ToLOVEる~変わりゆく運命と恋~   作:叶夢望

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ダークネス其の完

夕崎家に二人の家族と一人の居候が増えた。しかしその人達は夕崎家の長女夕崎梨子とは血は繋がっておらずしかも妹扱いするという奇妙な居候が増えた。

自称夕崎家長女ヤミは夕崎家のリビングにあるソファーで本を読み、自称夕崎家次女黒崎芽亜は洗濯物を干していて、自称夕崎家によく遊びに行く近所のお姉さん的存在のネメシスはニヤニヤと黒い笑みを浮かべて夕崎梨子を観察していて、その彼女らに仕方なくといった表情で末っ子になる運命になった夕崎梨子は深くため息を吐いた。

 

「くくく、リコちゃんよ、家族が増えたのに辛気くさそうな顔をするな。私含め姉が三人も増えているんだぞ?もっと喜べ」

 

ネメシスをはじめヤミや黒崎芽亜もだいたい同じ事を言うので耳が痛くなった。確かに家族が増えるのは嬉しいのだが、夕崎家の本来の長女として後から出来た家族に妹扱いされるのは非常に悲しい事である。しかし、しばらく彼女達と暮らし始めて悪くはないかもと思い始めた夕崎梨子は先から生まれたのに姉だ妹だと言っている彼女達の言葉を深く考えるのを止めてしまった。

 

そんな些細な日常は早くも崩れ去っていた。彼女達四人はピクニックでもしようかと公園へと行く途中、思わぬ人物が現れた。彼の通称はクロであり殺し屋であった。ツンツンヘアーの黒髪で、瞳の色は金色である。精神エネルギーを弾丸に換えて撃つ黒い装飾銃ハーディスを使いこなし、その黒い装飾銃で消し去った標的は千を超え、宇宙最強の殺し屋だとヤミが伝えた。

 

「夕崎梨子ってヤツはソイツか?」

 

クロはどうやら夕崎梨子を殺す気でいるらしく、異常な殺気を放ち、夕崎梨子は恐怖を感じ身体をガタガタと震わせていた。そんな夕崎梨子を殺させまいとヤミ、黒崎芽亜、ネメシスはトランス能力を使い髪や手を刀に変化させ戦闘態勢を整えていた。

 

「夕崎梨子ってのには特に人気でな。何やら世界を滅ぼす危険なヤツだとか、世界の運命を大きく変えるほどヤバいヤツだとかそういう理由で殺しの依頼が殺到している」

「なに・・・?ならばお前を倒したとしても次々に刺客が来るのか?」

「俺より強い殺し屋は居ないからそれは無いな。しかし俺は強いぞ?それでも抗うか?楽に死なせる事も出来るぞ」

「ダメだよ!私達の妹に手を出さないで!」

「妹?トランス能力を持っているのか?その割には弱そうなヤツだ」

「弱い人だからこそ私達の妹なのですよクロ。その妹が末っ子だったら、なおさらで弱くて情けないのは当たり前ですから」

 

クロという殺し屋相手に三人は立ち向かうけど夕崎梨子には身体を震わせるしかできなかった。だけど、彼女達の友人であり、仕方なくだけどお姉さんだからそんな彼女達を信じるしかなかったのだ。

そんな彼女達が守る夕崎梨子を排除するのでクロは装飾銃ハーディスを撃つ為に精神を使い、弾を補充していく

 

「充電、完了だ」

 

クロは銃口を夕崎梨子に向けて放とうとするがヤミと黒崎芽亜によってクロの視界を防いで邪魔しつつ、トランス能力で生成した刀で斬ろうとするも、少しだけ避ける動作だけして腕や脚で二人を殴りとばして、または蹴りとばして黒崎芽亜に銃口を向けて撃つ。その弾は巨大なレーダー砲のような威力であり、黒崎芽亜は危険を感知し、とっさに逃げてその場所にレーダー砲が当たった。するとその場所の地面には大きな風穴が出来ていた。

 

「俺が一番集中力を高められるのは、コイツを持っているだけだ」

 

装飾銃ハーディスを撃つ際に精神を使うので集中力が必要となる。そんな事しった事かとヤミと黒崎芽亜とネメシスはトランス能力で対抗するもクロが強すぎて歯が立たず、三人の姿はすでにボロボロとなり、服があちらこちら破けていて下着の一部が見え隠れしていた。

 

「ならばその集中出来る銃を壊せばいいですね」

 

ヤミはダークネスへと変貌し、頭には二本の角と手には鋭い爪、胸と股間に黒い布がまかれた以外裸のまま、クロに突撃し、ヤミの刀を堅い装飾銃ハーデスでクロは受け止めた。

 

「!ダークネスか!厄介だな!不吉を届けに来やがって!」

「想定外の事にうろたえる位なら最初からこんなことするべきではありませんでしたね」

「俺の命だ、お前達には関係ない事だ」

「そうですね。ですけど、5秒あげますからここから消えてください。今なら見逃しますよ」

「それ以上俺をなめるな、承知しないぞ」

 

クロは力一杯にヤミの刀を装飾銃ハーデスで押しのけ、ヤミに銃口を向けて本気の一撃電磁光弾を発砲した。ヤミはそれに対してダークネスとして本気の実力を出し、惑星断刀というその気になれば惑星を切る技をクロの装飾銃ハーデスと電磁光弾に向けて範囲を狭め、惑星断刀の威力を上昇させると競り勝ち、装飾銃ハーデスは壊れていた。

 

「な!?このオリハルコン製のハーデスが!」

 

どんな攻撃でも耐えるはずの装飾銃ハーデスが壊れたクロをよそに、クロの首元にヤミは刀を突きつけて、すぐにダークネスを解いた。

 

「お前何故止めた?」

「私は護り屋ヤミちゃんです。殺し屋ではありませんので」

「いや、一生過去は切り捨てられるものじゃない、お前がお前でいる限り。俺だってそうさ、生きていくには過去を背負うしかない。だからお前は腐っても殺し屋だ」

「私は兵器ではありません、武器なのです。戦うのではなく、護る為の武器なのです」

「・・・そうか。ならお前の言葉を信じる」

「はい、私は大切な親友を護る武器なのですから」

「いや、お前は兵器でも武器でもない、ただの人間だ」

「もしそうなら私はいつしか人間になっていました」

 

クロは戦う術を失い帰る事にした。そして宇宙中の殺し屋に夕崎梨子の近くに居たら絶対にやられるぞと釘を刺し、宇宙を彷徨っていった。金色の闇がダークネスを使い、そのダークネスは惑星を壊すほどの力を持っているけど、その力を利用せず親友を護る為に使うのを見に持って痛感し、クロは殺し屋から足を洗うことにした。ヤミが大きく変わったから今度は自分も変わる番だと決心し、しばらく旅を続けていくのであった。

 

一方、結城リトは西連寺春菜の元に告白しようと猿山ケンイチ協力のもと学校の屋上へと西連寺春菜を呼び出した。結城リトは鼓動が早くなり顔も真っ赤になりつつ、まだか、いやもう少し待って、いや告白するんだと堂々巡りの考えをしていると屋上に西連寺春菜の姿が見えてきた。

 

「結城くん?何の用なの?猿山くんから屋上に居る結城くんが呼んでいるからって来たけど・・・」

 

西連寺春菜も胸の鼓動が早くなっていた。その場には二人きりであり、しかも呼び出しとならば意識せざるを得ない状況であり、更には西連寺春菜は結城リトを慕っているから顔をほんのり赤くして期待するように彼へと近寄り歩くスピードが速くなっていた。

 

「お、おまたせ」

 

西連寺春菜は結城リトの真っ正面へと辿り着き、彼らとの間の距離約1メートルであった。結城リトは可愛くて好きな西連寺春菜の顔を見るとやはり顔を赤くして口がカラカラと渇くように緊張して手に汗を握っていた。だけど、伝えなくてはと思い、目をギュッと閉じて叫んだ

 

 

「お、オレ!好きだ!!付き合ってくれ!!」

 

言えた。ちゃんと言えた。ハッキリと伝えた。二人きりの状態で西連寺春菜に好きだと伝える事が出来た。だけど、その答えは出なかった。いや、出されなかったのだ。ララが突然空から飛んできて結城リトの正面に現れて満面の笑みを浮かべていたのだ。

 

「ホントに!?よし!なんだったら結婚しちゃえ!」

「ら、ら、ララ!!?」

 

結城リトは混乱していた。ララは居なかったはずなのにララが出現した事に。更には西連寺春菜に誤解を生む事になっていた。結城リトはララが好きなのか?と考えるが首を横に振ってそれはないと感じた。結城リトが本気でララを好きで付き合いたいと告白したならば今目の前でイチャつかれられている結城リトの真っ赤な顔をしているが止めろと叫んでいるのはおかしい事だ。

結城リトが好きな人とスキンシップをするのが嫌なはずはない。ならば先ほどの告白は西連寺春菜に言っていたという事になる。もしそうならば、結城リトが西連寺春菜が好き、西連寺春菜は結城リトが好きという両想いが成立した瞬間になるだろう。だから伝えなくてはと、彼に想いを、そして彼の返事を、西連寺春菜の口と気持ちでちゃんと伝えないと、と西連寺春菜は必死に顔を赤めるのを我慢してみるもどんどんと赤くなっていって胸の鼓動が早くなる一方であった。しかしそんな事はどうでもいい、早く、早く、早く結城リトに想いを伝えろ。

西連寺春菜は自分を応援し、口を開いた。

 

「ゆ、ゆ、結城くん!わ、わ、わ、私も、す、す、好きです!」

 

言えた。ちゃんとハッキリと伝えた。西連寺春菜は顔を真っ赤にしてまでも伝えた。結城リトも西連寺春菜の言葉に顔を真っ赤にした。彼らは正真正銘の両想いの関係となるはずだった。しかし、ララの一言により彼らの運命は大きく変わろうとした。

 

「そうなの!?良かったね!リト!私の惑星じゃ一夫多妻制が常識なの!だから一緒に暮らそう!ね?いいでしょう!?決まり!」

 

ララは結城リトと西連寺春菜の身体をひっつかせ、更にはそれに覆い被さるようにララは抱きついた。その時、世界の運命が変わろうとしていた。これまで結城リトは西連寺春菜が好きではあったがララとの結婚をして世界はループしていた。その場には西連寺春菜が居ないし、この世界には夕崎梨子は存在しないはずだった。これらの要因で世界は繰り返されるという事実が無くなり、ララと結城リトの頭に未来は突然やって来た。かつて高校生活を送った記憶とララとの結婚、そして世界を繰り返すアイテムを使って何度も何度も何度も繰り返してはララとの結婚をしてはゼロからの関係。それらの記憶が彼らに襲いかかった。

 

「・・・っ!ら、ララ!オレはーー!」とかつてララの夫としての結城リトはララに愛の告白をしようとしたが、「ダメ!!リトは春菜のこと好きなんでしょ!?」とかつての結城リトの妻ララは叫んだ。ちゃんと想いを伝えて両想いになった結城リトと西連寺春菜の気持ちを無下にはしたくなかった。結城リトの事は大好きだけど、西連寺春菜も大好きなのだ。

 

「私はリトが好き、それは誰にも譲れない事。春菜もリトが好き、それも誰にも譲れないはずだよ。私は春菜の事好きだから傷つけたくないし、一緒に居たいの」

「・・・分かった。けどな、一つだけ言っておくぞララそれに西連寺・・・いや春菜ちゃん聞いてくれ」

「は、はいっ」

「オレは心の底からララと春菜ちゃんの事が好きだ。堂々と浮気しているような事をしてて心底イヤだろう、オレに愛想が尽きるだろう。だけど、お前達と居た時間は楽しいし、オレはもっとララと春菜ちゃんの傍に居たいが恋人になってくれとは言わない。だけど、もう一度だけ言うぞ?オレは心の底からララと春菜ちゃんが好きだ」

 

結城リトはケジメをつけた。かつてララとの結婚して愛すると誓ったのに今さっきまでは西連寺春菜の事が大好きで恋人になりたいと願っていた。ララと西連寺春菜は結城リトの想いをしっかりと受け取り、彼を許した。そして二人は声を揃えて「好きだよ」と伝えた。彼女達は結城リトの事が好きだからその彼が好きと言うのであれば返事しなければなかった。心の底から好きだよと。

 

「ありがとう、ララ、春菜ちゃん」

 

彼らは抱き合い、恋を、愛を育む事を誓った。

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