ToLOVEる~変わりゆく運命と恋~   作:叶夢望

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ダークネス其の八

結城リトがララと出会って一年が過ぎていた。

結城リト達は進級し、二年生となった今も結城家は賑やかであったのだ。いつもの全裸のララが結城リトにくっついて離れず好きだという告白し、結城リトは顔を真っ赤にして適当にあしらう。それをララの双子の妹であるナナとモモは冷たい視線を送り、我関せずといったところで放っておいていた。セリーヌは結城美柑に甘えて抱きしめていていつしか眠りについているという結城家の日常が繰り返し行われていた。

その結城家の親戚と名乗る夕崎家の愛娘である夕崎梨子は満面の笑みを浮かべ、結城家のリビングにある椅子に座り、彼らの日常を温かい目で見守っていた。

その夕崎梨子は昨日ギドによる宇宙旅行の旅を終えて宇宙船から五体満足のまま元気よく帰ってきたのを結城リトは満面の笑みの表情を浮かべ、お帰りと伝えたら夕崎梨子も満面の笑みを浮かべ、ただいまと言い彼らは再び相まみえたのだ。

 

「ギドくんは優しい人だったよ。まさか太陽系の他に地球の研究で知られていない惑星を見れた事なんて感激だったよ。ボクは非常に幸福だった」

 

夕崎梨子は無邪気な笑顔で土産話を結城家プラス居候の人物に語りかけ、その場に居る彼らは羨ましそうな表情を浮かべて、聞いていた。

 

「え!?パパに会ったの!?私達の事心配してたの!?リコ教えて!」

 

ララは無邪気な笑みを浮かべ、夕崎梨子に抱きつき興奮していた。ギドによる伝言を伝えようとし、三姉妹は無邪気な笑みを浮かべ楽しみという気持ちがはじけ飛び、デビルーク特有の黒い尻尾が犬のようにパタパタと振って喜んでいるようだ。だけど、その笑みは消えるかもしれないだろう。

 

「ああ、ギドくんが言うには家出した悪い娘達にはお尻百叩きの計らしいよ?覚悟しておくように、と言っていたよ」

 

夕崎梨子の言葉に三姉妹の顔の血がサァーと引き、絶望顔へと変貌していた。

「ギャー!父上に殺されるー!」とナナが

「嫁に入る前にお尻の原型がおかしくなる!」とモモが

「パパ怒ると怖いんだもん」とララが

三姉妹は目に涙を浮かべ恐怖を感じ身体をガタガタと震わせて、三姉妹は怒っている父親にいったいどうやって謝ろうかと考えるもどうしたらいいか分からない。しかし、今目の前に居る夕崎梨子は怖い父親の知り合いだし何とかお尻百叩きの計はどうにか免れるかもしれないと一縷の望みを託し、夕崎梨子に泣きついた。

 

「ごめんよ、ボクには人様の家庭にどう対応していいのか分からないよ。もし、何か策があってもそれは逆効果になってお尻百叩きが二百叩きになるかもしれないよ?それでもいいのなら考えてもいいんだけど」

 

夕崎梨子の考えた結果は三姉妹にとっては最悪であった。もしも本当に怖い父親のお仕置きが倍になったらと思うとゾッと恐怖を感じるしかなかった。それもお尻を叩くという拷問じみたお仕置きが彼女達に降り注ぐ未来はそう遠くは無いのかもしれないだろう。

 

「もう!リコさんは私達の先輩ですよ!?後輩が可愛くないのですか!?」

「そうだぞリコ!もっと後輩を敬え!可愛がれ!そして甘やかせ!」

 

ナナとモモは声を揃えてぶうぶうと文句を言い放つ。ナナとモモは彩南高校の新入生となり、今日から結城リトと夕崎梨子それにララの後輩となるのだ。だからその後輩は先輩でかつお姉さん的存在である夕崎梨子に怒った顔をして詰め寄っていく。その彼女達の態度に気にくわないのか夕崎梨子はナナとモモの黒い尻尾の先端部分であるハートの形をした尻尾を手に掴んだ。

 

「えっ!?リコさんーー」「待て!それはーー」

 

ナナとモモの言葉は最後まで続く事は無く、黒い笑みを浮かべた夕崎梨子は左手にはナナの尻尾の先端を、右手にはモモの尻尾の先端を盛大にかつじっくりと擽り続けた。その部分はデビルークに住む女性限定の弱点であり、掴まれたり擽りなんてされたら快楽を覚え、恥ずかしい声を出さずにはいられなかったのだ。

 

「ふふふ、ボクはキミ達にとって最悪な結果を伝えたかもしれない。だけどね?一生懸命考えたなりに伝えたんだよ?」

 

夕崎梨子の説教と共に双子のお仕置きは終わらない。双子は朝っぱらから恥ずかしくて艶やかな声を出していたが、そんな事なんてどうでもいいと思う夕崎梨子は双子の尻尾をニギニギと握ったりサスサスと器用に手を動かしていた。

 

「それをキミ達はどうだい?自分じゃ努力しない、人に謝らない、人になすりつける、人に迷惑をかけると散々な悪い事をしているのにも関わらず悪くないと言い張るのかい?だからギドくんは怒っているんじゃないかな」

 

ナナとモモは快楽を覚え、身体に力が抜け床に倒れ込み、二人は顔を真っ赤にさせ荒く甘い吐息を吐き、目は虚ろで身体をビクンビクンと震わせていた。夕崎梨子の手はようやく止まりお仕置きはお終いとなっていた。

 

「ふふふ、ボクはまた勝てなかった。ナナちゃんやモモちゃんを救いたかっただけなのに、それが出来ないだなんて、ボクはなんて情けないんだ」

 

夕崎梨子は敗北者になっていた。口下手で素直じゃない夕崎梨子が誰かに勝てるはずは無かったのだ。だけど、結城リトと結城美柑は同時に「今勝ってるだろ」と冷たい視線でツッコミを入れ、そのツッコミを夕崎梨子は親指を立ててグッジョブとツッコミをいれた彼らを褒め称えていた。

 

「今思うけど、ララちゃん達のその尻尾鍛えるとか出来ないのかな?そんな危険な弱点を曝け出すだなんて無謀にもほどがあるよ?」

「そうだよね~、昔ちょっと色々と試したけど鍛えるとか無理だったよ~」

 

ララはのほほんとした声で自分の尻尾をヒラヒラと振り、少し自分でその尻尾を触るとララの身体がビクンと震え快楽を覚え、ほらねと言わんばかりの表情で訴えかける。その様子を見た夕崎梨子は顎に手を添えて考える素振りを見せ、何か閃いたのかララ達にある提案をした。

 

「なら隠せばいいんじゃないかな?いつまでも外に放り出すのは危険すぎるから、そうだね・・・自分の腹に巻きつける、てのはどうかな?」

「どこの戦闘民族の話してんだよ!リコ!」

「お?分かったのかな?このネタを」

「どうせお前の事だ、満月を見たら何だか分からない大きなバケモノになるとか言い出すだろ?分かってるぞ」

「おお・・・ボクのセリフを奪うだなんてリトもやるようになったものだよ」

 

夕崎梨子と結城リトの会話をよそに三姉妹は自分の身体に尻尾を巻きつけ、一旦様子を見る事にして適当に動いたら・・・快楽を覚えた。

 

「何でなの!?隠しているのにそうなるの!?」

 

結城美柑の問いに小さく甘い吐息を吐く三姉妹が言うには服と自分の肌の温かさそれに動くと微かに服と肌に尻尾が擦られ続け、快楽を覚えていつしか果てるのもおかしくないそうだ。

 

「つまり、弱点は弱点のまま、て事なの?大変だね、宇宙人は・・・」

 

結城美柑は弱点を克服出来ない三姉妹を哀れむような表情で彼女達の不運を影ながら見守る事にしていくのであった。

 

時は流れ、入学式が終わり数日が経ったある日の昼休みの教室にてモモは男子生徒による絶大な人気を誇り、いつも男子生徒がモモの周りにいるのをナナは放っておき、視線を教室全体へと流すととんでもない人物を目にした。

 

「ヤミ!?それに隣にいるヤツは誰だ?」

 

かつて金色の闇と呼ばれる兵器がどうしてこんな所に居るのか分からなかったのだ。それと赤い髪で長く三つ編みを施されているヘアースタイルの謎の少女も奇妙であった。どうやらヤミとその少女は知り合いのようだった。

 

「ナナ姫ですか?私の名はヤミです、気軽にヤミちゃんと呼んでください」

「あ、ああ、どうもご丁寧に、て!そうじゃねぇよ!ていうかリコのマネすんなよ!どんだけ好きなんだよ!」

 

ヤミは夕崎梨子の事が好きなのかどことなく顔を赤らめてそっぽを向いた。素直ではないヤミだけど、今まで一人ぼっちだったのでどう対応したらいいのか分からなかったのだ。続いて赤毛の謎の少女はナナの前に立ちニッコリと微笑んだ。

 

「私は黒崎芽亜だよ?気軽にメアちゃんと呼んでほしいな!ナナちゃん!」

「お前もそれかい!どうなってんだよ!どんだけカリスマ性あるんだよ!アイツ!」

 

ナナのツッコミは勢いを知らず、次々と夕崎梨子のような自己紹介を聞くしか無かったのだ。モモはナナの異変に気づき、ヤミや黒崎芽亜の存在に気づき驚いた表情を浮かべていた。

 

「これはこれはヤミさんではありませんか?私と名前はモモ・ベリア・デビルークです。気軽にモモちゃんと呼んでくださると嬉しいです」

「結局お前もかー!」

 

モモの自己紹介も夕崎梨子のような自己紹介であり、誰もかもが同じような自己紹介をする事に幻滅し、落ち込むしかないナナであった。そのナナが元気が無く落ち込んでいるのをヤミはナナの事をみんなに紹介しようと前に立った。

 

「彼女の代わりに自己紹介は私が代弁しましょう。彼女の名はナナ・アスタ・デビルークです、気軽にナナちゃんと呼んであげてください・・・これで友達がたくさん出来ますね?良かったですナナ姫」

「ああ!良かったよ!友達が増えそうでよ!もぉ~!どいつもこいつも~!ムキー!」

 

ナナはヤミの良かれと思った自己紹介にイラつきを覚えて床を地団駄に踏んだ。

 

「あははナナちゃん面白いね?良かったら私達とお友達にならない?ヤミお姉ちゃんも友達になりたがっているし、ね?ヤミお姉ちゃん」

「わ、私がですか?そ、そうですね、友達が多い事に越したことは無いですから、貴女達がどうしてもと言うのであればーーー」

「もぉー!ヤミお姉ちゃん!ダメでしょ!?ちゃんと面と向かってお友達になろう、て言わないと!しっかりしてよ!三姉妹の長女になるんでしょ?」

「三姉妹の・・・長女っ!はい、そうですね、私がしっかりとしないと末っ子に笑われますね」

 

ヤミの目が一瞬だけ光り、やる気に満ちていた。一方、ナナとモモは二人が姉妹とは知らず尚且つもう一人妹が出来る宣言を聞いてしまったのでナナとモモは互いに顔を見合わせ一体どういう事なんだと疑問を抱いていた。

 

「でへへ~、私達はこう見えても姉妹なんだよ?血は繋がってない・・・のかな?とにかくその内に妹が出来るんだよ!」

「姉妹・・・?という事はメアさんはトランス能力をお持ちで?」

「そうだよ!こんな所じゃ発動出来ないから屋上でも行こうよ!ね?いいでしょう?マスターも紹介したいし」

 

黒崎芽亜はナナとモモとヤミを連れ出し、屋上へと向かった。そこにはチラホラと人が居るみたいだが、特に大きなトランス能力を使わないので気にしないでいた。

黒崎芽亜は髪の毛の一部を刀へと変身させ、ナナとモモにトランス能力を見せびらかせ、ヤミと姉妹だという証拠を見せていた。すると黒崎芽亜の身体から黒いモヤが出て黒いワンピースを身に纏った褐色の肌を持った少女が現れた。その人物はナナとモモが知っているネメシスであった。

 

「遅くなったね?マスター。退屈じゃなかった?何だったら結城リト・・・いやここじゃリトせんぱいて言えばいいのかな?リトせんぱいの所に行こうか?」

「いや構わん・・・いや、やはり行くとするか?下僕の顔を踏んでやらんと落ち着かんからな?くくく」

 

ネメシスはサディストであり誰か踏む喜びを感じ始めていたのだ。一方結城リトはサディストでもマゾヒストでもない一般な人であり、誰かを踏んでも踏まれても喜びを感じないのだ。閑話休題、それは置いといて、今まで繰り返されていた世界のかつてのネメシスの狙いは黒崎芽亜と組んでヤミのダークネス化を発動し、結城リトを殺させヤミをかつての生命兵器金色の闇に変貌させるのが目的であった。

しかし、もしも結城リトを殺した事により世界の運命が大きく変わりネメシスやダークネスとなったヤミでもどうする事も出来ない事態に遭遇し、その対決策に繰り返される世界の中心である結城リトが必要となる場合があるかもしれないので結城リトは殺しても殺されてもダメなのだ。

それと夕崎梨子の存在もまさにそれであり、冗談半分で始めた夕崎梨子妹化計画を実行しなければならない場合の可能性も大いにあるのだ。

 

「ま、お前らと仲良くしてもやっても良いぞ?この私自らが貴様達を調教してやろうか?くくく」

 

でもまずは小さな一歩からじっくり進まないといけない。確実に一歩ずつ、一気に駆け上がるのもいいけどそれじゃ何か予測出来ない事態が起こるかもしれない。だから、ネメシスは黒崎芽亜に兵器としてはなく、駒として動かしていた。一般論じゃどっちも同じ表現かもしれないけど、ネメシスは黒崎芽亜の気持ちも自分の気持ちも尊重出来る良い悪者であったのだ。

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