幼馴染といちゃつくだけの短編集   作:さんれお

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実は男の方がでれでれ。ツンデレと見せかけたでれでれ。


杏子② ショッピング編

 

 

 

駄犬に休日にショッピングに誘われた。

 

「全く、主人の休日を奪うとはなんて犬だ」

 

「にへへぇ~デートだデートだぁ~」

 

「・・・おい、わんこ?」

 

「うぇへへぇ~」

 

ダメだ、頭の中のお花畑が咲き誇っている。犬より知能指数が低下している。

 

「ねぇ、杏子?」

 

「ひゃわぁあ!?な、なにごとっ!?」

 

耳元で囁いてみた。人耳のほう。相変わらず弱いようだ。

 

「い、い、今、杏子って言ったの?」

 

「いいえ」

 

「・・・ウソだ、私聞こえたもん、あんこって」

 

「いいえ」

 

「絶対言った!」

 

「いいえ」

 

「・・・私のこと嫌い?」

 

「いいえ」

 

「・・・にへぇ」

 

相変わらず犬語はわけがわからない。

 

「わ、私って犬?」

 

「Exactly!!」

 

「なんでだよっ!!今のはいいえの流れだろっ!」

 

「ごめんな、生まれてこの方嘘ついたことないんだ」

 

「それがもう嘘だよ・・・嘘ばっかじゃん普段から」

 

「そんなことはない。お前と結婚したいとか普段から思ってるぜ」

 

「ふゆっ!?」

 

「冬?」

 

顔が一瞬で赤くなるわんこ。あ、なんか混乱しすぎて回り出した。

 

「落ち着け」

 

「ふにぃえ~~~」

 

頭を撫でるとあら不思議、こんな感じでもっとダメになる。

 

「い、今のも嘘じゃないってことだよね、あ、あなたは、わたしとけっこん・・・えへ、えへへ・・・」

 

「あれ、戻ってこない」

 

いつもより頭がおかしくなってる、なでたら大概治るのに。重症だな。

 

「まぁ思ってても犬とは法律上結婚出来ないんだよ。残念だな」

 

「い、犬じゃないよ!私ニンゲンだよっ!できるよ!けっけっけっこん!けっこん!」

 

耳も尻尾もぶんぶん動かしてる。尻尾ないけど。

 

「結婚願望強い系雌犬なんか今どき流行んないぞ、あれだ、化石発掘願望強い系雌犬とか目指せ」

 

「目指さないよっ!全ての事象で1、2を争う興味のなさだよっ!あ、それと犬じゃないよ!」

 

「・・・ほら、もう自分でも否定が難しくなってきただろ?認めちゃいなよ・・・」

 

「認めないもんっ!」

 

そんな感じでわんこに犬であることを気付かせようとしながらショッピングモールへ。

 

 

「どうかなっこれ!」

 

「似合わない。全裸に葉っぱ1枚のがまだマシ」

 

「ひどいっ!?」

 

わんこと服を買いに来るのはしょっちゅうだ。ていうか服買う時は一緒に行く。なにが悲しいって、このわんこ尋常じゃないくらいファッションセンスがない。民族衣装みたいなのを嬉嬉として選ぶのやめろ。

 

「じゃあこれは!?」

 

今度は幼稚園児の書く親の似顔絵みたいなのがどでかくプリントされてあるTシャツ。

 

「毎度毎度それを本気で言ってるのならお前は1度生まれ直したほうがいい」

 

「酷すぎるよっ!?そ、そんなにだめかな・・・カワイイのに・・・」

 

まずそもそもそれメンズだから。

 

「ん、これなんかいいんじゃねぇかな」

 

「あ、ありがとう!着てくるね!」

 

トテテテと試着室へ走っていくわんこ。

 

「じゃじゃーん!」

 

「いいじゃん、わんこの癖に似合ってるぞ」

 

「そ、そう?杏子だけどね・・・」

 

「お前素材はいいんだから、人外が着るようなの選ばなきゃなんでも似合うんだよ。いい加減1人で服くらい選べるようになれよ」

 

「・・・だって、私が変なの選んじゃううちは、あなたが付いてきてくれるでしょ?」

 

「・・・」

 

不覚にもちょっとときめいてしまった。

 

 

 

 

 

 

 






サボると復帰するのが辛いです。筋トレみたい。おまたせしました。

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