魔法科高校の鏡の魔法師   作:烏鷺烏鷺

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九校戦編 6

初めて出場したモノリス・コードには勝ったが、次の対戦は試合終了から30分後だ。

しかも次のステージが「市街地ステージ」だと聞いた時には驚いた。

昨日の今日で行う場所か? とも思ったが、決まったことは仕方がない。

 

そのまま準備をして、控え室からでようとすると、中条先輩が達也にたいして『小通連』のことを室内で振り回すのには適さないのでは? と『小通連』本来の使い方と、先端部分を持ち歩く方がよいのではという話をしてきた。

達也が市原先輩の分析であることを示唆して、中条先輩が顔を赤くしているからあっているのだろう。

 

「それでは、いよいよ『小通連』本来の使い方をお披露目しますか」

 

「ああ、やってくれ」

 

芝崎古流柔術は剣などの武器も扱うから、こういう剣タイプの取り扱いも慣れている。

一般的な剣道や、剣術と若干取り扱いが異なるが。

 

 

 

市街地ステージのモノリスの前で、スタートをしてから森林ステージと同じように、2つの半鏡をつくって、一枚は1Fの階段へ移動させた。

 

気配から、相手がこのビルに侵入してきたのは1Fで、2人ということもわかる。

それをターゲットに魔法を放つことも可能だが、この手は念のために隠しておくということで、人目につく鏡による遠見の魔法をつかっている。

鏡に映っている状態と、鏡を移動させた位置から、座標は計算できるので、これにより、こちらの手のうちをさらすカードを減らすためだ。

 

こちらが魔法を使っているのを隠してはいないので、階段を探しているような動きが気配でわかる。

1人が階段のそばでたちどまって、もう1人を呼んだようだ。

2人が縦に並んで階段を上っている姿がこちらから見えるが、確認用の魔法の鏡だと思っているのか、安心してきているところへ加速振動複合魔法を1人に放って、前後の揺れで気絶してもらう。

そして、2人目にも同じ魔法を放ったところ、領域干渉で自身を守りつつ鏡の前から消え去った。

 

相手が領域干渉の魔法をやめて、無意識でかけている領域干渉のレベルになったようで、魔法を感知することはできなくなったが、気配は分かる。

こちらも鏡による遠見の魔法はやめて自己加速魔法をかけながら、『小通連』が納められる単一の起動式を起動させる。

達也がレオ用に調整していた起動式と変更してもらい、固定される位置だけを変数化してもらい、ループキャストの終了条件は魔法のキャンセルだけとしてもらった。

それだと、先端がもとにもどらないので、先端が戻る起動式は、右手に巻いてある汎用型CADに収めてある。

 

先端を浮かべて刃渡り1m相当の長さにしたところで、すばやく走っていく。

魔法の使用者の居場所を感知できるレベルの相手だと思われるから気配を紛らわせるのはやめている。

階段の手前で待ち伏せていたが、相手も1つ下の階からあがってこようとはしない。

これでは千日手で、待てば、達也が相手チームのモノリスを開いて、幹比古の式との視覚同調でコードをよみとってもらえると思うが、ぎりぎりの時間になってくれば、今の階段から昇ってこようとしない相手がむちゃくちゃをしてくるかもしれない。

 

一度様子見のために、サイキック化した方ではなく、CADによって自身からの魔法だとさぐりにくい明鏡の魔法を発動し、その他の魔法はすべて停止しながら、後方に下がる。

これだと相手からは、明鏡の魔法のうち対象の鏡だけが魔法として感じられて、魔法をかけた俺自身の存在を感じづらくなる。

魔法の種別まで識別できる相手ならば、後方にさがればあがってくるはずだが、動く気配はない。

『よし。いまだ』とすでにガラスが無い窓枠から階下の窓枠に飛び移り、相手の後ろへとこっそりと近づく。

相手がいらだっている感じがつたわってくるところまで近づいて、『小通連』の起動式を使用してまずは胴突きを狙うが、相手も突然背後にわき起こった魔法の気配に反応して後ろへ振り返ったのは0.5秒で、すでに起動式が出始めているが、こちらは相手の視界を遮る1m50四方のサイキック化された方の明鏡の魔法で、視界をさえぎりつつも、右へ飛びながらの自己加速魔法の発動に、胴突きをしようとしたら、相手も移動している最中で胴へと伸びた『小通連』の先端はかすらずにちょうど横の位置にあるところだ。

そこは、自己加速術式の特徴をいかして、右下に先端を下して、足元をへの横切りの要領だ。

通常の剣術ではなく、なぎなた、棒、棍などでつかわれる場所で、相手の予想外だったと思われ、はでに倒れてくれた。

そこから、上に先端を上げて、胴体へと勢いよく先端をたたきつけたが、意識の確認に何回か小突きまわしたが、反応が無いのでようやく相手のヘルメットを脱がせて、もう1人の意識も確認してからヘルメットを脱がして、あとは達也と幹比古の連携を待つばかりと、モノリスのある場所で待っていたら、試合終了のサイレンが聞こえてきた。

 

 

 

決勝トーナメントが12;00からで、三高の戦いぶりをあらためて見たかったので、昼食は少し早めの時間だがホテルの泊まっている部屋でとることにした。

一高の天幕内では、食べずらい雰囲気だったからだ。

 

 

 

一般席で達也や幹比古だけではなく、レオ、エリカ、美月に深雪が一緒にいる、

そこでは、達也は疲れているように見え、美月はどこかの不審人物を思わせるような動きをしていた。

美月はさておいて、オフェンスである達也の調子は、モノリス・コードのかなめだから、気休めだけでも声をかけておく。

 

三高と八高の試合の方は、プリンスが身の周りを魔法で守りながら、自陣から砲撃魔法を行うというものだった。

移動している以外は昨日と同じで、ある意味参考にはならないが、吉祥寺真紅郎がカーディナル・ジョージだと判明したのは、幹比古が顔いろを青くしていたことから良いことなのか悪いことなのか。

 

 

 

それはともかく、三高の前に、まずは次の九高との試合だ。

九高との試合は、始まってみると俺にとっては暇な時間になった。何せ最初からすべては、達也と幹比古が組んでおこなって、一般的にいう魔法はまるで使用しなかった。

これも水が多くてとどまりやすい渓谷ステージだから、幹比古にとって行ないやすい『霧の結界』ができたからなんだが。

これで九高に勝利し決勝戦へと進出することになった。

 

 

 

そして三高との決勝戦までには巣押し時間があるので、部屋で一休みしたあとに、一高の天幕の控室にいくと、一足早くついていた達也からフード付きのロープを渡された。

使い方の説明は聞いたが、この服装のセンスをなんとかしてほしかった。

しかし、変に切り刻むわけにもいかないし、着込む覚悟を決めていると、幹比古も来てフード付きロープの説明を聞かされていた。

さらに言えば、戦略の方向性に微修正が入ったのだが、これも仕方が無かろう。

 

達也はモニターを見ていると言っていたが、決勝戦の使用ステージが「草原ステージ」だと、俺と幹比古は、控え室で知らされた。

 

そして、決勝フィールドに出ていった俺たちには、何ともいえない微妙な視線が漂ってきて、雰囲気もやはり微妙だ。

幹比古は目深にフードをかぶっているが、俺は『小通連』を持っていた時になれていた。

 

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