ToLOVEる~変わりゆく運命と恋~   作:叶夢望

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金色の闇回後編です!


第十三話

金色の闇と名乗る少女とかすかに友情が芽生え、互いに自己紹介をした後、奇妙な小さい緑色の地球外生命体が結城リトらの前に現れていた。

 

「おぉい!金色の闇!結城リトを殺せと言ったのに何を仲良くしてるんだ!?お金はちゃんと払ったんだもん!」

 

彼の名はラコスポであり、今回の結城リト抹殺の依頼をした張本人であった。

しかし、彼は金色の闇にありもしない情報を与え、その仕事は無効になったと金色の闇は伝え、ラコスポは怖じ気づいた。

 

「だったらもう一度契約だもん!結城リトを殺せ!」

「嫌です。消えてください」

 

金色の闇は冷たい視線でラコスポを睨み、益々怖じ気づくラコスポは懐を弄り何かを取り出そうとした瞬間、金色の闇はラコスポを蹴飛ばし、その威力はラコスポを空へ空へと吹き飛ばし宇宙へと消えていく力であった。

 

「またつまらない人を消してしまいました」

「オイオイ、どこかの泥棒一味の剣士かい?」

「・・冗談のつもりです」

 

これまでの金色の闇は冗談を言うタイプではなかったし、言う相手も居なかったけど、今日でお終いだ。

本当は彼らと一緒に居たかったけど、任務も無くなったし、宇宙へと帰らなければならないが、主も居ないから途方もない旅になるのは間違いない。

 

「・・・」

 

落ち込む金色の闇はこれからの事を考えると不安で寂しくて悲しいけど、それでも仕方がないのだから。

 

「ああ、そうだ金色の闇ちゃん、だっけ?君は殺し屋なのだろう?少しばかり話というか頼みがあるのだがいいかい?」

 

夕崎梨子の優しい声にその俯いた顔は徐々に上がっていく。

まただ、また金色の闇を利用してくる輩がいるんだと思うと悲しくなる・・だけど、彼女は殺しとかそういう依頼はこないような気がしていた。

確信はないけど、本能で分かるような気がしていた。

藁にすがるように、ゆっくりと彼女の話を進めていく。

 

「うん、ありがとう。ところで分かってはいるだろうが、リトがなぜか知らないけど命を狙われているんだ」

「はい、私の他にも多数存在するでしょう」

「なら、彼を護衛してくれないだろうか?もちろん契約を結んで、ね」

「・・護衛?ですか?」

 

初めての護衛依頼に驚きを隠せないでいた。

いつもならば誰かを排除する任務だったけど、誰かを襲うのではなく護るなんて生まれて初めてであった。

 

「・・はい、では契約をお願いします」

「ふふ、ありがとう。では、契約にあたり以下の条件を踏まえ、それを守り行動する事を誓うとする」

「さすがですね?頭が回っているようです」

「まず一つ、金色の闇はこの地球に留まり結城リトをはじめその周りにいる人物が命の危険に晒された時または危険な事に巻き込まれようとした時は金色の闇の仕事が発令され、その行動は金色の闇自信の判断に任せるとするが、場合によってはその場にいる人物等の判断も取り入れる事とする」

 

夕崎梨子の一つの条件としては、結城リトを護る事を前提としたのは当たり前の処置だろう。

 

「二つ、宇宙人を決して殺してはならず、拘束か敵戦力の無力化を約束とする。ただし、金色の闇がその場に居て、結城リトや金色の闇自身とその友人もしくは知人が命が危うい場合、それを許すとする」

 

二つ目の条件は殺しの条件であり、あまり人を殺させたくないという夕崎梨子の配慮なのだろう。更に金色の闇自身の気配りにも驚いてしまった。

 

「三つ、仕事が終わった後の報酬は次のどれか一つだけとする。一、食事への誘い。二、観光や買い物などへの同行。三つ、依頼主である夕崎梨子が出来る事があれば全てのジャンルにおいて一つのみ絶対遵守されるとする。もちろん、この報酬を溜めて一気に多数の報酬を得る事も可能とする」

 

三つ目の条件は、やはりといったところか報酬であるが、地球の事を知らない金色の闇にとってはどれもこ れもが最高の報酬でしかなかった。

 

「以上の事を踏まえ、夕崎梨子の他に依頼主を増やす事を禁じ、結城リト及びその周辺の人間関係に絶対的な平和が約束された時は契約が終わるが、契約を続けるのは金色の闇自身により続くとする」

 

契約が終わっても地球に居てもいいのだと暗に言ってくれる夕崎梨子に金色の闇は感謝していた。

 

「えっと、これで契約は済んだのかな?っていうかやりすぎたかな?少し契約内容変えようか?」

 

夕崎梨子が暗殺兵器であるはずの金色の闇に笑いかけてくれた事がなりよりの報酬なのだからそれだけで充分だった・・だから・・だから断る理由なんかない。

 

「いえ、しかと契約を承りました」

 

今までの無表情な顔が向日葵のような美しい笑顔になった事は本人でも気づかなかった。

そんな美しい笑顔を見た夕崎梨子も思わず満面に笑みをこぼした。

 

「ふふふ、ならばよろしい」

「はい、今日から契約を結んだので早速ではありますが報酬を頂きますね夕崎梨子」

「・・さっきの小さい奴の事かい?ふふ、なるほど?いいだろう。それとボクを呼ぶ時は気軽にリコちゃんと呼んでくれ」

「はい分かりましたがとりあえず、たいやきを三十個ほど買ってください」

「それならば容易い事だ。財布はスッカラカンになるけどね?とほほ」

 

金色の闇の檻を壊してどこかへと連れ出してくれたこの夕崎梨子が誰よりも輝いて見えた。

太陽よりも強く眩しく輝いている彼女を、そんな彼女が護ろうとする結城リトもついでに護ろうと心の底から思うようになっていた。

 

「私と契約したのが運の尽きです。不運でしたねリコ」

 

小悪魔のような笑みがこぼれる金色の闇はどこか無邪気な子供のようだったーー。

 

一方、金色の闇襲来前ーーザスティンは刀を振りかざし、金色の闇に挑んでいたがすぐさま秒殺で倒れていた事は誰にも知る事はないのだろう。

 

ーーーーーーーーーーーー

ここは結城家のリビング。

そのリビングには結城リトとその妹である結城蜜柑とララと夕崎梨子が居座っていた。

 

「それで一体、どういう事か説明してもらおうか?リト」

 

夕崎梨子の顔は笑っているがどこか怒っているような気がしないでもないが、少々拗ねているようだった。

なぜこうも拗ねているのかというと、やはりララが宇宙人である事を黙っていた事が気にくわなかったらしいのだ。

 

「え、えっと、ララから言った方が早いじゃないかな?」

 

だけどその当事者はいきなりやってきてバタバタしてたから言い出せなかったと前回話したのだが、それでも彼女は少々怒っていた。

 

「ボクはね、秘密を知りたい訳でもないんだよ。誰だって秘密の一つや二つはあるしそれを検索したくないんだよ」

「リコねぇも秘密あるんだ?ちょっと気になるけど知ると怖いなぁ」

「美柑ちゃんなら全てを曝け出してもいいんだけどね、ボクはそんなに口が堅くないと思っているかどうかと思うんだよ」

 

夕崎梨子の怒りは秘密を共有するとかしないとかの話ではないのだ。

彼女の怒りはどうして自分の事を信頼し、頼ってくれないかという嘆きだった。

もちろんいきなりこの人は宇宙人です、なんて言われた時は思考回路が止まって信じないのだろうけど、事情があるならばそれを信じるのが友達ではないのだろうか?レンやルンのように自分から正体を現した時は驚いたのだが彼らは信用していたから夕崎梨子に伝えた。

 

「リコ・・私からもごめんね?なかなか言い出せなくて」

「いいんだよララちゃん。ボクはもう怒っていないから気にしないでいいよ」

「うん!リコ大好きー!」

 

ララは無邪気な笑みを浮かべ夕崎梨子にガッシリと抱きつき、そんなララの頭をよしよしと撫でている夕崎梨子たちの姿はどこか女同士なのに愛を育むような雰囲気を持っている様子を真っ赤になった顔をさせた結城リトが慌てていた。

 

「ちょっとリト、今変な妄想してなかった?」

「ちちちち違ーう!決して何もこれっぽっちも!」

 

とんでもなく慌てている結城リトに結城蜜柑は冷たい目でジトリと睨むように見てくるのでそれを見ないようにそっぽを向くしかなかった。

 

しばらく雑談を交わしていくと結城家に一人の来訪者が現れた。

 

「こんにちわ。報酬を頂きにきました」

 

宇宙の殺し屋金色の闇である。

彼女は本来ならば結城リトの命を奪うはずが夕崎梨子の契約により結城リトの命を護る事となっていた。

 

「やぁ、ヤミちゃん。また不審な宇宙人でも見つけたのかい?」

「はい、やはりプリンセスララと結城リトとの婚約を快く思っていない凶悪な者が多数いましたので拘束し宇宙警察まで連行しました」

 

金色の闇を呼ぶ時にそのまま金色の闇と呼ぶのもいちいち面倒くさいのでヤミという名で通す事にしていた。

そのヤミは夕崎梨子の隣に腰をおろし正座をして今回の報酬である結城家の食事会に参加するという望みをした。

 

「美柑ちゃんやララちゃんは初めて会うだろう。こちらはヤミちゃん。ボクの友達だから仲良くしてほしい」

「うん、よろしくねヤミちゃん。私は美柑って呼んで欲しいな」

「私はララ!よろしくねー」

「はい、こちらこそよろしくお願いします。美柑、プリンセス。あとついでに結城リト」

「ついでで悪かったな」

「冗談です」

 

ヤミは知人が二人出来た事が嬉しかった。

これまでは孤独で全てが敵であったし、依頼主がころころ変わり実際に会った事があるのにも関わらず我関せずとヤミを忘れてしまうようだった。

だからこそ、この地球に来て夕崎梨子と出会えた事が何よりの幸せであった。

だからこそ自分の秘密を言っても彼女ならば受け止めてくれるのだろう。

 

「私はトランス能力といって、身体の一部を武器にして戦っているんです」

 

ヤミは自らの金髪の髪を動かし、手のような拳を作り出すようにして自由自在に動かしてみた。

 

「私は武器だったのです。殺戮兵器だなんて言われた時もありました」

 

ヤミの脳内には血に溢れるこれまで始末した人々が苦しんでいる記憶を思い出していた。

当然仕事の為だったので仕方がない事だったけど、どこか空しい時間だった。

 

「そんな私でも受け入れてくれますか?」

 

そんな空しい時間は終わりで、これからはゼロからの金色の闇として動き始めるのだから。

殺し屋金色の闇ではなく護り屋ヤミとしての初仕事なのだと。

 

「「「もちろん」」」

 

三人はなんの躊躇いなく返事を返してくれた。

夕崎梨子はともかく、なぜこうも信頼出来るのだろうか?だけど、そんな事はどうでもいい

 

(地球人というものは優しくて甘い人ばかりのようですね)

 

戦意も悪意も恐怖も裏表もないただの善人が殺し屋金色の闇が護り屋ヤミにしてまったのだから

 

(私を改心させるなんて金色の闇として許しませんよ?夕崎梨子。責任はとらせて頂きますよ)

 

そのヤミは密かに笑みをこぼし、美柑が作った鍋料理に箸を突っ込み食を進めながら報酬を受け取り続けていたのだった。




次は、えっと・・・何の話にしようかなぁ、と考えている所です。お待ちを!
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