大森林〜くさタイプヘイトの俺がくさタイプ一筋になった訳〜   作:ディア

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いつぞや(第3草)の後書きに、最強の複合タイプ、ノーマル・ゴーストの話をしてから数ヵ月後の話。

この複合タイプを主題にした小説が出ていて「やっぱ同じ発想の持ち主はいるんだな~」と思いつつ、第3草とその小説の一話目が投稿された日時を見ると第3草の方が早く、「なんでやねん!? 何で俺が書いた方が投稿日時早いの!?」などと一瞬思ってしまった。

それでは本編どうぞ。


第20草

 二日後。俺達はハクタイの森に来ていた。うん? どうしてそんな速さで進んだのかだと? ゴールドスプレーをかけたおかげで特に何もなかったからな。スムーズに移動が出来た。ミカンと何かあったと思ったら大間違いだ。ミカンと何かしようとしてもエリカが見張っているんだからどうしようもない。

 

「イーブイ出てこい」

 

「ブイ!」

 

 ブイゼルみたいな鳴き声を出しながら外に出るイーブイ。 逃がす訳ではなく、ここで進化させる為に出した。

 

「ほらイーブイ、食べて」

 

「ブイっ!」

 

 イーブイが差し出したふしぎなあめを使い、レベルアップするとイーブイの身体に異変が起きた。

 

 

 

「フィ~!」

 

『ご主人様進化させてくれてありがと~!』と言わんばかりにイーブイ、いやリーフィアが甘えた声で俺の脚にすり寄る。妙だな。イーブイの時はここまでなつかなかったのに、リーフィアになったとたんに甘えるようになった……もしかしてここにも俺の特典が? そうだとしたらなつき度に依存するおんがえし覚えさせたら威力がとんでもないことになるな。

 

「まあ……!」

 

 エリカが紅潮した笑みを浮かべため息を吐く。そういえばカントーじゃリーフィアは見かけないんだっけか? 

 

「おめでとうコスモ。このリーフィアも喜んでいるわ」

 

 ミカンがリーフィアの頭を撫でると気持ちよさそうにリーフィアが顔を緩めた。

 

「み、ミカンさん私にも!」

 

 エリカもミカンに続いてリーフィアを撫でる。ここでリーフィアが噛みついてくれたら面白いんだが、リーフィアはさみしがりだから甘えん坊なんだよ。俺の顔に似ているエリカは当然、ミカンにも人懐っこい。

 

『やれやれ人気者だね、リーフィアは』

 

「そうだね……ってタマネギ。勝手に出ないでよ」

 

『そうは言われても暇なんだもん。それにリーフィアをコスモのポケモンの中で一番早くみたいしね』

 

「タマネギ、そこまでリーフィアのことを……!」

 

『同じくさタイプのよしみだからもの。当然さァ』

 

「……キャラ変わった?」

 

『さて何のことやら』

 

 

 

 タマネギがボールに戻る。そしてリーフィアに視線を向けるとエリカやミカンと同じくらいの年の少女がこちらに向かって走ってくる様子が視界の隅に映った。

 

「ふぁ~リーフィアだぁーっ!」

 

 前世において犬を見かけると寄ってくる子供のように目を輝かせ、近寄る少女。そしてそのリーフィアを触っているエリカに口を開いた。

 

「そのリーフィア、触ってもいい!?」

 

「構いませんわ」

 

「お姉様、親である僕を無視して勝手に答えないで下さいよ」

 

「親? ってことは君のポケモン?」

 

「そうですよ」

 

「そっか。ごめんね。リーフィアの気持ち良さそうな顔をしていたから君のお姉さんのかと思っちゃった」

 

 

 

 こいつはさみしがりやだから誰にでも甘えるんだよな。……そう言えばリーフィアの性別ってオスだよな? イーブイや御三家等はオスが生まれやすい為にメスが生まれ難く、厳選が難しい。高個体値メタモンがいればだいぶ楽だがそれでも難しいとされているのがエンニュートやビークインだ。エンニュートやビークインは進化前のメスが進化するとなれるがオスは進化出来ない。しかもそれぞれの進化前ヤトウモリやミツハニーはオスの方が生まれやすい為めざパ厳選なんてやろうものならかなり大変だ。銀冠を使うことを前提にするならS個体値を偶数にしてほかをVにすればめざパ氷エンニュートやめざパ氷ビークインの出来上がりだが、どんなに確率を良くしてもそれが生まれる確率は2%に満たない。

 

 話がそれた。リーフィアがあんなに甘えたがりなのはオスなんじゃないかってことだな。そう思った理由は単純にデレデレしすぎな感じがして嫉妬してしまうからだ。いや女子高生達の悪ふざけみたいなものかもしれない。全く羨ま……もといけしからん! 

 

 

 

「わかればいいんですよ。もっとも触れられるのはリーフィア自身なので嫌がらない限りは触っても結構ですよ」

 

「やったー!」

 

 少女がリーフィアに触れる体積を少しでも増やす為にエリカの胸に抱きつく。

 

「ああーっ、可愛い~!」

 

 ハンズをおっぱいにし、レタスをリーフィアにしたサンドイッチの出来上がり。助平な男が見たら思わず棒を固くしてしまうだろう。そうでなくとも百合萌えに目覚めてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 数分後、リーフィアは解放されボールに戻った。

 

「ところで自己紹介が遅れましたね。僕はタマムシシティのコスモ。先ほどのリーフィアの親です」

 

「同じくタマムシシティのエリカですわ」

 

「アサギシティのミカンです」

 

「あっ、失礼しました。私、ハクタイシティのナタネです。ジムリーダーを勤めています!」

 

 この少女がハクタイシティのジムリーダー? いやアニメ版ではくさタイプポケモンフェチだということは知っていたが、目の前にいる彼女はエリカ達よりも幼い。それでもジムリーダーをしているとは驚きだ。エリカですらつい最近ジムリーダーになったばかりだというのに。

 

「ということはくさタイプのジムリーダーなのですか?」

 

 ミカンがあまりのくさタイプ好きに引いたのか、顔をひきつらせてそう尋ねた。

 

「ええ。くさタイプが大好きで、それを極めようとしたらいつの間にかジムリーダーになっちゃいました!」

 

「それは凄いですわ」

 

 ミカンとエリカの二人がそう答えるが、セリフに込められた感情が違う……

 

「そうだ。皆さん私のジムに案内します!」

 

「よろしいのですか?」

 

「ええ。先ほどリーフィアを触らせてくれたお礼です」

 

「ではよろしくお願いいたします」

 

「じゃあ三名様ご案内~!」

 

 

 

 そしてハクタイジムに案内されるとそこには大きな花時計が設置されていた。この様子だとプラチナの世界なんだろう。

 

「どう!? この花時計に噴水! 自然に恵まれて良いジムでしょ!」

 

 こう自慢気に語られるとやはりナタネも若いな、と考えてしまうのは転生者だからだろうな。

 

「お見事、としか言い様がありませんわ。今後のジムの研究に使わせて貰います」

 

 エリカはただ感心し、花時計を中心にジムの設備を眺める。

 

「私のジムもこう華やかな方が良いのかしら……? いやはがねタイプだからコンパクトにしないと……」

 

 ミカンがぶつぶつと呟き、手で口を覆う。

 

「もしかして二人ともジムリーダーなんですか!?」

 

「ええ。とは言ってもナタネさんのように華やかなものではありませんわ。ミカンさんのアサギジムに至ってはまだ改築中で中にも入れない状況ですので」

 

「あら~そうなんですか。でもカントーやジョウトのジムがどんなものか知りたいのでいずれそちらにお邪魔したいです」

 

「同じくさタイプのエキスパートのジムリーダーとして楽しみに待っていますわ」

 

「ところでエリカさん、コスモ君は貴女の弟なんですか?」

 

「妹のことをお姉様と呼ぶ兄がいると思いますか? つまりそういうことですわ」

 

 あー、うん。そんなのエロ小説でもいないな。高度なプレイとかならあり得るが。

 

「でもなんていうかしっかりしてエリカさんよりもコスモ君の方が大人びいている感じがするのよ」

 

 そんなことは初めて言われたな。ミカンですら俺よりもエリカの方が年上と認めるくらいにはエリカの方が精神的に落ち着いており、俺の方がまだこどものように見える。

 

 

 

 そんなことを考えているとジムトレーナーの少女がナタネの肩に手を置いた。

 

「話の途中悪いけどナタネさん。もりのようかんには向かったんですか?」

 

 それを聞いた瞬間、ナタネの脂汗が滝のように流れ、口をゆっくりと動かした。

 

「い……」

 

「い?」

 

「行ってませんでした! 申し訳ございません!」

 

 土下座をかまし、ジムトレーナーに謝るナタネ。何だろう。親近感を凄く感じる。

 

「ナタネさん、私言いましたよね? 今度行くのサボったら許したりしないって」

 

「今回は本当に忘れていただけです! ナエトルのはっぱカッターで許してください!」

 

「それはナタネさんにとってご褒美でしょう! ……はぁ、仕方ありません。そこのトレーナーさん、後で報酬をお渡ししますのでナタネさんに付き添って頂けませんか? 実はナタネさん物凄く怖がりで、ありとあらゆる手段を使ってもりのようかんに行かない為の口実を作るんですよ。ですからナタネさんが逃げないように付き添ってください」

 

 報酬……どんな報酬だろうか。気になるな。

 

「ち、ちょっと! 私怖がりじゃないもん!」

 

「それだったらなんで今まで行かないんですか?」

 

「うっ、それはあのその……」

 

「とにかくもりのようかんまで行って何も異常がないか見てくださいね?」

 

 

 

「それじゃ僕がナタネさんと行くよ」

 

 はっきり言って俺だって行きたくない。具体的には地雷地帯並みには行きたくない。だけど困っている女の子を助けるのは男なら当然だ。

 

「なら私……」

 

 ミカンが口出しをしようとしナタネ達が目を離したその瞬間、俺は見てしまった。エリカが目にも見えない速さでミカンの首を叩き、気絶させたのを。

 

「ミカンさん! ……ミカンさんが貧血で倒れてしまったようですので、私達はここでお待ち致しますわ」

 

 お前が気絶させたんだろうが! と突っ込みたかったがそんなことを指摘しても惚けられるだろう。下手したら薮蛇になりかねない。

 

「それじゃナタネさん、行きましょうか」

 

「……うぅ、嫌だよう」

 

 ぼそりと幼児退行したナタネが呟くも誰もその事に突っ込まずにそれを見送る。薄情と言うか、自業自得というか世の中そんなものだ。




≫めざパ氷エンニュート
作者も作ろうとしたけど挫折しかけている。というかした。それくらい厳選が難しい。



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