とある一方通行な3兄弟と吸血鬼の民間警備会社 作:怠惰ご都合
「くそっ・・・ダメか!俺の眷獣でも、あいつの結界は破れないってのかよ・・・!」
「いいえ、先輩この
古城がうめいていると雪菜が一歩前に出る。
「獅子の神子たる高神の剣巫が願い奉る」
銀色の槍とともに、彼女が舞う。神に勝利を祈願する剣士のように。あるいは勝利の予言を授ける巫女のように。
「破魔の曙光、雪霞の神狼、鋼の神威をもちて我に悪神百鬼を討たせ給え!」
粛々とした祝詞のとともに、雪菜の槍が輝き始める。仄白いその光は、あらゆる結界を切り裂く神各振動波。だが、その形はアスタルテのものとは違い、まるで光り輝く牙のように細く、鋭い。
「ぬ、いかん!」
雪菜の狙いに気付いたオイスタッハが無防備な雪菜目がけて戦斧を
その一瞬に雪菜が駆けた。しなやかな純白の雌狼のように、彼女は音もなく宙を舞うと、雪菜の速度にアスタルテの反応が遅れる。
互いに刻印しているのは、同じ
「雪霞狼!」
雪菜が叫んだ次の瞬間、銀色の槍が、アスタルテの防御結界を破って、顔のない人型の眷獣の頭部に深々と突き刺さる。
それと同時に古城は雷の眷獣に命令すると、”
すると、雷に姿を変えた眷獣の魔力が、”
「すばらしい、威力を増やしてから反射するとは!さすがは彼が開発した能力だ!!」
野望が潰えたことで自暴自棄になったオイスタッハは、レイを褒めた。
「あんたも、木原幻生に協力してもらってたのか?」
「ええ、アスタルテの共振は彼のおかげで成功したのですから」
「なら、俺にもアンタを捕まえる理由ができたわけだ。『
「君が『レイ』ならその反応は当然ですね。いいでしょう、相手にとって不足はありません」
レイの口調が変わるがオイスタッハは気にせず斧を拾って構えた。
古城がオイスタッハに向かって”
「やはり、『第四真祖』としてはまだ未熟のようですね」
「ああ、確かに古城は『第四真祖』としては未熟だ。だけど、『暁古城』としては十分だ。ところで、アンタは『敵であるはずの俺から目を離す』という失態をおかしているが、この意味は理解出来るよなぁ、オイスタッハさん?」
先程古城が眷獣を放った方向から声がしたので、オイスタッハ慌ててそっちを見る。
「言っただろ?『アンタを逃がすわけにはいかない』って。さあ、後でしっかり話を聞かせてもらおうか。それまで眠ってな、オッサン!!」
そこには身体からすぐにでも飛び出しそうな雷を出しているレイがおり、彼から雷が放たれたと理解した時にはオイスタッハの意識は途切れていた。
「さあ、とりあえず、支部に行こうよ2人とも」
オイスタッハが倒れると同時に彼の口調は普段通りに戻っていた。
「「お、おう(は、はい)」」
二人は驚きながらも返事をしてレイの後ろをついて行った。
「レイで~す。今戻りました~」
「レイ君!!」
レイが普段の挨拶をして支部に入ると大きな声で呼ばた。
「は~い」
声のした方へ向かうとそこには固法とライがいた。
「なんですか?」
「「なんですか?」じゃないわよ!あなたまた勝手に1人で行っちゃって。全然あのころと変わってないじゃない!ライさんも怒ってるわよ?」
「まったく。私も呼びなさいよ!!」
「えっ、そっち!?」
レイは叱られながら、固法の横にいるライの方を見る。
説教を待っていると予想外の事を言われた。
思わず真顔でツッコミを入れてしまう。
「あなたも何言ってるのよ?「まさか自分は関係ありません」とでも言うつもり?」
「えっ、当然ですよね?」
「何が「当然ですよね?」よ?あなただって知ってたんだから報告しなさいよ!2人とも、反省しなさい!!」、
「「は~い」」
二人は仲良く返事をする。
「固法先輩、うれしそうですね」
「ええ、その通りですわね」
少し離れた所からそれを見ていた初春と白井は笑いながら話している。
「そこの2人、何か言った?」
「「いいえ、何も」」
固法から笑顔で聞かれたので声をそろえて答えると二人は仕事に戻って行った。
「そこで突っ立ってる2人は早く病院に行った方がいいわよ?上条がよく行くところは分かるわね?」
浅葱は一人落ち着いて古城と雪菜に告げる。
「「お、おう(は、はい)」」
言われた2人は返事をして病院へと向かった為、1人で固法をなだめに行くのだった。
次はブラック・ブレット編に入ります。