幼馴染といちゃつくだけの短編集   作:さんれお

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純真真面目年下幼馴染み。

黒髪三つ編みおさげめがね。隠れ巨乳。


優菜①

 

 

 

「お兄ちゃん、起きて」

 

「・・・んがっ」

 

「・・・ふふ、可愛い寝顔・・・って、起きないと、遅刻しちゃうよ?」

 

「んむぅ・・・」

 

「もう、ほら、起きて。今日は私が朝ご飯作ったから、食べてくれないとやだよ・・・」

 

「・・・・・・」

 

「・・・わたし、起きてくれないとお嫁に行っちゃうよ?」

 

「ダメだぁぁぁぁぁあ!!!!ハッ!?」

 

「おはよう、お兄ちゃん!」

 

「な、なんか嫌な夢を見た気がする」

 

「そう?朝ご飯作ったんだ。食べよ?」

 

「あ、おう。そりゃ楽しみだな」

 

寝ぼけた頭を洗顔で起こす。両親が出張でいないので、優菜が変わりにごはんを作ってくれることになっていたのを思い出した。

 

鮭の塩焼き。あおさの味噌汁にほうれん草のおひたし、納豆と白米。

 

「おぉう、まだ豪華だなぁ」

 

「豪華かなぁ?普通だと思うけど・・・」

 

「ウチは朝トースト1枚だからな。ありがたいぜ」

 

「もう・・・健康にわるいよ?」

 

「じゃあ優菜が結婚してくれたら健康になるな!わはははは!」

 

「結婚って・・・ば、ばか・・・」

 

頬を赤らめてる。いつもこのネタをいうのに、毎回恥ずかしがってる可愛いやつだ。

 

二人仲良く食事をして、学校へ向かう。

 

「おっ!今日もやってますねぇご夫妻!」

 

「おう、おっちゃん!」

 

「こりゃ子供の顔見るのも近そうだな!」

 

「任せとけよ!」

 

商店街のおっちゃんにはやされるのもいつものことだ。

 

「うぅ〜、セクハラだよ・・・」

 

「あはは、いいじゃねぇか、こういうとこから固めてお前に悪い虫がつかねぇようにしないとな!」

 

「悪い虫って・・・別に彼氏なんか作る気ないよ?」

 

「いやいや、お前みたいな純真無垢なやつは、その気がなくても騙されて襲われちゃったりするかもなんだぞ。男はみんな狼なんだ」

 

「こ、怖いこと言わないでよ・・・」

 

「・・・どこのウマの骨ともわからんやつにお前をやるくらいなら、いっそ俺が!!」

 

グワァ!と襲いかかるフリをする。

 

「・・・いや、だから、こういう時に拒絶しないとさ、な?」

 

「・・・べつに、兄さんなら・・・いいよ?」

 

ブフォ!!な、なんたる破壊力ッ・・・!鼻血が・・・

 

「な、なんちゃって!もう、馬鹿なことしてないで、早く行こっ!」

 

小走りでかけていってしまう。

 

「ちょい待てよー!」

 

「待たないよー!あうっ」

 

あ、コケた。運動神経は残念な優菜だった。

 

そんなこんなで、昇降口。

 

「・・・あ」

 

「ん?・・・ってそれはッ!」

 

優菜の下駄箱に、便箋が入っていた。

 

「す、捨てるんだ優菜!そいつを今すぐ!」

 

「え、えぇ・・・?それは流石に、失礼なんじゃないかな・・・」

 

「ちくしょうどこのどいつだ!ぶっ飛ばしてやる!」

 

「もう、ちょっと落ち着いて!兄さん」

 

「クッ・・・な、なんて書いてあるんだ?」

 

「えっと・・・昼休みに、校舎裏の花壇前に来てくださいって」

 

「よし、俺が行こう」

 

「もう、心配症すぎだよっ!ちゃんとお断りするから、ね?」

 

「でもだな、もしそれで逆上でもしてきようものなら・・・」

 

「だから怖いこと言わないでよ・・・」

 

「クッ・・・隠れてみてるからな」

 

「・・・もう。いざって時は、ちゃんと大声出すから大丈夫だよ」

 

「心配だ・・・」

 

そして問題の昼休み。

 

「ぐぬぬ・・・」

 

そこそこのイケメンがあらわれた。この時点で飛び出してぶん殴ろうと思ったが、なんとかこらえた。優菜が頭を下げている。男は多少言葉を交わしたあと、どこかへさって言った。

 

「優菜、大丈夫か?なにもなかったか?」

 

「わひゃあ!と、突然出てこないでよ・・・びっくりしたぁ」

 

「わ、悪い・・・」

 

「もう・・・大丈夫だよ。ちゃんと、好きな人がいるからって言ったらわかってくれたよ」

 

「え!?好きな人いるのか!?誰だ!?同じクラスのやつか!」

 

「・・・ばか」

 

「今日は俺がいたからいいものの・・・風邪で休んでる時とかこういうことがあったらどうしよう・・・」

 

「・・・てい!」

 

「あイタっ」

 

おなかをこずかれた。

 

「な、なんだ?」

 

「私、こんなに手のかかるお兄ちゃんがいるうちは彼氏なんか作る気ないの!わかった!?」

 

「は、はいっ!」

 

「心配してくれるのは嬉しいけど、程々にしてよね!あんまり鬱陶しいと口聞かないから!」

 

「そ、それは嫌だ・・・」

 

「・・・ふふっ、わかったら、ご飯食べに行こ?」

 

「はい・・・」

 

なんだかんだ、優菜には逆らえない。

 

 

 

 

 


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