てくれるとは思っていなかったオレは思わずぽかんとその様子み目を奪われてしまう。やがてお馴染みの爆発するような閃光が炸裂して、召喚された者の正体が見えてきた。
黒く変色した鍛え上げられた肉体。対照的に短く刈り上げられた真っ白な髪。冷徹、冷血、冷酷といったただひたすらに冷たい印象を与えてくる瞳。その手には銃に改造された夫婦剣を持ち、コツリコツリと靴音を鳴らしてゆっくりと近づいてくる。
召喚されたものの正体が分かった瞬間、オレは思わず表情を強張らせた。サンタオルタが警戒するようにオレの隣に立ち、サンタオルタとは反対隣にマシュが控える。そんなオレ達の様子を見ると、召喚されたサーヴァントは小さく鼻を鳴らした。
「――お前がマスターか、ひどい面構えだ。まあいい、おかしななりをしているがこれでもアーチャーだ。精々上手く使え」
そう言って、ただひたすらに冷たく淡々と『エミヤ・オルタ』は口上を述べる。まるで――自分は戦いの道具。機械のように扱えと言わんばかりに。
「……エミヤ・オルタ。召喚に応じてくれたのはお前だったのか」
「別に応じたくて応じたわけではないがね。アンタとの縁が少なからずできていて座がそれを紡いだ。それだけの話だ」
「だとしても来てくれたのは嬉しいよ。これからよろしく」
「ああ、命令するのであればいくらでも敵を殺してやろう。あいにく、俺にはそれしかないのでな」
手に持っていた改造干渉・莫耶をしまうと皮肉気にエミヤ・オルタは笑う。新宿では敵対し、最後の最後でようやく共に戦いもしたがそれはあくまで共通の敵がいたからに過ぎない。完全に味方になったわけではなかったため、こうして召喚できたことは素直に嬉しく思う。ただ……
「――それで、そこのセイバー。先程から俺に殺気を飛ばすのを止めてくれないか?仮にも今は味方なんだがね。反射的に撃ってしまっても文句は言えんぞ?」
「私は貴様が新宿で出会ったセイバーではなくサンタオルタだ、アーチャー。反射的に味方を撃つような貴様を警戒するなというのが無理な話だろう」
「だから、その殺気を抑えてしまえばいいだけの話だと言っているのだ。それとも、力づくで大人しくさせてやろうか?」
「貴様のような奴が私を抑え込むと?面白味のない冗談だな、アーチャー」
「どういう考えを持ったかは知らないが、反英霊に片足突っ込んでいるにも拘らずそのような道楽に興じている貴様など恐れるに足らん」
「……言ったな、貴様」
次の瞬間、サンタオルタの手には黒に染まった聖剣が握られておりエミヤ・オルタへと大上段から斬りかかっていた。エミヤ・オルタもほぼ同時のタイミングで改造された剣を両手に取り、交差させるように受け止める。ズゴンッ!と召喚部屋に衝撃が走った。
「先輩!このまま戦わせては……!」
「止めろ2人共!カルデアを破壊するつもりかッ!?」
オレは鍔迫り合いを続ける2人の間へと止めに入る。流石にマスターであるオレの命令に逆らうつもりはないのか、2人共すぐのその矛を収めてくれた。もっとも片や馬鹿にするような視線、片や射殺すような視線は結ばれているままだったが。
「ふんッ……マスター、俺は適当に過ごさせてもらう。出撃があるようだったらいつでも呼べ」
そう言い残し、エミヤ・オルタは召喚部屋を去っていく。その背中からは幾度の戦場を切り抜けてきたという強さだけが感じた。そう、人としての感情など微塵も感じさせない、ただ力という暴力的な強さのみを。
「――あいつはな、腐っている」
「サンタオルタ?」
ポツリとサンタオルタが口を開く。手に持ったままの聖剣をギュッと強く握りしめ、どこか悔しそうに表情を歪ませた。
「自らが望んだ理想を忘れ、思想を捨て去り、ただ効率だけを求める機械に成り下がり殺戮を尽くす。非道と言われようが外道と言われようが、与えられた使命だけを全うするだろう。その過程にどれだけの味方や非力な人間の亡骸が出来上がろうと、あいつは冷酷に切り捨てる。……例え、それが自分自身であっても」
「…………」
「馬鹿な男だ。かつての剣の如き強靭な魂など今となっては見る影もない。ただ『正義』という道を突き進もうとしただけなのに、正しいことをしようと奔走しただけなのに愚かにもその道を誤ったのだ。これを馬鹿と言わず何と言う」
「サンタオルタさん……」
「何があいつの魂を失墜させたのかは、今となってはどうでもいい。どう足掻いても奴は魔道へと落ちた道を今更正すことなどできはしない」
もしかしたら、彼女はエミヤの生前を何か知っているのかもしれない。そうとしか思えないほど、今の彼女は雄弁にエミヤ・オルタのことを語っていた。
サンタオルタとしてではなく、『アルトリア・ペンドラゴン』としての彼女。その過去を聞き出すことは無意識のうちに憚られた。
「だがな、トナカイ。あいつはそれでも『悪』ではない。至る所が腐りきっていても、その心の奥底に眠るちっぽけな部分は変わっていない。確かに目的の為に手段を問わないやり方は『正義』と言い難い。しかし、今となってはあれがあいつなりの『正義』なのだ」
「『正義』……」
「もちろん、トナカイにまで『正義』を押しつけるつもりはない。『正義の味方』はある種の呪いだ。1度憑りつかれると過酷などとは生温い道へと進んでしまう。そのことを忘れるな」
厳しく言いつけるようにサンタオルタはその綺麗な瞳をオレへと向ける。『正義の味方』。子どもの頃であれば誰もが1度は描く希望の光。しかし実際は、それはあまりに重く険しい道のりだった。エミヤ・オルタは……いや、エミヤとして在った頃の彼はどれほどの重圧に耐えながらその刃を振るい続けたのだろう。何も知らないオレが理解することなど……到底無理だった。
「――それと、盾の娘。貴様にも言っておくことがある」
「えっ?わ、私ですか?」
「そうだ。あの大馬鹿者にはおそらく『正義』を貫く支えとなった人物がいなかった――いや、
「はい……」
「本気で言っているだとしたら貴様も大馬鹿者だ。このトナカイが何の為に貴様と共に在ったと思う?サーヴァントとしての力が欲しかったからか?」
「ちが……います……」
「何の為に人理を救ったと思う?栄誉が欲しかったからか?」
「違います……先輩は……」
サンタオルタの問いかけに胸元を抑えて苦しそうに答えるマシュ。あまりにも悲痛な様子にサンタオルタを止めようとも思ったが、彼女の放つ圧力に言葉が出て来なかった。
「そこまで答えられるのであれば後は分かるだろう?今一度自身の在り方を考え直すといい。トナカイが大馬鹿者にならぬようにな」
ポンとマシュの肩に手を置いて、静かに諭すように言い聞かせる。そしてエミヤ・オルタと同じように召喚部屋から去っていくサンタオルタ。
「エミヤ・オルタ……。これが
部屋から出る際、悲しそうな言葉を彼女から聞いた気がした。
~次の日 マイルーム~
昨日の事から一夜明けて、マシュがマイルームへと訪れた。その表情は昨日と比べて憑き物が落ちたように柔らかだった。
「先輩、昨日はすみませんでした」
「いや、マシュは悪くない。本当はオレが謝らなきゃいけないことだよ。色々無神経で悪かった」
「先輩が謝る事なんてないんです。ただ、私が勝手に落ち込んでしまっていただけで」
「…………」
「私、昨日サンタオルタさんに言われて一晩考えてみました。サーヴァントとして今の自分に何ができるんだろうって。今までは盾も使えなくなって、サーヴァントしてのステータスも失って、このままじゃ先輩のお役に立つことなんてできないと焦ってしました」
「そんなことない。マシュは今までもずっとずっと頑張ってくれてただろ?役に立ってないなんて思ったことないよ」
オレの言葉に嬉しそうに笑顔を浮かべるマシュ。うん、やっぱりマシュは素直な笑顔が一番だ。
「ふふっ、ありがとうございます。先輩ならそう言ってくれるだろうと相談したダヴィンチちゃんにも言われました。でも、私はもっと先輩のお役に立ちたいんです」
「マシュ……」
「――だから、今は自分にできることをしようと思います。傍にいることは難しくなってしまいましたが、それでも先輩を支えたいんです。サーヴァントとして先輩をお守りすることはできませんが、私にできる精一杯で――キャッ!?」
限界だった。オレはマシュの身体を抱きしめた。かつて冠位時間神殿ソロモンから帰還した時にマシュがしてくれたように、優しく彼女の身を包み込む。
「せ、せせせせ先輩ッ!?ああああの!その!わ、わた、私は……!」
突然の事態に処理が追い付いていないマシュはアワアワと慌てた様子で、それ何語?というような言葉をポロポロ零している。思わずその様子にクスッと笑ってしまった。
――
包み込んでいたマシュを離す。彼女は顔を真っ赤に染め、少しだけ潤んだ瞳でオレを見つめている。あまりに艶っぽい姿に赤面しながらもの、決してその視線から目を逸らすことはなくオレは彼女へ笑いかけるのだった。
ということで、うちの新たに加わったのはエミヤ・オルタさんでした!わーい、ドンドンパフパフー!
まさかエミヤがいないのに先にこっちが来てしまうとは……。スキルの発動タイミングなどが難しいですが、滅茶苦茶固いですよね彼。宝具もかっこいいですし。
まあ、それよりも色々重たい過去を背負っていますね彼。ここまで変質してしまうとは……。件の『妙な女』は何をしやがったんだ(魔性菩薩を見ながら)
再臨させるのも中々辛いです。素材とかではなく、彼の姿と言いますか心情と言いますか。どうしてこんなになるまで……!という気持ちになります。
どうでもいい話ですが、新宿はストーリーに合わせてマシュを使わない縛りで行きました。おかげで防御面が心もと無さ過ぎてめっちゃ苦労しました。日頃マシュにどれだけ頼っていたのか実感しましたね。
さて、次回の内容は復刻されたぐだぐだ本能寺のお話です。もうお分かりですね?100%ギャグです。ぐだぐだです。えっ?プロトセイバー?察してください。
このガチャにて、僕こと四季燦々。またまたやらかしました。詳しくは次回をお楽しみに!
次回はもう少し早く投稿できたらいいなぁ……。というか、イベントポイント稼ぎがなかなか大変。