はじまりの草原(仮)を滅ぼした勇者西連寺春菜一行は街へと向かい、ララに関する事を聞き込みをいれようとするが、一人一人の住人は決まったセリフしか言わなかったのだ。
例えば「ようこそ!」や「ここはさいしょの街よ」や「わんわんっ」など魔王の魔の字も一切情報が手に入らず、とりあえず宿に泊まろうと近くの宿屋へと向かう勇者達だが、思わぬ人物が現れた。
「り、涼子先生?な、なんでここに・・・」
御門涼子の登場に全員が唖然とした表情で彼女を見る。御門涼子も謎の手紙を開き、気がついたら何故か宿屋として働いているのだという。
「それよりもこの世界に囚われている姫がいるみたいだけど知ってる?」
結城リト達は顔を見合わせララだと互いに確認し合い、この世界に絶対ララがいるという事を確信した。しかし、そのララはこの世界のどこにいるかも分からないし、身体も心も疲れていたので宿で休む事にした。
結城リトは部屋の確認と掃除を、女の子達は身体が汚れているからと風呂場へと突入して服を脱ぎ捨て、湯船へとダイブした。
「わぁ~、きもちぃ~!」と結城美柑が呟き
「ホントさいこ~だわ~!」と古手川唯も同意し
「ふへぇぇぇ」と夕崎梨子が間の抜けた声が
「む、胸が湯船に浮かんでる」と西連寺春菜の絶望感が
四人の声が浴槽に響き渡っていた。
結城美柑が「リコねぇ、胸大きいねぇ」と夕崎梨子に近づき抱きよせお互いの身体をくっつかせ成長の確認をし、古手川唯は夕崎梨子の胸と自分の胸を見比べ自分の胸が優れているのを確認し鼻高々そうな表情を浮かべ、西連寺春菜は自分の胸を浴槽の隅っこで彼女達に隠れて揉みしだくも大きくならず無念としていた。
そんな楽しい風呂時間は終了し、部屋で休もうとするが、ベッドが四つしかなく一人だけソファーで寝なければならないので、夕崎梨子はある提案をした。
「なんならボクか美柑ちゃんと一緒に寝るかい?添い寝ぐらいしても構わないが」
妹の結城美柑とならともかく夕崎梨子と一緒に寝ると思うと顔を真っ赤にさせ興奮していた。古手川唯は夕崎梨子にハレンチだなどと説教させられ、夕崎梨子はシュンと落ち込んでいた。
「俺は廊下でソファー持って行ってそこで寝る!それで文句ないだろ?女の子だらけの部屋で男がいるのは変だしな」
結城リトはそれだけ言ってソファーを一人で運び、廊下へと出て行った。夕崎梨子は毛布を持ち上げ、廊下へと出て行こうとしようとしたので、何をする気かと西連寺春菜達に聞かれた。夕崎梨子は外は寒いと思うから風邪をひかれてはいけないと純粋な気持ちで毛布を結城リトにあげようとしていた。
その彼女の行動に西連寺春菜は「結城くんの事が心配なんだね」と言ったものの同時に結城リトを好きなのではないのかと思いを馳せた。しかし、彼らの関係は親友という訳であり、恋人以上の関係は決してならないのだろう。
そういうわけで夕崎梨子は廊下にソファーを置き、そこに寝転がって寝ているので毛布をあげた。すると感謝されるので夕崎梨子は普段の笑みでどういたしましてと会話していく。すると、西連寺春菜も一つじゃ足りないかもしれないと毛布を持ってきたのだ。
「本当に嬉しい!リコ!西連寺!ありがとうな!」
西連寺春菜は顔を赤くして微笑み、そそくさと部屋へと戻っていた。夕崎梨子は含み笑いで壁に寄り添うように身体を預け座り込む。
「まだ寝たくないなら少し話いいかい?ちょっと気になる事があるんだよ」
結城リトはまだ眠気がないのかその提案を了承し、ソファーに座る。
「ん、ありがとう。それでだね、今思ったんだけど、何でボク達に戦いの術を持たさせたんだろうね?」
「あ!そ、そうだよな!一応ゲームだとはいえ、ララを誘拐してそのまま逃げたいのなら俺達にこんな戦いの武器をやりたくないよな」
「そう、まるでどうしても助けて欲しい、ともとれるんだよ。どっちが本音なんだろうね?助けるなか助けて欲しいのか」
夕崎梨子の説明に納得がいく結城リトは身を乗り出して、夕崎梨子に近寄りもっと説明を求めていきたい本心だったのだが、近寄り過ぎて顔と顔との距離が近くになってしまった。
結城リトの目には、夕崎梨子の可愛くて肌白くて綺麗な顔であり、顔をみるみる赤くし、そっぽを向くようにソファーに寝転がりふて寝を決めた。そんな彼の行動を肩を竦めながら、部屋へと入り仮眠する。
しばらく仮眠する事数時間後の事であった。
いきなり宿屋が消滅されるほどの大魔法が放たれた。そこには宿屋の塵も残されていなかったが、結城リト達はかすり傷一つつけていなく、何事もないように彼らは起きあがり辺りを見渡すといきなり宿が消し飛んだ事に気がついた。
(な、なんでピンピンしてんの!?まだレベルは高くても10そこそこなのに!?どうして!?)
大魔法を放った人物はビキニアーマーを着ていて黒いマントや黒帽子をつけていて、まるで変態の格好していた女性であった。そんな彼女は結城リト達に接触し、ララを捕まえたのは自分だと言い放ち、大きな胸の谷間から妙な水色の水晶を掲げ、彼らを魔王城の魔王の部屋の前までへと誘い、姿を消した。
一方、魔王城の魔王部屋前までいきなりワープした結城リト達は辺りを見渡し、目の前にある大きな扉の出現により、困惑していたが、先程の謎の女性が魔王というのであれば、突入しなくてはいけないだろう。
魔王部屋を勢いよく開き、部屋の奥には豪華なクイーンベッドサイズで寝ているララとその近くで魔王が椅子に座っていた。
「お前が結城リトだね!」
魔王は結城リトを指さして、その通りだと答えると、何故か急にララの事が好きかどうかという質問になっていた。それを聞いた夕崎梨子は静かに笑い、呟いた。
「なんだ、そういう事かい?ララちゃんがこんな事はしないだろうし、ね?」
夕崎梨子の言葉で全員が振り向き、彼女を見る。彼らの視線でもっと説明せよと語っているようなのでと夕崎梨子はコホンと咳払いし、説明していた。
「そもそも、そもそもだよ?日本が作るようなこんなゲームを作る?のがおかしいんだよ」
「え、えっと、リコねぇどういう事?」
「ララちゃんを救わせたくないのならばこの世界に永遠に閉じ込めればいい事だし、ボク達をこんなに強くするのもおかしい事なんだよ」
「ああ、昨日言ってた事か?リコ」
「ちょ、ちょっと結城くん!?昨日って何の事!?夕崎さんにちょっかいかけられたの!?」
古手川唯は結城リトに詰め寄り話を遮るのを放っておいて、夕崎梨子は話を続ける。
「そして彼女の問いのララちゃんの事が好きなのか、は黒幕がどうしても聞きたい内容だ。しかし、おそらく姿を現せないもしくは現したくないのでこのゲームを作ったんだね」
「じゃ、あの魔王もゲームキャラで黒幕がいるって事なの?リコちゃん」
「ああ、そうだよ春菜ちゃん。黒幕はおそらくララちゃんを拉致もしくは誘拐したくなかったが、そうせざるを得ない状況となった。それらが出来る悪い人物等がいたらこんな面倒な事はしないだろうからね」
夕崎梨子の説明にゴクリと喉をならす結城リト達で、彼女の説明はそれほど納得できて理解しやすいのだ。
それじゃあと古手川唯が「黒幕は誰?」と単刀直入に聞くのを苦笑いで首を傾げ、「さぁ?」と答えるけど、どこか目星がついているような気がするので結城リトは正直に答えてくれと頼み、仕方ないといった様子で説明を続けていく。
「黒幕は誰か、だなんて分かるわけがないが、あのララちゃんを簡単に誘拐できる悪者以外の近い者であり、しかもどうしても助けてもらいあの質問を聞きたい人物でかつ日本のようなゲーム世界を作るような日本に詳しい者または勉強して知ったというお人好しの者である、となれば」
夕崎梨子は顎に手を添えて目を閉じ、黒幕の思いしき人物を考えているようで、結城リト達はしんとして彼女の推理を待っていた。
「それにこんな世界を作るだなんて宇宙人しかいない、ともなればララちゃんの近くにいるもしくはララちゃんが知る者・・・そうだね、ララちゃんの家族や親戚辺りが黒幕、だと思うがいかがかな?魔王ちゃん?」
魔王は静かに笑い、しだいに大笑いして、その後なぜか大泣きした。
「うぇえええん!バレちゃったよー!もういいよ!ゲームクリアーでいいよ!」
魔王は泣きじゃくりながら姿を消した瞬間、ララは目覚めた。どうやら魔王を消すとララが覚醒する仕組みだったようだ。
「り、リトー!助けてくれてありがとー!」
ララは結城リトに正面から抱きついて、結城リトは顔を真っ赤にさせ恥ずかしがっていた。それからララは一人一人に抱きついて感謝の意を表していた。
しばらく喜びを分かち合うと奥から二人の少女が現れた。その少女達はララの知り合いらしく、奥で結城リトと共にこそこそと話していた。結城リトとララとの関係を聞き所謂普通の関係だと知り、満足したのか彼女達は夕崎梨子達の前へと現れララが全員の名前を教えていた。
一人はナナ・アスタ・デビルークという名でララの妹だという。見た目は長めの髪を左右で束ねてアップにした髪型で瞳の色は紫色でありツリ気味の瞳で上顎の犬歯がときおり牙のように覗く、小悪魔っぽい容姿をしている貧乳少女であった。
「おい!お前!さっきの推理すげぇな!褒めてやるぞ!」と夕崎梨子を指さし偉そうにしているナナ。
もう一人はモモ・ベリア・デビルークという名でララの妹でかつナナと双子姉妹であるというのだ。見た目は肩上までのショートのヘアスタイルで、サイドアップのようなアホ毛が左右にある特徴を持っていて、瞳の色は紫色をもち、ナナとはうってかわって見た目は優しくて良い子そうな雰囲気を出し、その胸は大きくたゆんと揺れていた。
「あらナナ、ダメでしょう?その方はたしか夕崎梨子さんと言うんだよ」と優しい声色のモモ
ナナとモモの双子のお尻からララと同じ黒くて細長い尻尾で先端にハートの形をしているのが見え隠れしていたので、夕崎梨子は「やっぱ宇宙人なのか」と確認するように確認していた。
「ふむ、キミ達も宇宙人なのかい?とんでもないねぇ、キミ達は地球を侵略しにきた口なのかい?」
魔王とのやりとりを影から見ていたとはいえ、美少女の夕崎梨子から思いもしれない口調で話しかけられたので、おっかなびっくりの表情を浮かべる双子の彼女達。
「うーん、やっぱお前・・・じゃなかった夕崎梨子のその話し方面白いな!」
「ふふふ、面白い話し方かい?そんな事言われたの始めてだよ」
「可愛い方なのにもったいないですよ?」
夕崎梨子と知り合った人は、やはり奇妙な口調が気になる運命であり弄られるのだ。
「オイオイ、ボクは気づいたらこうなっていたんだよ。だからボクは悪くない」
夕崎梨子は胸をはって高らかに宣言した。それが素で性格なのだから悪口を言われる筋合いはないのだ。ナナとモモは互いに見つめ合い仕方ないと納得したようだった。さて、ララも助けた事だしゲーム世界から脱出しようとナナやモモは携帯電話らしき物を持ち適当なボタンを押し、世界は消え去り結城リト達をもとの世界へと戻した。
戻されたのは結城家の結城リトの部屋であり、しかもベッドであったが、結城リトに幸運か不運か女の子だらけに絡まれながら転送された。
「わわわわわー!!!」
結城リトは顔を真っ赤っ赤にして興奮していた。
右腕にはララが身体を抱きつかせ、左腕には西連寺春菜の身体を抱きつかせ、左脚には古手川唯の身体を抱きつかせ右脚には結城美柑が身体を抱きつかせ結城リトの正面からナナとモモと夕崎梨子が所狭しとぎゅうぎゅうに詰め寄られつつ抱きつかせるという行為がなされた。
そんな美少女だらけのハーレムの主結城リトはこう叫んだのだ。
「いいから離れてくれー!」
美少女達は頬を赤らめつつそそくさと結城リトから逃げるように離れるが、ララだけは未だに抱きついたままであったという。ララの感謝はまだ終わらないのだから。