戦いの基本は格闘だ。魔法や道具に頼ってはいけない 作:imuka
ではどうぞ。
夜、ハグリッドの小屋へ着くと何故かドラコがいた。
「へ?ドラコ。なんで?」
イーニアは素っ頓狂な声を出したがハリーは勉強尽くしで全然話せていなかったので喜んでいた。
「なに、最近話せてなかったからな。ぼくも休憩がてらここに来たら夜に森に入るって聞いたもんでね。せっかくだらご一緒させていただこうかと。」
「ずいぶん大胆なことするね。てかそんなキャラだった?」
今までとったこともない奇行にイーニアは思わずドラコのおでこを触る。
「やめろ!熱なんかない!ぼくは導く純血として君たちを――。」
「話し長くなりそうだからその辺でいいよ。」
どうでもよく話を切ったイーニアだったが呆れた顔ではなく笑顔だった。
「なんだ、その顔は。」
「私もハリーと同じ気持ちなだけだよ。久しくドラコと話してなかったからこうして話せるのがうれしいだけ。」
それを聞いてドラコは"確かにこのやりとりも久しぶりだな"と笑っていた。
禁じられた森に入る6人とドラゴン1匹と犬1匹。サーベイとロイは"イーニアがいるなら問題ない"といい、付いては来なかった。
「俺達が今日やろうとしていることは危険なんだ。軽はずみなことをしないでくれ。」
注意として言ったハグリッドに対し"あれ?そういう話だっけ"と5人の頭を過ぎった誰も突っ込みはしなかった。
「見ろ、銀色の血……ユニコーンの血だ。何者かにひどく傷つけられたユニコーンが、この森の中にいる。」
「ずいぶん酷い奴がいるね。」
ハリーが苦い顔をしているとイーニアが目的を聞く。
「そのユニコーンを見つけたらどうすればいいの?」
「俺に知らせてくれ。あと治療できそうであれば治療を。」
「光を空に打ち上げればいいね?」
「ああ、それでいい。――じゃあ2組に分けるぞ。」
イーニア、ハリー、ドラコとノーバート、ファングの3人と2匹。ハーマイオニー、ロン、ハグリッドの3人の2組に別れユニコーンを探す。
「ノーバートの散歩のつもりで来たんだけどなー。」
ハグリッドたちと別れ、のんびりと森を歩くイーニアは苦笑しながら言う。
「ハグリッドも悪気があるわけじゃないから。」
ハリーも苦笑しながらそう返す。
「慎重に行く必要はあるだろう。ユニコーンを襲った奴が僕たちを襲わないとは決まったわけじゃないからな。」
「むしろ襲ってくる可能性のほうが高いよね。」
真面目な顔でいうドラコにうんざりという顔でハリーはため息をついた。さらに奥に進み少し、開けた場所に出るとそこに一頭のユニコーンが倒れていた。イーニアは光を空に打ち上げ、ユニコーンに近づく。
しかしユニコーンはすでに事切れており息はなかった。
「残念だけど遅かったみたい。」
イーニアの言葉に、少し悔しそうな顔をする2人。イーニアも俯いていると先ほどまで頭上を飛んでいたノーバートが近くに降りてきて、何かに警戒しているように見て取れた。
「ノーバート?どうしたの?」
イーニアはノーバートの向いている方を見てハリーとドラコもそれに続く。するとそこには生き物とは思えないおぞましいものがいた。フードをかぶり人型のように見えるが動きがまるで生き物に見えずまるで化け物だった。
3人は少しの間、固まった。
「逃げよう!」
ハリーとドラコもそれに反応し走り出す。しかし
「「イーニア!?」」
それは当たることがなく、見えない壁に当たり弾けた。
「盾の呪文!?」
相手は追いかけるのをやめ、止まってた。ハリーとドラコも杖をもち横に立つ。ファングはすでおらずノーバートはイーニアの横で今にも噛みつこうと言わんばかりである。
「ノーバート。近づいちゃだめだよ。なにがあるかわからないから。」
「どうする?僕はそんなに攻撃魔法唱えられないぞ。それにさっきのは盾の呪文だろう?」
少し震える手を相手に向けながらイーニアに聞くドラコ。
「できる魔法を片っ端からやるしかないでしょ。向こうは絶対普通じゃないみたいだし。」
イーニアがハリーを見るとわかったとハリーは肯く。
イーニアが粉々になる呪文を、ハリーが近くに倒れていた大木を浮かせぶつけようと、ドラコが燃やそうと唱えるがすべて弾かれてしまう。
3人は思いつく限りの魔法を唱え続けたがどれも弾いてしまう。
「奴は本当に化け物か!?」
ドラコが悲鳴に近い声を上げる。
「もうへばったの?ドラ坊!」
「あの人と同じ呼び方をするな!」
「でもあれはまずいよ!?」
ハリーの言うとおりまずい状況だった。相手がそれほど動いていないので現在は集中砲火していられるが動かれると、どうなるかわからない。状況を打開すべくイーニアは最近覚えた一つの呪文を唱える。
弓矢がイーニアの前に現れる。驚く2人をそのままに
"いけるッ!"イーニアがそう判断し次の矢を射ろうとした瞬間、動いていなかったそれは突然動きだしイーニア目がけて突っ込んできた。
「うッ!」
突進してきた相手に防御がとれず、イーニアは転ぶ。さらに
「「うあああああああああ!!」」
ハリーとドラコ、ノーバートが
「「大丈夫!?」か!?」
2人と1匹はイーニアに駆けより怪我の具合を見る。
「大丈夫。強化魔法使ってたから軽く擦り剥いたくらい。」
イーニアが顔を上げたのを見て安堵する2人。
「ァアア…ァァ…。」
しかしそれは1人の男によって遮られた。
「うおらああああああああああ!!」
横から
「「「ハグリッド!!」」」
3人の喜びとも言える声に特に反応せず、ハグリッドは拳をもろに受けたにもかかわらず動いている
しかし
「3人共無事か!?」
「グットタイミングだよ、ハグリッド。」
イーニアは右手の親指を立てるとヘナヘナと地面に座り込んでしまった。
「ははっ。情けない緊張解けたら足が震えてきちゃった。」
座り込んでしまった自分を自虐しつつ笑うイーニア。
「イーニアはあいつに襲われたんだ。仕方ないよ。」
「えへへ…。2人ともさっきはありがとね。」
「気にするな。当然のことをしただけだ。」
ファングがハーマイオニーとロンを連れてきて2人にも経緯を話す。
「災難だったわね。イーニア。――怪我診るわ。皆は少しあっち向いてて。」
「そんな…大丈夫よ。」
「ぼくの透明マントを被って診れば良いよ。」
「ありがと。借りるわ。―ほらイーニア。」
イーニアとハーマイオニーはマントを被る。
「2人は怪我はないのかい?」
2人が透明になったところでロンはハリーたちに聞く。
「ああ、どこも怪我はしていない。」
「ぼくも無傷だよ。」
「ファングが物凄い勢いで俺たちのところへ来たもんで、大急ぎて駈けつけてみりゃ得体のしれないもんがいた。ありゃなんだ?あんなの森で一度も見たことねぇぞ。」
ハグリッドの質問に2人はわからないと首を振ると"あっ!"というハーマイオニーの驚きの声が聞こえた。
「どうかしたの?ハーマイオニー?」
ハリーが一応そこにいるであろう場所に声をかける。
「……イーニア、出血してるのよ。―もう全然大丈夫じゃないじゃない。」
イーニアの誤魔化すかのような笑い声が聞こえる。
「大丈夫なの?」
「そこまで深くないと思うから大丈夫だと思うけど…マダム・ポンフリーに診てもらったら?」
「大丈夫よ。これくらい、治療ありがと。」
そういうと透明マントからイーニアが出てくる。
「色々あったけど今日はもう戻ろう?」
その言葉に皆肯き、一度ハグリッドの小屋に寄った後、ばれない様に寮の部屋へと戻っていった。
―――――――――――――
禁じられた森の件が過ぎ、数日後。すべての試験が終わり、皆開放的な気分になり4人はハグリッドの小屋でのんびりとしていた。
「結局、あの時のあれはなんだったんだろうね。」
思い出したかのようにハリーが言う。
「ユニコーンの血を飲むと死にかけた命が蘇る、なんて言われてるから死にかけていた奴なのは確かなんじゃない?すごい動きだったし。」
「可能性はあるわね。」
「なんか、賢者の石と似てない?」
「確かに、あれは永遠の命を手に入れるって言われてるし似てると言えば似てるかも。」
イーニアが顎に手を当てているとロンが効いてくる。
「スネイプとクィレルは?」
「2人ともピンピンしてるね。」
「誰かを助ける?もしくは復活させようと、とか?」
「2人ともそういう善人に見えないね。」
苦笑いしつつ返すハリー。そういえばとイーニアはハグリッドに聞いた。
「賢者の石の件ってなんか変化あった?」
「いんや、なんもないぞ?」
「まあ、ダンブルドア校長がいる限り何も起きはしないか。」
「ダンブルドア校長なら今日から魔法省へ行くと言っていたぞ?」
4人は"え"と驚いた顔をした。
「2日ほどホグワーツを離れるっとおっしゃっていた。」
「大丈夫なの?」
不安そうな顔をするハリーをガシガシとハグリッドが頭を撫でる。
「おまえさんたちが心配するようなことはねぇ。」
4人はその時はそれに肯いたがイーニアは"夜、一応見に行くか"などと考えていた。
武器生成魔法、ラマンパトラム。
水とか火とかが何もないとこから出るなら武器が作れても問題ないよね!という理屈の元に考えた魔法です。
ただしこれは武器を作るだけなのでそれ自体に魔法的効力は一切ありません。
イーニアが怪我をしましたが強化魔法していなかったらもっと大けがでした。体は大事です。
ようやくタイトルらしい格闘戦をハグリットがかましてくれました。
もっと!!もっとだ!!
次回は賢者の石ラストの予定です。
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感想お待ちしています。