戦いの基本は格闘だ。魔法や道具に頼ってはいけない   作:imuka

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ハーメルンよ!!私は帰ってきたァァァ!!
厚くなったネタ帳を漸く話になりました…。



ではどうぞ。



ヤドリギの下で

 

 ハグリッドが戻ってきた日から一週間が経ち、今年初めてのハグリッドの生物学の授業。

 イーニアは一足先に森の中に居るノーバートの元へ向かい授業について話していた。

 

「言わなくてもいいことではあるけど確認の為に言うよ?気に入らない相手だかって絶対に威嚇しちゃダメ。あとハグリッドの言うことも聞くこと。いいね?」

 

 ノーバートはわかったという様に顔をイーニアに寄せる。寄せてきたノーバートの顔の鼻の上を少し掻いてやると少し気持ちよさそうに唸る。

 そんなことをしているとハグリッドが皆を連れてきた。もちろん最後尾にはアンブリッジの姿もある。

 

「すまねぇな、戻ってきたばかりで授業の準備時間が足りねぇもんで、今日は久しぶりにドラゴンの授業をしようと思う。成体のドラゴンを見ることはそうそうできることでもねぇしな。」

 

「ドラゴン研究会として、私も授業の補佐します。」

 

 皆、ハグリッドに対しアンブリッジの査察が入ることで半ば”もう駄目だな”という空気であったがイーニアが補佐に入る、と聞き”こいつ助かったな”と空気が変わる。イーニアとノーバートの信頼関係は言わずもがな。少なくとも今回の授業は穏便に終わるだろう、と。

 そんな空気を察することなくハグリッドはイーニアに軽く頭を下げた。

 

「わりな、イーニア。―――さて、知っちょるとは思うがこれがドラゴンだ。誰か特徴の言える奴はいるか?」

 

 ハグリッドの質問に多くの生徒が手を上げ、1人当てられる。

 

「鱗に覆われた爬虫類を思わせる体、鋭い爪と牙を具え、口から炎、種類によっては毒の息を吐きます。成体になると鱗は鋼より硬く、魔法当てることは困難です。ちなみにこの子はノルウェー・リッジバッグ種です。」

 

「おうおう、上出来だ。1年の時のことをしっかりと覚えているようで何よりだ。グリフィンドールに5点。」

 

 ハグリッドの拍手に答えた女生徒はホッと息を吐いた。

 

「ドラゴンは本来、大変危険で飼うことはできないがノーバートは魔法省から特別な許可をもらいこーしてホグワーツにおる。

 他の場所じゃこんな経験はできん、成体に近づくのは初めてのやつが多いだろう。近づいて触れてみるといい。」

 

 ドラゴンに近づき、触れる。そんな言葉にアンブリッジは目が飛び出る来るくらいに見開いた。

 本来でアンブリッジの反応は当然で、ハグリッドのセリフはそれに値するものではあるが、こと1年の時からイーニアと共にドラゴンに触れてきた多くの同期生たちは特に臆することなく、イーニアとノーバートの元へと近づいて行く。

 

「ちょ、ちょ、あ、貴方たち?ド、ドラゴンですよ?そんな散歩に行くように近づくなんて。」

 

「心配はありませんよ、アンブリッジセンセイ。この子はすごく賢くて良い子ですから。襲われる心配なんかありません。」

 

 イーニアが微笑で答えるが、ハリー達同期生はノーバートが特別なのではなくイーニアが特別なのだと確信を持って思っていたが誰も口には出さなかった。

 そんなことを知らないアンブリッジは口元をヒクヒクさせながら恐る恐る近づく。全員がノーバートに近づくとノーバートも触れやすいように体を伏せる。

 

「全員近くにいるな。――これが噂のドラゴンの鱗だ。鋼より硬く、魔法すら通さない。「美しいでしょう?」だろう?」

 

 イーニアとハグリッドの言葉が綺麗に重なり、笑いが起きる。危険生物を目の前に和ましい雰囲気が繰り広げられる現状にアンブリッジは完全についていくことができず、ついには授業中に言葉を発することはなかった。

 

 

 

「アンブリッジの顔を見たかよ。サイコーだったな!」

 

「初めてじゃない?授業に口ださなかったの。」

 

「出せなかった、が正しいでしょ。まあ僕たちみたいにドラゴンに慣れてないと普通はそうなんだろけど。」

 

 ロン、ハーマイオニー、ハリーの言葉にイーニアは捕捉するように言葉を繋いだ。

 

「あえて魔法省の名前を出して、ドラゴンがいること含めて突っ込みづらくしたからね。魔法省認可の生物なんだからその生物の生態について授業することはおかしなことではない。

 それをアンブリッジも理解してたから尚、言葉がでなかったんでしょう。」

 

 イーニアは出し抜いたことを楽しそうに笑い、ハリーたちも釣られるように笑った。

 

「でも次からの授業大丈夫かしら?いくら何でも2度もドラゴンの授業はまずいでしょう?」

 

「それは大丈夫。ロイたちに頼んでアイディアを出してもらう予定だから。去年みたいな無茶苦茶なことはならないと思うよ。」

 

「さっすがイーニア!手が打つのが早いぜ。」

 

 

* * *

 

 

「え?それはマジですか?」

 

 クリスマス休暇前の最後のDA。その集会前にイーニアはダンブルドアに呼ばれ校長室を訪れていた。

 

「うむ。大マジじゃ。ここで離れるのは生徒たちには不安になるかもしれんがタイミングを逃すと困るでの。」

 

「んー、一部生徒を除いて現在ホグワーツは過去にないくらいに団結しますから大丈夫だとは思いますが…。」

 

「それにホグワーツには君を含め騎士団員は多くいる。儂一人いなくとも問題はないじゃろう。儂がホグワーツを離れるのにこれほどの良い理由はない。」

 

 魔法省調査へと赴くためダンブルドアから告げられたDAの密告によるダンブルドアのホグワーツ追放。イーニアは内容が内容なだけに悩みこそしたがダンブルドアの名前を借りている対価として当然と判断した。

 

「―――了解しました。言うタイミングはまた連絡してください。」

 

「うむ。なに今すぐ、というわけではない。少なくともクリスマス休暇後にはなるじゃろう。」

 

 イーニアがダンブルドアの言葉に肯き校長室を出ようとすると、ダンブルドアは思い題したかのようにイーニアを引き留めた。

 

「一つ忘れておった。課外授業に出ていた者たちが今日の夕方には帰ってくる予定じゃ。久しぶりの友人に顔を出してはいかがかな?」

 

 イーニアは嬉しそうに肯くとドラコが帰ってくることを集まっているハリーたちへと伝えへに駆けた。

 

 

* * *

 

 

 イーニアがハリー達にドラコたちが今日帰ってくることを伝えるとDAもそこそこに解散することとなった。

 

「よし。今日はここまで!皆、最初の頃と比べたら良い動きになってきてる。休み明けは新しい呪文とかに挑戦してみようか。」

 

 新しい呪文、という単語に男子は喜びの声を上げる。やはり新しいモノは好きらしい。

 

「ただし、休み中に今までの動きを忘れてきた人は思い出すまで新しい呪文はお預けだからね。」

 

 イーニアの忠告に少しギクッとした人も居たが、皆しっかりと肯き、帰ってくる友人を迎えるため次々に必要の部屋を出た。

 全員が順番に部屋を後にし、最後にイーニアが必要の部屋から出るとそこにはフレッドが待っていた。

 

「フレッド?どうしたの?忘れ物?」

 

「んにゃ。イーニアを待ってたんだよ。」

 

「私?」

 

「そ。ま、ここじゃなんだし、少し歩くか。」

 

 イーニアはジョージが居ないことやフレッドの様子がいつもと違うのを感じつつもフレッドの後をついていく。

 クリスマスの飾りつけがされている廊下を歩き、珍しく無言のままのフレッドの横顔をチラチラと見ていると中庭に出た。

 中庭にもクリスマスの飾りつけがされており、クリスマス一色だ。

 

「あ、雪。今年もホワイトクリスマスになりそうだね。」

 

 雪を見たイーニアは楽しそうに笑い、そして少し寒そうに息を手に当てた。

 

「悪い。外に出るような恰好してなかったな。」

 

 フレッドはそういうと自分の付けていたマフラーをイーニアへ巻く。

 

「ううん。――ありがと。あ、フレッドこっち。」

 

 イーニアは何かに気が付くと巻いていた手をひっぱり、物陰へと隠れた。

 

「イ、イーニア?」

 

 突然のことに流石のフレッドも動揺したように聞くがイーニアは人差し指を口の前に運びシーッとポーズを取りつつ中庭の端の方を指さした。

 イーニアが指さした方向にはハリーとハーマイオニーが楽しそうに談笑している姿がある。

 

「去年のダンスパーティーからだけど、最近さらに2人の距離は縮まったのかな。」

 

 自分のことのように嬉しそうに笑うイーニアに釣られ、フレッドも笑うがすぐに引き締まった真面目な顔をイーニアへ向けた。

 

「イーニアはどうなんだ?」

 

「え?」

 

「イーニアはそういう相手、欲しいとか居たりするのか?」

 

「私?いないかなぁ。ま、私みたいな運動馬鹿を好きになる物好きが居るとは思わないしねー。」

 

 イーニアは本心で、しかし自虐的に笑い、少し羨ましそうにハリー達を見る。そんなイーニアをフレッドは熱の籠った視線で見た。

 

「俺が――――俺はイーニアが好きだ。」

 

 フレッドの言葉に反応するように廊下の飾りつけがヤドリギ変わり、白い花を咲かせ雪と相まって幻想的な景色となる。イーニアは少しの間、フレッドの言葉を理解できず、コテンと首を傾げていたが暫くしてフレッドの告白に気が付くと顔を真っ赤にしながら口をパクパクとしていた。

 

「イーニア、好きだ、愛している。俺と、恋人になってくれないか?」

 

 

 

 





お久しぶりです。いつもの言っていますがお久しぶりです。
生きとったんかワレ!!と思われる方ばかりかと思います。生きてます!!なんならハーメルンは毎日覗いてます!!(続き書けよ
すいません!!続き頑張って書きます!!(笑)


今回の話になりますが
ネタばれしますとこの物語はハリハーです。正直好物です!!誰かハリハーの話をもっと書いてくれ!!
話が逸れました(笑)
一応、告白に対する答え(イーニアの想いとか)決まってはいるのですが
この告白イベントに対する想い(感想)があれば是非ともお書きいただければ、と。
(おいおいドラコはどうした、みたいな)
単純に感想が欲しいだけです!!すいません!!


コロナ騒ぎで大変な方もいらっしゃるかと思います。
私は良くも悪くも影響なく生活してます。(リモートワークしたい)
皆さま、ご自愛ください。


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