ヤミがダークネス化になる以外思いきりオリジナル展開となります!感想お待ちいたしています!
ダークネス其の一
ある日の真夜中の事、何かがおかしいと違和感を感じた
結城リトは自分のベッドに寝ていて、何かが自分の布団の中に何者かが入り込んでいるのを感じていた。
重い瞼をゆっくりゆっくりと開けるとそこには知らない人物がいた。
「よぉ、下僕よ。また会ったな?いや、忘れているかもしれんがな」
その少女は結城美柑と同じぐらい体型の小柄であり、髪は腰まで届くであろう黒いロングヘアー。肌色が褐色であったがその身体には何も着物を着ていなかった・・・つまりはその少女、全裸なのだ。
「~~~~っ!!?」
女の子に免疫が無い結城リトは顔を真っ赤にして目を見開き眠気が一気に吹き飛んでしまったのだ。しかし、その少女は身体を一切隠さず堂々と立ち振る舞い、結城リトの身体に抱きついて拘束していく。そうすると更に顔を真っ赤にした結城リトは思考回路をショートして、考えるのを止めてしまった。
「ふむ、やはりか。やはり失っているのか?あの能力を。それと、記憶も無くなっているな」
少女は結城リトの身体を自らの全身で確かめるように擦り彼を包み込む。そのいきなりの少女の行為に結城リトは無抵抗のまま動けずにいた。
「おっと、下僕は女に弱いんだったな。うっかりだ」
少女は全裸だったが、いつの間にか黒いワンピースを着ていて、髪を束ねサイドテールへと変貌していた。結城リトはようやくその少女の姿がマシな姿となったので、少女の正体を聞くことにした。
その少女の名はネメシスという名で、ヤミと同じトランス能力を所持しているそうで、つまりは宇宙人なのだという。そのネメシスが何故結城リトの元へと現れたのかというと非常に奇妙な話であった。
「なぁ、私を覚えているか?いや、忘れているかもしれんがな。ふん、下僕のくせに主人を忘れるだなんてお仕置きが必要になるが・・・ま、いいだろう」
結城リトはネメシスに会うのは初めてであったので、首を横に振るしかない。しかし、ネメシスは結城リトに会った事がある、否、知った事があるという口振りである。しかし、結城リトは考えた。何故ネメシスが自分の事を知っているのか?そして、ララだって初めて会ったのに知ったような口振りだったのか?今、目の前にいる謎の少女ネメシスに聞かずにはいられない。
「なぁ、俺はキミと会った事があるのか?」
「・・・ああ。しかし、何故そんなに落ち着いた様子なのだ?心当たりがあるみたいだが」
結城リトはまた考える。ネメシスの目を見れば嘘をついている様子は無い。更に自分の命を狙う宇宙人が居ればすぐに襲いかかるはずだが、ネメシスにはその気が無い様子だ。だから嘘をつくメリットも無いし、嘘をついたとしてもそれは警戒させるというデメリットしか生まれないからだ。
「・・・そうか。ネメシス、お前俺に何の用なんだ?」
ネメシスは目を見開き驚いた様子を見せる。何故彼は落ち着いて真っ直ぐに目と目を合わせて向かい合うように真剣に話しを聞く態度に疑問を抱いたが、ネメシスは彼を知っているのでその疑問はすぐに晴れた。何故ならば結城リトは人に優しくて否定しないからだ。
(ふ、やはり私の下僕はこうでなくてはな)
ネメシスは笑みをこぼした。彼を知っているからこそ、信頼出来て彼に頼る事も出来るし、その彼は全力で護ってくれるので心安まるのだ。ネメシスにとって彼は下僕なのだから。
「さて、私は下僕に対して質問をするが、ちゃんと答えてくれ。私は真剣なんだからな」
「あ、ああ、分かる事ならな」
「よし、では早速・・・お前は何度この生活を、いや人生を送ったと思うか?」
ネメシスの質問の意味が分からなかった結城リトは首を傾げた。普通の答えならば一度目であるのだ。何故ならば人は人生一度きりの命なのだから人生を繰り返す事なんて不可能なのだ。その答えをネメシスに言うと、やはりと言ったところか納得していた。
「では、知らない人物がお前を知っていると言う人物が現れたか?」
それならばと結城リトはララと夕崎梨子と素早く回答した。ララはあんまり記憶が無いみたいだが、夕崎梨子は結城リトを知っていたが、かつて結城リトは夕崎梨子を知らなかったのだ。
「・・・なに?夕崎梨子?誰だ!?そいつ!ララ姫は知っているが、そんなの初めての事象だ!あ、ありえない!なんで!?なんでなんだ!下僕!教えろ!」
ネメシスは驚いた表情で結城リトの両肩を両手でガタガタと前後揺らし、結城リトは目を回した。よほどネメシスの力が強いのかそれとも地球人が弱すぎるのか分からないがそれでもお構いなしに結城リトの身体を揺らし続けたが、どうにか落ち着きを取り戻したネメシスは結城リトの回復を待った。
「ふぅ、すまんな下僕。何せ初めてのとある可能性を見出したのでな。さて、教えてくれ。その夕崎梨子の事をな」
結城リトはネメシスに夕崎梨子の正体を教える。結城家の親戚であり地球人の夕崎梨子であり、その他の不思議な力や宇宙人に近い者ではないとハッキリと断言した。しかし、ネメシスは怖い顔でその話を聞いて何やら考えていた。
(・・・やはり教えるべきか?今回のみの事象ならば何が何でも脱出しなければならない!だって、だってこの世界はーーー)
ネメシスは目をキッと真剣な眼差しで結城リトを見つめ、ある本当の事を教える事にした。この世界の事を、この不思議な世界の事を・・・
「今から私が言うのは本当の事だ。だけど、嘘みたいな話だがそれでも信じて欲しい。たのむ、下僕。私の事を信じてくれないか?一回だけでいい」
ネメシスの必死の頼みに結城リトは力強く頷く。ネメシスが信頼して欲しいと言うのならば男として受け止めなければならない。それが結城リトにとって信じられない事でも、ネメシスを信じたくなった。その真剣な眼差しに嘘偽りは無いのだからだ。
「ーーこの世界は繰り返されているんだ。何千いや何万回くらいな」
ネメシスの言葉に言葉を失った結城リト。今、ネメシスはなんと言ったのだ?世界が繰り返される?しかも何千か何万か知らないがとにかく何度も何度も繰り返されているのか?そう思うとゾッとする。しかし、その記憶は結城リトも繰り返される世界を知っているネメシスにも無いのだ。ならばネメシスはどうやって知っているのか?ネメシスが言うには、記憶は無いが体感した覚えがある気がする・・つまり既視感が日に日に強くなりあげくの果てにはその日に起こる何事かが分かるようになっていたのだという。
しかし、その何事かは身に覚えも無いがそれでもした経験がネメシスに襲いかかるのだそうだ。それでついには世界が繰り返されているのにようやく気づいたのだ。
「そして、下僕・・お前とララ姫が中心になって何らかの方法で世界を繰り返させているのを私は知り、何度も何度も今までの行動をある程度寸分違わずお前達は繰り返していた。多分今までの私もな」
繰り返される世界の原因はララと自分と知り愕然とした。結城リトは地球人であり世界を戻すとか構築するとか不可能であり、それはあまりにも信じられない。けど、ネメシスは真剣な表情だし、それを何とか納得するしかなかったのだ。
「しかし、今回の事象は今までと違い今の私は登場する時期が早すぎると思うんだ。それも何か理由があるかもしれんが、今は何も分からん。ただそうしないと、と何故か思ってしまったんだ」
「う、う~ん、よく分からないなぁ」
「私もよく分からん。あとそれと夕崎梨子というヤツだ。ソイツだけは今回だけ現れたんだ!本来居ないはずの人間だが、どうも気になる」
ネメシスの話によると何度も何度も世界が繰り返される影響か知らないが、夕崎梨子が現れてその夕崎梨子だけは特異点だ。あの急に結城リトの前で現れたあの変わった少女が何かの鍵となるのだろうか?今は議論しても何も答えなんて出ないから落ち込むしかない。
「え~と、世界が繰り返す事もリコが本当は居ない者だという事も分かった・・けど、これからどうするんだ?その、繰り返す世界から脱出する手段は無いのか?」
「それは知らん。でも今回で何とかしないと未来が失われるかもしれん」
「未来が・・失う?どういう意味で?」
「もちろんその意味だ。例えば明日が終わればまた世界が一から繰り返されるとしよう。そしてその世界でまた繰り返される運命の日となれば・・・世界は無となる、かもしれん。確証は無いがな」
つまりは未来そのものの時間が切り取られその日以降の時間軸が失うので文字通りそこにあったモノがなにもかも無くなって人も惑星も宇宙も全部が無へとなる。しかし、それを阻止出来る可能性がある。それは夕崎梨子という特異点の存在であり、その人物が未来を確保出来るかもしれないのだ。
「で、でも、アイツは、リコは地球人だぜ?そんな大層なヤツじゃないと思うし・・・」
「それにだ、下僕に足りない能力とも呼べる難病があったはずなんだ。その難病は突発性ハレンチ症候群と呼ぶそうだが」
ネメシスが言う突発性ハレンチ症候群とは女性に対して胸や尻、股間などに無意識的かつ突発的に頭や手や口など身体の一部を突っ込まる難病であった。しかし、繰り返されていたかつての結城リトはそれに苦しまれたが、今はその難病を患っていないのだ。
「よ、良かったぁ、俺そんな病気持って無くて~」
女の子に免疫が無い結城リトは内心ホッとした。もしも意中の西連寺春菜にその難病で結城リトが手足を彼女の身体を弄るような事があれば普通に嫌われる事は確定的であるのだ。
「・・・下僕よ。また頼みがあるがいいか?」
ネメシスの身体がうっすらと消えていっていく。その姿を見た結城リトはギョッと目を見開き驚いた表情を浮かべる。その姿はだんだんと透明化している様子で、ネメシスという存在が消えていくような気がしていた。
「私は魂だけで身体はほんの一瞬しか保てないのだ。今まである少女の身体を借りていたが、下僕の身体が一番のお気に入りでな。だから憑依させろ」
ネメシスは結城リトにじっくりじっくりと近寄り距離を詰める。このネメシスの頼みに結城リトは力強く頷いた。女の子が自分を信頼して頼んでくれるのだから断る理由はない。
「ああ!女の子が助けて欲しいって言うなら俺は出来る事なら何でもする!ネメシス!お前は俺が救う!」
結城リトは手を差しのばした。ネメシスはうっすらと笑みをこぼし、結城リトに近寄る。
(ふ、やはりお人好しだな。メアには悪いがしばらく隠れさせて貰うぞ)
ネメシスが結城リトの前に身体を借りた人物である『メア』に謝罪しつつ、結城リトにネメシスの魂を憑依させて、結城リトは力尽きるようにベッドに倒れ込み、再び眠りについた。
その日の早朝。またも自分のベッドの違和感に気づいた。柔らかくて弾力があるモノと黒くてハートのようなモノが結城リトの手に取られていた。おそるおそるその正体を見ると、全裸のララであった。
「~~~っ!!?ララー!お前なーっ!!」
結城リトの叫びにララは眠り眼を擦りながら呑気におはようと挨拶するが、それはそうと服を着ろと顔を真っ赤にさせて説教する結城リトはララの全裸を目に焼き付けてしまった。
(はっ!これが突発性ハレンチ症候群というのか!?いや、俺からじゃなくララからの行動だから関係無いのか?)
結城リトの思考は正解であり、結城リトが女性をあらゆる辱めを無意識的に曝け出す行動する病気であり、女性自らが曝け出す訳ではないのだ。
(て、あれ?何か忘れているような気がするけど・・ま、いいか)
結城リトはララを追い出し、自分が何か大切な事を忘れている気がしていた。その大切な事は・・・
「ふむ、下僕よ。やはりその運命は変えられないようだな」
ネメシスだ。ネメシスの存在をすっかりと忘れてしまった。おそらく憑依したせいで記憶が曖昧となり、真夜中で起こった事を夢か何かと脳が勝手に処理していたようだ。でも、ネメシスの存在を認知した後、全てを思い出したのだ。この世界が繰り返されている事を。
「ふふ、お前のハレンチ症候群は完全に失ってもなお、その片鱗を見せるか。これから起こる事が非常に楽しみだ!下僕よ!」