うちのカルデアに星5の鯖がようやく来たんだけど、全クラス揃えるとか夢物語だよね?   作:四季燦々

19 / 36
なんとか8月中にもう1度投稿できました!ギリギリだったけどね!

今回は最初の水着イベのお話です!このイベントは面白かったですよねー。まるでダッ〇ュ島のようでした。自由に島をカスタマイズできるのは楽しかったです。

そして何よりも、水着サーヴァントの可愛さ!いやー、たまらんですわー。皆超可愛いくてマスターたまらんですわー。

と、そんな感じで本編をどうぞ!


無人島の開拓をしてきたんだけど、それよりも水着美女の方が重要だよね?

「いっきますよー!勝つのは無理でも少しぐらい粘らせてもらいますからね!」

 

「ふふっ。どこからでもかかってくると良い。手加減は一切無用だ」

 

「このマシュ・キリエライト。全力で先輩のサポートをさせていただきます」

 

「せっかくの砂浜での娯楽なんですもの。私も思いっきりやっちゃうわ」

 

どこまでも抜けていくような蒼い空。それとはまた違った澄み渡る碧の海の水平線ではモクモクと入道雲が伸びている。照りつける太陽によりオレ達の足元の砂浜はジリジリと焼き尽くすような熱を発して気温もこれでもかと上昇。だがその暑さに負けないぐらい、両者の間にはバチバチと火花が散っていた。

 

――ここは無人島。いつか訪れたあの島とは別の自然豊かな静かな島。そんな場所の砂浜にて今、互いの尊厳を賭けた大いなる戦いが始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ことの発端と言えばいつも通りと言えばいつも通り、我がカルデアが誇る天才ダヴィンチちゃんの提案である。季節的に世間は夏という季節が訪れているが、カルデアの周囲は基本雪で覆われているため海水浴などはできない。まあ、何故か施設内は真夏のように熱いという不思議現象が起こっているのだが。

そこで、外で夏を楽しむことができないのであればどこか適当な無人島にレイシフトして夏を謳歌してきてはどうかと提案されたのだ。

 

もちろんオレを始めとするサーヴァント達――特に去年無人島での鉄腕(開拓)生活を送ったサーヴァント達は大賛成。早速準備をして今いるこの島へと訪れたというわけだ。流石に私情が過ぎるのではないかと心配になったが、ダヴィンチちゃんを始めとする水着師匠ことアサシンクラスに霊基をチェンジさせたスカサハさんやキャスターにクラスチェンジしたマリーさん。ランサーなのにルーンもお手の物の槍ニキなどなどが完璧な証拠隠滅を図るということで無問題になった。魔術の力ってすげー。

 

ということで早速レイシフトし、こうして夏の娯楽に勤しんでいるのである。ちなみに互いの尊厳を賭けた大いなる戦いというのはあくまで誇張表現であり別に何か賭け事をしているわけではない。

 

「行きますよー!おりゃっ!」

 

「なかなか悪くないコースだ。だが、威力もスピードも及第点には程遠いなマスター!」

 

「す、凄いです!一瞬でボールに追いついてしまいました!?」

 

「流石はアサシンクラスということかしら?私目が追い付けないわ」

 

「行くぞっ!はぁっ!」

 

「ええっ!1人でレシーブとトスをっ!?」

 

「予想はしてたけどやっぱ無茶苦茶だなスカサハさん!」

 

「こんなもの鍛錬に比べれば準備運動にもならんぞ!それっ!」

 

「――先輩そっちに行きました!」

 

「おうよっ!先輩にお任せあれだっ!」

 

「――甘いなマスター。その球、『消えるぞ?』」

 

「「――き、消えたっ!?」」

 

「あらあら。これはどういうことかしら?いつの間にかボールが落ちているわ」

 

「ふっ。まずは私の先制だな」

 

――とまあ、こんな感じで皆仲良くビーチバレーである。もっともオレとマシュとマリーさん対スカサハさんの変則マッチだけどな。つかその技、球技違う上にサーブ技なんですがそれは……。

 

やはりサーヴァントということは抜きにして、戦闘民族ケルトとは基本的なスペックが違うということを思い知らされる。スカサハさんビーチバレーなんてやったことがないはずなのに速攻でルールを把握し、なおかつ王子様もビックリな技まで生み出してしまっている始末。

 

「はあぁぁ……。異様に疲れた……」

 

「途中からスカサハさんもテンションが上がってしまっていましたからね。やはり夏になるとコンディションが良くなるのでしょうか」

 

「霊基的に関係ないとは言えないかもな。でもオレは心に決めたぞ。2度とあの人相手に勝負は挑まん」

 

試合が終わったことによる疲労からパラソルの下で横になるオレとマシュ。そこに赤いワンピースタイプの水着を身に纏い、何故か頭部にちっこいカニを乗せたマリーさんがパタパタと寄ってくる。彼女の場合試合には参加していたものの、うふふと笑っていることが大半だったためほぼボールに触っていない。実質オレとマシュ2人でスカサハさんを相手にしていた。一応キャスターのマリーさんは武器がビーチバレーボールなため扱いは上手いはずなんですけど……。

 

「ねえマスター。私にもさっきのボールが消えてしまうやつできないかしら?」

 

「あー、うん、スカサハさんに教えてもらえばいいんじゃないですかね?」

 

ぐでーと疲れている状態でそう伝えると、マリーさんはあらあらと太陽とは違う意味で温かみのある聖母のような笑みを浮かべてくる。

もはや語るまでもないと思うが試合はスカサハさんの独壇場だった。何あの人。どこにボール打ち込もうと余裕で対処してきたんですけど。むしろオレやマシュが打ちミスってコート外に飛んで行ったボールすら、これで試合を終わらせてなるものかと完璧に捌ききってたんですけど。おかげでメッチャ長引いたわ。

ただ、紫色のビキニの下で揺れるたわわが実にいい動きを見せてくれていたのでオレとしては勝敗は割どうでも良かったりする。実際、師匠ものすごい美人だしね!ちなみにその件の師匠はというと新たな対戦相手を求めてどこかに行ってしまった。相も変わらずバトルジャンキーである。

 

「いや、やっぱやめといたほうがいいんじゃないです。ほら、スカサハさんって教える立場になると容赦ないですし。マリーさん倒れちゃいますよ?」

 

「うーん。確かについていけないかもしれないわね……。残念だけれど、あんまりお日様の下に居過ぎると皆が心配しちゃうわ」

 

皆とは騎士、医者、音楽家とは別に、このマリーさんのポワポワ感にノックアウトされたカルデア職員達も含まれると余談だが話しておこう。オレ?言うまでもないね。

自分の顎に指を当て、うーんと難しそうな顔をする可愛らしい女王様。彼女の場合狙ってやっているわけではないのに非常に絵になり、もうそれを見ているだけでポワポワパワー炸裂である。うり坊が本能的に懐くのもよく分かる。

 

「それでマスター!次は何をしようかしら?私、少しお腹が空いちゃったから、えっと……『やきそば』だったかしら?それが食べてみたいわ!」

 

「えっ?焼きそばですか?それは準備が必要ですから無人島であるここじゃ無理だと思うんですけど……」

 

「先輩先輩。その点は心配ないかと。先程ブーディカさんやタマモキャットさんがかき氷器とか鉄板とか持ち込んで色々作ってましたよ」

 

「準備良すぎじゃないですかねうちのシェフ陣。あれかな、去年は礼装のみの参加だったり自分のオリジナルしか夏を楽しめなかったからかな?」

 

「どうなんでしょうか。あと意外な事にクー・フーリンさんも鉄板料理作ってるみたいです」

 

料理できたのか槍ニキ……。マシュからの報告に兄貴が焼きそばを作る絵を想像してみる。うん、何かよく分からんがすげえ似合うな。

 

「じゃあ、1つもらいに行きましょうかマリーさん」

 

「ええ!どんな味がするのかしら。私楽しみだわ!」

 

子どものようにはしゃぎ先にパタパタと行ってしまうマリーさんを見てオレもマシュも和む。彼女を見ていると自然と笑顔になってしまうので、きっと彼女の笑顔にはポワポワパワー以外にもリラックス効果もあるに違いない。

 

「ふふっ。子どもみたいですねマリーさん」

 

「去年の無人島は開拓やら脱出やらで余裕がない部分もあったからな。こうして全力で羽を伸ばせるから気が楽なんだろ」

 

「私もまさかこうしてまた水着が着れるとは思っていませんでした。去年はその……身体のこともありましたし」

 

「……ああ。またこうやってマシュと海水浴を楽しめてオレも嬉しいよ」

 

サンダルで砂浜の上に2人の足跡を刻む。それだけであの死ぬかもしれない戦いを潜り抜けた甲斐はあった。

 

「そ、それでですね、先輩。今年のはまだ……その、ちゃんと聞くことができなかったので聞いてもいいですか?」

 

「うん?どした?」

 

かなりシリアスな思考に浸っていたオレだが、それは身体の前で指を絡ませモジモジと身じろぎするマシュの様子に掻っ攫われた。紫色の髪から覗く耳は僅かに赤く染まり、どこか緊張したような面持ちの見える。えっ、どしたん?

 

「――あ、あの。私のこの、み、水着……どうですか?」

 

コフッ!?と沖田さん張りに吐血しそうになった。『おいおい、あいつ死んだわ』と脳内ボイスが聞こえる。いやいやいや。そんな真っ赤になりながら聞くとか卑怯でしょこの後輩。相変わらずの先輩特攻でオレのライフは0よっ!

 

「似合ってる」

 

「あ、ありがとうごz「超似合ってる。最高に似合ってる。可愛い。マジ可愛い。うちの後輩可愛いヤッター!」そ、そこまでは聞いてないです!」

 

照れマシュいただきましたぁぁぁ!!!これだけでも戦いを潜り抜けた甲斐がある(キリッ

 

さて、現在顔を真っ赤にして頬を両手で押さえているマシュが着ている水着について今一度説明しよう。現在彼女が身に着けている水着は去年の無人島の時に着用していたワンピースタイプ水着ではなく、今年になって改めて用意されたビキニタイプの水着である。もう1度言おう。()()()()()()である。

 

日頃の彼女にしては水らしく蛍光色の黄色をベースにしたビキニはスポーティー感溢れる逸品である。胸元に彼女のシンボルである盾を小型化したような首飾りを揺らし、ネロ風に言うなら『ナーイス、ナイス。ナイスバディ!』という美麗なプロポーションをこれでもかっ!と強調している。つか、ぶっちゃけ色々際どい。誰だこんな水着用意したのは。まったく……グッジョブ!

 

「あの、先輩……。感想を求めておいて申し訳ないんですが、そこまでじっくり見られると恥ずかしいです……」

 

片手でその豊満な胸元を、もう片方の手で下の部分を隠すようにモジモジさせるうちの後輩がビーチの天使過ぎる。恥ずかしいって?ダイソン並みに視線が吸い込まれちゃうんだよ!

 

「……そういや、その水着って元々礼装用だったっけ?」

 

「は、はい。ダイビングをしている様子が欲しいからということで。なるべく動きやすいものを、とカルデアの技術班の方々が」

 

「技術部のスタッフぐう有能」

 

「えっ?」

 

「いや、何でもない。感謝するべき相手が見つかっただけだから」

 

「は、はあ……。先輩は時々よく分からないことを口にしますね」

 

いかんいかん。ついこの素晴らしい水着を開発した技術スタッフさん達への感謝の気持ちが溢れてしまった。本当にありがとうございます!

 

「もーう!マスター!マシュー!早くこっちに来てくれないかしらー!」

 

「あっ、マリーさんが呼んでますよ先輩!」

 

「いっけね。行こうマシュ!早く行かないとマリーさんの機嫌損ねちまう」

 

オレ達が着いてきていないことに気づいたマリーさんが離れたところから手をメガホンのようにして呼ぶ声が聞こえた。遠くてよく分からないが少しばかりプンプンと頬を膨らませているように見える(可愛い)

 

遅れて彼女に追いついたオレ達は謝ると、彼女はすぐにニッコリと笑みを見せる。それからは遅れることなくブーディカさんやキャットや槍ニキが調理している場所へと3人で向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、ここらへんでいいかな?ダヴィンチちゃん、そっち的にどう?」

 

『うん、問題ないね。そこなら霊脈も安定しているしフェイトからのパスも繋げるだろうからしばらく待っていたまえ』

 

そこで一端カルデアとの通信が切れる。ここは無人島のある一角。先程までビーチバレーだのなんだのと遊んでいた場所の反対側に当たる場所だ。周囲を崖に囲まれてはいる中にひっそりとした小さな砂浜があり、騒然としていた先程の場所と対比されるように物静かだ。海が透き通るような翡翠色で漂い、押しては返すゆったりとした音を奏でる。大勢で来るよりも誰かと2人っきりで来たくなるような場所だった。

では何故そんなところに居てダヴィンチちゃんと通信を繋いでいたのかというと、これには深ーい事情がある。

 

「これで皆を呼ぶことができるのかしら?」

 

「さあな、そればかりはマスターの運次第というわけだ。そういうことだが――よ、自信はあるのか?」

 

「石も呼符もそれなりに用意はありますから、1人ぐらい呼んでみせますよ」

 

「むっ。そこは男らしく『自信しかない!』ぐらいの気概を見せ――ああ、いや。お前の運じゃ厳しいか」

 

「師匠師匠。そこで諦めないで。もっと自分のマスターを信じて」

 

残念そうにため息つくのやめて。マスター地味に傷ついちゃうから。

 

「それにしてもまさかマリーさんから先輩に召喚のお願いがあるとは思いませんでした」

 

「だって、せっかく去年滞在した島と似たような場所にいるんだもの。あの時の皆も呼んでもっと遊びたいじゃない?」

 

きっかけは先程ブーディカ作のゴージャスかき氷と槍ニキ作の焼きそばを3人で堪能していた時のことである。ふと、マリーさんが島に行ったサーヴァント達を呼んでもっといっぱい遊びましょう!と表情をキラキラさせながら提案してきたのだ。元々この島でのバカンスから戻り次第カルデアで召喚を試みるつもりだったのだが、どうせならこの島で召喚できないかと考えた。なんかこう、無人島が触媒になるだろう的な適当な理由で。

 

そこでダヴィンチちゃんに召喚が行えるだけの霊脈を探してもらい、そこに現在カルデアの召喚システムであるフェイトのパスを繋いでもらっているのだ。

 

『おーい、――君。接続完了だ。いつでも始めてくれて構わないよ』

 

「ありがとうダヴィンチちゃん。急なお願いだったのに」

 

『なーに、これくらい万能な私にとって朝飯どころか起床前さ』

 

いや、流石にそれは意味が分かんないです。

 

「あら?準備できたのかしら?」

 

「ええ。準備完了です。早速始めますね」

 

「そう!ふふふっ!楽しみだわ。頑張ってマスター!」

 

「ふむ。マスターのお手並み拝見といこうか」

 

「スカサハさん、あまり先輩にプレッシャーをかけないであげてください。先輩、頑張ってくださいね」

 

水着の美女、美少女達に期待される。こんなに嬉しいことが他にあるだろうか。いやない(反語)

 

「おっしゃー!やったるでー!」

 

気合は十分。今回の召喚の為の石と呼符も十分。もう何も怖くない(フラグ)

とりあえず呼符からいってみようか。

 

砂浜に刻まれ、スカサハ師匠のルーンによって固定された召喚陣の中に呼符が吸い込まれ、カルデアでの召喚されるときと同じような青白い閃光が辺りに溢れる。その光量に驚いたのか近くの木から野鳥がバサバサと飛び立っていった。あっ、騒がしくしてごめんね。

 

砂浜(召喚陣)の中からクラスカードが現れる。その色は銀色――いや、バチバチとカードから小さな電のような魔力が飛び跳ね、銀色から金色へと変化する。刻まれる紋章はというと――魔術師の刻印だった。

 

あっれー?何だか見たことがある光景だぞー?具体的には去年の夏に見たような気がするぞー?チラリと傍らに立つ彼女達を見る。マシュとスカサハさんは去年の召喚の時に立ち会ってくれた時のことを思い出したのか苦笑い。唯一マリーさんだけがきょとんとした顔をオレに返しにきた。そんなマリーさんの現在のクラスは――()()()()()である。

 

いやいや。もしかしたらすり抜けという可能性もある。玉藻さんがクラス間違えてキャスターで来てしまったのかもしれないし、イベントフライングしてうっかりファラオことニトクリスさんが来たのかもしれない。うん、そうに違い――

 

 

 

 

 

 

 

「――浜辺は好きよ。大好き! あなたも皆も、きっと楽しみましょうね? ――ヴィヴ・ラ・フランス! あら? 頭にカニさんが乗ってるわ。 ふふ、ごきげんようカニさん!」

 

――予想をぶっちぎってくれることを祈っていたが、その願いは神には届かなかった。召喚されたのは紛れもなくキャスターのマリーさん。ものの見事に去年の再現となってしまった。

 

「マリーさんが2人……!来るぞマシュマ!」

 

「ええっ、いきなりなんですか!?というかマシュマって誰ですか!?」

 

「あらあら。私だわ!もう1人の私だわマスター!」

 

「くっくっくっ!やるじゃないかマスター!いきなり大当たりだぞ」

 

オレの突然のフリに対応できず右往左往するマシュ。もう1人の自分が召喚されて大興奮のマリーさん。予想通りの召喚結果に珍しく笑い声をあげるスカサハ師匠。くっ!結果だけ見るなら嬉しいのにダブってしまったから素直に喜べない……!

 

「あら、私がいるわ。マスター、2回も私を呼んでくれるなんてすっごく嬉しいわ」

 

「ええ、ええ。流石はマスターだわ。これで私達ビーチバレーでコンビが組めるわね」

 

「それは良いアイデアね私!早速やりましょうマスター!」

 

「コートはすでに作ってあるわけだし、マスターはマシュと同じチームということでいいかしら?」

 

「待て待て待てッ!どっちが喋ってんのか分かんないですから!エウリュアレさんとステンノさんみたいになってますから!」

 

ええいっ!あっちと違ってこっちは完全に同一人物だから本気で分かんなくなるぞ!頼むからステレオ音声で話さないでください!

 

その後、どうにか落ち着いてもらったマリーさん達。後で遊ぶ約束をして、元々いたマリーさんはここに残り、今召喚された彼女は呼び出したデオンに付き添ってもらって先に他のサーヴァント達の下へと向かってもらった。被ってしまった以上宝具強化を手伝ってもらうことになるから、それまでの間はバカンスを楽しんでもらおうと思ったからである。

 

2人の姿が見えなくなってから再び召喚を続ける。が、呼符での召喚はそれ以降ガッツリ爆死してしまった。おいおい、限定礼装どころか星4の礼装すら出ないんですけど。いや、去年の礼装があるしそこまで限定礼装欲しい訳じゃないんだけどね。カーミラさんの礼装、正直超可愛いよね。

 

「流石に運を使い切ったか」

 

だから師匠見限るの早いよ!もうちょっと頑張ってよ!マスターも頑張るから!次は最近ノリにノッてる10連だから!

 

「やっぱり他の皆には会えないのかしら……」

 

「元気出してくださいマリーさん。先輩は精一杯やってくれてますし、ダメかもしれませんがもう少し待ってみましょう」

 

「師匠これっ!この信じる心!大事ですよ!」

 

「いや、微妙にマシュは信じていないような気がするが……」

 

聞こえない聞こえない!そんなオレの希望を打ち砕くような言葉は聞こえない!まずは10連1回目だ、おらぁぁぁ!!

 

「礼装、礼装、あっ、アタランテさんの礼装ですね。おやっ?これはテスラさんとエジソンさんの礼装です。これは初めて入手ですね。あとは……目ぼしいものはありませんね。普通の召喚結果です」

 

「ちっくしょぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

召喚されたものを皆で回収していく。礼装はほどんど見慣れた者ばかりで、唯一エレクトロ発明家コンビの礼装が初。召喚されたサーヴァントはいつもの星3勢だった。ちなみに牛若丸ちゃんにハサンさん、ジキルさんでした。すげえ安定感(白目)

 

「マスター……」

 

「先輩……」

 

「OKOK!そんな心配そうな目で見るなって!まだあと10連1回分の石はある!これで決めてやる!絶対だ絶対!」

 

だからそんな寂しそうな眼を向けるのはやめてくれっ!しょうがないじゃん!最近運気上がってきてるとはいえ元々の幸運のランクが底辺なんだから!これ以上落ちようがない最低ランクだったんだから!

 

「マスター。あまり気負い過ぎるなよ」

 

「さっきまで一番期待して無かった人に一番心配された……!」

 

フォローがこんなに痛いものだとは知らなかったぞ……。にゃろう!こんなったら意地でも引いてやんよっ!何より水着美女少女の喜びの為に!あと、個人的に水着サーヴァントが増えて欲しい欲の為に!(野心)

 

「水着の神よ……!我に幸運を……!」

 

「どう考えても不純な神様だと思います」

 

「私が殺してやろうか?(神殺し)」

 

貴方今クラス違うじゃないですかヤダー。というか人が祈りを捧げている神を殺そうとすんなし。ゲイ・ボルクを自身の周囲に突き立てる師匠を横目にオレは召喚サークルに石を投入。さあさあさあ!そろそろ来てくださいよーマジで!

 

「――おや……?この反応は」

 

「うむ。金色だな」

 

「ええ、金色ね」

 

「おっしゃあ!金色じゃああぁぁぁ!!」

 

ポンポンと礼装が召喚される中、一際強い輝きを見せる召喚反応があった。やがてその光の帯は白色から金色の輝きへと変化。中心から徐々にクラスカードが露わになる。

 

「このクラスは……!」

 

「あら?何だったかしらこのクラス?」

 

「珍しいクラスが来たな。これは『ルーラー』のクラスカードだぞ、マスター」

 

師匠の言う通り現れたのは裁定者が刻まれた金色のクラスカード。高レベルのルーラーのサーヴァントが召喚されたということを意味し、ましてや今は水着サーヴァントの召喚を試みている状況。つまりは、十中八九あの人物が召喚されたということである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「───マルタ。改めて参りました。どのような姿であろうと、私は私です。───迷いなく、あなたと共に世界を救います」

 

「グラップラーウーマンという名の殴ルーラーだぁぁぁぁぁ!!」

 

――ドォン!と破裂音のような音を響かせて大気が揺れた。一瞬遅れてブワッと風が巻き起こりオレの髪を巻き上げる。召喚できた歓喜に震えていたオレのテンションが一気に急降下し、ガクガクと震えながら目の前で拳を突き出す(拳)聖女の表情を確認する。

 

「今、私のことをなんて言ったかしら?(笑顔)」

 

「すんまっせんでしたぁぁぁぁ!!」

 

砂浜が熱いとかそんなことは二の次。姐さんに慈悲を請う舎弟のように土下座。マスターとしてのプライド?殴られたら頭パーンする相手には不要でしょ(恐怖)

 

「まったく、ようやく呼ばれたと思って来てみれば相変わらずの緊張感のなさ。本来英霊召喚というはもっと神聖なもののはずなのよ?……はずですよ?」

 

クドクドと素の喋り方と聖女っぽい喋り方を織り交ぜながら砂浜に正座するオレに説教を垂れるこのBB絶対殴り殺すウーマンさん。流石、ベオウルフさんを殴り倒すだけのことはあるぜ!容赦がない!

 

「マ・ス・タ・-?今何を考えていたのかしらぁ?そろそろ拳で語ってほしいのかしら?」

 

「いいいいいいえ!!何にも考えてないです、ハイ!」

 

ごめんなさい!ごめんなさい!と何度も頭を下げるオレの姿に怒りを通りこして呆れてしまったのか、鉄拳の女神(アイアン・ビューティー)ことマルタさんは1つため息をつくとオレへと手を差し伸べてきた。

 

「ほら、いい加減その悲しくなるような弱腰やめなさいって。これからまた私のマスターになるんだしシャキッとして頂戴」

 

「はーい」

 

差し伸べられた手を取ると女性とは思えない力で引っ張り上げられる。流石は肉弾戦を主とするマルタさんであった。でも、握った手がとても拳で語るような人物の手とは思えないぐらい柔らかかったし、黒いビキニ凄く色っぽくて前見たことがあるとはいえちょっとドキドキしました、まる。

 

「マルタさん!お久しぶりです!」

 

「久しぶり聖女さん。また会えて嬉しいわ」

 

「良い鍛錬の相手が来てくれたようで幸いだ」

 

「マシュ、マリーも久しぶりね。またよろしくお願いす――しますわ。あと、そこの水着ケルト。なんで戦うこと前提なのかしら。戦わないからね!」

 

わちゃわちゃと女性陣で大いに盛り上がる様子をオレは眼福眼福と笑顔で見守る。いやー、新たに水着美女が増えてマスターはとても嬉しいですわー。こう、あれだね。ここは楽園だね(悟り)

 

「そうだわ!聖女が来てくれた今なら、『びーちばれー』も勝てるかもしれないわ!」

 

「ほう、言うではないかフランスの王妃よ。リベンジということならいくらでも受けて立ってやろう」

 

「ええっ!またやるんですか!?」

 

「あら、何かするのかしら?えっ?ビーチバレー?それなら素手で殴っ――ゴホン、ゴホン!ええ、せっかく現界したんですから、娯楽に興じるのもよいでしょう」

 

そして、一斉に向けられる4対の視線。どうやらさっきの提案は決定事項らしい。オレとマシュが反対したところで人数的に勝てないのだ。

 

「――ああ、空が青いな」

 

照りつける太陽の光を浴びながら、燃え滾る砂浜の上でオレは勝敗はどうなろうと間違いなくボロボロになる未来を想像しながら、せめて彼女達の水着を目に焼き付けようと固く決心するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―黄昏、無人島にて―

 

「今日は楽しかったですね、先輩」

 

「ああ。まあビーチバレーで師匠にボッコボコにされたことを除けばだけどな」

 

「ふふっ。そういって先輩もものすごくはしゃいでたじゃないですか。『負っけるかぁぁぁ!』って気合十分で」

 

「うっ。そう言われると否定できない」

 

日が暮れつつある砂浜にオレとマシュの話し声、そしてゆったりとした波の音だけが穏やかに響き渡る。辺りがオレンジ色に染められ、広大な海岸線に1つに大きな光が沈んでいく様子は自然がもたらす絶景。この情景を今にも切り取ってしまいたくなる美しさだった。

 

今頃、少し離れたところではカルデアへの帰還の準備が行われている事だろう。オレも手伝おうとしたのだがサーヴァント達、それも槍ニキを筆頭に男性サーヴァント達がニヤニヤしながらマシュを連れて散歩にでも行って来い、こっちのことは俺達がやっておくからと半ば強引にオレ達2人を送り出したのだ。そこで行く当てもなかったオレ達は昼間の召喚場所へと再び赴き、そこで今日あったことを話していた。

 

「それにしても、怪鳥音を出し始めてからのマルタさんはすごかったですね。まさかスカサハさんと互角にラリーを続けるとは」

 

「結局はオレ達が足引っ張って負けちまったのは申し訳なかったな。マルタさん全然気にしてなかったけど」

 

「ああいう、お姉さんのような余裕も同じ女性として尊敬しますね」

 

それ、尊敬だけで止めといてね?間違っても見習おうとか思わないでね?マシュが拳で語るようなったりしたらオレ泣くからね(必死)

 

「本当に、楽しかったですね」

 

「……ああ」

 

互いにこの時間を噛み締めるように言葉を零す。この時間が終わればまた特異点を巡る戦いが待っている。そこは何が起こるのか分からない戦場だし、極端な話こうして2人でゆっくりと過ごす時間はこれが最後になるかもしれない。まあ、その場合確実にいないのは特異点に乗り込むオレなんだけどよ。

 

「――先輩、何か悲しいことを考えていませんか?」

 

「……マシュはすごいな。オレのことは何でもお見通しだ」

 

「そんなことはありませんが……。でも、今の先輩の表情が気になってしまって」

 

「まあ、ちょっとな。次の特異点からもちゃんと生きて帰ってこれるかねーってさ。少しだけ考えちまった」

 

なるべく心配させないように明るい雰囲気で言ったものの、マシュは顔を俯かせながら自身の足を抱きかかえて黙ってしまった。言葉のチョイスをミスったかと頭を掻いていると、ぽそりと小さく『嫌です』と聞こえた。

 

「マシュ?」

 

「嫌です。先輩がいなくなるなんて私は嫌です」

 

「い、いや、これはほんの例えみたいな感じで。もちろん、そう簡単にくたばるつもりはねえぞ?」

 

「嫌です。私は先輩と離れたくありません」

 

「あの、ごめん。なんか嫌なこと聞かせちまったみたいで」

 

「嫌です。先輩、ずっと私のそばに居てください」

 

「マシュ……」

 

ふるふるとその細い身体を震えさせながら頑なに嫌としか言わない彼女にどう返せばいいのか分からず困ってしまう。いきなりどうしたというのだ、なんてそんな察しの悪いことは思わない。彼女がここまで意固地になる理由はなんとなく分かっていた。

 

楽しい時間があればあるほど人はそれを失った時の悲しみや絶望は大きくなると聞いたことがあるが、今のマシュはまさしくそれなのだろう。人としての当たり前の生を謳歌できるようなった彼女は短い間にたくさんの思い出を作った。だから、今になって自覚し始めたのだ。それを失うことの恐怖を。思い出を一緒に作ってくれる人物がいなくなることの絶望を。

 

頭の片隅でいつか必ず取り戻すと誓った友達のことが脳裏を掠める。幼いマシュとずっと付き合ってきた彼ならどんな言葉を伝えるのだろうかと想像する。結果、不器用な言葉でワタワタと慌てながらも必死にマシュを元気づけようとするだろうと思い、そんな想像の中の人物に苦笑い。ならば、オレも不器用なりに頑張ってみようと思い――

 

「嫌――えっ?」

 

「――大丈夫」

 

隣に座る彼女の細い身体を抱き寄せる。水着という薄い布切れ1枚でしか覆われていない彼女の身体から直に体温が伝わってくる。片方の手で肩を抱き寄せたまま、もう片方の手で彼女の柔らかい髪を撫でた。

 

「大丈夫だよマシュ。心配しなくても必ず帰ってくる。オレの帰るべき場所はカルデアで、そしてマシュの隣だから。どんな相手だろうとオレとサーヴァントの皆は負けない」

 

オレはマシュの自慢のマスターなんだろ?といつかの彼女の言葉を返す。その言葉を覚えていたのかマシュは少しだけ潤んだ大きな瞳にオレを映した。頬を赤く染めているのは夕日のせいか、それとも。

マシュはしばらく何かを言おうとして口を閉ざすということを繰り返した後、またぽそりと呟いた。

 

「――約束ですよ、先輩」

 

「ああ。もちろんだ。オレがマシュとの約束を破ったことがあったか?」

 

「結構あった気がします」

 

「……ああ、うん。そうかもしれん」

 

あまりの即答に言葉を見失ってしまった。うん、冷静に考えると結構あるな。こりゃ信用ねえわ。

 

「――ちゃんと帰ってきてくださいね。私は先輩と今日みたいな楽しい時間をもっともっと過ごしたいです」

 

「ああ。オレだってまだまだマシュに見せたい世界がたくさんあるしな。必ず帰るよ」

 

絶え間ない波の音に包まれながら、オレ達は迎えに来たサーヴァント達が現れるまで2人で語り合った。これまでのこともこれからのこと。先のことなんか分からないけど、いつか帰る場所(マシュ)がある限りオレは決して居なくならない。その誓いだけは絶対に破らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうでもいい話だが、密着しあっている2人のこの状況をサーヴァント達に揶揄われたのはいうまでもない。




はい、ということでマリーさんが2人目。そして凄女ことルーラーのマルタさんが来てくれました!

マリーさんの宝具強化ができるのはもちろんですが、なにより貴重なルーラー枠のマルタさんが来てくれたことが大きいです。あっ、胸元とかそういうわけではなく。
物理も強いマルタさんはなかなかのチートキャラですね。殴ってよし、回復して良しと非常にバランスがいいです。

この2人、2017の水着イベでの高難易度では鬼門のサーヴァントでしたよねー。マリーさんはやたら無敵3回付与をしてくるわ、マルタさんにはダメージ入りづらいわでかなり厄介でした。まあ、安定のバサクレスさん無双で薙ぎ払ったんですけどね(笑》

そういえば高難易度といえば、第二部の『天の牡牛』がかなり苦戦しました。どうやってもHPを削りきれない。考えた末の結論としてフレンドから借りてWジャンヌシステムで行くことに。これがまあ堅いのなんの。前座であるイシュタルをWジャンヌで殴り倒した後はグガランナを酒呑とWジャンヌで動きを阻害しつつ殴り倒す持久戦。結果誰一人落ちることなくノーコンノー令呪でクリア。やっぱり真の聖処女ってすげえや。

そして、今回は久しぶりにマシュがヒロインしてます。最近出番が少なかったですからねー。本妻の本領発揮です。でも、こいつらこれで付き合ってないんだぜ?(矛盾)
マシュの不安は、新しいものを得たことによって生まれた恐怖ですね。自分の寿命が短いことを悟っており、もはや何もなく消えていくだけだったはずなのに幸運にも命を延ばすことができた。それによって得てきたものを失う怖さを知った、ということです。きっと彼女はこういう経験をこれから先もたくさんしていくことでしょう。

さて、次回は2017の水着イベをやろうかと思っていましたが、まずは星5確定ガチャの話にしようかなと思います。作者の初課金の結果。こうご期待!

では、また次回お会いしましょう!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。