それとそのダークネス編もおそらくですが思いっきり原作からかけ離れると思いますので、ご了承ください。
結城美柑は困惑していた。
結城家リビングでララが裸のままで兄・結城リトに抱きついている姿を本日で十回を超える程目撃した。
ララは結城リトの事が好きな様子で度が過ぎるスキンシップをして、結城リトは顔を真っ赤にさせ慌てている様子だったけど、妙に腹がたつ様子の結城美柑。
(リトはララさんの事が好きなのかなぁ)
美少女であるララから日常的にスキンシップをされては男は勘違いするはずだし、満更でもないはずだ。
しかし結城リトは本当に止めて欲しいとララに伝えているようでララとの距離をあけているようだった。
(・・気のせいなのかなぁ?)
未だに小学五年生の結城美柑は恋愛のなんたるかを知らない様子で疑問を抱く表情を浮かべるしかなかったのだ。
(ララさんがやってるのは非常識だけど・・どこか懐かしいな・・あの時の私も、はしゃいでいたなぁ)
結城美柑はまだまだ子供であり、両親がいつも仕事で家を空けていて兄とずっと一緒に暮らしていた。
そんな兄と仲良くして困った事があれば助け合う毎日が続くと幼い頃からそう思っていた。
心の底のどこかで兄を好いている気持ちを潜めていてずっと兄の傍にいて寂しくはなかったし、嬉しく思っていた。
毎日が大切な日になっていたけど、結城美柑がかつて経験した事が結城美柑の心に深く刻まれる大切な宝物のような日が結城美柑を大きく変えたのだから、ララの気持ちも分からなくもなかった。
(あれはクリスマスの夜でお父さんとお母さんが仕事で家に居なくてリトとサンタクロースを待っていたなぁ・・あの時は全然サンタクロースを信じてなかったけど・・でも、リコねぇのおかげで信じたいって思ったなぁ)
結城美柑はララと兄を放っておいてソファーに腰をかけ、深く目を瞑り夕崎梨子と遠い昔のクリスマスの夜を思いだしていた。
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現在から十数年前のとあるクリスマスの夜、結城家はクリスマスツリーを用意して飾りつけをしていた。
結城リトはロボや戦隊物のヒーロー人形などをツリーの飾りとして飾っているのを結城美柑は冷たい目線で送りながらクリスマスケーキや食事を用意していた。
「美柑!今日はサンタさんが来るから良い子にしてろよ!いいプレゼントが貰えるかも!」
結城リトは無邪気にサンタを信じている様子だったが、結城美柑はサンタを全く信じてはいなかった。
「・・サンタなんかいないんだもん」
「いる!いるんだって!空から来るんだよ!」
「人が空飛べる訳無いでしょ」
結城美柑は兄と一緒にいる事が嬉しい訳で、サンタクロースが存在するとか関係無く、プレゼントだって両親からの贈り物に過ぎなかった。
サンタクロースを信じない悪い子結城美柑がいる結城家のインターホンのチャイムがなり来訪者がいる事を示していたので結城美柑は玄関へと走っていた。
「メリークリスマス!美柑ちゃん!」
「り、リコねぇ!?」
来訪者はサンタクロースの姿をした天真爛漫の夕崎梨子だった。
小さいサンタクロースが来た事によって興奮した結城美柑はそのサンタクロースの手を引っ張りリビングへと向かっていた。
「へ!?さ、サンタ!?じゃ、なくてリコ?」
結城リトはサンタクロースの姿をした夕崎梨子に驚きを隠せず、まじまじと夕崎梨子を見つめていた。
「ふふふ!ボクはサンタクロースだ!」
胸を高らかに宣言する小さなサンタクロースは可愛くて拙いような声の子供であった。
結城家にプレゼントしようと持っていた大きな袋からプレゼント箱を結城リトや結城美柑に渡し、サンタクロースはにこやかに笑った。
「リコねぇ・・じゃなくてサンタさんありがとね!」
「うんっ!美柑ちゃんやリトに渡せてボクも嬉しいよ!だからいいよっ!」
小さなサンタクロースは、にぱっと無邪気な笑みを浮かべ、結城兄妹もそれにつられ笑みをこぼした。
「ねぇ、サンタさん!もっとお話しようね」
「うんっ、ボクはサンタクロースだからたくさんプレゼントしないとねっ!」
小さななサンタクロースはいつまでも結城兄妹に賑やかなプレゼントを与えていたのだった。
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いつの間にか寝ていた結城美柑は目を覚まして、顔を洗おうと洗面所へと向かう途中、まだララは裸のままでウロウロと結城リトを探しては抱きついている様子だった。
「ねぇ、ララさん?いい加減に服を着なさい!」
そんなララに説教するとしぶしぶと服を着て、それが終わったからか結城リトに抱きついていた。
(ふふっ、確かにリトに抱きついちゃダメだとは言ってないもんね・・はぁ)
内心諦めてしまう結城美柑はララにどう説明したって、どう説教したってララの恋心は動かないのだから仕方無いのだ。
(さっきはなんて言えばララさんの行動を制限出来るのだろう?リコねぇだったら・・)
夕崎梨子の事を姉と慕う結城美柑は彼女の事を分かりきっていた。
まだ子供の自分に難しい言葉で回りくどい説明をする夕崎梨子ならばなんと言うのだったんだろうか?結城美柑は彼女の立場となって考えてみた。
(・・・ふふふ、ララちゃんダメだろ?そんな恥ずかしい格好をしてはいけないよ。リトの事を考えて、ちゃんとその気持ちに応えた方がリトやララちゃんにとって良い事になるからね・・だなんて言いそうだな、きっと)
結城美柑は完全に夕崎梨子の思考や性格を読み取り、あっけなく得意の説教が負けたような気がした。
夕崎梨子のお姉さんぶりには勝てないけど、それでもそのお姉さんの事が大好きな結城美柑にとっては宝物なのだ。
(リコねぇは自分の事を口下手で不器用だって昔言っていたけど、ちゃんと相手の事考えている優しい子じゃないの?でも私は知ってるよ?リコねぇ。本当は・・本当は素直じゃない子供なんでしょ?)
結城美柑よりも年上なのに結城美柑より子供みたいな夕崎梨子に子供みたいだと言ったらどんな反応をするのだろうと思ったら笑いが込みあがった。
「クスクスっ、あのリコねぇは拗ねちゃうのかな?うふふ、どんな拗ね方するのかなぁ?あははっ」
結城美柑の脳内に夕崎梨子が頬を膨らませ、口を尖らせ小石をコツンと軽く蹴飛ばし『もう知らないっ!ぷんっ!』と言ってそっぽを向く映像が流れた。
そんな彼女が可愛く面白可笑しく思えてしまった。
「ぷっ!あはははっ!リコねぇってばそんな落ち込み姿は可愛過ぎるでしょーっ!あはははっ!お腹が苦しい!」
いつもの不思議な口調の夕崎梨子とのギャップを想像し、腹筋崩壊を起こしてしまう結城美柑。
姉として尊敬しているけど、妹としても可愛げがありそうな夕崎梨子が大好きでたまらなかった。
そんな笑い転げている結城美柑のもとに、いつの間にやら結城家を訪問していた、その夕崎梨子本人が近付いていた。しかし結城美柑はそれに気付かない。
「美柑ちゃん?」
「ぎゃっ!」
後ろから話しかけられた結城美柑は背筋を伸ばし驚きを隠せないでいた。
(き、聞かれたのかな?)
冷や汗を垂らし、ゆっくりゆっくりと後ろを振り向き、満面の笑みを浮かべている夕崎梨子がいた。
いつもの笑顔が絶えない夕崎梨子だけど、長年の付き合いで微かな違いを感じる事が出来る結城美柑は絶望していた。
(お、お、怒ってるー!拗ねるとかのレベルじゃないよこれ!)
なんとか許せるかもしれないと苦笑いで微笑みかけたけど、その顔の両頬を夕崎梨子によって左右に伸ばされた。
「み~か~んちゃ~ん?」
「いふぁいいふぁい!リコふぇ!」
「ボクは可愛いとか優しいとか褒め言葉を言われるのは一向に構わないけどね?」
「ゆ、ゆるふぇふぇ、リコふぇ!」
「ボクはバカにされたり除け者にされたりするのが嫌いでね?ちょーっとだけムカッとするんだ」
夕崎梨子は結城美柑の両頬を両手で左右に伸ばしたり、両頬を押し込んだりと弄っていた。
結城美柑はなんと言っているか分からない言葉を言いながら涙目になってお仕置きされていた。
「ボクにごめんなさいは?」
「ご、ごふぇんふぁふぁい」
「ん、よろしい」
ようやく夕崎梨子によるお仕置きが終わり、結城美柑は自身の両頬をさすりながら未だ涙目になっていた。
「うぅぅ、大人げない・・」
本音がつい出る結城美柑に夕崎梨子は目を光らせ更なるお仕置きを執行しようと手をわきわきと動かしていた。
「え?なんだって?み~か~んちゃ~ん?」
「っっっ!ご、ごめんなさい!リコねぇ!」
「ダメだね!お仕置きだ!」
今度は結城美柑の脇や横腹を夕崎梨子は両手の指先で擽った。
「あっ、うひゃひゃひやっ!ひゃ~!ゆ、ゆ、うひゃしゃ~っ!く、くぬぅ~!」
「むっ!」
結城美柑は擽られながらもなんとか両手で夕崎梨子が責めている同じ部分を擽りつけた。
「ちょ、猪口才なぁ!くっ!ふ、ふふくっ!んんぅぅん!ふぁっ!あっはっはっは!あーっはっはっ」
「ひゃっひゃっ!ま、負けないっ!くっ!うひゃっ」
擽りによって大笑いする結城美柑と夕崎梨子に結城リトやララが何事かと彼女らを発見し、結城リトは彼女らの行動に顔を真っ赤にさせていた。
一方ララは楽しそうと彼女らのスキンシップに混ざり、三つ巴による擽り対決へとなっていった。
三者三様の笑い声と涙目で顔が赤く染め上げられ、賑やかで色っぽくて艶やかな甘い声が思春期で女に免疫がない結城リトは顔を更に真っ赤に染め上げ興奮してしまった。
(うわわっ!美柑はリコとララの胸近くとか触ってて無防備!リコは美柑とララの脇腹を同時に責めているから無防備!それらをララが責めている!三人共両腕が使えないから防御出来ない!って、何解説してんだ!?俺!!)
結城リトはその場から逃げ出して、彼女らはしばらく擽り続けられ、夕崎梨子やララが楽しそうな笑い声を聞いた結城美柑は、いつまでもこのような楽しい時間が続くと確信していたのだった。
あと十五話くらいは初期ToLOVEるだと思います。多分