ゼロと水瓶座 プレストーリー   作:神鳥ガルーダ

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今のところ続きを書くつもりはありませんが、一応、思いついたネタをダイジェストとして投稿します。


ダイジェスト①

【使い魔の契約】

 

 平民を召喚してしまい、已む無くコントラクト・ザーヴァントを行おうとしたら、カミュの方を見ながら呆然としていた男―――氷河が抵抗する素振りを見せた。

 氷河を取り押さえようと近づくと、氷河はコルベールに対し威嚇を始め、男から発せられる威圧感に、コルベールは硬直した。

 人の良さそうな外見からは想像できないが、彼は凄腕のメイジであり、しかも彼は平民だからと言って、相手を侮らないので、目の前の男が自分では手に負えない相手であることに気付いた。

 そして氷河と同じく呆然としていたカミュも我に返り、学院長であるオールド・オスマンを交えて、話し合う事を提案した。

 

 

 

 

 

「俺はアテナ以外に仕える気はない」

 

「アンタはもう私の使い魔になる事が決定しているの!平民の分際で貴族に逆らう気!?」

 

「ルイズ。もしヴァリエール家に仕えている者たちに隣国の貴族が無理やり仕えろと言ってきたらお前はどう思う?」

 

 カミュの指摘にルイズは息を呑む。

 

「お前が言っている事はそういう事だ。自分が嫌なのに他人にそれを強要するなど、私はそんな情けない妹を持った憶えはないが…」

 

「でも、使い魔が得られなければ私は……」

 

「話を最後まで聞くことだルイズ…済まないな氷河。私の妹が迷惑を掛ける」

 

「いえ…御気になさらずに…。貴女に仕える気はないが、主従ではなく対等のパートナーとしてならば、俺が元の場所に戻る方法を見つけるまでは、使い魔とやらになってやってもいい(こんな形とはいえ、再び我が師カミュと再会できたのだ…その礼代わりに)」

 

「ルイズ。お前は勘違いしているようだが、使い魔とは何でもいう事を聞く動物を使役するのではなく、生涯に渡って共に歩む存在だ。人間を召喚したのなら、それに相応しい対応を持つべきだと私は思うが…学院長とミスタ・コルベールのご意見は?」

 

「うむ。儂は君の意見に賛成じゃ」

 

「はい。私もミスタ・ヴァリエールの言う通りだと思います。どの道、彼を使い魔に出来なければ、ミス・ヴァリエール、君の留年が決定してしまう。彼が譲歩してくれているだから、その提案を受けるべきだ」

 

 ルイズは気付いていないが、コルベール同様オスマンも気付いていた。

 目の前にいる男から感じる圧倒的なまでの実力差に…。

 永く生きている彼は、人間の天敵といえるエルフと対峙した事があるが、目の前の男は、そのエルフよりも遥かに強力な存在であると、直感によって理解できてしまったのだ。

 何故か彼はカミュに対しては最大級の敬意を払っている。

 だが、もし彼がこの場におらず、使い魔契約を強制しようとしたら、おそらく自分たちは無事では済まなかっただろう。

 

【ギーシュとの決闘】

 

 魔法学院の西にある中庭「ヴェストリの広場」において、ギーシュ・ド・グラモンと氷河が対峙していた。

 原因は、モンモランシーとケティに二股がばれて手痛い目にあったギーシュはあろう事が何の罪もないメイドに八つ当たりし始めたのだ。

 このトリステインにおいては、平民は貴族に何をそれても文句が言えない。

 ひたすら謝るメイド―――シエスタに多少なりも借りがあり、何よりもギーシュの態度が気に入らなかった氷河が割って入った。

 正論でギーシュの理不尽を論破したのだが、相手が平民でしかも兄とは違い、無能で有名なゼロのルイズの使い魔風情に論破された事で分不相応な誇りを傷付けられたギーシュは、氷河に対し決闘を挑んだのだ。

 聖闘士は本来、私闘は禁じられているが、今回はシエスタの名誉と権利を守る為のモノゆえ、何の問題は無いと判断し、氷河はその決闘を受けた。

 平民がメイジに勝てる筈がない…というハルケギニアの理に縛られてるシエスタとルイズは、止めに入るが、カミュがゴーサインを出した。

 

「よく逃げずに来たね平民、それに免じて今謝れば許してやってもいいが?」

 

「…フッ……闘う事が怖いなら、最初から決闘などと口にするな」

 

「よく言った。ワルキューレ!」

 

 ギーシュは薔薇の杖の花びらから生み出された青銅のゴーレムが氷河に迫る……が、光速の動きを持つ黄金聖闘士から見れば、その突進はスローモーションの様に見える。

 正直、多少の戦闘訓練を受けているとはいえ、素人に毛が生えた程度のギーシュ相手に氷の闘技など使う気は更々ないので、突進してくるワルキューレの間合いにあっさりと入り込み、蹴り飛ばした。

 蹴られたワルキューレはそのままギーシュに向かって飛んでいく。

 諸に衝突コースである。

 カミュが杖を振い、その途中に薄い氷壁が発生し、ワルキューレに激突するも、あっさりと砕け散ったが、勢いがある程度弱まった。

 しかし、それでもギーシュは避ける事が出来ず、そのままワルキューレと衝突し、全身打撲の痛みにのた打ち回った。

 

 

 

「お前の負けだ、ギーシュ」

 

 水の秘薬と水魔法でギーシュの傷を治しながら、カミュはギーシュに敗北を告げた。

 

「あんなのは油断しただけだ「黙れ!!」…ヒッ!」

 

往生際の悪いギーシュにカミュが一喝した。

 

「如何に中身ががらんどうとはいえ、あれほどの質量のある金属とあの勢いで衝突すれば、お前は間違いなく即死していた。私が氷壁で勢いを弱めなければな。死んだ後で油断したと言えるか!間違いなくお前は敗北したのだ」

 

 更にカミュは指摘した。

 ワルキューレは確かに強力だが、ギーシュ自身が体術の心得がない為、動きが余りにも疎かだ。

 あんな動きでは、熟練の戦士からすれば対処は簡単だ。

 ましてや相手は超一流の戦士。

 

「グラモン家は軍人の家系。四男であるお前も何れ軍に入るんだろう。ならば体術の基本くらい学んでおけ。少なくともグラモン小父上殿もそれくらいの心得はあるぞ」

 

「…父上も…?」

 

「メイジはとかく体を鍛える事に抵抗があるが、一流の軍人はその点も疎かにはしないのだ…。後、氷河にも礼を言っておけ。氷河がお前の前に氷壁を張る様、私に依頼したのだからな」

 

 ギーシュは衝撃を受けた。

 実はギーシュ自身、自分の行為が八つ当たり以外の何物でもない事は自覚していた。

 しかし、自分の失態の恥ずかしさを誤魔化す為に引くに引けずにいた。

 だから、目の前の平民を痛めつけて憂さを晴らそうとしたのだ。

 そんな自分の身を気遣ってくれていたとは……。

 

「この勝負、このギーシュ・ド・グラモンの敗北だ。そして、平民……いや、君の名前は何というのかな」

 

「…氷河だ」

 

「ではヒョウガ。君に対して行った無礼をすべて詫びよう」

 

「俺はともかく、シエスタやお前が二股を掛けた女性たちには確実に詫びろ」

 

「勿論だ」

 

 これより、ギーシュは氷河に対し平民と見下さす事はなくなり、気障だが人間としてはそれほど悪くないギーシュと氷河の親交が始まった。

 

【フーケとの対決】

 

 破壊の杖を取り戻す為、ルイズ、キュルケ、そしてキュルケの友人のタバサというメイジと共に、学院長秘書のミス・ロングビルに案内されフーケの隠れ家と思われる赴いた氷河は、破壊の杖と呼ばれるモノを見て驚いた。

 破壊の杖を見たことがあるカミュから言われていたが、この中世の世界観の異世界で、まさか近代兵器があるとは…。

 それはともかく、今、その破壊の杖を盗んだ盗賊『土くれのフーケ』の創れ出した、ギーシュのモノとは比べ物にならない程の巨大なゴーレムに襲われ、無謀にも立ち向かおうとしたルイズを助けたところである。

 

「敵に後ろを見せないのか貴族…そういう事は一人前の者がいう台詞だ。戦闘経験はおろか戦闘訓練も受けていないド素人が言っていい台詞ではないぞ!」

 

「だ…だって私悔しくて……このまま魔法が使えなければ、いつも庇ってくれる兄様や、魔法が使えない私に心を砕いてくださる家族に申し訳が立たない…」

 

 カミュに諭され、家族はけっして自分を見捨ててなどいない事を知ったが、だからこそ、はやく魔法が使える様になり家族を安心させたい。

 でも、いつになっても魔法はすべて爆発してしまう。

 成功したのは氷河を召喚したサモン・サーヴァントと使い魔契約をしたコントラクト・サーヴァントのみ。

 このまま魔法が使えず、家族を苦しめるくらいなら……。

 

「だからと言って死んでしまえば、カミュ達が悲しむだろう。それにここで死んでも、お前が勇敢に戦い死んだと褒めては貰えない。むしろ実力に見合わず無謀な行動で死んだ馬鹿な奴と嗤われ、家族たちに不名誉を背負わせる事になるぞ」

 

 ルイズは、氷河の指摘に涙ぐみながら俯く。

 そんなルイズに氷河は破壊の杖を手渡し、使い方をレクチャーした。

 

「俺があのゴーレムの動きを止める。合図したらそれであのゴーレムを倒せ!」

 

 そう言うと氷河はゴーレムの接近し、その足を凍結させた。

 

「今だ、撃て!!」

 

 氷河の合図にルイズは引き金を引いた。

 破壊の杖は凄まじい轟音を鳴り響かせ、フーケのゴーレムを粉砕した。

 

 

 

 

 ゴーレムを倒した事で喜ぶルイズと、感心するキュルケとタバサの前に、縛られたミス・ロングビルを伴ったカミュが姿を見せた。

 カミュがいうには、彼女がフーケだというのだ。

 氷河たちの尾行していたカミュが、フーケのゴーレムを操るロングビルの姿を確認し、捕らえたというのだ。

 

「最初からミス・ロングビルがフーケ、もしくはその共犯であると睨んでいた」

 

 破壊の杖が盗まれた後、その現場に居合わせたルイズ、キュルケ、タバサ、そして氷河はフーケ対策会議に呼ばれていた。

 そこにロングビルが持ってきた情報は氷河から見て、矛盾だらけだった。

 そもそも馬で4時間の距離からの情報を朝一番に手に入れて戻って来るには、自分たち聖闘士なら兎も角、余りにも早すぎる。

 メイジたちはフライの魔法で空を飛べるが、それでも馬よりは速くないし、何より馬で片道4時間の場所を往復すれば、間違いなく途中で精神力が尽きてしまう。

 黒ずくめの姿を見てフーケと断定するのも軽率だ。

 何よりも、近くの農民に目撃される様な場所を隠れ家にするなぞ、軽率にすぎる。

 それで、ロングビルがフーケ、もしくは共犯者であると疑った氷河は、カミュに相談し、カミュも同意し、気付かれないようルイズたちの後を尾行し、ロンクビルを見張っていたのだった。

 そして、ゴーレムを倒し、油断していたルイズに近づこうとしたフーケをすぐさま拘束したのだった。

 

「カミュ。魔法学院の教師連中は馬鹿ばっかりなんですかね?」

 

「私も、教師たちがこんな矛盾に気付かないとは思わなかった。ここに入学したのは失敗だったかな?」

 

 師弟が教師たちを酷評するの聞き、自分たちも気付かなかった事に落ち込む三人娘と、そんな間抜けな作戦を立て項垂れるフーケだった。

 

 

 




ちなみに、もし正式に連載するとすれば、主役はカミュではなく、氷河になるでしょう。
タイトルはゼロの水瓶座ですので。

カミュは前世が先代・水瓶座の黄金聖闘士で、氷河は当代。
そして、ゼロの使い魔の主役は才人なので、その立ち位置の氷河が主役になるでしょう。
カミュはオフザーバーの役割ですかね。
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