大森林〜くさタイプヘイトの俺がくさタイプ一筋になった訳〜 作:ディア
「コスモボーイ。流石ミーが見込んだだけのことはあるぜ」
クチバジムの奥で待機しているマチスに話しかけると笑みを浮かべモンスターボールを構えた。……え? 道中どうしたかだと? イーブイがいあいぎりを覚えたおかげで楽に終わったよ。
「マチスさん。ジムバッチの確認は?」
「Oh! すっかり忘れてたぜ。How many gymbatchs do you have? 《お前はどれほどの数のジムバッチを持っているんだ》」
「え? な、何て言ったの?」
ミカンがマチスの流暢な英語についていけず、ただ一人だけ狼狽えた。なるほど、流暢な英語を話すことによって動揺させる作戦か。結構精神的にダメージを与えるだろうが、何一つ問題なし。
「I have one gymbatch.《僕は一つだけジムバッチを持っています》マチスさん見てみますか?」
何故ならば俺は英語を話せるからだ。これは前世の影響というよりも実家の教育による賜物だ。グローバルな社会に出ても平気でいられるようにそう教育されたんだよ。ちなみに影が薄くなり始めたタマネギも喋られるぞ。
「いや、コスモボーイ。その必要はナッシング。ミーの母国語をアンダスタンドだけでなくスピーチなんて驚きネー。ポケモンリーグの規定通りバッチ一個持っているチャレンジャーの相手に対してミーは特定のレベルのポケモン二体を使う。アンド交換なしの道具持たせない。アンダスタンド?」
「OK.やりましょう」
「それでは挑戦者コスモVSジムリーダーマチスのジムバトルをスタートします」
審判が合図し、俺とマチスがモンスターボールからポケモンを取り出した。
「ビリリダマ、GO!」
「行けっフシギソウ!」
マチスが出したのはマルマインの進化前のビリリダマ。カントー図鑑のNo.100で有名なあいつだ。
「フシギソウ、つるのムチ!」
「フシッ!」
フシギソウのつるのムチがビリリダマに炸裂し、ビリリダマが戦車から放たれた弾丸の如く場外に吹き飛んだ。
「……ホワッツ?」
一撃必殺が決まったかのように空気が静まり返り、唖然とする。そりゃそうだろうな。俺も同じ立場だったらそうするしかない。
「審判さん?」
「あ、ビビリダマ戦闘不能! ジムリーダーマチスは至急交換してください」
「No,It isn't.Because there is no chance of winning in this battle.《それはできない。何故ならこの戦いで勝てる見込みがないからだ》」
マチスがビリリダマをしまい、そう告げ降参した。またかよ……気持ちはわからないでもない。あれだけ力量の差があると唖然とするしかねえもんな。ミカンだって目を丸くしているし。いやミカンはマチスの英語に混乱しているだけか。
「つまり、降参だと?」
「イエス。と言うわけだコスモボーイ。オレンジバッチとこの技マシンをプレゼントだ」
マチスがそう言ってオレンジバッチと技マシンを俺に渡した。
「ありがとうございます」
「ところでコスモボーイ、エキシビションマッチを申し込む」
「エキシビションマッチ……?」
そんなものがあるのか? ミカンに目で解説を求めようとすると今までマチスの英語を翻訳しなかったせいか拗ねてしまい、横を向いて無視した。
「イエス。ユーのフシギソウ、ベリーストロング。ミーのハートがファイヤーした。このまま終わるなんてミーには出来ない。ジムリーダーとしてではなく1トレーナーとしてミーの本当の本気をそのフシギソウにファイトしたい」
そういうことか。わかる。ものすごくわかる。男に限ったことじゃないが、目の前に困難があるとそれに挑みたくなるその気持ちはポケモントレーナーならあることだ。前世でもくさタイプが絡まなければそうしていたしな。
「わかりました。その申し込み承ります」
「Good! それじゃルールをチェンジするぜ。ルールはミーのポケモン、コスモボーイのポケモン共に一体。道具の使用はポケモンに持たせるのはあり。降参するかポケモンがひんしになるかのどちらかで敗北。アンダスタンド?」
対戦でやったような形式か。
「OK.それじゃフシギソウ、頑張って!」
「Go,VOLTY!」
マチスが取り出したポケモン。それは前世の世界で二番目に有名なネズミ。え? それだけじゃわからない? 仕方ねえな。マチスが出したのはピカチュウだ。アニポケのサトシの相棒と同じ種族のあいつだ。
「それではタマムシシティのコスモVSクチバシティのマチスのエキシビションマッチをスタートします」
妙な違和感がある。そう思ったのも束の間。マチスのピカチュウことVOLTYが持っているのはでんきだま。でんきだまをピカチュウに持たせる──ここ大切。ピチューやライチュウ等他のポケモンに持たせても意味ない──とこうげきととくこうのステータスが二倍になる恐ろしいアイテムだ。種族値だけでなく努力値や個体値も含めたステータスが二倍だぞ。つまり努力値や個体値も倍で換算されるってことだ。これを持たせたピカチュウが伝説相手に三タテしたこともあるくらい重要なアイテムだ。そんなアイテムを持たせたピカチュウを相手にするということは流石のフシギソウも危うい。そう思い、フシギソウに指示を出した。
「フシギソウ、リーフストーム!」
「VOLTY! Avoid, Voltecker.《VOLTY! 避けてボルテッカーだ》」
や、やべえっ! 焦りすぎて大技のリーフストームを指示しちまった。
「フシギソウ、ねむりごな!」
俺が思い付いた指示はねむりごなでVOLTYを眠らせる。そしてその眠っている隙をついてフシギソウに次の指示を出した。
「What!?」
「フシギソウ、リーフストーム!」
今度は落ち着いて指示……いや眠らせたからかフシギソウのリーフストームがVOLTYに直撃し凄まじいまでの威力の攻撃によってVOLTYが倒れた。
「VOLTY!」
「ピカチュウ戦闘不能、よってウィナー、タマムシジムのコスモ」
ようやく終わったか。しかし運がよかった。もしもVOLTYのボルテッカーがねむりごなを吹き飛ばし、効かなかったらボルテッカーが直撃しフシギソウとも言えども危なかった。相当体力が抉られていたのは違いない。
「流石だコスモボーイ。咄嗟にねむりごなをオーダーするなんてな」
「いえ、僕のフシギソウはまもるを覚えていませんでしたからああして眠らせて対処するしかありませんでした」
本当これにつきるよな。もしフシギソウがまもるを覚えていたらまもるを指示していた。しかしフシギバナ系列にまもるを覚えさせるには技マシンでしか覚えさせるしかない。当然そんなものを持っていない為に自力で覚えるねむりごなを指示したと言うわけだ。
「I see.ところでコスモボーイ、これからカントー地方のジム巡りしてポケモンリーグにチャレンジ?」
「いいえ、僕はシンオウ地方に行ってみたいと思います」
「シンオウ? あのコールドなエリアか?」
「はい。あそこには僕の望むポケモンがいますから」
「例えば?」
「そうですね……ロトムとかですね」
ナエトルとかでもいいんだが、話を合わせる為にでんきタイプのロトムを例に挙げた。通常のフォルムでこそ、くさタイプが混合していないがカットフォルムにフォルムチェンジするとゴーストの代わりにくさタイプが混合する。
「ロトム! それだったらミーが持っているぜ!」
「本当ですか!?」
「ただ気性にプロブレムがあってな……ミーでも制御出来ないんだ」
「どんな問題ですか?」
「接触技が出来ないくらい臆病なんだ」
それはなんとまあ……致命的だな。
「コスモボーイ、ユーの素質を見込んで頼む。このロトムを一丁前に鍛えてくれないか?」
一丁前の使い方間違っているぜ……マチス。だがそれは言わないでおこう。言ってもKYな奴だと思われるしな。
「OK.マチスさん。そのロトム、強く逞しくしてあげます」
ただしフォルムチェンジするけどなぁぁぁっ!
「Thank You.じゃあこのモンスターボールに入っているから頼んだ」
いや、よかった。ロトム捕まえる為にもりのようかんに行かなきゃいけなかったのがこんなところで手に入るとは思いもしなかった。もりのようかんってポケモンシリーズで個人的に怖かったランキング三位に入るホラー施設だから近づきたくないんだよ。ちなみに一位はシオンタウン、二位はメガやす跡地だ。この一位と二位の二つだけは絶対に避けたい場所でどんなポケモンがいようが俺はいかねえっ! 例えエリカに女装されることになろうが、ミカンに○○○なことをさせてもらおうが絶対だ。転生した俺の存在そのものがホラーとか言ってはいわれても同じだ。
「ありがとうございます。マチスさん」
何にしても、ロトムゲットだぜ!
とあるレート戦での出来事。
「凍れ凍れ凍れ凍れぇええっ!」
ポリゴン2でれいとうビームを使い切るまで放つも(相手はくさ・どくなので凍るはずが)凍らず、クソゲー認定しながら絶望感漂う雰囲気の中トライアタックを選択すると凍った。
「コオリキタ! やった、やったぜ!うぉーっ、見たか俺の実力を!アホみたいに眠らせやがって、喰らえーっ! 日本人の力思い知れ、飛鳥トライアタック!」
そして相手が回線を切ってしまい記録出来なかったので何日も愚痴るようになってしまった。
※実話です。
シンオウの次の地方はどの地方が良い?
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ジョウト
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ホウエン
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イッシュ
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カロス
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アローラ
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ガラル