幼馴染といちゃつくだけの短編集   作:さんれお

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実はむっつり誘いMであることが判明した。大胆になった後は毎回死ぬほど後悔する。


優菜② ケンゼン編

 

 

 

期末試験が近いので、優菜と勉強をしている。俺の学年下から20番の成績がバレて以来、優菜に監視されながら勉強をすることになっている。そのおかげで地の底だった成績も真ん中ちょい下くらいになった。しかし。

 

「・・・」

 

「・・・」

 

「なぁなぁ、優菜?」

 

「・・・ん、どうしたの?わからない?」

 

ちなみに、優菜は超秀才。かつ努力家なので、数学とか聞くとその場で理解して教えてくれたりする。年上の尊厳は小3で捨てた。

 

「飽きた」

 

「・・・もう、ダメだよ、集中しないと。今回は全教科平均越えでしょ!」

 

「だって・・・数学疲れるよぉ・・・」

 

「ほら、キリがいいから9時までがんばろう。あと30分ちょっとだよ」

 

「いや、逆転の発想をしよう。9時まで休憩するんだ」

 

「意味わかんないよ・・・」

 

「頼むよぉ~優菜ちゃ~ん」

 

優菜に縋りつく。体裁なんか気にしてらんねぇ!!これ以上は死ぬ!!もう1時間半はぶっ続けだ!!

 

「まだ1時間半くらいなのに・・・」

 

脳味噌の作りが違うようです。

 

「頼む、死ぬんだ、俺のシナプスが穴という穴から飛び出しそうなほど熱暴走をしてるんだ」

 

「だから意味わかんないよ?」

 

「なんでもするからぁ~優菜様ァ~」

 

ピクっ。優菜が反応した。

 

「・・・しょ、しょうがないなぁお兄ちゃん。じゃあ、ババ抜きでもしようか」

 

「ほ、ほんとか!?やったぁ!」

 

「・・・その変わり、罰ゲーム有りにしよう?」

 

「おう!いいぞ!何する?裸でコンビニ行く?」

 

「それは犯罪っ!・・・勝った方が、一つだけなんでも命令していい、とか・・・」

 

「ッ!?」

 

な、なんでも・・・?優菜に合法的に・・・日頃心から出ることのないアレやコレをさせたいという欲望をぶつけられる!?

 

「・・・よし、やろう。すぐやろう」

 

「お、お兄ちゃん、ちょっと目が怖いけど・・・」

 

「何を言ってるんだい優菜。さぁ、トランプを貸したまえ。僕のシャッフル絶技をお見せしよう」

 

「一人称おかしくなっちゃった・・・変なとこで器用だもんね、お兄ちゃん。はい、どうぞ」

 

そうして高校1年の間で鍛えたトランプ捌きを見せたあと、ゲーム開始後、順調に捨てていき、残り優菜2枚、俺1枚。その時だった。

 

「・・・お兄ちゃん、こっちがジョーカーだよ」

 

「!?」

 

ざわ・・・ざわ・・・!

優菜は片方のカードを少し上にあげた。・・・これは、どういう意図・・・!?この状況、バカ正直に黒の居所を教えるわけが無い・・・!ならば今上げていない方のカード・・・それが黒・・・否!当然ここまでは考える!つまりその裏をかいて上げている方がジョーカー・・・!いや違う!優菜ならその裏の裏をかいて下げている方・・・いやさらに裏の裏の裏を・・・!?

 

「お兄ちゃん」

 

「っ!?」

 

「私、お兄ちゃんに、ウソなんかつかないよ・・・?」

 

なぜか、涙目の上目遣いでそう言ってきた。フッ・・・全く・・・

 

「いつの間に、お前は悪い子になっちまったんだ・・・」

 

そう言って、俺は上げられている方のカード。ジョーカーを取った。そう。ここで黒を引いた時点で勝負はついていた。次に優菜が引く必要なんてない。ゲーム外まで波及されたら、俺に勝ち目などないのだから・・・

 

 

「えへへ、ごめんね、お兄ちゃん」

 

「いいんだ優菜。さぁ、俺はお前の奴隷だ。なんなりとお申し付けください、お嬢様」

 

「ふぁ・・・お、お嬢様・・・」

 

クッ・・・!この程度で照れる天使なのに・・・!勝負事では小悪魔となる・・・!最強・・・!カワイイは正義・・・!

 

「・・・えっと、それじゃあ」

 

「おう」

 

「・・・あいをささやかれながら、みみを・・・せめられたいです・・・!」

 

「・・・」

 

・・・。

 

「・・・」

 

「・・・失礼しましたぁ!」

 

俺の部屋を飛び出していこうとする優菜。しかし逃がさない。そう、これはチャンス。腕を咄嗟に掴み取る。そして引っ張ると、軽い体の優菜を簡単に俺の足の間に収めることが出来た。

 

「・・・優菜」

 

「ひゃいぃ!」

 

そう!溢れてやまないこの愛を伝えるチャンス!あわよくばゴールイン!そしてハネムーーーン!!!

 

「しらなかった、優菜ってむっつりなんだな?」

 

指で耳を隠している髪を掬いかける。少し唇が触れるくらいの近さで囁く。いいにおいがして俺の方が先に死にそう。

 

「ふ、はぁ・・・お、お兄ちゃん、頭も・・・撫でて?」

 

「はいはい」

 

なでなで。さらさら、というか、ふわふわというか、とにかくずっと触ってたくなるような髪だ。

 

「大好きだぞ、優菜」

 

「ふっ、ふふ、・・・」

 

「ずっと面倒見てくれ・・・」

 

「んふふふ・・・」

 

・・・やばい、語彙が秒で尽きた。・・・いや!耳責めとは言葉だけではない!

 

「ん・・・れろ・・・」

 

「んぅ、はぁ・・・ぅあっ・・・お、お兄ちゃ・・・んん!」

 

「愛してるぞー」

 

「んうぅ・・・きもちぃ・・・」

 

ぺろぺろ、耳の穴を、溝を、耳朶を舐める。楽しい、心無しか美味しい。いやそんなわけないんだけど。

 

「優菜可愛い・・・ん・・・」

 

「ふぅ、あ、お兄ちゃん・・・、お兄ちゃん、お兄ちゃん・・・」

 

うわ言のように俺を呼び出した。体も熱くて、小刻みに震えている。・・・なんだろう、凄くアブナイ感じが・・・でもやめない。ここで引くやつは男じゃねぇ!

 

「好きだぞ、大好きだぞ、んむ・・・」

 

「ふぅあぁ~、わ、わたし、幸せだよぉ・・・、きもちぃ・・・」

 

「・・・結婚しよう、一生一緒にいてくれ」

 

「~~~~~~っ!」

 

 

 

その後3日間は恥ずかしがって顔もみてくれなくなった。成績は落ちた。

 

 

 

 

 

 






ケンゼンダ。ヒワイガ、イッサイナイ。

三周目は新婚編で統一します。

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