ラウちゃんに羞恥プレイ(お姫様だっこ)されながら、たどり着いたのはたまたま使われていなかった空き教室。え? 此処で着替えるの? え、手伝ってくれる?
「ラウちゃん、大丈夫、デス。1人で、出来、マス」
『大丈夫だ、問題ない』
「え、遠慮はいりません! 私がっ! 私がお手伝いします!」
何でそんなに息が荒いんですか? 大丈夫ですよね? 私達兄妹だって分ってますよね? 兄妹愛はアニメの中だけで......アニメ? ああ、クラリッサのせいか。あの人かなりのアニオタだったからなぁ。変なこと吹き込まれたりしたんだね。ラウちゃんは純粋だからね! しょうがないね、手伝って貰おう。
「はぁ......はぁ、ごくり......っ!」
ラウちゃん? どうしたの、急に鼻を押さえて? ティッシュ居る?
「あ、ありがとうございます、お兄様」
さ、早くしないと織斑せんせーに怒られるからね、急ごうか。
「お兄様」
ん? どうしたの?
「くれぐれも、くれぐれもお気を付けください。何処の雌が何を、ナニをしでかすか分かりません。何かありましたら、私を呼んでくださいね。すぐに向かいます」
何かよく分からないけど分かったよ、ラウちゃん。ラウちゃんの方こそ気を付けてね。
「はい、ご安心を。そこらの雌共には負ける気はありません」
じゃあ、行こうか。織斑先生は怖いからね。
「では、お運びします」
あ、やっぱりそうですよね。
◇◇◇
グラウンドにはもう他の生徒の人がちらほらと。つまり視線が殺到するということ。更に2組の人も集まってるし、ざわざわ感がすごい。ほら、ラウちゃん、睨まない。織斑せんせーに怒られるよ?
「うっ、わ、分かりました。ですが、もし視線が煩わしいと言うのであれば―――」
あれば?
「―――排除します」
うん。いやー、視線なんて気にならないなぁー! あー、ぱないわー、マジぱないわー。やっべー、まじやっべー。
「そうですか」
妹がジャパニーズポリスのお世話になるとか、兄として絶対に阻止しなくては!
そうこうしているうちに他の人や織斑せんせーが来たけど、私の他の男子が見当たらない。ラウちゃんが居るからいいけど、男1人っているのは中々きつい。
「遅い、デスネ」
『おっそーい』
「やはり、お兄様は奴には任せてはおけない」
ラウちゃんが燃えてるっ! それこそ背後に炎が見えるくらい萌えてる! 違った、燃えてる!
あ、一夏君とシャルル君が来た。
「遅いっ!」
......やっべー。何アレ、結構離れてる此処にも打撃音聞こえたんだけど。さすおり! あれ本当に人間が出せる音何だろうか。
「では、本日から実践訓練を開始する」
実践ねぇ、私はあんまり争い事はあんまり得意じゃないんだけど、授業の一環なんだろうししょうがないかな。
「今日は戦闘を実演してもらおう。そうだな―――凰、オルコット、来い」
えっと、凰さんが中国代表候補生で、オルコットさんがイギリス代表候補生だっけ? よく知らないんだけど、2人が戦うんのかな?
「慌てるな馬鹿共。対戦相手は―――」
ん? 何か突撃してくるような音が―――
「ラウちゃん?」
『敵襲か⁉』
いきなりラウちゃんにヘッドホンを取られた上に目隠しされたもんだから、何が起こっているのか全く分からなかった。目隠しされる前にやま、やま、あー、やまや? やまや先生(仮)が飛んできたような......まっさかー、そんなわけないよねっ!
「やはり、あんな奴に―――」
ラウちゃーん? 何やってるか分かんないんないんだけど早く戻してー、結構怖いからー。ハリーハリー。
「何があった、デスカ?」
『犯人を貴方ですっ!』
「いえ、見るに足らないくだらない茶番があっただけです」
顔こわいよー、すっごくこわいよー。ほら撫でりしてあげるから機嫌直してー。
「ん......ふぅ、あぅ......はぁ、おにいさまぁ」
私のナデポスキルはカンストしてるからね。この程度たわいもないね。
あれ? やまや先生が何時の間にかIS着て凰さんとオルコットさんと勝負している。見た所やまや先生が押してる。
「ふん、情けない。あれが代表候補生の実力か」
「ラウちゃんなら、勝てる、デスカ?」
『やまやせんせいが しょうぶを しかけてきた!』
「お兄様のためならば」
すげー、ラウちゃんやっぱすごいわ。うちの妹は世界一やー!
あ、決着着いた。やっぱりやまや先生が勝ったのね。
「さて、これで諸君にも教員の実力は理解できただろう。以後は敬意を持って接するように」
うんうん。やまや先生マジリスペクトだわ。
「専用機持ちは織斑、オルッコト、デュノア、凰、ラウラ、それに―――ユーリだな。では七人グループで実習を行う。そしてグループリーダーは専用機持ちがやれ。いいな? それから、ユーリ。無理はしなくてもいいからな」
「大丈夫、デス」
『この程度のフラグ、何度も超えてきた!』
何だか微妙なものを見るような眼で見られたけど、是非もないよネ!
さぁー、がんばろ~。
◇◇◇
人が、集まら、ない............うっそだろ、おい! 私最初の自己紹介で結構アピールしたんだけど⁉ あれか? こんな媚び媚びのキャラじゃダメだっていうのか? それともあれ? 逆にドン引かれてたとかで近寄りがたいのかな? ほら、そんな遠巻きで見てないで着ていいよ? 全然いいよ!
「(お兄様に近づいてみろ―――【自主規制】だ)」
あれ? ラウちゃんからすごい波動を感じる。何で?
「さっさと始めろ!」
おお、さすおり! 皆が近づいてくるよ! 顔が引きつってるけど!
「よろしく、デス」
『にゃんぱすー』
「あ、うん、よろし―――ひぃ!」
え? 何それ傷つく。私挨拶しただけだよ? それで悲鳴って、私そんなにやばい? 知らない間にすごいオーラとか出しちゃってた?
「あ、は、始めよう! ほら!」
あ、うん。そう、だね。そうですよね。ちゃんとしないといけないよね、うん............ラウちゃん、お兄ちゃんはもう心が折れそうです。ラウちゃんはちゃんとお友達100人くらい出来てるよね。お兄ちゃんの分もコミュってるって信じてるよ! 兄妹揃ってボッチッチとか悲しすぎる。せめて、せめてラウちゃんだけはっ!
「......次だ」
「はいっ、教官!」
「......」
「......」
「......」
「......」
違うっ! そうじゃない、そうじゃないよラウちゃんっ! もっとこうキャキャうふふな展開で友好を深めあうとか、そんな日常系漫画っぽい何かを求めてるっぽい! そんな最前線で戦う少女達みたいな雰囲気はいらないっぽい! ぽいぃぃぃ!
◇◇◇
お、終わった。やっと授業終わった。あれだね、もう私涙目ですよ。表情には出ないけど。
「お兄様、お食事にしましょう」
「そう、デスネ」
『ファミチキ食べたいです』
そうだ! 此処で誰かを誘えば!
「なあ、ちょっといいか?」
キター! ナイスタイミング! これでお昼を誘ってくれればっ!
「さっきは挨拶できなかったけど、俺は織斑一夏、一夏って呼んでくれ」
「ユーリ、デス」
『さんをつけろよデコ助野郎』
「で、デコ助野郎?」
は? 何言ってんの? デコ助? どういうこと? 何でそんなに背中見てるの?
「何の用、デスカ?」
『(迫真)』
「あ、いや、何でもない。それより友好を深めるために俺達と昼飯を一緒に食べないか?」
ビンゴぉぉ! 流石、流石だよ! さすおり! このチャンス、絶対に生かしてみせる!
え、あれ? ラウちゃんどうしたの?
「そんな必要などない。さっさと消えろ」
やばい、ラウちゃんの目と顔がやばい。そうだったラウちゃん、一夏君の事嫌いだった。そりゃ一緒にご飯とか食べたくないよね。うむむ、しょうがない。ラウちゃんこのままだと1人確定だし、私だけ行くなんて選択肢ないよね。それにしても一夏君に悪いなぁ。めっちゃ機嫌悪そうだもん。後で謝っておこう。
「悪い、デスガ、ラウちゃんと、食べる、デスカラ」
『リア充爆発しろ』
「そ、そうか。じゃあまた今度食べような」
そういって一夏君は去っていった。ほら、ラウちゃん睨まないの。早くご飯食べに行こう?
「分りました。では、お運びします」
ああ、またですか。もう私は諦めの境地に入ってますよ。悟りとか開いてますよ。はぁ、本当に何でこうコミュニケーションとは難しいんですかね。
「何、食べる、デスカ?」
『喜べ少年、君の望みはようやく叶う』
「そういえば、此処の麻婆豆腐は絶品だそうです」
今何か愉悦って聞こえた気がする。
◇◇◇
「くっ、あれを食べ物と私は絶対に認めないぞ!」
「そう、デスカ?」
『ラウラ、あなた疲れてるのよ』
美味しかったけどね。ちょっと辛かった程度で、中辛のカレーみたいなものだね。ラウちゃんには甘口の方が良かったのかな?
「いえ、あれは中辛という辛さでは―――」
後日、織斑せんせーに話したらすごいものを見る目で見られた。