大森林〜くさタイプヘイトの俺がくさタイプ一筋になった訳〜 作:ディア
某所にてポケットモンスター略してポケモンをやっている1人の若者がいた。
「ヒャッハーっ! 草タイプアンチ最高ーっ!!」
前言撤回、ハッチャケている若者だった。小学生染みたことをするこの若者の名前は木村拓森。何ともくさタイプを使いそうな名前だが実際はくさタイプアンチのプレイヤーだ。ちなみに彼の名前は今後出ることはない為覚えなくてもいい。
そんな彼が今やっているのはくさタイプを限定してアンチ出来るDPのバトルステージの対戦だ。そこで彼はこおりタイプの技やほのおタイプの技が使えるギャラドスでくさタイプをボコボコにしていた。
「レベル100とはいえ仮にもみずタイプのギャラドスも倒せないのか? ん?」
ちなみにギャラドスはみず・ひこうタイプなのでくさタイプとは等倍になりでんきタイプは4倍のダメージになる。つまりギャラドスでは制限もクソもありゃしない。くさタイプ4倍ダメージを受けるラグラージ等でくさタイプを相手にしないあたりまさしく外道。
「それにしても何時になったんだ……うっ!?」
そんな外道な彼が時計を見ると深夜三時を過ぎており思わず呻き声を上げてしまう。
「もうこんな時間かよ……今日の授業も辛いし寝るか」
彼は性格は小学生そのものだが一応実年齢は20を超える大学生であり、今日の授業に備えてひとまずDSの電源を切り、眠りについた。しかし彼はそれが最後のポケモンをやった日だと思いもしなかった。
☆☆☆☆
zzz……
「おい、起きろ!」
うっせぇな……人が寝ている時に起こすんじゃねえよ!
「べふっ!?」
ん? 目覚まし時計を止めたはずなのに何で人の声がするんだ?
「ようやく起きたか……このアホタレめ」
人の家に上がりこんで何してやがる!? ジジイのくせに泥棒か!?
「周りを見ろ。ここはお前の家じゃない」
そういえば周り全体が暗いな……だったら何で俺がここにいるんだよ!? ジジイてめえが誘拐したのか!?
「半分あっていて間違っている」
今すぐ俺の家に帰せ! さもなくばぶん殴る!
「まあ落ち着け小僧。どうせここは夢の中だ。私はお前の夢を弄って干渉しているにしか過ぎない」
じゃあ干渉を止めろよ!
「やなこった。どうせお前はこれからもくさタイプアンチを続けるのだろう」
くさタイプアンチ……もしかしてポケモン知っているのか? というか何で俺の趣味を知ってんだよ!?
「全知全能の神に不可能という言葉はない」
ぶん殴られた癖に全知全能の神とかないわー、マジで痛いわー。
「ふふふ……どうやら私を怒らせてしまったようだな! そんなお前にはチートの代わりに天罰をくれてやる!」
チートとか天罰とか何の話だよ?
「話してなかったか?」
知らんがな! お前が原因だろうが!
「まあいい。くさタイプアンチが趣味と言う愚か者に説明しよう」
随分偉そうだな。
「だって偉いし」
偉いってどのくらいだよ……誘拐犯の中では偉いんだろうが所詮その程度だろ?
「私のことについて話すと長〜くなるから省略させてもらう。それよりもこれから起こるお前のことについてだ」
ほほう? 聞こうではないか。
「ここがどこだかわかるな?」
無視された……まあ俺の夢の中だろ?
「そうだ。だがお前はダークライによって殺されかけたのだ」
……はい? ダークライってポケモンのダークライだよな?
「そうだ。時空を司るディアルガとパルキアが大喧嘩し、お前の世界の空間とポケモンの世界の空間が歪んで一時的に世界が繋がってしまったのだ」
いやいやそんな非現実的なことがあんの? それにダークライに殺されかけたことと何の関係があるんだ?
「事実だ。それにダークライがお前を殺されかけたのはバカ2人……もとい二匹が大喧嘩したことによってダークライがお前の世界に留まり、熟睡して間もないお前を殺そうとしたというわけだ」
でも何で無事だったんだ?
「それは私がお前の夢に干渉してダークライから救ったからだ。感謝しろよ?」
恩着せがましい奴……でもそうしたらダークライは他の奴を標的にするんじゃね?
「ダークライの何を潰してやったからしばらくは動けん。その隙に元のポケモンの世界に返したから安心しろ」
えげつねえ……というか空間の歪みも解決したのか?
「あのくらいの歪みなら数分で直る」
数分で直るのにダークライに逃げられたのかよ……有能なのか無能なのかはっきりしねえ奴だな。少なくとも全知全能の神ってのは嘘だな。
「ふんっ!」
いってえ!? 何しやがる!?
「自業自得だ」
訳のわからねえクソジジイが!
「さてとお前はダークライに殺されかけた訳だがこのままあの世界に居てもつまらないだろう?」
ポケモンは楽しいが?
「ならそのポケモンの世界で暮らしてみないか?」
どういう意味だ?
「そのままの意味だ。ポケモンがいる世界に転生してみないかと聞いているんだ」
転生ってことは一度俺は死ぬのか?
「その通りだ」
何故だ? 態々転生させる必要はあるのか?
「お前をこのままポケモンの世界に行かせても構わないがゲームのようにはうまくいかんぞ? それどころか身分証もないからホームレス生活待ったなしだ」
……マジで?
「そうだ。そこで転生することによって身分証を確保することが出来るし、お前に才能をある程度与えてやれる」
じゃあチートってのはその才能か?
「一般にそうだな。チートはこのダーツで決まる」
ジジイありがとよ。よし、決めた。ポケモンの世界に転生する。
「その心意気や良し! さあ投げろ!」
…………………………………………………………………………………………………………
「どうした……いらないのか?」
……ふ、ふざけんなてめぇーっ!!
何だよこのダーツは!? 全ての面が『所有しているくさタイプのポケモン(複合も含む)の各ステータス50ずつアップ&所有しているくさタイプを複合していないポケモン各ステータス20ずつダウン』って明らかにやらせだろうが!? くさタイプが大嫌いな俺に対して嫌がらせか!?
「稀によくある」
嘘くせえし、稀によくあるってなんだよ。死ねよ。
「死ぬということはやるんだな?! ダーツ! ダーツ!」
いい年したジジイが腕を上げ下げして興奮するな! 外したら特典はなしでいいんだな!?
「ちなみに外した場合は一生チコリータとして過ごすことになるがそれでもいいのか?」
ふざけんなどちくしょう! 一生チコリータってことはベイリーフにも進化出来ないってことか?! てか当てたらちゃんと人間に転生するんだろうな!?
「それは全知全能の神である私が保証する。れっきとした人間、それもポケモントレーナーとして転生させてやるから安心してダーツをしろ」
よくよく考えてみればわざわざポケモンの世界に行かなくともいいんじゃねえか? と思ったが……どうせジジイのことだ。何か企んでいるに決まっているんだろ?
「良くぞ見切った。そこまでわかっているならさっさとやれ」
そうだよな……向こうの世界でやってやるよ!
俺のダーツはまっすぐに的に突き刺さり、チート特典が決まった。
「おめでとう! 約束通りチートをやろう」
チートが貰えるのに嬉しくない……
「チートを貰ったんだぞ。喜べよ」
お前の胸に聞いてみろよ。そうすればわかるから。
「それはともかく準備はいいか?」
非常に行きたくねえがもう覚悟は決まっている。やるんならさっさとやれ。
「ではいざ鎌倉!」
いざ鎌倉の意味違ぇぇえ!
俺は自称神が作った穴に落とされ、ポケモンの世界に転生した。それもオリジナルの地方じゃなくカントー地方のジムリーダー、エリカの弟として。
★★★★
「行ったか」
コミカルな雰囲気から厳格な雰囲気を醸し出した自称神がそう呟くとノートを見る。
「流石にチートをつけ過ぎたが何も困るわけではないし、シナリオ通りに上手く行ったし良かろう」
自称神が手に持つノートにはこう書かれていた。
【〜誰でもわかる! アンチ・ヘイトの修正法〜】
「アンチ・ヘイトをなくすには対象がいかに魅力的かを知るかということだ。私が無能と呼ばれようがクズと呼ばれようが関係ない。少しでもアンチを減らせるのであれば私が犠牲になろう。その為にあやつがダークライに殺されかけたという嘘までついたのだからな」
自称神はそう呟きその場から消えた。
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