魔法科高校の鏡の魔法師   作:烏鷺烏鷺

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入学編 第5話

一高での新入生へのクラブ活動勧誘の最終日。

色々迷った末に、男子SSボード(スケートボード&スノーボード)・バイアスロン部へ入部することにした。

格闘技系の優先順位の方が高いつもりではあったが、剣や棍を使った部をみてみた。

しかし、あの剣術部ならかぶっている猫がすぐにはがれそうだ。

すでに生徒会室でははがれてしまったが、噂として広まってはいない。

 

そうすると次に優先順位が高いのは自分の魔法特性でベクトル操作に関する魔法、つまり加速系統の魔法をより多く使えるということで、男子SSボード・バイアスロン部を選んだのだが、林の中を走破するということで、目立たない。

つまり、不人気な部活なわけで、2科生でも魔法でボードが動かせるならウエルカムなクラブだ。

 

移動しながら、的を撃つというのは、楽しいんだけど、大部分の部員はここで速度低下させるようだ。

こちらは、自己加速魔法を道場で恒常的に使用しているので、減速は最小限にして、的を打ち砕くことができる。

ここならレギュラーになれる、かもという不純な動機はもちろんある(苦笑)。

とはいっても、新入生クラブ活動勧誘最終日ということで、部活で使用できるCADは残りの選択肢が少ない。

部活を早く決めたもの勝ちだが、機種の入れ替えは、一定期間毎に入れ替えることがきまっているので、上位にあがっていけば、良いCADがあたるだろう。

俺みたいにCADを特化型と汎用型の2種類使うことは少ないので特化型は1種類しか用意されてないし、汎用型も少し古めそうだが、決めるのが遅かったのだから、これもしかたがないだろう。

その日は、CADの調整と、試乗が1回できただけだが、勧誘期間ということもあるから、上々の滑り出しといえよう。

その他の様子をみていたところ、上級生でサイオン切れを起こす前に練習を切り上げるから、そこから練習を開始するということが多くなりそうだ。

 

 

 

翌日のクラブ勧誘活動が終わった日の授業後にレオが

 

「達也。今日も風紀委員会か?」

 

「いや、今日は非番だ。新入部員勧誘期間も終わったし、やっとゆっくりできそうだ」

 

そこから、レオとエリカの茶々が入って、魔法を使わず魔法競技者のレギュラーを連覇した謎の1年生とか、魔法否定派に送り込まれた刺客だとか、達也はいいように言われていた。

 

そして、勧誘週間が終わった翌週には、初の魔法実技の授業が本格的に開始された。

初の魔法実技の授業は、基礎単一系魔法の魔法式を制限時間内にコンパイルして発動する。

課題の内容といえば、単一系統・単一工程ということで、今回は的に向かって加重をかけるための、加重系魔法の起動式を読み込んで、魔法式を構築するという課題だ。

パラメータはすでにうめこまれているので、単純に起動式を読み込み、コンパイルをして魔法式へと展開することになる。

 

そういう課題を、2人一組になって行なっていくのだが、それぞれ1回の試技のあとに、実技は1回で1000msを切ってクリアした。

得意なのは加速・加重系統なのだからクリアするのは当たり前、速度は500msをきらなかったのがくやしかったぐらいだが、組んでいる相手の女子生徒である田中裕子(たなかゆうこ)と組んで、チャレンジを繰り返していった。

最終結果は田中さんから

 

「387ms……得意な系統というだけあって速いわねぇ」

 

「田中さんも500msを切っているんだから、平均型としては、1科生になっていても不思議じゃないのでは?」

 

「いえいえ、そんなことは思ってもいないわよ。中学の先生に一高は入試日が異なるから受けるだけ受けてみたらどうだって言われてね」

 

「へぇ、そうなんだ」

 

そういえば、俺も一高以外に、公立高校を受験していたよなっと思い浮かべていた。

 

 

 

昼食時は、深雪、ほのか、北山雫と一緒にとった。

深雪は達也といれば一緒に食事をしたこともあるからまだ良いが、ほのかと北山さんとは、部活で顔を合わせる(2人とも女子SSボード・バイアスロン部所属だ)ので、話題そのものは、女子達の話を聞いているだけですむ。

まわりに達也はいなくて、女子生徒3人と一緒というのは無い話ではないのだが、1-Aである1科生の生徒と2科生である俺が一緒にいるのをじろじろと見て、ウィードが一緒にとか陰口をたたきながら、遠巻きにしながら言っているのが耳に入るのだ。

 

レオたちがいないのは、直前の授業でレオとエリカがそろって、1000msをクリアできなかったので、達也にコーチを頼んだことにある。

達也は俺に、昼食に間に合うとは思えないから、適当に食べやすい物と飲み物を買って、それを持ってきてくれということだった。選ぶのはほとんどが深雪で、俺は荷物持ちだ。

 

 

 

居残りで訓練をしているレオとエリカに助手としている美月へ、サンドイッチと飲み物をもって、実習室に入ったが、レオとエリカに美月は気がつかないようだ。達也は気がついているようだが、話さないので黙っていると、一緒にはいってきた3人のうちの深雪が、遠慮がちそうな声で

 

「お兄様、お邪魔してもよろしいですか……?」

 

「深雪、浩……と、光井さんに北山さんだっけ?」

 

「エリカ、気を逸らすな。すまん、深雪。次で終わりだから、少し待ってくれ」

 

 

 

レオとエリカも無事に、1000msをクリアして、昼食に入った。彼らには差し入れのサンドイッチ、達也には深雪からのお弁当だった。

飲み物は、ここにいる全員の分があるので、居残組の食事と一緒に、飲み物を飲みながら一緒に歓談を楽しんでいた。

 

この昼休みも最後の方で、深雪がおこなった同じ実技で「235ms」という値には、うなるしかなかった。一番得意な加速系統の魔法でもこのCADではそこまでいかないだろう。

 

 

 

それから、平凡な授業や部活に自宅の道場での練習などの日々をすごして1週間あまり、放課後にそれは発生した。

 

「全校生徒の皆さん!」

 

ハウリングがおきて、再度、放送をしなおしている。

『学内の差別撤廃を目指す有志同盟』とやらが、勝手に放送室をのっとたのであろう。

そうでなければ、『放送部』が事前に紹介をするはずだ。

放送は途中で切れたので、1科生と2科生の間の差別をなくすことが目的らしいというところまでは分かったが、差別と区別もつかないのが『有志同盟』のメンバーらしい。

区別にしても、どれを選択するのかは難しいとは思っているのだけど、まあ、関係なかろうと部活にむかった。

 

話が動いたのは翌日の朝、生徒会長が「明日の放課後に『学内の差別撤廃を目指す有志同盟』と討論会をします」と放送を流したからだ。

『同盟』(「学内の差別撤廃を目指す有志同盟」をそう呼ぶようになっていた)が、賛同者をつのる行動にでた。

 

 

 

肝心の討論会がある放課後は、部活動も休みだが施設は自由ということで、どうしようかと思ったが、何やら、討論会だけですまなさそうな予感がする。

あくまで感なのだが、こういう予感は大切にしているので、なにかおこるとしたらどこだろうと動きまわっていたら、図書館の前で、ここで何かが起こりそうだ。

そんな予感にしたがって図書館に入ったが、とりあえず、入ったら調べものでもするふりをした。

図書館の資料は、教室からでも読めるが、図書館でしか読めない資料も非常に多い。

調べものをするふりのはずだったのだが、思わず熱中してしまって、資料を読んでいる最中に画面が変わった。

この学校が武装テロリストに襲われていることと、避難経路の画面がでている。

 

外部の気配を探ると、図書館の出入り口の武装テロリストがいるらしい方に十人ほどが向かって、残りは避難経路へ向かっているようだ。

 

さて、俺の行動はどうするべきだ。

 

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