ToLOVEる~変わりゆく運命と恋~   作:叶夢望

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南島編です。これも思いっきりオリジナル展開です。原作では結城リトがララの発明品によりララ達と南島へと行ってたのですが、今回の話では結城リトは居ないです。



第二十三話

とある休日、近くのショッピングセンターで西連寺春菜は買い物していた。

母親や姉に貰った買い物リストが綴られたメモ帳を眺めながら買い物カゴへ次々と商品を放り入れた。

 

(えーと、あ、そうだ!福引き券が貰えるからあと何か適当な物を買おうかな?)

 

西連寺春菜は商店街で開催される福引きを思い出し、自分でも欲しい物を探し続け辺りを見渡すと買い物カゴを持った夕崎梨子の姿が見えたので、彼女に向かって近寄り、軽く挨拶すると夕崎梨子も親に頼まれたと買い物に来ていたようだった。

 

「おやおや、春菜ちゃんも福引きが狙いないのかい?ボクも福引き狙いなんだよ」

「そうみたいだね?私達気が合うね」

「ふふふ、だからボク達は友達同士なんだろうね?」

 

二人は微笑みながら買い物を済ませ、それにより福引き券を数枚貰う事が出来て、福引き開催地へと向かっていき、新井式回転抽選器と呼ばれるガラガラと抽選器を回して出た球の色によって様々な商品が貰えるという物の前に二人は立ち尽くしていた。

 

「ねぇ、このガラガラの正式名称って何かな?リコちゃん、分かる?」

 

西連寺春菜は目の前にある抽選器の名称を知らない様子で、夕崎梨子はその名称を答え、西連寺春菜は微笑みながら「よく知ってるね」と褒めたので夕崎梨子は頬を赤くした。

 

「ふふふ、どこかの新井さんという人が考えていて特許も貰っているらしいよ?スゴいと思わないかい?」

「へぇ、そうなんだ?すごいなぁ」

 

他愛の無い雑談を交わしつつ、まずはお手並み拝見といった表情を浮かべ、夕崎梨子は抽選器のハンドルを掴み、ガラガラとゆっくり回していた。

 

「へぇ?感じた所、この中にある球の数は少なくても400ほどだろうね」

「え!!?それも分かるの!?もはや超能力だよ!」

 

夕崎梨子の解説に驚きを隠せない西連寺春菜だった。もはやツッコミの才能を開花させるほどのツッコミであり、夕崎梨子はハンドルを掴んでいない手で親指をグッと立ててグッジョブといわんばかりの表情だった。

 

そんなこんなで夕崎梨子は持てる福引き券を使い果たし全部がハズレでありポケットティッシュを貰い、次は西連寺春菜の番だと彼女の背を押して、抽選器の前に立たせた。

 

「リコちゃんが結構回したけどまだまだ400そこそこかもだし、不安だなぁ、大当たりなんて当たる訳ないよね?」

「へぇ?フラグかな?フラグを立てたのかい?」

「ふ、フラグ?は、旗って何?旗を立てるって?」

「いいや、こっちの話さ。続けて」

 

西連寺春菜に分からない単語を言い放つ夕崎梨子を放っておいて抽選器をガラガラ回すが、ほとんどハズレであり、最後の一回も当たらないだろうと不安と絶望の中、抽選器を回した・・・すると、金色の球がコロコロと転がり、それを意味するのは特賞の南の島招待券であり、女性限定ではあるが十人まで招待出来る商品であった。

 

「う、う、うそ?や、やったー!特賞だー!」

 

西連寺春菜は夕崎梨子の両手を握りしめピョンピョンと飛び跳ね盛大に喜んで周りに居る人々もおめでとうと賞賛され、西連寺春菜は恥ずかしそうに顔を赤くして俯いていた。

それはそうと、南の島へ女性限定十人招待という訳で、西連寺春菜は次々と連れて行きたい女性を誘おうかと相談する事にした。

 

「え、えっと、十人の女性だから私とリコちゃんは当然として・・・お母さんやお姉ちゃんも連れて行きたいけど最近からずっと外せない用事があるって言ってたし連れて行けないから他の人誘おうよ」

 

南の島に子供達だけでは不安なのでという事で夕崎梨子は保護者役として御門涼子を推薦し、他にララやヤミに結城美柑、古手川唯、籾岡理沙、沢田未央、村雨静を推薦しその彼女らを南の島へ招待する事にした。

 

そしてその当日、南の島へと行く為、彼女達は荷物をまとめたキャスターバックを引っ張っていき待ち合わせとしてみんなは自宅待機、みんなの自宅を教師の特権で知った御門涼子は自分の車にみんなを放り込み、とある空港へと車を走らせていた。

まずは南の島へと招待してくれた西連寺春菜に全員でお礼を言い渡して恥ずかしそうに顔を真っ赤にして「どういたしまして」とおずおずとしているのをよそに、御門涼子は夕崎梨子に興味津々なのか顔を近づけて話しかけていた。

 

「お久しぶりね、リコちゃん」

「涼子先生、お久しぶりだね。それよりも保護者役の件を快く承ってありがとう。ボク達は子供だから危ないし、何しでかすか分からないからね」

「うふふ、そうね。でも私もバカンスは楽しみよ?こちらとしても私を連れてって、と言いたいほどよ」

 

夕崎梨子と御門涼子との会話が気になるのか村雨静も乱入し、他愛の雑談を交わしていく。

そんなこんなで飛行機が飛ぶ時間となり、彼女達は一斉に飛行機の中に入り、適当な席へと座り、今か今かと飛行機の離陸を待ちわびていたのだったが、席の近くにあったディスプレイに天上院紗姫の姿が映し出され彼女達は驚いた。

実は南の島のリゾート地は天上院家が所有するプライドビーチであり、他の客が一切来れないよう厳重な警備での中、海でモニターとして存分に楽しめという事らしいので彼女達は晴れやかな笑顔でそれを了承した。

 

そして天上院家プライドビーチへと辿り着き水着姿へと変貌する彼女達は天使のように美しく輝いていた。

「海だー!」と眩しい赤い水着姿となって無邪気になって海に飛び込み、それに続き「突入ー!」と黄緑の籾岡理沙の水着姿も眩しくモノキニ水着と言われる前面はウエスト部分だったり、背中部分だったりが、大胆にカットされたパターンが目立つセクシーな水着であり、他の天使達も美しくて麗しい水着姿となっていて、海に更に突入した沢田里央も美しかった。

 

結城美柑とヤミと夕崎梨子は砂浜で遊び、古手川唯と村雨静と御門涼子はお互いにサンオイルを塗り合ったりと様々な楽しみ方をしたのである。

一方、西連寺春菜は海や砂浜で遊ぶ彼女らの胸と自分の胸を見比べ胸の格差を感じ、どんよりとした姿を見せていた。

 

(みんなスタイルいいなぁ・・・はぁ)

 

西連寺春菜の視線の先にはまだ子供のような身体をした結城美柑とヤミの胸を見た。自分の胸よりは育っていないはずとマジマジと見る為にじっくりじっくりと歩を進め、いつしか彼女達の前まで近づいてしまった。

 

「え、え、え、っと、西連寺春菜です!気軽に春菜って呼んでね!」

 

彼女達はいきなりの自己紹介に戸惑いを隠せておらず、結城美柑とヤミは軽く自己紹介し、夕崎梨子はいつもの普段の満面に笑みで笑いをこらえるように含み笑いが止まらない様子だった。

 

「ふふふふふ、まるでボクみたいな自己紹介だね。それだけボクの事が好きなのかな?春菜ちゃん」

「そ、それは好きなんだけど」

 

西連寺春菜の好きと言う言葉に反応した夕崎梨子はニタァと黒い笑みを浮かべて、西連寺春菜に近寄り、身体をベッタリとくっつかせた。その彼女の行動に結城美柑は驚きを隠せず口を手で隠し、表情を隠すような動作をした。

 

「り、リコねぇがあんなにベッタリと!ものすごい懐かれているよ!春菜さん!」

「え、ええ!?な、懐くって、リコちゃんは仔犬や仔猫みたいじゃあるまいし・・・」

 

未だに夕崎梨子は西連寺春菜の身体をベッタリとくっつかせられ、夕崎梨子の胸は西連寺春菜の左脇腹から横側からくっつかせ夕崎梨子の右脇腹が西連寺春菜の身体にピタリとくっつけ彼女達の胸が押しつけられていた。

 

「あわわわっ!すごい柔らかい!」

 

夕崎梨子の胸の弾力に恐れをなす西連寺春菜は自分の胸の無さを痛感し、巨乳の弾力を肌で感じていた。

 

「ほら、美柑ちゃんもヤミちゃんも!」

 

夕崎梨子は結城美柑とヤミにも身体をくっつかせ、女の子だらけの押しくらまんじゅうのような行動となり、男子目線で見たら美少女達がキャッキャッウフフといった百合百合しい展開に見えるのだろう。

 

「あまりベタベタしないでください」

 

ヤミは自慢の戦闘力でなんとか夕崎梨子からの拘束を逃れるが、結城美柑と西連寺春菜だけは拘束から抜け出せずにいた。そんな彼女達はヤミに救いの手を求めるけどヤミは淡々として哀れんだ表情を浮かべ彼女達に向かい彼女達にとっては信じられない事を口走った。

 

「私の契約では結城リトや他の方々の命の危険があれば助けるという訳であって、その他の行動は約束しておりません。その行動をとったら契約を破る事になるのでやれません」

 

ヤミは暗に助けたくないと言い放つので、結城美柑や西連寺春菜は心折れてスキンシップを交えざるをえなかったのである。

 

「へぇ、なるほど、ね。ボクとした事が契約を完全なモノにしなかった、という訳だね?ヤミちゃん」

「それに報酬として、今はベタベタしないでください、という報酬をもらえればベタベタするというリコの行動を防げる事もあります」

「くっ!ぬかった!ボクとした事が!て、今は?」

 

悔しそうな表情を浮かべる夕崎梨子は結城美柑に頬ずりしたり西連寺春菜の頭を撫でたりとスキンシップをしていてヤミは彼女の行動にやはり変人だと思っていた。

 

「・・・かまって欲しいときはこちらから指示します」

 

ヤミは顔を赤らめて、トランス能力で純白の翼を広げ海へと突入していたのを見た西連寺春菜をはじめとしたヤミの正体を知らない彼女達は驚いた表情を浮かべた。

もう宇宙人の事を秘密にするにも面倒だし友人としても信用出来るので宇宙人を知らない彼女達にヤミをはじめララも宇宙人だとバラしたが、それを信じた彼女達はそれがどうしたといわんばかりの表情を浮かべていた。

 

「だって、ララさんはララさんだし、ヤミさんはヤミさんでいいんじゃないの?」

 

ララやヤミの正体を知る結城美柑の言葉に他の彼女達はうんうんと頷き宇宙人でも一向に構わないので、本当の意味で友達になれたのだ。

 

「ふふふ、美柑ちゃんの言う通りだよ。だって、そんなララちゃんやヤミちゃんから見たらボク達も宇宙人じゃないかい?そんな宇宙人と仲良くなりたくないのかい?そうじゃないだろう?」

 

夕崎梨子は至極最もな説明であり、宇宙からこの地球に宇宙人が来ても、地球からどこかの宇宙に地球人が行ってもお互いの立場は宇宙人同士なのだから。

夕崎梨子の言葉に感極まったのかララは夕崎梨子に飛びついて真正面から抱きあった。お互いの胸がぎゅむぎゅむと押しつぶされる様子を籾岡理沙と沢田里央は目を光らせ目に焼きつけ、西連寺春菜はまたも胸の格差を感じ、御門涼子や村雨静は彼女らの青春に笑みをこぼし温かい目で見守っていた。

そんな彼女らをよそに、古手川唯は夕崎梨子の前に腕を組んで堂々とした立ち姿で彼女を圧倒せんと立ちはだかった。

 

「あのねぇ、さっきの言葉は良かったと思うけど最後辺りはダメでしょう?宇宙人とかそんなの関係ないから仲良くしましょう、で片がつくじゃないの?」

 

こんなリゾート地にも来て彼女達は犬猿の仲で口喧嘩をしていたけど、今回ばかりは古手川唯の正しさは合っていた。

 

「・・・ごめん、ね。ボクはそんなつもりじゃあ・・・ないんだよ?本当だよ?」

 

いつになくしょんぼりとした夕崎梨子は儚く切ない表情を浮かべ、目にほんのわずかに涙が浮かんできたので、ギョッと驚く古手川唯だけど、まだ説教は終わらせたくなかった。

 

「反省しているならいいわ。今回だけ特別に許してあげるわ!次回までにその口下手を直しなさい!ついでにその性格と口調も!」

「・・・ふふふ、そのボクはボクではないが、ま、善処するとしようか」

「よろしい!それなら海で遊びましょう!」

 

古手川唯は夕崎梨子の手を引っ張り海へと走り出した。夕崎梨子はほんの少しだけ涙を流した後、満面に笑みに変貌して優しい声で古手川唯に感謝の言葉を贈った。

 

「ーーーありがとうね?唯ちゃん」

 

まさしく女の子の声色である夕崎梨子の感謝の言葉をしっかりと耳と脳に記録した古手川唯は満面に笑みを夕崎梨子に向けてこう告げた。

 

「やれば出来るじゃないの」

 

今回だけ頑張って素直な女の子になった夕崎梨子に心の底から褒め称えた古手川唯はいつしか夕崎梨子の事を苦手だと感じなかった。その夕崎梨子を海に無理矢理飛び込ませようと古手川唯は夕崎梨子と共に海に入ろうとしたが、足が竦んでいた。何故ならば古手川唯は・・・

 

「はっ!そういえば私泳げなかった!」

 

海に身体が浮かび上がらず、沈んでいくタイプのカナヅチである。




次はオリジナル話です。
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