魔法科高校の鏡の魔法師   作:烏鷺烏鷺

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九校戦編 4

大会5日目で新人戦2日目の午後は、いよいよ、俺が出場する男子クラウド・ボールだ。

 

午前は女子クラウド・ボールを観戦していたが、体力の関係からか、ラケットを使ったスタイルの選手は2名ばかりだ。

やはり本戦のバトル・ボードをみておいてよかった。

 

そして、いよいよクラウド・ボールの際に観戦していた位置をみると、レオ、エリカ、美月、幹比古の4人と、クラスメイトで魔法実技もよく一緒になり、学校での昼食も一緒にとるメンバーでもある裕子だ。

そういえば「応援しに行く」って言ってたよなと思い出した。

他にも1-Eのクラスメートが2,3人いるのは、結構プレッシャーなのだが、っと思いながらも、午後1番最初の対戦となるので、おとなしくコートで待っていた。

 

その頃、一高の天幕で競技を移すモニターを見ていた真由美は、

 

「リンちゃん。芝崎くんって、ラケットを持っていないわね」

 

「そうです」

 

「魔法オンリーのスタイルなのね。確かに加速魔法は1年の競技選手でもトップだから面白い試みだと思うけど」

 

「観てのお楽しみです」

 

鈴音の返答に、真由美もこれ以上は特に聞いても無駄だと思い、芝崎の競技をみていたが、試合開始の合図が出て、プレイが開始しだされると

 

「このスタイル、私と同じく、ダブル・バウンドだけなのかしら」

 

ぽつりと独り言のつもりで言った真由美に、鈴音が答えた。

 

「いえ、最初に自己加速魔法を使用しています。そのあとは今のところダブル・バウンドだけのようですね」

 

「へぇ。芝崎くんってたしか、模擬戦の時はショートタイプの特化型CADをつかっていたはずだけど、今回はロングタイプの特化型CADなんだ」

 

「そうですね。彼が言うには、七草生徒会長のように、自前の目ではとても精度の高い照準ができないので、そのためだそうです」

 

「私のよう?」

 

「はい。しかし、それだけではまだたりないということで、ハードウェアも改造されています」

 

「どこを改造したの?」

 

「ファームウェアですが、そこは電子回路の制御を行うソフトウェアで起動式とはまた違う知識を必要としています。彼は起動式とかよりも、ハードウェアの方が得意なようですね。技術スタッフの石田くんが手に負えないと言ったら、ファームウェア入れ換え用のサンプルをすぐに書き上げたそうです」

 

着々と点差が開いていっているのを観ながら

 

「ハードウェアにどんなことをもとめたの?」

 

「適切な座標まで計測をし続けて、対象が特定面の座標に到達したら、魔法式に座標を渡すっていうところで、いうなれば、魔法式の発動を遅くさせるとも言えますね」

 

「えっ? 魔法式の発動を遅くさせる?」

 

「相手のコートで魔法を発動させてはいけないのですが、ターゲットとなるボールに狙いをつけておくのは特に反則とはなりません」

 

「それだけなら、起動式でもできそうだけど」

 

「起動式で対応することは、これまでも例があったのですが、それだと、魔法力の消耗が激しいのは知られています。そこで、今回は座標に関して全面的にハードウェアに頼るということで、ターゲットの視認にたいして起動式を発動させるための指の動作を上げるために、自己加速魔法をマルチキャストさせています」

 

「あらためて考えるとなんで、自己加速魔法を?」

 

「相手が、同様な手法をとってきたら、より相手コートに近いところで魔法を発動させるためだそうです。起動式で待たせるのはどんなに無意識領域が高速でもmsをきることはできませんが、ハードウェアならμs(マイクロセック)単位で処理されますから3桁ぐらいは処理速度がはやくなり、起動式の展開は終わって座標の組み込みですから実質的な待ち時間は0といえます」

 

「自己加速魔法が必要とはいえ、こんなハードウェアをだされたんじゃ、私でも打ち勝てるかしら?」

 

「芝崎くんは、視認したターゲットへ同時に魔法を使うのならば、自己加速魔法はいらないかも、っと言ってましたよ。クラウド・ボールででてくるボールの数は9個で1桁ですから、加速魔法を使える魔法師ならかなりの人数が使えることになりますね」

 

「それって……」

 

「えー。来年のクラウド・ボールでは使えないようにルール改定がなされるでしょう。芝崎くんも、来年はバトル・ボードにでたいとか言ってましたし」

 

 

 

そうして俺がでた男子クラウド・ボールは決勝まで3セット連取、無失点で優勝をはたした。

 

 

 

大会6日目で新人戦3日目はアイス・ビラーズ・ブレイクとバトル・ボードだが、深雪もほのかも本日最初の競技だ。

昨日の閃光魔法に対しての次の作戦はどんなのだろうかとバトル・ボードのほのかの方を見にきていた。

エリカのいう「黒メガネ」の集団と化している、バトル・ボードだったが、ほのかがおこなったのは、光学魔法による幻術。

しかも単純に水路に影が落ちたように見せるというものだ。

たぶん、俺も先行していて、そこを抜かれるまでは気がつかないかもしれない。

 

アイス・ビラーズ・ブレイクは、午後は一高の3人でのリーグ戦になるはずだったのが、エイミィが下りたらしく深雪と雫の決勝戦になっていた。

時間的余裕があるのか他の競技はなく、この試合だけだったので、他の1-Eのメンバーには悪いが関係者席でみることにした。

深雪の氷炎地獄『インフェルノ』、雫は防御に情報強化、攻撃に地面への振動魔法だが、深雪の方が上をいっている。

雫は『フォノンメーザー』までもだしてきたが、蒸発したのは表面の一部分だけ。

それをうけて深雪が出したのは広域冷却魔法『ニブルヘイム』。

そこから氷炎地獄『インフェルノ』に切り替えられたところで、一瞬で雫の領域の氷柱が吹き飛び深雪の優勝がきまった。

 

 

 

大会7日目で新人戦4日目は新人戦の目玉ともいえる、モノリス・コードと、ミラージ・バットだが、ミラージ・バットの1回戦に里美がでるので、知り合ったのも縁とみにいくことにした。

ミラージ・バットの2回戦にでるほのかの試合は、ほのかも無事に勝った。

 

午後のモノリス・コードでそれは起こった。

 

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