大森林〜くさタイプヘイトの俺がくさタイプ一筋になった訳〜 作:ディア
「お待たせしました。頭を強く打っただけで他は異常はありませんわ」
ああマジでよかった。これで死んでいたらポケモン殺しの罪に問われて大変なことになっていた。
「他に異常はありませんでしたか?」
「彼次第と言うべきでしょう。頭を強く打ちましたから脳に障害が出る可能性もゼロではありません。その時は私達に相談してください」
確かにな……あれだけ頭を強く打ったんだ。脳に障害が出てもおかしくない。そもそもセレビィに脳があるのかどうか自体が怪しいが生き物である以上はあるんだろう。
「わかりました。では失礼します」
それにしても参ったな。これでセレビィに支障が出たら色々とマズイ。セレビィは時渡りの術? だったけ? とにかく悪用されることくらいはわかる。その時に頭がおかしくなったセレビィがディアルガを誤って呼び出したらど偉いことになる。少なくとも悪人達から目をつけられることは間違いない。どうしたものか。
「きゃっ!?」
「うわっ!?」
危な!! セレビィは無事か!? ……よかった無事だ。それにしても一体何だってんだ? 上をチラリと見るとそこには白いワンピースを着た清楚なお姉さんがいた。
「だ、大丈夫?」
お姉さんが尻もちをついた俺に声をかけると俺は慌てて立ち上がった。
「な、なんでもありません!」
ブンブンッ! と言わんばかりに首を横に振って否定する。
「無自覚のまま放っておくと後悔しますから手当てしないと……」
「結構です!」
邪な感情が俺を支配しようとするが俺は力強く否定し、抵抗する。
「そっか、君がそういうなら仕方ないけどそのポケモンはどうなの?」
やっばっ!? こんな光景エリカに見られたら何言われるか分かったもんじゃない! 下手したらモンジャラのつるのむちの刑だ!
「いえ、少し安静にしていれば治りますから大丈夫ですよ」
「ごめんなさい、私のせいで……!」
げっ!? お姉さんが傷つけたって誤解してやがる! 早く解かないとエリカに見られる。
「いやいや、さっきのバトルの時に頭をぶつけただけでお姉さんに非はありませんよ!」
「でも……」
「このままじゃキリがないですし、何かお互いに要望を出し合いません?」
妥協して俺はそう提案するとお姉さんは首を傾げた。
「要望?」
「お互いにお詫びに何かするってことですよ」
「ダメよ! 私が全面的に悪かったんだし」
それでもダメか……
「お姉さん、さっきこのポケモンは手当し終えたばかりなんです。だから今お詫びされても困ります!」
ならセレビィを理由にするまでだな。理由と書いて利用と読む。まさしく外道だな……思っていて涙出てくる。前世のくさポケモンアンチに関しては文句を言われても仕方ないがそれ以外は綺麗なままでいたいんだよ!
「そう言われちゃ仕方ないわ。これを受け取って」
そう言って俺の涙を見たお姉さんは電話番号の書かれた紙を渡してきた。
「これは?」
「私の電話番号よ。明日お詫びに何か奢ってあげますよ」
「は、はぁ……」
「それと私の名前も教えておくね。私はミカンよ」
ミカン、まさかな? こんなところにジョウトのジムリーダーがいる訳がない。
「コスモです」
「それじゃコスモ君、明日絶対に電話してよ!」
そう言ってミカンさんはダッシュでその場からいなくなった。
「一体なんだったんだ?」
ミカンさんは優しいけどちょっと謎が多いミステリアスなお姉さん。俺の頭の中でそう認識するとセレビィが目を開けた。
『う、ここは?』
「起きたタマネギ?」
『そうだ、思い出した! 君のフシギダネにボロクソにやられたんだ!』
ボロクソって言えるほど攻めていたか? 話を合わせておくか。
「ごめんごめん。そうでもしなきゃ勝てなかったし」
『だからってバックドロップはないでしょ……』
セレビィじゃなく他のポケモントレーナーが相手だったら間違いなくトレーナーが泣いていたな。
そんな話はともかく俺は真顔になり、モンスターボールを取り出した。
「それよりタマネギ、僕のポケモンにならない?」
『何で?』
セレビィが首を傾げる姿はかなり可愛らしい。だけどタマネギとあだ名をつけているから少し細めのタマネギにしか見えない。
「野生の状態よりも僕の保護下にいた方がいいと思うよ? 少なくともモンスターボールで捕まることはなくなるだろうし」
ID登録のあるモンスターボールにセレビィが入れば少なくとも他のポケモントレーナーから正規にゲットされることはない。非合法な手段でやられたら流石にどうしようもないがその時は手配書を作らせるだけだ。
『うーん。確かに』
「それじゃ……!」
『でもまだ判断材料が足りないな』
何だって?! 好感度が足りないのか? それともなつき度? 何にしても聞かなきゃわからねえな。
「具体的には?」
『僕を倒したのはすごいと思うよ。だけどコスモの言うことを聞きたくないんだよね』
なるほど性格はなまいきか。いや違うな。単純にバッチをゲットしていないからか? どっちにしてもトレーナーとして認めたくないようだ。これはポケモンの本能なんだろうな。俺のチートは確かにくさポケモンに関してはチートだ。しかし言うことを聞く聞かないはまた別の話。となればトレーナーとしての力量を見せるしかないな。
「それじゃ明後日。明後日にジム戦をやるからそれを見て判断してよ」
『あんまり人前には出たくないから姿を消して見させて貰うよ』
「それで構わない。ただそれまでの間おとなしくしてなよ? 頭を打ったんだから」
『そうだね。おとなしくコスモに引っ付いておくよ』
そう言ってセレビィことタマネギは眠りにつく。……何にしても明後日だな。フシギダネもいつ進化してもおかしくないほどにレベルが上がった。これなら1つ目のバッチ程度なら楽勝だ。とりあえず今日はタマムシジムに帰ろう!
〜おまけ〜
コスモがセレビィことタマネギと話しかけている最中、タマムシジムに一人の女性が中へと入っていった。
「あらミカンさん。ご久しぶりですわね」
「本当に久しぶりね。エリカさん」
その女性の名前はミカン。話から察するにエリカと知り合いであることがわかる。
「それにしても何故タマムシに? アサギジムの仕事はどうされたのですか?」
「今改築工事中で、中に入れないの。だからそれまでの間エリカさんのいるタマムシに行こうかな〜って」
「しかしあのデンリュウ、アカリちゃんは?」
「アカリちゃんは灯台の明かりを点ける役目がなければ一緒に連れてってあげたかったんだけど……仕方なく私一人でここに来たのよ」
「そう言うことなら仕方ありませんわね。今度は私がアサギジムの方へ旅行に行きましょうか?」
「アカリちゃんも喜ぶから是非お願いするわ。それとアサギに住んでいるセンリさんって言う方が他の地方のジムリーダーになるみたいですよ。エリカさんも是非会ったらどうでしょうか?」
「センリさんですか……どんな方なんですか?」
「エキスパートタイプはアカネさんと同じくノーマル。切り札はケッキングと呼ばれる他の地方のポケモンを使うらしいですよ」
「ケッキング、ホウエン地方のポケモンでしたわね」
「ええ。とくせいこそなまけだけど力を発揮した時のケッキングはカイリュー、バンギラスすらも凌ぐとも言われています。私も一度そのケッキングと戦ってみましたけど手も足も出なかった」
「相性では有利なはずのいわタイプ使いのミカンさんが手も足も出ないなんてセンリさんはお強いのですね」
「間違いなくリーグトップクラスでしょうね。それとエリカさん、私のエキスパートタイプをいわタイプからはがねタイプに変えましたのでよろしくお願いしますね」
「こちらこそよろしくお願いします」
こうして二人はコスモが帰ってくるまで世間話をしていた。
ちなみに作者はポケモンザコです。どのくらいザコかというとリザードンY、ドサイドン、サザンドラのパーティでバトルハウスでは19連勝、シングルバトル検定5400Pが限界という有様です。そんな作者のあとがきでした
シンオウの次の地方はどの地方が良い?
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ジョウト
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ホウエン
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イッシュ
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カロス
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アローラ
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ガラル