とある一方通行な3兄弟と吸血鬼の民間警備会社 作:怠惰ご都合
「蓮・太・郎・の・薄・情・者・めぇぇぇッ!」
連太郎達が仮面の男と会話している頃、延珠は怒っていた。
それもそのはずいきなり「延珠はここで待機」とだけ言われたのだから。
「おのれぇ、まさか『ふぃあんせ』の妾を本当に置いていくとは・・・」
「お譲ちゃん、道を教えてもらえないかな?俺は岡島純明、この近くに住んでるんだけど、帰り道が分からなくてね」
愚痴をこぼしていると岡島と言う男に聞かれ、どう答えようか悩んでいるとある事に気付いた。
「お主、自分がどうなっているのか分からないのか?」
言葉にするもまるで理解できないと言いたそうにしている。
「では、自分の姿を見てみるといい。ただし、パニックに陥らないようにゆっくりとだ」
「何だこれ・・・・」
付け足すと岡島は自分の腹部や肩口や喉が引き裂かれたように大きな傷があり、そこから鮮血が流れているのを見て驚いていたが、すぐにガストレアに殺されかけた事を思い出した。
そして、彼の体から真っ黒な毛が生えた8本の細長い脚が飛び出し、遅れて頭部から4対の真っ赤な単眼が現れると腹部は鞠のように大きく膨らみ、口角から2本の牙が生え巨大なクモとなった。
さらに目の前にいる延珠を敵と判断すると粘性のある緑色のぬら光った糸を吐き出す。
「ぬわっ、な、なんだこれッ?ねばねばするぞ」
それに足を取られた延珠を確認すると延珠を二十メートル以上も吹き飛ばした。
その音に反応して蓮太郎と多田島が走ってきた
「ガストレア、モデルスパイダー・ステージ1を確認。これより交戦に入るッ!」
多田島が拳銃を発砲したので、一方通行が止める。
「何故止める?」
「ガストレアに通常の弾は効果がねェンだよ。かえって興奮させちまうだけだ。」と答え「ガストレアに効果があンのは・・・」
「バラ二ウム弾だけか」
「そういうことだ」
蓮太郎は頷くと発砲し、ガストレアの4つあるうちの1つの目と足を一本吹き飛ばす。
ガストレアの動きが止まったので注意深く接近するが、嫌な予感がしたのですぐに後退しようとする。
それを見計らったようにスパイダーが跳ね起きて毒腺を開いて連太郎に向かって突進してきた。
蓮太郎は身体を強張らせていると自分の目の前に一方通行が飛び出した。
それに気付いた多田島が何か叫んでいたが、ガストレアが突然向かって来た方向とは反対方向に吹き飛ばされたので多田島の声は聞こえなかった。
その答えを一方通行に聞こうとすると今度は延珠がすさまじいインパクト音と共にガストレアを蹴り飛ばすとガストレアは一度バウンドして横手の石塀と電柱を巻き込んだ後に息絶えた。
「延珠か」
それを見た蓮太郎が呟くと延珠が笑顔で蓮太郎の名前を叫びながら走って来た。迎えに行こうと走りだすと延珠は連太郎に飛び蹴りをしてきた。
「ぐああああああッ」
見事に蹴りを股関に受けた蓮太郎は悶絶した。
「怒ってんのか?」
「当たり前だ。妾を置いて行ってそれだけで済むのだ。感謝するがいい」
「お前ら、タイムセールはいいのか?」
二人のやり取りを見ていた一方通行が聞いてくる。
「そうだった、モヤシが一袋六円なんだった!」
「モヤシ・・だと?」
「呆れてるところ悪りィが、さっさと報酬を貰いてェンだけどよォ」
「ふっ、ちゃっかりしてんな。ほらよ」と多田島は答えながら今回の報酬を渡して仕事に戻って行った。
そして、彼らとは別の方向でガストレアを探していたレイは、ライから連絡を受けたので一七七支部に戻ろうとした。
だが、数十分前に別れたはずの三人組を見つけてしまい、戻るタイミングを逃してしまったのだった。
レイは何時になったら戻れるのでしょうか・・・