ToLOVEる~変わりゆく運命と恋~   作:叶夢望

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セリーヌ幼女バージョンの話です。もちろんオリジナル展開であります。
あと二話ぐらいしたらダークネス編となります。お楽しみに。


第三十一話

結城リトは今日もまた、結城家の庭にある花壇の世話をしていた。

その様子をアイスクリームを舐めつつ眺める結城美柑をよそに結城リトは植物や花に水を注ぎ、雑草を抜いていた。

 

「おっと、セリーヌもたくさん飲めよ?」

 

ララがくれた謎の宇宙植物の種から育った8メートルは超える巨大で不気味な虫食植物のような植物であるセリーヌと結城美柑から名付けられた植物にも世話をしていた。最初は不気味だったけど、不審者が来たらギーギーと叫んで結城リト達に知らせたり、犬や猫などの動物みたいに知能が少しあるのか結城リトの言葉に反応して嬉しそうな声を出してくれるので、なんだか可愛いと思う親バカぶりな結城リトと結城美柑は笑顔でセリーヌと会話している。

 

「セリーヌは良い子なんだよねぇ、私が風邪引いたら辞書とかで調べるの。どこに目があるか知らないけど、優しいんだよね」

 

セリーヌは結城リトはもちろん結城美柑も好きな様子で、セリーヌは心優しい植物であると二人は信頼していた。しかし、そんなセリーヌに動物のような知能があるというのは脳のような考えることが出来る脳髄があるはずだ。しかしそんな事はどうでもいいのだ。優しいセリーヌが大好きだからセリーヌに結城美柑はあるものをあげた。

 

「それにラーメンも食べるだなんてまるで人間みたいだね。これはまた食費とか掛かるけど、嬉しそうに食べるから良いんだけどね?うふふ」

 

セリーヌは口があるからとラーメンを好んで食べていた。口があっても一応は植物であるし人のような胃や腸などの消化器官がある訳が無いはずなのにセリーヌはそんなの関係ないと言いたげな仕草でラーメンを啜っていく。ちなみに食虫植物には自ら消化酵素を生産する性質があり、中には捕虫袋という人間で言うなら胃袋があるのだ。おそらくセリーヌは胃袋のような消化器官があるだろう。

そんな人間のような植物であるセリーヌの世話をする二人にララやナナにモモの三姉妹も庭に来てセリーヌの様子を見ようとした。その三姉妹も笑顔でセリーヌの事を見ていた。

 

「へぇ?そうなんだ?そう?よかったね」

 

モモはセリーヌと会話している様子でセリーヌも嬉しそうにギーギーと喋り、それに相槌を打っていた。実はモモは植物と会話する能力を持ち彼らの言葉を分かると言うのだ。その能力でセリーヌの言葉を聞いたモモが言うには、いつも自分に語りかけるように世話してくれるのがとても嬉しいとの事でその言葉を聞いた結城リト兄妹は笑顔で嬉しそうにまたセリーヌに語りかけて世話をしていた。

 

「セリーヌ!結構嬉しい事言うじゃねぇか!俺、セリーヌの事が好きだぜ!」

 

結城リトの言葉に反応したのかセリーヌは屈んで結城リトの顔まで近寄り、食虫植物には存在しないはずの舌で結城リトの顔を嬉しそうに舐めていた。その愛情表現が嬉しいのか結城リトは満面に笑みをこぼしていたのだ。

 

「あらあらリトさん?その子は女の子ですよ?告白だなんて大人ですねぇ」

 

モモの言葉に一瞬時が止まったような気がする結城リト。一応は植物であり、性別なんて一切考えておらず、普通に好きだと思い込んでいた。

 

「わぁ、いいなぁ~!ねぇ、リト!私にも好きって言ってー!」

 

ララはセリーヌに少し嫉妬しているのか結城リトに抱きつきながら自分の事を好きと言えと何度も何度もしつこく催促するも結城リトは顔を真っ赤にしてその言葉は言わなかったのである。

 

「け、ケダモノめ!姉上はともかく植物まで手を出すだなんて!なんて女性の好みのストライクゾーンがとんでもなく広いヤツなんだ!お前は!」

 

ナナは彼らの行動を見て、顔を真っ赤にして結城リトを罵る。このナナは動物と会話する能力を持つがその動物の心は読めない為、彼らの気持ちがよく分からなかったのだ。

 

「し、仕方ねぇだろ!セリーヌが女の子だなんて知らないんだよ!そもそもそんなの関係ないから俺はセリーヌや植物が好きなんだよ!」

 

結城リトにまたも嬉しそうにセリーヌは喜び、好きだという彼の顔を舐めまくった。男だからとか女だからとかそういう一切の関係を持ち込まずセリーヌそのものを好きだと言う彼を好きになっていた。

 

「ま、私も優しいセリーヌの事が好きなんだけどね」

 

結城美柑も笑顔でセリーヌに語りかけると、セリーヌは大喜びであった。セリーヌは結城リトは大好きであり、結城美柑も大好きだ。そんな彼らに好きと言われたらどんな愛情表現を持ってしてもそれは伝わりきれない愛情であった。その愛情を彼らにどうしても伝えたいが、ギーギーやギェーしか言えないこの植物としての言葉でしか伝えられないのが悔しかった。

 

そんなある日の事であった。

結城リトはいつものように花壇や庭の世話をしていたが、セリーヌの様子がおかしいのだ。そのセリーヌは発光し苦しそうにしていた。結城リトは結城美柑やデビルーク三姉妹を呼び出し、セリーヌの様子を看て貰った。

モモは植物の言葉を知る能力でセリーヌの言葉を聞き、そのセリーヌの言葉では大丈夫だ心配するなといった言葉を伝えるが、どうしても苦しそうに藻掻く微妙に光るセリーヌを見てはいられないのだ。

 

「あ、そ、そうだ!お姉様、この植物は惑星プランタスで採ったんですよね!?」

 

モモは血相を変えてララに問いかけた。もしかしら、あの症状なのではないだろうか?と疑問に抱き、少しでも可能性を信じたい。

 

「そ、そうだよ!それが何なの!?モモ!」

 

「や、やはり!そ、そうでしたか!やはりーー」と言いかけたモモに問い詰めるように結城リトは近寄り、青ざめた表情でセリーヌは大丈夫なのか?セリーヌは元気になるか?セリーヌは助かるのか?と次々と質問を浴びせた。その彼を阻止しようと結城美柑は近寄り、兄の顔を思いっきりひっぱたいた。

 

「いい加減にして!セリーヌとモモさんを信じてあげてよ!セリーヌは家族でしょ!?モモさんが何とか出来るかもでしょ!?」

 

頬がヒリヒリし、頬を擦る結城リト。そうだ、セリーヌやモモを信じなくてどうする?家族として信頼しないでどうする?育ての親が子を信頼しないでどうする?彼はそう思うと自分の愚かさに嫌気が差した。

 

「こほん、このセリーヌちゃんはもうじき枯れます」

 

モモの言葉に耳を疑う結城リト。しかし、まだ話が続くので結城美柑は暴れる結城リトを何とか抱きついて拘束して動かさないでいた。

 

「でもそれは悪い事ではありません」

 

結城リトはそのモモの言葉で暴れなくなった。植物に詳しいモモがそう言うのであればそれを信じなくてはならないのだから。

 

「だって、まだ・・・まだ成長している証しなのですから」

 

結城リト達はセリーヌをチラリと見ると、セリーヌは力弱く生きていくが徐々に徐々に生命の灯火が消えていくのを感じた。ジワリジワリと枯れていくのも目に見えるのを感じて緑の葉や茎が茶色へと変わっていくが、それに反して発光が強くなっていく。まるで何かに変身するようにセリーヌを光で包み込んでゆく。

 

「もう少しです、もう少しの辛抱です。リトさん?美柑さん?セリーヌちゃんに応援をお願いします。今、セリーヌちゃんは成長していくのをものスゴく頑張っているのです」

 

モモの言葉に涙を流しつつ結城兄妹は応援した。セリーヌ頑張れ、もう少しだ、自分達がついている、頑張れセリーヌと必死に応援した。

その結果のおかげか、セリーヌは成長した。セリーヌは頑張って頑張って成長して開花した。そのセリーヌは植物であったはずだったけど、その成長したセリーヌは幼女の姿へと変貌していた。

 

「これがセリーヌちゃんの成長した姿なのです。リトさん?美柑さん?いかがですか?」

 

モモの言葉に結城兄妹は涙を流しながらセリーヌを抱きつき、よく頑張ったな、よく成長したな、産まれてきてありがとうなどと感謝の言葉が次々と無意識に出ていた。その感動に涙が止まらない結城兄妹にデビルーク三姉妹も涙を浮かべていた。

 

「よかった!ひっくひっく、よ゛がっだよぉ゛ー!」

「私も゛これに弱いんだよぉ゛ー!」

「ぐすん、セリーヌちゃんも喜んでいるみたいです」

 

セリーヌ登場にいつまでも涙を流し続けていたのであり、そんな彼らの行動を喜びお礼の言葉をセリーヌは伝える。たった一言、たった一言でいい。どんな声でも、どんなに舌っ足らずでも、すませてあげなくてはと、伝えた。

 

「まうーまうーまー!(大好きだよ、みんな)」

 




セリーヌの言葉の通訳はこれで最初で最後です。今後はモモが通訳してくれると思いますので、安心してくださいませ。
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