潤② ハグ解禁編
潤の頭を撫でること十数分。ふにゃふにゃした顔してぬいぐるみみたいなので抱きしめてやろうと思った。
「なぁ潤、抱いていい?」
「・・・ふぇ?なに?」
「抱いていいかって」
「・・・抱く!?」
シュビッと立ち上がる潤。
「だ、だだだ抱くって、その、そういう事だよね!?」
「どういう事だよ。そのままだよ」
「・・・いや、君が何かと誤解される体質だということはわかってるよ。抱きしめていいかってことでしょ」
「だからそう言ってるだろ」
「・・・うん、そうだね、知ってた。・・・よし、じゃあ・・・よろしくお願いします・・・」
両手を広げる潤。顔が真っ赤だ。普段好き好きアピールしてくる癖にこういうことには初心で可愛い。
「なんだ、普段さんざん人の足の上に座ってるくせこういうのは恥ずかしいんだな」
「それは・・・なんというか、気持ちの持ちようが違うじゃないか・・・」
「まあいいか。はいぎゅー」
「・・・ん」
俺がむぎゅっとすると、潤もおずおず手を回してきた。
「・・・」
「おー、なんか和むな、この抱き心地」
「・・・んぅ」
潤の遠慮気味だった腕の力が少しずつ強くなる。
「・・・ふぅ、ん、すんすん、はぁ、はぁ」
・・・あれ、強くなりすぎじゃない?ちょっと痛くなってきたよ?
「おい、潤?」
「んうぅ、くんくん、ふぅ、・・・ぷはぁっ、むぅ・・・!」
「いたいいたい痛いギブギブギブ!」
顔をぐりぐり押し付けつつ腕で思いっきり締めてきやがった。どこにこんな力があるんだコイツッ・・・!
「脳天チョップ!」
「アイタっ!」
叩けば治る理論。
「あ、あれ?なに?」
「いやなに?じゃなくて。力入れすぎだから。痛いから」
「あっ、・・・ごめんね、ボク、なんだか気持ちよくって・・・」
「・・・これは当分禁止にするか・・・?」
「えっ!?そ、それは・・・君が嫌ならしょうがないけど・・・」
そんだけで泣きそうになってる潤。なんというか、彼氏冥利に尽きるというか・・・
「・・・じゃあこうしよう」
ということであすなろ抱き。これならいいだろ。
「・・・うん、ボクもこっちは落ち着けるよ・・・正面からはちょっと、刺激が強すぎるね・・・」
「そしてナデナデのセット」
「んっ・・・君はひょっとして、ボクのして欲しいことが分かるのかい・・・?すっごく、幸せだよ」
「まぁお前を幸せにするために生きてるようなもんだからな」
「ッ〜〜〜!!好きっ!」
「うわぁ!」
くるりと反転して抱き着いてきた。またぐりぐりしてくる。
「好き、好き!」
「はいはい、よしよし」
「大好きだよ、もう、離さない・・・!」
「お、おい、また暴走か?」
「むぅ、一緒、好き、・・・はぁっ、きもちいっ、うぅ、すきぃ・・・」
ダメだ!また理性を失いつつある!!
「脳天チョップ!」
「アイタっ!」
以下ループ。