目の前には数名のクラスメート達。
(しまった、どうしよう。)
クラスメート達の視線はドアの前で固まる昂生に向けられていた。
(引き返したら、おかしいよな・・・)
そんななか、クラスメートの一人が口を開いた。
「えっと、長田くん?今日休みじゃなかったっけ?」
昂生はうなずいた。声が出せなかった。
「で、どうかしたの?」
「ちょっと、用事が・・・」
超ざっくり答えた。昂生は冷や汗が止まらなかった。コミュ障あるあるである。
「そーなんだー。あ、俺長岡ね。よろしくー。」
(こいつ、いいやつなのかな)
そう思ったのもつかの間、隣にいたもう一人が長岡にいった。
「この子しゃべんないから話すだけ無駄だよ(笑)」
そう言ったのは昂生が一年の時同じクラスだった梅津だった。
昂生は思った。
(こいつ、キャラ変えやがった)
そう。梅津も一年の頃「ぼっち」だった。二学期は不登校になっており、昂生自身も梅津よりは自分はマシだと思っていた。
「そーなんだ。まあ、よろしくね、長田くん。」
昂生は軽く会釈をした。
教卓に宿題のノートを出し、そそくさとその場を後にした。
昂生は帰り道、自分は弱い人間だとばかり考えていた。梅津は自分を変えられたのに対し、自分は何も変わってない、と。
(明日からまたつまらない日々が続くんだな。)
そんなことを考えている間に、家に着いた。
昂生は自分の部屋へ行き、パソコンを開いた。
「コミュ障 長所」でググっていた。
(アニメとかでもボッチの主人公いるしね。こうなったらボッチキャラを貫いてやる。)
昂生は病んでいたのかもしれない。
昂生はその後、「僕は友達が少ない。 はがない」というアニメを見ていた。
主人公がぼっち。また、ヒロインもぼっち。同じ境遇だからこそ、とても共感できたし、ぼっちであることに自信がわいてきたのだ。
(ぼっちの女子、いんのかな。)
昂生は(はがない)の影響を受けすぎていた。
その後、昂生はとある掲示板で友達を作ろうと考えた。
もちろん、ぼっちで 女子 の。
昂生は掲示板にメールアドレスとメッセージを書き、投稿した。
友達が少ない女性の方、仲良くしてください。
見方によってはやばいやつだった。
(仲良くなって、付き合えたりして・・・)
女子の友達がほしい反面、淡い下心が生まれていた。
次の日の朝5時、昂生は目を覚ました。
(寝落ちしてたのか)
いつもより早く寝てしまったらしく公開した。
携帯を開くと、メールが一件届いていた。
(やばい、メールきてるっ!!)
アドレスは明らか女子丸出しだった。
メールにはこう書かれていた。
夜遅く失礼します。
掲示板の内容見ました。
私は現在、高校2年生で、学校ではいつも一人です。
あなたと似ている境遇だからこそ、私もあなたが気になります。
都合が合えば、一度会いたいです。
返信待ってます。
しほり
(き、きたああああああっ)
昂生は一気にテンションが上がった。ツキが一気に自分に向いてきたと思った。
今日も学校。そんなことも忘れるほど、頭の中はしほりのことで一杯だった。