幼馴染といちゃつくだけの短編集   作:さんれお

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演技派不意打ち幼馴染み。

茶髪のボブで、前髪をあげている。巨乳。


花火①

 

 

 

「なぁ、頼むよ!」

 

「いや、土下座までせんでも・・・」

 

「友達だろ、俺たち!?」

 

「友達に頼むことにしては悲しすぎる案件だな」

 

先日バレンタインをむかえた俺は、親族含めチョコ0個という凄まじい記録をたたき出した。

 

曰く、母

 

「もうそんな年じゃないでしょ」

 

曰く、妹

 

「めんどい。10円あげる」

 

曰く、姉

 

「お前が私に寄越せ」

 

悲しすぎる1日だった。ということで、幼馴染で演劇部部長の花火に、恋人の演技でもしてもらって少しでも心の隙間を埋めようという魂胆。

 

「第一花火もくれるかもしれない候補だったのに!」

 

「チョコの話か?知ってるだろ、私の料理の腕前」

 

「どんな物体Xでももらえたら嬉しいんだよ!完成度より気持ちが重要なの!」

 

「必死すぎる・・・お前、渡されたもんはなんでも喜んで食うだろう。それで腹を壊されても敵わん」

 

「・・・それはそうだな。じゃあ、恋愛ごっこに付き合ってくれよ、な!頼む!俺にはおまえしかいないんだ!」

 

「ぐっ・・・その頼み方は卑怯だぞ・・・ていうかごっこという言葉を高校生が使うなよ・・・今どき小学生でも使わんぞ」

 

「たのむよったのむよっ」

 

「ええいやってやるから土下座しながら尻をふるな!気色悪い!」

 

「ホントにっ!?」

 

さすが花火様!!持つべきものは寛大な心を持つ幼馴染みだな!

 

「・・・それで、何を言えばいいんだ?」

 

「・・・そうだな、まずは新婚でいこう」

 

「新婚か、それなら練習したことがあるぞ」

 

「ほんとか!?さすが花火!」

 

「ああ、一旦部屋からでて、帰宅した体でまた入ってくれ」

 

「わ、わかった」

 

くっ・・・ワクワクが止まらねぇ!とりあえず部屋から出る。

 

「は、入るぞ?」

 

「あぁ」

 

ゆっくり扉を開けてみた。すると、正座で花火が三指をついていた。

 

「おかえりない、あなた。もうお風呂もごはんも出来てるけれど・・・我慢出来なかったら・・・私、いいよ・・・?」

 

「花火ィィイイイイイイイ」

 

「ぎゃあああああ!!」

 

刹那でパンツ1丁になりルパンダイブしたところ、アゴを蹴り飛ばされ後ろのドアに後頭部をぶつけた所で理性をとりもどした。

 

「はっ!?今俺は何を!?」

 

「服をきろバカ!変態!」

 

な、なぜ俺はパンツ1丁に!?無意識だったッ!

 

「お騒がせしました」

 

「まったく・・・」

 

アゴと後頭部に大ダメージを受けた。だがまだだ…まだ終わらんよ・・・!

 

「次はだな」

 

「ま、まだ続くのか!?今結構怖かったぞ!」

 

「あれは新婚妻とかいう破壊力抜群のチョイスをしてしまったのがマズかったんだ!次はもう少しソフトなやつにしよう」

 

「・・・まぁ、付き合ってやるか」

 

「さすが花火。そうだな・・・禁断の恋だとわかっているが、女子に告白されたと言う兄を前についに我慢が限界を向かえ、15年間の思いの丈をぶつけてしまう妹をやってくれ」

 

「・・・まぁ練習でやったことがあるがな。というかお前、自分に妹がいるくせにそれは些か倫理的にダメなんじゃないか?」

 

「うるせぇ!アイツは俺のことを奴隷とでも思ってんだから倫理もへったくれもねぇ!ていうか普段なんの練習してんだよ!さす花!」

 

「略すな・・・じゃあ、そうだな、お前から告白されたという旨を伝えてくれ」

 

「・・・よし、わかった。いくぞ」

 

「応」

 

な、なんか緊張するぞ・・・

 

「なあ、兄ちゃん今日告白されてさ。返事どうしようか迷ってるんだ」

 

「・・・え?」

 

「え?な、なんだよ」

 

「・・・お兄ちゃん、告白・・・されたの?」

 

「あ、あぁ」

 

「・・・」

 

無言で花火が抱き着いてきた。クッ・・・柔らかい感触と石鹸の匂いが・・・!

 

「お、おい?花火?」

 

「やだよ・・・お兄ちゃんは、花火のお兄ちゃんだよ・・・?ダメだもん・・・他の女の人なんか、ダメなんだもん」

 

「すごくやわらかいです」

 

「・・・当ててるんだよ?お兄ちゃんは、ずっと花火だけのお兄ちゃんで、花火はずっと、お兄ちゃんのだから・・・ね?・・・いいよ」

 

「ウォオオオオオ花火ィエエエエ!」

 

「どっせぇえええええい!」

 

今度は押し倒そうとしたところを巴投げされて脊椎を机に打ち付けた。

 

「ンゴホォっ!はっ!俺は何を!?」

 

「毎度毎度簡単に女に吹き飛ばされるお前もお前だな」

 

くそっ・・・文化部の貧弱さが露呈しているッ・・・!

 

「まだめげないぞ・・・!もう1回だ・・・!」

 

「・・・はぁ、しょうがないやつだ。じゃあ次は私が考えたシチュエーションでやろう」

 

「おっ意外に乗り気じゃん」

 

「まぁな。意外と楽しいぞ」

 

「さす花。さて、どう楽しませてくれるんだ?」

 

「なんか上からで腹立つな・・・これからやるのは、幼馴染みだ」

 

「ほう・・・あえてのチョイスだな」

 

「・・・あぁ。長年一緒にいるのに、全く気持ちに気付いてもらえない幼馴染みが、勇気を出して告白するんだ」

 

「おぉ!王道だ・・・んむっ」

 

「・・・んっ」

 

「・・・」

 

「・・・好きだ、阿呆」

 

 

 

 

 

 

 

 







これで考えてた全幼馴染が終わりました。これからは二周目に入ったり、思いついたら新幼馴染だしたりします。

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