耳みたいな栗色アホ毛。貧乳。
通学路を歩く。待ち合わせの幼馴染は時間に来ないので、起こしに行くこともなくアッサリ見捨てる。すると、後ろから誰かが走ってくる音が。
「お、おはよ〜」
「おう、アホよう、わんこ」
「わんこじゃないよっ!アンコ!それとアホようってなんだよっ!」
そこまで言い切って、ゼハーと息を切らすわんこ。
「全く、ひどいよ!私を置いて先に行っちゃうし、犬扱いするし!」
「はいはい」
「はふぅ〜〜〜」
今日もわんこは面白い。頭を撫でるとこうなる。頭の上に音符がとんでいる。
「なんだよ、やっぱり犬じゃないか」
「犬じゃない!」
「お手」
「しないっ!」
パチーンと手を叩かれた。結局してる。
「バカにしてる!絶対バカにしてるでしょっ!」
「いやだってお前バカだろ」
「バカじゃない!バカって言った方がバカなんだよ!」
「カバって10回言って」
「かばかばか・・・言わない!ばか!」
「今日も愉快な犬だなぁ」
「うぅ〜〜〜犬じゃないって言ってるのにぃ・・・」
「はいはい。」
「ふへぇ〜〜〜」
だらしない顔になってる。わんこを撫でくりまわしながら登校した。
「ねぇねぇ、勉強教えてよ!」
「うるさいわんこは外でも走ってきなさい」
「犬じゃないっ!」
「名前がわんこなのに何を言ってるんだ」
「杏子!きょう二回目だよっ!」
「第1俺に勉強教わろうと思う方が悪い」
「でも私より頭いいじゃん」
「何言ってるんだ、人語を話せて学校に通える犬なんだぞ、世界1頭いいじゃん。自信持てよ」→世界一
「いつまでそれ引きずるのさ!飽きたよ!これ以後きんしだよっ!」
「残念でした、一生やります。禁止しません」
「いっ、いいい一生!?それって、ずっと一緒ってこと!?」
「はいはい尻尾をふるなわんこ」
「ねぇねぇ、どういう意味?どういう意味でいったのっ?」
「はしゃぐなはしゃぐな。お前の飼い主としてはやっぱり義務があるわけだからな」
「・・・やっぱり犬扱いなんだ」
耳みたいなアホ毛がシュンと垂れている。撫でる。
「落ち込むなよ、冗談だ」
「・・・ふん、こんなんじゃ、機嫌なおひてあげにゃいんだからね」
「だからふにゃふにゃになってるって」
「む、むー!撫でるのきんしっ!」
「はい」
言われたのでアッサリやめた。
「ぁ・・・、や、やっぱりきんしじゃない」
「いや、いいです」
「いいですってなに!?え、遠慮しなくていいんだよ、ほら、いつもみたいに撫でていいんだよ?」
「いいです」
「しつれいだよっ!失礼!」
「city rain?」
「意味わからないよっ!」
その後も1日、わんこをいじり続けた。