茶髪のホストみたいな髪型。貧乳。
学校の昼休み。今日も今日とて僕は彼方に口説かれていた。屋上の扉横に壁ドンされている。男としてどうかと思われるかもしれない。でもしょうがない、女にして176cmの彼方、男にして166cmの僕で、既に男としてのプライドなんかあったものじゃない。
「あぁ、相変わらずキミは可愛いなぁ・・・」
「か、彼方・・・近いよ・・・」
「照れるなよ、私達の仲だろ・・・?」
「うあっ・・・くすぐっ、たいから、耳元で、言わないでよ・・・」
「あぁ・・・それだ、その反応、たまらないよ・・・」
彼方が僕の足の間に膝を入れてくる。さらに密着される。子供の頃のつきあいでも、女の子の香りややわらかさには慣れない。
「なぁ・・・いいだろ?」
「いいって・・・なにが・・・」
「キミを、私のものにさせてくれよ・・・」
「こんなことしといて、まだ足りないの・・・?」
「全然だよ、全然足りない。キミのすべてを知りたいし、私のすべてを知ってほしい」
「・・・もう、何年一緒にいると思ってるのさ・・・だいたい知ってるでしょ」
「それも全然だね。私は今日のキミの下着の色を知らない」
「そんなの知らなくていいよっ!」
彼方が1歩下がった。すると、突然スカートを捲りあげた。
「ちなみに私は見ての通り黒さ!」
「ち、痴女だッ!黒さ!じゃないよ!誰か見てたらどうするの!」
「大丈夫。屋上には誰もいないし、入ってこれないさ。職員室から鍵をくすねたからね」
「またそんなことして・・・」
「キミを陥落させる為ならなんでもするさ」
「・・・」
「さて、次は・・・そうだな、自慰頻度を教えてもらおう」
「変態だーッ!!」
「何を言う、パートナーならば当然のことだろう」
そこでまた、彼方が僕を逃がさないように、足と腕で壁ドンロックした。
「さぁ・・・教えて・・・?」
「ううっ・・・だから、耳はやめてってぇ・・・教えるわけないだろ・・・」
「なんでだい?あぁ、先にお前のを教えろ、ということか。私の自慰頻度は」
「わぁああ!!聞いてないから!聞いてない!」
「毎日だ」
「多いよッ!!なんで言ったんだよ!」
「生理周期は」
「言わなくていいッ!!!」
つ、ツッコミが追い付かない・・・!なんで速度でかましてくるんだ・・・!
「さ、キミも教えてくれ」
「言わないに決まってるだろ!」
「・・・まぁ毎日9時半から10時半、入浴前なのは知ってるけどね」
「なんで知ってんだよッ!正解ッ!!」
「LINEの既読がその時間帯つかないことが多い。あとキミの部屋のカーテン、影は見えるからね。それにお義母さんにお願いして部屋のぞかせてもらったりしたし」
「なんで現場抑えてんだよ!前半二つはまぁ僕の落ち度として、最後犯罪だろ!あと絶対お義母さんって漢字義母だろ!!」
「いやいや、遅かれ早かれ婿になるんだから、そこら辺の事情は知っといてあげないとね」
「普通逆だよっ!」
「だから教えるって。私の生理は」
「い・ら・な・い!!」
僕にプライバシーはないのだろうか。そのうち隠しカメラとか仕掛けられそう。
「くそ・・・今日部屋に鍵つけよ・・・」
「なッ!?それは困る!私のオカズはどうなるんだ!?自分ができればそれでいいのか!?」
「現場抑え常習犯なのかよ!!最悪だよ!なんで僕気付かないんだよっ!!」
てか母さん!?一体何をしてるの!?息子のプライバシー大崩壊してるよ!?
「クッ・・・かくなるうえは・・・買っておいた隠しカメラでッ・・・!」
「やっぱり持ってたーーー!!!」