魔法科高校の鏡の魔法師   作:烏鷺烏鷺

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入学編 第4話

翌朝は、少しはやめに教室につくと達也がいたので、

 

「よう。風紀委員になったのか?」

 

「ああ」

 

その反応で、隣の席の美月から

 

「わー、おめでとう」

 

って、聞いていなかったのか。

こっちが反則負けでルールが守れないのが風紀委員になれるわけがないという話にならなくて済んだのは幸いだった。

この時の反応でクラスのまわりからも少しは注目は集まったがそれぐらいかな。

 

今日から新入生へのクラブ活動勧誘が解禁だそうで、それをみてまわることになるから、その話題が教室内でちらほら上っている。

授業後のクラブの見学は、レオは山岳部で、美月は美術部だし、達也は風紀委員室にむかったが、エリカが見当たらないので、ひとりでぶらぶらとみてまわることにした。

 

気楽にみたクラブ活動のSSボード・バイアスロン部で、実際に載せてもらったりして、ここのOGがほのかと北山さんをつれてきたり、それをなぜか風紀委員長がおいかけてきたりしていた。

この時に俺は次に見たかった剣道部のデモンストレーション開始の時刻をすぎていることに気がついて、そちらを見に行くことにした。

芝崎古流柔術でも、刀から身を守ったり、実際に使用するための体術はあるが、こちらは足技などもだすので、剣道はともかく、剣術がどうかというところだ。

そう、剣道部のあとに剣術部のデモンストレーションもあるのでこの時点では見る予定だった。

 

会場である第二小体育館。通称では「闘技場」と言われている、この体育館でおこなわれるらしい。

会場へ到着したときには、上から見下ろす感じの観戦エリアから、防具をつけていない男子生徒と、防具をつけているが面だけは外している美少女が、向かいあっているところだった。

どのようなきっかけかはわからないが、

 

「心配するな、壬生(みぶ)。剣道部のデモだ。魔法は使わないでおいてやるよ」

 

「剣技だけであたしに適うと思っているの? 魔法に頼り切りの剣術部の桐原(きりはら)君が、ただ剣技のみに磨きをかける剣道部の、このあたしに」

 

「大きく出たな、壬生。だったら見せてやるよ。身体能力の限界を超えた次元で競い合う、剣術の剣技をな!」

 

そういって始まった2人の剣技をみていたが、岡目八目ということばをさしひいても、なかなかやるといた感じだ。

特に女子の壬生先輩の技量は、芝崎古流柔術のうち剣術をかねている方を主体に習っている同じ年代よりかなり上回っている。

対して桐原先輩は面を打つのを避けているようで、それほど、技量差があるわけでもなさそうなので、そのハンディの分きつそうだ。

 

ここで仕掛けたのは桐原先輩だったが、面から小手へと剣先をかえた小手は少しあさいか? 審判の判断しだいだろう。

対して、壬生先輩は肩へと突きが先に放たれている。

 

剣道の突きって、喉と、最近、胴突きが復活したくらいで、剣道としては、桐原先輩に分があるかな。

 

そう俺は判断したのだが、まわりの反応は反対だ。

 

剣道部のメンバーは先に竹刀があたったことに安堵し、剣術部らしいメンバーの一団は先にあてられたことにたいして、苦虫をかみつぶしているようだ。

剣術なら先にあてた方が勝ちになるのは当たり前だろうが、これって剣道部のデモンストレーションだったよな? っと疑問に思っていたが壬生先輩から

 

「真剣なら致命傷よ。あたしの方は骨に届いていない。素直に負けを認めなさい」

 

おいおい、剣道部員が剣道のルールから外れて言う言葉かよ。

そう思っていると、桐原先輩は笑いだして

 

「真剣なら? 俺の身体は、斬れてないぜ? 壬生、お前、真剣勝負が望みか? だったら……お望み通り、真剣で相手をしてやるよ!」

 

桐原先輩がCADを操作して実行したのは高周波ブレードという、これにともなう不快な超音波でわかったのだが、下手をすれば、人を殺せる魔法だ。

CAD無しでも加重魔法で竹刀の柄の部分をへしおるのはたわいもないが、入学式早々に魔法の使用制限で注意と、昨日の風紀委員になるかの実習室でもルール違反を犯したからなぁ。

 

誰も止めに入らないのかと思っているうちに、壬生先輩の防具が切られた。

 

まずいな、魔法をつかわなければ問題なかろうと思ったところで、魔法がふたつ発せられるのを感じとったので、そちらをみると達也だった。

弱いと思った2つの魔法だが、無系統魔法の複雑なパターンをもったサイオン波となって、桐原先輩の高周波ブレードをとめていた。

対抗魔法の一種なんだろうが、あらためて知らない魔法の存在を知らされた。

 

予想もつかない魔法をみせつけられたが、竹刀を握っていた桐原先輩を取り押さえたのも、自然な流れに見える。

CADをつかっているからなんともいえないが、気の流れから体術だけでも、俺と同格ぐらいはありそうだ。

 

そこからは風紀委員として桐原先輩とりしまった達也を、剣術部らしき部員たちが、次々と襲っている。

しかし、それらを基本的な動きのみで、あしらってみせている。

しかも、そばでみていたらきっとわからないだろうが、相手の動きを全て把握しているのは、気配を感じながらおこなっているのだろう。

これを俺自身ができるか? というと、多分不可能だ。相手の手足の1本を折るだろうなぁっと多少は物騒なことを考えていた。

 

さらに、直接的にさわりにいかなかった剣術部の生徒が起動式を展開させて、達也がそれにあわせて2種類の無系統の複雑なパターンをもったサイオン波として放った。

それが剣術部の生徒の起動式を失敗させらることが不思議だが。これだけ大勢がみているから、あとで聞けば教えてくれるだろうと思って、その場をみていた。

 

タンカがきたときには、さすがの剣術部にも、達也へ攻撃しようとする者はいなかった。体力がないクラブだなぁというところだが、あてられないという神経的な疲れか。

 

桐原先輩がのって、達也がそれにつきそっていく。それをみて、このあとどうしようかと、思ったが、達也の使った方法に興味があったので、多分、達也は深雪と合流するだろうから、それまではみてみたい他のクラブを見て歩くことにした。

 

 

各クラブの勧誘活動も終わりの時間になろうとしたので、帰りの鞄もあるし、生徒会室のある本校舎へ向かうと、深雪が真っ先に眼とついたが、他にもレオ、エリカ、美月がいた。

 

「やあ、達也と待ち合わせかい?」

 

「いや、ここにいれば、達也が深雪さんに会いにくるだろうと思って、待っていた」

 

レオが代表して返答すると、なぜだか、エリカがレオにからんでいるが、それから1分するかしないうちに、達也もきたが、この集団で待っていたいたことに気をまわしたのであろう、達也の「おごり」にそのまま便乗することにした。

 

 

 

初めて入るカフェで今日の色々なことを話していたが、話としてもりあがったのは、達也の剣術部への風紀委員としての介入の話だった。その中で深雪の

 

「大丈夫よ。美月。お兄様なら、心配いらないわ」

 

「ずいぶん余裕ね。深雪?」

 

エリカがさらにつっこんでいたが、

 

「ええ。お兄様に勝てる者などいるはずがないもの」

 

ここで、エリカも絶句してた。

しかし、それでとまるメンバーではなく、レオも参戦して、深雪の反応は

 

「魔法式の無効化は、お兄様の十八番なの」

 

「魔法式の無効化? 情報強化でも領域干渉でもなくて?」

 

「あの2種類の魔法による複雑なパターンのサイオン派による起動式への対抗魔法かい?」

 

「ああ、やっぱり。お兄様の得意技で、キャスト・ジャミングをお使いになられたようですわ」

 

達也と深雪の甘ったるい兄妹愛の寸劇をみるのは、つっこむ気もなくなったのだが、レオが

 

「……そういや、キャスト・ジャミングとか言ってなかったか?」

 

ここから、軍用物資であるアンティナイトあたりの話になりだして、達也が

 

「あー、この話はオフレコで頼みたいんだけど?」

 

興味があったので、だまってうなずいた。

 

「正確には、キャスト・ジャミングじゃないんだ。俺が使ったのは、キャスト・ジャミングの理論を応用した『特定魔法のジャミング』なんだよ」

 

そこから、偶然発見したと言っているが、本当だろうか?

 

オフレコについても、レオがまっさきに話を聞いたが、お手軽に魔法を停止できるというところで、多少なりとも違和感はあった。

そもそも複数のCADを同時使用するのは、マルチキャストを行うよりも、難しい技能だから同年代では使えるのも少ない。

その日は、そこでうやむやのうちに終わることになった。

 

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