とある一方通行な3兄弟と吸血鬼の民間警備会社 作:怠惰ご都合
そんな感じで前回に引き続き、今回も夏世目線で進行していきます。もうしばらくこのままで続いていきます。いつまでかは作者にも解ってません、だって深夜テンションですからねエッヘン(つまりはいつも通りです)
「あっはははははっ、そうだよね!。普通気付くよね!!。あははははは!」
男の笑い声は周囲に響き渡って、私の耳へと入ってくる。それだけでもう、解る。解ってしまう。さっきの違和感こそが
「正解・・・・・なんですね?」
「それはもー、大正解過ぎて頭撫でてあげたいくらいだよ!こんなに俺の意図を汲み取ってくれる子は久しぶりだね。うーん、ご褒美あげたくなってくる!」
「ならお二人を開放して下さい。それ以外には何も要りません」
「残念だけど・・・・・それだけは無理。他のだったらなんでもいいんだけどね。これホントだよ?でも・・・・それでもし、『はいどーぞ』って言われて、キミ自身が納得できるの?」
やっぱり、この男は解ってる。私が何を欲しているのか、何を望んでいるのかを。ここで私が別の事を考えたところで、この男には筒抜けだと、これまでのやり取りで解り切っている。
「なら、教えて下さい。・・・・・どうしてこんなことをするんですか?」
「
「だったら・・・・・」
「俺が望むのは、今よりも遥かに上の立ち場。ちょっとやそっとじゃ揺るがない『木原一族』の中でも“絶対“に近い身分」
この男は、自分の為だけに利用するというのか。自分を頼ってきた生徒を。共に過ごしていた生徒を、組織内で己が成り上がる為だけの道具にしようというのか。
「レイさんとライさんは、その事を・・・・・知ってるんですか?」
「互いに利用し合う関係上、気づいてるんじゃないかな」
「話、長過ぎ/流石にもう終わったわよね?これ以上待たされるのはゴメンよ」
まだ聞き足りないのに、そこにタイミングよくホロウが着替えてくる。
「まるで狙っていたかのタイミングじゃん。実はこっそり聞いてたとか?」
男は白々しく口にする。
「よく言うよ、自分から呼び出した癖に/どうせ、早いとこ彼女を追い出したかったんでしょ」
「改めて紹介するよ千寿夏世、彼女の名前は
だけど、私はそれに従うつもりなんてないし、彼女も手を差し出してこない。
「・・・・・ホロウ、さんにお聞きします」
「どうぞどうぞ/手短にね」
「この男に会うまでの、あなたのことを教えて下さい。どこの学校に通っていたとか、どこに住んでいたとか・・・・・誰かと過ごしていた、とか」
声が震える。緊張ではなく恐怖から身体が強張ってしまう。
「・・・・・・別に、何もないよ/教えられる程のことなんて覚えてないし」
耳に届いたものは、1番聞きたくない内容だった。
「何も、思わないんですか?」
「気が付いたらここにいて、目の前にはこの男がいただけ/全然、おかしいことなんて何もないけど?」
男はさっきからずっとニコニコと人当たりの良い表情を貼り付けている。いや、ひょっとしたら状況そのものを愉しんでいるのかもしれない。
「解ってもらえたみたいだね。この子たちは何も知らないよ。気づいた時からここにいたとしても、カーテン越しに見える水槽の中に何かが浮いていたとしても、自分たちが一体どんな存在なのか・・・・・なんて“そんなどうでもいいもの”への興味なんて最初から持たせてない。だから何を聞いても時間の無駄だよ?」
「そん・・・・・な」
「あーあ、こんな“偶然”あるんだね。まさか俺の予想がハズレるなんて。俺はてっきりキミの言葉がきっかけになってホロウが気付く、なんていう感動的な物語を期待してたのに。あー残念」
残念と言いつつも、男はずっと笑っている。
「満足してもらえたかな?取り敢えず、もうこれ以上何を聞いても無駄だって事が解ってもらえたみたいだね。さぁさぁ、ご満足いただけたならお帰り下さいな!扉は開けてあるからねー。あぁっ、それとも、もしかして実験が終わるまで手伝ってくれたりするのかなっ!?もしそうなら、終わった瞬間に二人と会えるからね。うーん賢いっ!」
今ここで気の済むまで暴れたとしても、それは感情に振り回されただけで納得出来ない結果となるだろう。取り押さえられて実験に利用されるだけならまだマシだ。最悪の場合、もう二人に会えなくなるかもしれない。
なら、何もしないと言っている今のうちに帰るしかない。この場に残りたいと抵抗する体にどうにか言い聞かせ歩いて来た通路を引き返す。
いくつもの階段を昇っては通路を何度も曲がる。来たときには真っ白く感じた空間が、暗く見えた。
それからはどうやって帰ってこれたのか覚えてない。気づいたら玄関の扉を閉めて、そのままいつものように眠っていた。
「どォいうつもりだ?俺の耳がおかしくなッてなければ、オマエの言う頼みッてのは、頼む相手間違ッてンじゃねェのか?」
次の日、目を覚ました私は最低限の身支度を済ませ真っ先に人に会いに向かった。
「・・・・・いいえ、合ってます」
私の記憶が正しければ、今目に前にいる白髪赤目の男、
「いいか、この際だからはッきり伝えてやる。アイツらは俺の兄妹でもなンでもねェ。テメェで望んだ実験の過程で、結果として兄妹という形にはなッたがな、うろちょろされて鬱陶しいだけだ。頼んでもねェのに絡ンできやがッて、勝手に頼れとかほざきやがッて、騒ぐだけ騒いで挙句の果てには消えてンじゃねェかよ。寧ろ清々するね。最近はただでさえ面倒くせェのにチョロチョロと付き纏われて邪魔くせェのに、これ以上自分から手間増やすなンてマヌケのするこッた」
缶コーヒーを飲みながら気怠げに言い捨てる
「・・・・・・・」
「わかったらオマエ、俺の気が変わらないうちに視界から消えろ。生憎と今は先約があッて、おままごとに付き合ってやる暇はねェンだよ。理解できたらさッさと・・・・・」
「それは、あの二人が木原の男にいいように利用されているとしても、ですか?」
「・・・・・なら、なおさら関係ねェだろうが。それこそテメェで解決しやがれ」
「・・・・・・・」
「あっ、さっき来たばっかりなのに、もうお帰りなのってミサカはミサカは落ち込んでるお客様を心配してみたり!」
「・・・・うるせェ」
「何も追い返す必要ないでしょって、ミサカはミサカは冷酷なアナタを責めてみたり!」
「・・・・・お邪魔しました」
何処かで見たような顔した子供が何やら騒いでいるが
騒ぐ二人に背を向けて、病室を後にする。ただ呆然と外のソファーに座り続け、思考が纏まらないまま時間を過ごしていると、突然声をかけられた。
「あれっ、お前確か・・・・・・・よくレイたちと一緒にいたよな。何してんだこんなところで?」
「・・・・・・?」
顔を上げると、時期的にもまだまだ暑い外を歩いて来たのだろう、汗だくになりながらもパーカーを着たままの高校生、暁古城がそこにいた。
「最近あいつらを見かけなくてさ、凪紗や浅葱が心配してんだ。結局、大覇星祭でも姿を見なかったし何か事故に巻き込まれて大怪我したとか!?」
「いいえ違います!お二人は今、極秘任務で学園都市の外に出てるらしいんです!私もついこの前知らされたばかりなので、内容はわからないんですけど、無事だと思いますよ。いつもみたいに飄々としていましたから」
今、余計な事を言って動揺させるのは良くない。仮にお二人の事を知っているこの人に現状を知らせれば、蓮太郎さんたちと共に探そうとしてくれるだろう。だが、それでは混乱させるだけでなんの解決にもならない。こればっかりは誰にも頼らずに自分の力のみで解決しなければいけない。
「・・・・・なんだ、そうだったのか。悪かったな答え難い事を聞いちまって」
「いえ、構いません。ところで暁さんはどうして病院に?」
「あー、実は知り合いが倒れたって聞いてな。その見舞いなんだ」
「・・・・そうなんですね」
「あぁ、悪いな声かけちまって」
「いえ、それでは」
とにかく、ここで落ち込んでいたって進展なんてしない。今は寮に戻るしかない。
寮に戻ってきたとしても、自分を迎えてくれるあの二人がいる訳でもなく、依然として静かなまま。誰もいないところで独りは寂しい。
ふと、窓の外でガシャーンという何か重いものが、別の重いものとぶつかったような音が聞こえた。窓越しに顔を出して覗いてみると、車が一台、電柱に突っ込んで爆炎を上げていた。事故だろうか、大破した車の近くで全身黄色の服に包まれた人が歩いていた。あの人を避けようとして電柱に突っ込んでしまったのだろうか。余程重症なのか、運転手が出てくる素振りはない。かと言って事故の様子を見に来た周りの人たちも助けようとはしないで見つめるばかり。そのうちの一人が黄色の人に駆け寄り、何かを伝えているように見えた。しかし何故だろう、すぐ近くで起きている光景なのに会話が聞こえない。自分はモデルドルフィンのイニシエーター、例え籠もった空間の中であっても大抵の音は拾えるハズだ。いったい何が・・・・・辺りを見渡していて、そこで気づいた。ここ最近はずっとお
久しぶりに窓から部屋に入ってきた風は、もうすっかり冷たくなっていた。いつの間にか季節はすっかり夏から秋へと移り変わっていたのだ。さっきと同じところへ顔を動かすと、黄色の人はいなくなっていた。気の所為だったのだろうかと思ったが、車は依然として燃えたままであることから現実であることは間違いない。ただ、一つだけ違う点があった。車が炎上しているのを遠巻きに見に来ていた人達が全員横になったまま動かなくなっていたのだ。どういうことだろうか、気になって様子を確認しに行ってみる事に
玄関を出ようとを脚動かそうとした途端、さっきまで外から流れ込んでいた風が止まった。それは自分に対して行かない方がいいと誰かに呼び止められているような、そんな気がした。だが、それも気の所為でしかない。だって今ここには自分しかいないのだから。窓を閉め今度こそ部屋を出る。
外に出て、すぐにさっきのところへ向かう。そこには何人もの人が倒れていた。一番近くで倒れている人のところへ駆け寄り声をかける。
「大丈夫ですか?」
「・・・・・・・・・」
反応はない・・・・が、かと言って、息をしていないという訳でもない。傷付いている訳でもないから気絶していると見ていいだろう。他の人達も同様だろうか。一先ず命に別状はないようで安心したが、こんな大人数が同時に気絶するなんてあり得るのだろうか。今までの経験から考えたら真っ先にガストレアが思い当たるが、可能性から考えたら物凄く低い。というのも、もしそうだとしたら今ここで倒れてる人達は五体満足ではないのだから。それにもっと悲鳴があちこちから聞こえてもおかしくない。魔族だという線も同じ様な理由で考えにくい。ならば力を誇示したい能力者だろうか・・・・・・いや、だとすれば
なら、一体なんだろう。ガストレアでも魔族でも能力者でもない、私の
「・・・・・・」
これも全て
能力者と思われる学生、
いくら
「・・・・・・無差別に、無作為に」
今までの考えを踏まえた上で絞り込むなら・・・・・外部の人間。
だが、それが『学園都市』というカテゴリーであったならば話は変わってくる。今自分達のいる
それなら、
・・・・・もう一度、行かないと。行って、確かめなければ。
「相変わらず、悪趣味ですね」
結論から言えば、簡単に侵入できた。
私が再び来るとは思っていなかったのか警備はなく、パスワードも変更なし。そもそも変える気がないのか、それとも壊れたら別のところに移ればいいとでも思っているのだろうか。少なくとも侵入に時間がかからなかったのはありがたい。出来ることなら設備のみならずこの建物毎壊してしまいたいぐらいだが、それをやってしまっては
「今・・・・助けますから」
眼の前には相変わらず大きなカーテンが敷かれているが、その奥には縦型の水槽が2つ。しかもその中には人らしき影が一つずつ。前回はあの男に阻まれて動けなかったから確認出来なかったが、恐らくこの向こうにはお
無意識に右手に力が入るのがわかる。
『夏世、落ち着いて』
右手を肘の高さまで上げる。
『夏世ちゃん、焦ってもいいことなんて無いわよ』
右手を肩の高さまで上げる。
『夏世は、優しいね』
右手を前に伸ばす。
『夏世ちゃんは、相手のことを気遣えるのね』
カーテンまであと少し。
待ってて下さいもう少しで助けられますから。
怒らないで下さい二人に会いたいだけなんです。
帰ってきて下さい。隣で笑って欲しいんです。
ただ、それだけでいいんです。
もう一度、声を聞かせて下さい。
「・・・・・・・」
やっとカーテンに触れる事が出来た。後はこれを開けるだけ!
そう思っていたのに・・・・・・止められた。
気づけばホロウに腕を掴まれていた。
「なんで!?・・・・・・は、離してくださいっ、手荒な事はしたくありません!」
記憶は無くともホロウの中には
「ホント、悪趣味過ぎて呆れちゃう/こんなことして困る相手を見ても何も嬉しくないのに」
いつからバレていたのだろうか。いくらなんでも対応が早すぎる。まるでこの瞬間、私がここにいると解っていたかの様な。隣りにいるホロウの呟きから、そう思ってしまった。
だとしたら、あの男もいるのだろうか。もうこうなったら
「安心してよ、今あいつは別件でいないからさ/そうそう今頃は勝手に悩んでるだろうから、いい気味」
いない?真偽は分からないが、確かに周囲には見当たらない。なら、本当に言葉通りに受け取っていいのか。
「それなら、どうして止めるんですか?あの男の指示だからですか?それともご自身の意思ですか?」
「・・・・・・/・・・・・・」
逆にそう聞いてた途端、ホロウの表情が固まった。本当にわからないのか、それほどまでに悩む事だったのか、いつの間にか右腕の拘束は解けていた。
これでようやく・・・・・・
『ダメじゃないかホロウ、それを考えるのは後だよ。早くしないと、その子逃げちゃうよ』
ようやく、と思っていたのに、今度はあの男に阻まれる。
「うわ最低、言動が一致してない/人に任せるとか言っておいて、結局介入してくるとか」
「やあやあ久しぶり。にしても“偶然”だね、こんなところで出会うなんて。この前以降、そろそろかなと予想してたら本当に来るなんて思ってもみなかったよ」
「・・・・・相変わらず白々しいですね」
「まぁまぁ、そうピリピリしないでよ。はい、甘いお菓子食べない?」
男は以前会った時と変わらず、飄々とした表情で近くまで歩み寄り、チョコレート菓子を差し出してくる。
「要りません」
「ひょっとして、しょっぱい方がお好みだったのかな?だとしたら、とんだ失礼をしたね」
今度はガサガサと袋の中を漁り、さっきのとは全く違うスナック菓子を取り出す。
「いえ、どちらも好きですが、今はそんな気分ではありませんので」
「どっちも断られてんじゃん/随分と気不味い雰囲気だ事」
「なーんだ、残念。じゃあまた今度にでも・・・・・・・」
「お気になさらずとも構いませんよ。前提として、私はアナタ自身が嫌いなので。嫌いな相手から差し出された物が、仮に好物であったとしても私は拒否します」
「・・・・・・・・存在ごと否定された」
「もう執着するのは止めて、さっさと諦めたらどうなのさ/これ以上自分から気不味くなるのは、見ていて恥ずかしい」
流石にここまではっきり伝えれば、対応も変わってくるに違いない・・・・・・・・・と、そう思っていた。
「いいね、益々諦めたくなくなったよ!」
しかし、それでもこの男は退かない。というよりも、何故ここまで固執するのかわからない。いっそのこと無関心でいてくれたら良かったのに。
「もう飽きてきちゃった/後は一人でどうにかしてよね」
呆れたのか、ホロウは直ぐに興味を無くしたかのような表情をして立ち去ってしまった。後に残されたのは目を輝かせて微笑んでいるのこの男と私だけ。
「何故、私に構うんですか」
とにかくこの重苦しい空気を避けたくて、そう口にした。
「・・・・うーんそうだなぁ、あの二人を見捨てないでいてくれているから、かな」
どうせ答えてくれないだろうと思っていただけに、これは驚いた。この前は『実験対象は使い潰して当然』と、それに近い事を言っていたから、てっきり今回も同じだと思っていた。だけど違った。
「それは、どういう意味ですか?」
「そのままの意味だよ。だってあの二人、自分たちやその周囲の人の為に行動するでしょ?それが例え、自分の命を危険にさらす事だとしても気にしない。だから、付いていけないとしてもおかしくない。なのに、君はそんな二人を心配してる。二人を開放したくて、一人でここまで乗り込んできた。あの二人と少しでも共に過ごしてきた身としては、千寿夏世という存在に興味が湧くのは当然じゃないかな」
「なら・・・・・どうして実験に巻き込むんですか?他にも接し方があるのに!」
わからない。私には
「それは・・・・僕が
この人は囚われているのだろうか、己を取り囲む環境に。
「この前、実験対象は使い潰しても当然だと、言っていましたね。あれもアナタが『木原』だから、なんですか?」
「・・・・・そうだね。だけど少しだけ違うんだ」
「何が違うっていうんです?」
「あれは本心さ。だってそうすれば、あの二人は一刻も早く、実験から開放されるだろう?痛い思いも怖い経験もこれ以上知らなくて済む」
「なら・・・・そこに『実験を行わない』という考えはないんですか?」
「・・・・残念だけど、僕が『木原』である限り、それは無理なんだ。“実験”が絡む限り、そこには必ず『木原』が関係してしまう」
私は、この人の事を知らなかった。ただ、お二人を無理矢理実験に巻き込み、擦り切れるまで酷使し、最期まで使い潰すだけの憎むべき相手だとばかり思っていました。だけど、この人は、ただ『木原』と『本心』との間で悩む人だったというのですか。
「ちなみに、ここで引き返さないのであれば・・・・立場上、僕は千寿夏世という存在を実験に巻き込まなければいけないんだけどさ、大人しく帰ってはくれない・・・・よね?」
それはそうだろう。自分の実験が、私によって他所に知らされるか、
だが・・・・私もここで全てを見なかった事にしておける程、心は広くない。
「決まり、だね。お互いに譲れない物があって、だけど相手のことを見逃す事も出来ない。・・・・・であれば、残るは実力で全てを従わせるという方法のみ」
私も、それしかないと思っていた。
男に続いて部屋を出る。相変わらず無機質な廊下があるだけ。さっきまでのが正しいとはいえ、それでもこの男と話したいとは思わない。重苦しい雰囲気で足音だけが響き渡る。いくつかの角を曲がり、やっとたどり着いたそこは、電気はついてない上に、窓の一つも存在しない。真っ暗な空間には椅子が2つあるだけだった。
「もー、また電気も点けずに座ってるだけなんて、別に寝てたって構わないんだよ?」
「休ませようと思ってるんだったら、無断で入って来ないから普通/相変わらず言動が一致してないんだから、どんな教育受けたらこんな風になるのか不思議」
「そんな冷たいこと言わないでさぁ、ちょっと実験してみたくなったから付き合ってよ」
ホロウは何も言わなかった。言っても無駄だと感じたのか、それが当たり前だと思っているのか、詳しいことは解らないが従っていた。ただ、無言で従うその反応が、お二人の意思を無視しているかのように感じられて不快だった。
「ホロウ、今からこの子と一勝負することになったから宜しく。ルールは簡単、なんでもあり。勝てば相手を引き込めて、負けたら相手の指示に従う・・・・っていう条件はあるけど、まぁ大丈夫だろうから頼んだよ!」
「勝手に了承しないでよ/どうせ拒否権なんてないんでしょ」
「私はそんなことを言いたいんじゃないんです。早く、お二人を開放して欲しいだけなんです!」
「それの為にも自分の手で勝ち取ったら文句はないよ。それとも、大人しくこっちの実験に付き合ってくれるのかな?流石に年単位ではないけど、すぐにっていう訳でもないよ?」
「相変わらず質悪い事で/相手の選択肢を潰した上で選ばせるとか、最悪だよね」
ホロウがゆっくりと部屋を出ていき、男も黙ってその後をついていく。構うものか、例え強引な手段だったとしても、例え大怪我をすることになったとしても、お二人を開放できるなら安いものだ。
木原の言動が、最早演技なのか違うのか作者にも判らなくなっております。決して夏世目線で進めたいが故に困らせたくて面倒くさくしてる訳では無いんですよハイ。
そんな感じで今年もいつも通りに進めていきますのでよろしくお願いします。
今更ですが、明けましておめでとうございます。