幼馴染といちゃつくだけの短編集   作:さんれお

17 / 28

サバサバしてるように周りからは見られるが、実は本人は自分の気持ちを隠しがち。


鈴②急進展編

 

 

 

「鈴、起きて」

 

僕の一日は今日も今日とて鈴を起こすことから。

 

「・・・うーん、あと・・・5光年・・・」

 

「それは距離だよ、ほら、起きないと」

 

「うぅ・・・ぎゅってしてぇ・・・」

 

「はいはい」

 

覆いかぶさるようにハグしてあげる。すると、布団に引きずり込まれた。

 

「うへへぇ~、もう一眠り・・・」

 

「ダーメ」

 

ぺちんとデコピンして、腕から抜け出ると、お姫様抱っこで洗面所に連れていった。水を顔にかければあら不思議。

 

「今日も今日とてすまないね」

 

「いいよ、僕もこれをしないと一日が始まらない気がしてさ」

 

「うん、ありがとう」

 

我らが生徒会長の誕生である。

 

「・・・朝ご飯食べる時間ないね」

 

「・・・すまないね」

 

 

そして、いつものように英雄凱旋のような登校。佐藤さんによると、高嶺の花を絵に書いたような女性、それが鈴らしい。子供の時から一緒の僕としては、違和感しかないんだけれども。

 

今日も今日とて。鈴の後ろを慎ましく歩く。慎ましくといいつつ、身長190弱の僕はどう頑張っても周りにはボディーガードに見られているらしい。これも佐藤さん情報。ちなみに鈴ちゃん171。こちらもなかなか立派な体格。

 

「生徒会長!」

 

と、1人の男子生徒が鈴の前に躍り出た。

 

「あ、あの!」

 

「ん?おはよう。どうかしたのか?」

 

「あ、おはようございます・・・そ、その・・・」

 

おいおい、それは勇気がありすぎるぞ・・・

 

「これ!受け取ってもらえますか!」

 

「ん、手紙?あぁ、受け取るが、口頭じゃダメなのか?」

 

「い、いえ、あの・・・失礼します!」

 

男子生徒はそう言うと、学校の方へ一目散に走っていった。案の定騒ぎ出す皆。校門前で学校1の人気者にラブレターを渡すとなれば、流石に広報部が黙ってないだろう。しかも学年章は1。

 

「うわ、あれ私のクラスの子ですよっ」

 

「あ、佐藤さんおはよう」

 

「おはようございます、副会長さん!」

 

「あれ、佐藤さんのクラスの人なんだ」

 

「はい、そうですよ。すごいですね、よりによってこんな所で渡すなんて・・・」

 

「副会長」

 

「あ、なに、鈴」

 

「なにやら要領を得ない報せだ、内容をあらためて会議の時に議題として提出してくれるか?」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

唖然呆然。完璧超人に見えて、こういう変なところで抜けている鈴だった。

 

「会長・・・」

 

「ん、ああ、佐藤さん、おはよう」

 

「あ、おはようございます」

 

「あのね、鈴。それ、ラブレターだよ。多分だけど」

 

「ラブレター!?」

 

「本当に分かってなかったんですね」

 

「・・・初めてだな、このてのものを貰うのは」

 

「ど、どうするんですか会長・・・」

 

「それは勿論、私は・・・い、いや、そうだな・・・」

 

・・・そこまで言って、鈴がチラチラと僕を見てくる。なんだこれは、なんのシグナルなんだ。

 

「ま、まぁ?生徒の代表として?見本になる?ような?例をすべく?そういう相手を作るのも?ナシじゃないの?では?」

 

「いや、喋り方おかしすぎますよ会長」

 

ナイスツッコミ、佐藤さん。

 

「まぁたしかに、鈴はちょっと世間知らずな感じはあるよね。1回彼氏とか作るのありかもね」

 

「・・・副会長は、いいの?」

 

「ん、僕?もちろんいいよ」

 

「っバカッ!」

 

ドン、と胸を突き飛ばされた。尻餅をつく。鈴は校舎へ走っていってしまった。

 

「いたっ!あ、鈴!待ってよ!」

 

「・・・あの、大丈夫ですか、副会長さん」

 

「いてて、うん。大丈夫だけど・・・やっぱり、僕が彼氏じゃあ駄目だったかなぁ・・・」

 

「・・・はぁ、副会長、目的語が足りてませんよ。多分会長、副会長は会長が誰と付き合ってもいいよって言ったと思ってますよ。やっとくっつくかなって思ったのに・・・」

 

「え、そんな訳ないじゃん・・・困ったな、誤解解かないと」

 

 

というわけで、ちょっとした騒ぎとなった朝から半日。鈴には一日避けられて、会長のバックれにより会議も無くなった。学校は騒然としていた。というわけで、佐藤さんからなんとかしてくださいと送り出されて、今に至る。

 

現在鈴の部屋の前。鈴のお母さんに聞いて既に部屋にいることはわかっている。

 

「ねぇ、鈴?」

 

「・・・」

 

ドア越しに話しかけるけど、返事はない。

 

「鈴、誤解、解いておきたくてさ」

 

「・・・誤解ってなに?」

 

「えっと・・・改めて言うの恥ずかしいな・・・あのさ、俺鈴のこと、好きだよ」

 

「・・・わかってるよ。あなたは、すっごく優しいもん。すっごく優しくしてくれるもん」

 

「・・・うん」

 

「でも、でも、それは・・・幼馴染みとして、でしょ?私、私ね・・・」

 

「違うよ」

 

「・・・へ?」

 

「いや、違くないか、勿論幼馴染み、家族みたいな意味でも好き。でも、僕は」

 

・・・そう、僕はもちろん、自信を持って言える。

 

「鈴のこと、恋愛の意味でも好きだよ。鈴より好きな人なんか、生涯できない。朝のも、僕は鈴と付き合えるのは勿論嬉しいよって意味」

 

ガタガタん!なんだか暴れている。

 

「・・・り、鈴?大丈夫?」

 

ガチャ!とドアが勢いよく開かれた。

 

「ほ、ほんとうに・・・?」

 

「へ、う、うんってうわぁ!?」

 

思いっきり腕を引かれて、部屋の中に引き込まれた。そして勢いそのまま、布団に押し倒された。

 

「り、鈴?」

 

「ごめんなさい・・・好きです、あなたの事、私も好きです、嬉しいっ、嬉しいっ」

 

「鈴、落ち着いて、ね?」

 

「嬉しいよっ、ずっと、ずっとこうなりたかった。あなたと一緒、一緒の気持ちなんだっ、嬉しい・・・!」

 

「・・・よしよし」

 

「・・・怖かったの、怖かったの!今日一日、あなたが私のこと、恋愛対象に見てくれなかったら、朝、あなたの顔を見て起きることが無くなったら、そんなことばかり考えちゃったの!」

 

「大丈夫、そんなことないよ、僕はずっと鈴のもの。ね?」

 

「うん、うん・・・!好き、だいすきっ!」

 

むぎゅー、すりすり、またむぎゅー。

 

そんなわけで、可愛い彼女が出来ました。

 

 

 

 

 

 

 

 






唐突のガチラブコメ。

どの子が可愛かったーとか言ってもらえると参考になるので感想お待ちしてますね。ちなみに作者は香織ちゃん推し。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。