魔法科高校の鏡の魔法師   作:烏鷺烏鷺

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横浜動乱編 5

七草先輩たち7人が、ステージの裏でデータ消去をしてたのは話でわかったので、他校が残したプレゼン機器のデータ消去は達やが行なうことになって、それに深雪がついていったきりだ。

 

合流したメンバー……十文字先輩と桐原先輩は逃げ遅れた生徒がいないかもうひとまわりしてくると出て行った……と一高の控え室に行くと、達也がきていないって、こちらは一高と三高の分だけに対して、達也は残りの他校すべてだが、待たされた時間は思いに少なかった。

 

渡辺先輩から

 

「さて、これからどうするか、だが」

 

これを受けて七草先輩からは周囲の状況を告げたのと、市原先輩からは中条先輩たちが地下通路での遭遇戦にあってはいるが、もうすぐ駆逐できるという情報と、続けて渡辺先輩からは、

 

「シェルターはどの程度余裕があるのか分からないが、船の方は生憎と乗れそうにない。こうなればシェルターに向かうしかない、と思うんだが、皆はどう思う?」

 

その問いには、VIP会議室でシェルターに向かうつもりだったから、あとは誰が1年生の中では言い出すかである。

1年生のメンバーを順次みていくと、達也は渡辺先輩とは違う方向をみているって、エレメンタル・サイトをまた使っているのか。

達也にとって隠したい内容であるはずなのに、ここで使うとはと思って、そちらへ、向かって気配をサーチしてみると、たしかに達也の向いている方向には、何かの乗り物に乗って座っているらしい気配があるのがわかった。

達也が自身のシルバー・ホーンを取り出して、乗り物らしいものに放ったようだ。

まぜならその気配は、乗り物から落ちたような動作をしているので、乗りものを消したのか?

 

「……今の、なに……?」

 

七草先輩の聞きたい疑問ももっともだろう。

俺には特別閲覧室をすみやかに破った魔法ではなかろうか。

そう思った瞬間に、女性が入ってきた。

 

「お待たせ」

 

「えっ? えっ? もしかして響子さん?」

 

「お久しぶりね、真由美さん」

 

そして、現れたのは良いとして、服装がなぜだか少尉の階級章をつけた軍服ということだ。

この場合、国防軍の野戦用軍服ということで、後ろからでてきたおなじ野戦用軍服を着て少佐の階級章をつけた男性が

 

「特尉、情報統制は一時的に解除されています」

 

その言われた先は達也だったが、敬礼をしている。

そのあと風間少佐は、十文字先輩と少しはなしたあとに、

 

「国防軍は皆さんに対し、特尉の地位について守秘義務を要求する。本件は国家機密保護法に基づく措置であるとご理解いただきたい」

 

達也が特尉であるということをもらすと、国家機密保護法に基づいてスパイ相当の扱いになるという意味も含まれるだろう。

 

少しのやりとりのあとに、達也へ対して深雪が行なったのは、何かの封印を解く術だったのだろう。

一機に達也のサイオンがあふれだしたのが嵐のようにも見える。

 

その後は、十文字先輩は魔法協会支部へ行くというので別行動で、俺たちはシェルターへ避難する。

藤林少尉の部下に先導されて、3年生は七草先輩、渡辺先輩に市原先輩、2年生は桐原先輩、五十里先輩、千代田先輩に壬生先輩、1年生はレオ、幹比古、エリカ、美月、深雪、ほのか、雫の俺の総勢15人。

シェルターの駅前広場にたどりつこうとしたところで、

 

「直立戦車!」

 

藤林少尉が言った瞬間に、左腕の汎用型CADを操作して行ったのは、電子回路へむけてのスタンガンの魔法。

魔法に対応している最新の兵器には対応できない……ユニット内部も絶縁処理がされている……が、今回は効いたかもと思ったら、深雪の冷却系魔法と、七草先輩のドライアイス弾で停止・破壊されていた。

 

ここはシェルターまでもう少しというところだが、そのあたりが陥没している。

シェルター内部は無事なようだが、出入りすることが不可能とのことだ。

ここに集まったメンバー以外にも民間人がいることから、七草先輩と雫(正確には親の力を借りて)が救助用にヘリコプターを呼ぶことになった。

まわりが色々といいながら俺からは

 

「家(芝崎古流柔術道場)も国から援助受けていますから」

 

芝崎古流柔術は古流にしては足技が多いことから、『足技の魔法師』と古流体術を基本とした魔法師からみられており、国からは特殊な作戦に任務すると思われるものが習いにこさせられている(ようだ)。

元々は忍術使いに対応するために編み出された物が多く、空中戦を中心に、土遁(どとん)の術や水遁(すいとん)の術に対応できるという点もある。

そういうことから国の援助が入ってくるようだ。

 

その話の終わりになるころに千葉警部(エリカの兄)がきて

 

「軍の仕事は外敵を排除することであり、市民の保護は警察の仕事です。我々がここに残ります。藤林さん……っと、藤林少尉は本隊と合流してください」

 

「了解しました。千葉警部、後はよろしくお願いします」

 

なんてやりとりがあった。

 

ヘリの着陸スペース確保や、直立戦車のパイロットへの尋問、周辺状況の把握などがされているなかで、警戒チーム……実態は迎撃になりそうだが、市原先輩が予測をたてた侵攻経路に従い二手に分かれての行動だ。

 

1つのチームは1年生のみとなり、レオ、エリカ、幹比古、深雪に俺で、もう1チームは2年生から桐原先輩、五十里先輩、千代田先輩、壬生先輩に千葉警部となっている。

 

警戒場所へ到着したところで、幹比古が索敵用に呪符を風精にのせてばらまきはじめ、少ししてから感知した相手だが、幹比古がおかしなことを言いだした。

 

「直立戦車……さっきとは違う。ずいぶん、人間的な動きだ」

 

「人間的?」

 

エリカが反応したので、気配をさぐってみると、1両あたり2人いるような感じがする。

1人は普通の人間の気配だが、もう1人の気配ははっきりしなくて魔法を使っている感触がするので、サイオンを感知するようにすると

 

「まさか『意気』でコントロールしている?」

 

「『意気』?」

 

体内でのサイオンの制御する技術を『意気』と古式魔法では言うのだが、気配の中にサイオンがある様が、他の表現としてみつけられなかった。

 

「その言葉の意味はあとで。直立戦車が魔法的なもので動かされているようだ」

 

向かってきている直立戦車は3両だが、そのサイオンの使い方が、『意気』に似ているからといって、直立戦車が魔法師というより、魔法の補助により動いているといったところなのだろう。

角からでてきた直立戦車を見ての感想がエリカから、

 

「戦闘用ロボット?」

 

そう、ぼそっとでてきたが、深雪が躊躇なく、車両を凍らせていた。

最初い飛び出しらのはレオだが、俺が続いて

 

「右側に行く!」

 

そう出しながらは、ボールペン状に模した特化型CADである月光。

ただし、月光の起動式は、九校戦での『小通連』での使用感から、長く伸ばせるよう長さを変数化するのが今回は間に合った。

日本刀に模した明鏡の長さを20mに設定して、クワッド・リフレクトの魔法を明鏡の刃側に縁取る。

これによって、先端の速度が、今までの1mよりも、10倍以上になる。

デメリットは、刃先が狙ったところよりも最大数cmずれることだが、この月光単独で中距離戦が可能となることのメリットの方が大きいだろう。

そして、斬った直立戦車とは他にあらためて注意を向けなおす……初めて戦車を相手にするということで、他への注意が散漫になっていたのだろう……鼓膜がやぶれそうな轟音が聞こえてきた。

轟音の先は、エリカで、斬ったというよりは、叩き潰したという表現の方があっている。

 

幹比古が1両の直立戦車から箱らしきものを見つけて、その箱をこじりあけた時に、幹比古、レオ、エリカはさすがに驚いていた。

深雪は驚いているというよりは、怒っているという感じだ。

箱の中身は人間の脳だった。

 

「多分、これを元にしたのは陰陽道系の、人型使役の術式に近いものだと思う。紙を人の形に挟み切り、雑霊を宿して兵と成す術と似ているけれど、これは陰陽道系じゃないよ」

 

「それならば、元は道家の術だとか」

 

「要するに、相手は大亜(ダイア)連合ってこと?」

 

「うん。十中八九、エリカの言う通りだと思う」

 

これで、少々作戦を変えることになった。

 

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