ハイスクール右手は×ゴッドハンド   作:S4nobu

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 ムシャムシャしてこんなの書いてやった。後悔しか無い。

 魔が差してこんなものをひねり出したこと、許して欲しい。なんにもしないけど。




PROLOGUE
俺の右手はゴッドハンド1


 

 はるか昔、三大勢力がまだ戦争をしていた頃。

 

 一度だけ三大勢力全てがある邪悪な悪魔とその軍団によって望まぬ破滅がもたらされようとしていた。

 

 しかし、そこへ一人の救世主が現れる。

 

 その男は、両腕に神の力を宿し、徒手空拳をもって邪悪な悪魔とその軍団を倒したという。

 

 人々は彼を畏れ敬いGODHANDと称した。

 

 伝説によると、その両腕を手にした者は、神にも悪魔にもなれると伝えられている。

 

 時は流れ、三大勢力の戦争は終わりを迎えたというのに各勢力のどこかで火種が燻っていた。

 そんな中、主人公(笑)の仁は、偶然の出会いから伝説のゴッドハンドを手にしてしまう。

 彼が選ぶのは、神なのか?それとも悪魔なのか?

 

 伝説のゴッドハンドをめぐる壮絶な戦いが……、

 

 いや、ゴッドハンドを手にした少年を奴隷として従えるスーパーハイパーウルトラダイナミックエキセントリックエクストリームマキシマムアルティメットプリティ美少女、オリヴィアちゃんの世界征服が始まろうとしていた……!!!!

 

 

 

 

「なんてことはねーよ。嘘つくなやてめぇ」

「はぅっ」

 

 デコピン一発、少女がきりもみ回転しながら吹っ飛びベッドイン。

 真っ赤に染まった額を抑え、大粒の涙を零しながら呻き悶絶する少女。

 少年はそんな彼女に目もくれず、手にした毛布を掛けるとそそくさと退散するように部屋から出て行こうとする。

 

「良い子はもう寝る時間だ。さっさと寝ろ」

「こらー!! 美少女に向かってデコピンかますとは何事なのー!! 寝ろとか言う前にもっと他に言うことあるでしょー!!」

「言うこと? なら色気の欠片もない癖に美少女とか言うなこのちびっ子。もちっと胸と尻を大きくしてから言うんだな」

 

 何を-!?と憤慨する少女を尻目にドアを閉じた彼はふらふらとした覚束ない足取りで居間へ行き、ソファに倒れ込む。

 顔を起こして時計を見れば時刻は午前三時。もうすぐ高校生活が始まるのになんでこんな時間まで起きてるんだと少年は溜め息を吐く。

 

 そのまま寝そうになったとき、少年はたまたま一枚の写真立てが目に付いた。

 まだまだ幼い子供だった頃の写真。

 そこには、顰めっ面の少年とぎこちない笑顔の少女、満面の笑みでふたりに組み付いてくる父母の姿が写っている。

 

「三年、三年か。早いもんだなぁ」

 

 徐に掲げた己の右腕。

 それは伝説に名高いゴッドハンド。

 何の因果か、今は少年の腕となっている。

 左手に備わる龍の手と呼ばれる神器がチンケに思えるほど強大な力を秘めているのが嫌でも思い知らされてきた理不尽の塊。

 

 本来、少年は堕天使の庇護を受ける予定であった。

 神器という厄介な力を封印してただの人間として生きるために。

 そのはずが、ついつい奇妙なはぐれ悪魔に狙われていた少女を助けたばっかりに神器以上のゴッドハンドを移植されてしまったのだ。

 仕方ないだろう。いろいろと頭はアレな少女、オリヴィアは少年、神薙仁の命の恩人。

 

 かつて仁は、龍の手なる神器の力を用いても勝てないはぐれ悪魔に立ち向かったばっかりに右腕を切り落とされてしまった。ゴッドハンドを移植し、その力の恩恵にあずかれたおかげで彼は五体満足、一命を取り留める。

 そのことは非情に感謝してる仁だが、おかげで彼に平穏は遠いものとなってしまった。

 

「どうか私の頼みを聞いて欲しい。奪われたもう一つのゴッドハンドを取り戻したいの」

 

 彼女が言うには、左腕のゴッドハンドが奪われてしまったという。

 犯人は年の離れた許嫁。最も強き戦士。

 彼女と同じくゴッドハンドを守る一族に生まれておきながら、力に目が眩み盗んだ裏切り者。一族郎党皆殺しにして。

 

 その許嫁とかいうのが力に溺れるのも無理はないと仁は思った。確かにゴッドハンドは強力無比だ。身を持って知っている。

 

 雲ひとつない快晴のある日、神の力宿りし輝くバットが天より現れた事があった。

 気分が乗った仁は手に取ると、惚れ惚れするような綺麗なフォームでバットを振り切る。

 結果、旧魔王派を名乗る悪魔が三名程、あの高慢な態度が強がりでしかなかったのではないかと思うほど、情けない悲鳴を上げながらはるか空の彼方へ。

 青空に輝く三つの煌めき、彼らは星になったのだ。

 

 あるとき、足にゴッドハンドの力が流れたことがある。

 今なら何でも蹴りで吹き飛ばせそうな力。その衝動に赴くまま、仁はかつて見たカンフー映画を己に投影し、はぐれ悪魔へ蹴りを放った。

 するとどうだ、はぐれ悪魔は悲哀に溢れる叫びと共に夜空の彼方へ去っていった。主を裏切るからこそはぐれとなるのだが、きっと今は悪しき心は浄化されてあの星々に混ざり見守ってくれているだろう。

 誰を見守っているかは、仁ですら知らないけど。

 

 本当に恐ろしい力だと、仁は改めて思う。

 龍の手だけしかまともな力が無かった自身が、今では何者であろうと倒せる可能性があるのだから。

 おまけに日に日に身体が影響を受けているのか、いらない怪力を得始めている。拘束具はいったい何のためにあるのか、オリヴィアに問い質したい仁だが、なにぶんまだまだ彼女は未熟。ゴッドハンドを学びきる前の唐突な旅立ちがあったのだ。分かんないと返ってくるのが容易に想像できた。

 ともかく、ゴッドハンドは人に全能感を与える。

 

 彼女は唯一の生き残り。虫の息だった母親から右腕のゴッドハンドと『オリヴィア』の名を託されて外の世界に放り出された。

 世間知らずで頼れる者はいない、当時無力な幼子が、ゴッドハンドを狙われながら一人で旅をするのはどれだけ恐ろしかったか、酷な話にも程がある。

 今も仁の脳裏に焼き付いて忘れることが出来ない。

 悪党にぶたれて顔を腫らして、傷だらけになって、ぼろ屑のような外套を纏っただけの幼子の姿を。

 息を吹き返した仁が目覚めたとき、心底嬉しそうに笑って抱き付いてきたのを。

 

 そんな少女の頼みを無碍に出来るほど仁は冷たい人物ではない。

 折角手にしかけた平穏を遠ざけて、出来る範囲でもう一つのゴッドハンドを探す。

 世界の裏に潜む、目に付く悪党に遠慮なくゴッドハンドの力を振るいながら。

 お蔭様でゴッドハンドの噂を耳にした更なる悪党を呼び込んだとしても。

 

 そんな日々を続けて早三年。

 仁は少しばかり限界を感じている。

 それらしき情報を何度か掴んだが、全部空振りだった。今ではめぼしい情報一つ拾うことも出来ない。

 最近は鬱憤晴らしにはぐれ悪魔、カオスなんちゃら、宗教勧誘と勘違いした英雄派とか様々な奴らをぶちのめしている気がする。

 一方でオリヴィアとだらしなーく深夜まで遊ぶ毎日。そうしなければ、時折悲しそうな表情を見せて家が暗くなる。

 でも深夜過ぎてまでゲームは勘弁な、と仁は常々思う。抗議しないのは、心底楽しそうなのを邪魔したくない優しさか。

 

 春休みは有限、明日からはオリヴィアと共に高校生。

 新たな生活の舞台は悪魔が管理していると言われる駒王町。

 

 今度は失われたゴッドハンドの情報が手に入りますように。

 そんなことを願いながら、仁は瞼を閉じるのだった。

 ゴッドハンドを巡る戦いだけに収まらない運命の足音がすぐそばまで来ている事に気付かぬままに。

 

 油性ペンを構えたオリヴィアが仁の眠るすぐそばまで来ている事にも気付かぬままに。

 

 

 





 ところでゴッドハンドというバカゲーで神ゲーをご存じの方はこのハーメルンにいるのだろうか?

 あのしょうもない馬鹿馬鹿しさと、馬鹿馬鹿しさと、やっぱり馬鹿馬鹿しさを表現できたらなぁとは思っています。

 そしてゴッドハンド大好きとか言っちゃう人を見かけたらこう、心の中で思って欲しい。
 コイツ訓練されたマゾヤローだと。

 つ ま り 私 の こ と だ 。

 あ、拙作はしなちくが暇なときにちょこちょこ書いているので不定期に投稿します。
 気分が乗らなくなったらエタって虚無るかもしれません。
 あと本作はタグにオリヒロインがいますが別にくっつきません。ストーリーにおけるヒロイン、相棒のようなものです。
 恋愛的なヒロインは一応決まっていますが、ハーレムになりません決して。そわそわ期待していた方はすいません。



 力及ばぬ私をどうか許してくれ、ナッシュ……。(サルガッソの灯台を墓地に送りながら)
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