Infinite Devils Hunter   作:パン粉

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こんなゴミ小説をいつも見てくださってありがとうございます。


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◆◇◆◇◆◇

 

 

「これはここでいいのかな?」

「うん、ばっちしだよ!こういう高いところの飾り付けをラグナくんに頼んで良かった~♪」

 食堂の壁の天井付近に、「織斑くんクラス代表おめでとう」の横断幕を飾り付け、造花をデコレートして、悠李は我ながら上出来、と思って自分で自分を誉めていた。周りの子からの手伝いも快く引き受け、順調に準備は進んでいる。

 

 特に評判が高いのが料理だ。かなり手慣れた手つきで包丁やら鍋やらを扱い、一般家庭に馴染み深い料理を作り上げる。途中から来たセシリアがそれに気付くと、彼の調理に食いつく様に悠李を見ていた。

 

「でも、やっぱりお祝いっていったらピザだよね」

「ラグナくんは毎日ピザじゃん」

「それとストロベリーサンデーね。親戚の好みに似たんだろうねぇ」

 

 親戚というのは、スパーダの息子であるダンテのことである。何回かダンテに会って、しかもダンテの便利屋「デビルメイクライ」に居座ったこともある。

 

 父と非常に性格が似ていたが、食べ物の好みは全く違った。父に似なかったのは、恐らくこれくらいだろう。

 

「さらにロシアンルーレット」

「なかなか面白いことするね」

 

 ある一切れに大量のタバスコを仕込んだ。誰が当たるかはわからない。パーティーにはこういうハプニングも必要なのだ、と悠李は誇らしげに語った。

 

 作った料理をありったけのテーブルに乗せ、後は主役の登場を待つのみだ。今のうちに、と悠李は自室に戻り、隠してあったウォッカを取ってこよう、と思い、ダッシュで部屋に向かう。

 

 ドアを開けると鈴音はゲームで遊んでいた。冷蔵庫の横に、見づらい位置に隠したワインセラーから、ウォッカの瓶を取り出すと、またもやダッシュで食堂へ戻る。まだ一夏は来ていない。

 

「おっせえなぁ……」

「電話でもしてみたらどうだ?あとそのウォッカは私が預かろう」

「織斑先生は来てたんですね。というかあなた、これ飲む気でしょ」

「教え子が犯罪に走る姿を見たくないだけだよ。さぁ、その60年物を渡すんだ」

「いやッス全力で拒否します」

 

 既に食堂に来ていた千冬と、ウォッカを巡ってやり合う。千冬が悠李を壁際に追い込もうとするが、悠李は彼女の頭上を飛び越えて、馬鹿にするかの様に動いた。

 バック転で着地したところは、ちょうど部屋に入ってきた一夏の頭だった。

 

「ぶみゅっ」

「うわっ、メインを足蹴にしちゃったよ」

 

 ひょいっと降りて、ウォッカの栓を開けてぐいっと一口。ああっ、と千冬が声を漏らした。

 

 一夏にも一口飲ませ、そのあとに背中を叩いて、人だまりの中に突っ込ませた。千冬は悠李に近付き、グラスを二個差し出し、ウォッカを催促する。それに応えて両方に中身を注ぎ、二人はかちんと乾杯した。

 

「やはり強い酒だな。だがコクがあっていい」

「中々イケる口ですね?もう少し飲みましょうか。酔わない程度に」

「ああ。それにしても、やっぱり身内がこうも誉められているのを見ると嬉しいな」

「そりゃあ、誰でも嬉しいものですよ。あの強い眼差しはあなたに似てますし、カリスマだってある。本人は嫌々言ってるけど、適任なんじゃないですか」

「君の言葉が、一夏への一番の誉め言葉だな。弟に代わって感謝するよ」

「いえいえ」

 

 二人で盃を交わし、一夏の成長を願う。囃し立てられ、照れる一夏に、悠李と千冬は笑った。

 

「織斑先生も、ラグナさんも、こちらに来ませんか?」

「行きましょっかね」

「そうだな」

 

 少しして、セシリアが悠李達に気付くと、こっちにこないか、と誘ってきた。断る理由は無いので、ウォッカを持ったまま一夏の周りを囲んでいる女子軍団に近付く。一夏に一番近付いているのは箒。彼女もどこか嬉しそうだ。

 

「セシリア相手に戦えたのはラグナと箒のおかげだよ、俺はなんにも」

「やっぱり、ラグナくんは強いんだっ!!まあ、セシリアを吹っ飛ばしちゃうくらいだもんねえ」

「ええ、わたくし、全力で戦って負けました。恐らくラグナさんは、一年生でトップの実力を持っていますわ」

「だとすると、稼動時間も相当あるんじゃないの?」

「……いや、多分僕、1時間も動かしてないんじゃないかな」

「ええっ!?そんなんでセシリアに買っちゃったの!?」

「人には個人差がありますし、ラグナさんは身体能力が高いですから、それがわたくしを上回ったのでしょう」

 

 今日の授業でも、軽々とISを動かせていたのに、稼動経験は浅い。それだけでも悠李は規格外なのだろう。ただドレッドノートはISではない、ただの魔力の鎧だ。

 

「うーん、無理矢理身体でISを振り回す感覚かな。それで戦ってる。だからISのアシストはほとんど切ってる」

「ほえー。何か武術かスポーツでもやってたり?」

「うーん……、"騎士道"かな」

 

 無論騎士道など知らないが、こう言っておけば言い逃れは出来るだろう。だが、騎士とは掛け離れた人間ではある。野獣と呼ぶのに相応しい。

 

 それに納得するクラスメイト達。千冬が「はぁ?」と漏らして顔をしかめる。創龍でさえ騎士とは違う存在なのに、そんな男の息子が、その父から剣や銃を学んで、騎士になれるわけがない。

 

 言うなれば、"狂戦士"。戦いを狂ったように楽しみ、どちらかが死ぬまで斬り合い、撃ち合う。血みどろになろうが、身体が半分失くなろうが、悠李は戦うだろう。

 

「バーサーカー、というのが正しいな」

「もしくは魔王だな」

「篠ノ之さんも織斑先生もキツイっすよ」

「いや、俺もラグナは騎士じゃないと思うぞ」

「どう頑張っても紳士でしかありませんわね」

 

 全否定。部屋の隅っこに体育座りでいじけるが、本音が悠李に近付いて背中をぽんぽんと叩いて元気付ける。

 

「らぐなんはきしだよー!元気出してって」

「確かに僕はバーサーカーっぽいけどさぁ、そこまで言わんでいいんじゃないかなぁ……」

「みんな羨ましがってるだけだってー!」

「お取り込み中すいませーん、新聞部でーす」

 

 わざわざ悠李にわざとらしく近付く新聞部。副部長の黛 薫子だ。彼女は軽く自己紹介をし、悠李に一夏を推薦した理由を伺う。

 

 悠李は恰好付け、一夏推薦の理由を適当に語った。無論口から出まかせ。面倒臭いのを嫌う悠李だから、理由なんて面倒臭いで十分なのだが。

 

「賭けですよ。虎の群れに、一羽の雀をぶち込んだら、どう成長するのか、賭けてみたんです」

「フムフム、成長の余地を見込んで、と。所謂愛のムチなんだねい」

「言うなればそうですね。……内緒ですよ、実は面倒臭いの嫌いだから押し付けたんです」

「ほう、勝った権限で最弱の織斑くんを晒そうと」

 

 ぼそぼそと裏事情を悠李が暴露。いい加減なキャラを見る限り、やはり悠李は騎士とはほど遠いと思う一夏達。先程の悠李の行動は最早ただのチャラ男だ。

 

 続いて、と薫子が話を変え、セシリアを呼ぶ。彼女と入れ代わりに一夏に近付き、テーブルの先程の爆弾ピザの皿を片手に持ち、わざとタバスコがかかったピザを一夏の口に押し込む。

 

「あひぃんっ!?かっらっ!!無茶苦茶辛っ!!」

「あぁん?誰がチャラ男だこの鈍感ジゴロ野郎が、もうIS教えてやんないよ?ん?」

「私が教えてやるから心配いらん」

「感覚レッスンも

タバスコも嫌だぁぁ!!」

「ほーれ辛味消しだぞ~」

「ちあごっ!!」

 

 ウォッカを一夏の口に垂らす。彼は火を噴きながら水を要求し、箒の咄嗟の行動で口の中を消火した。一夏という玩具で楽しむ悠李。それを見て箒は睨み、他はげらげら笑う。そこにセシリアを引っ張ってきた薫子が突入し、舌が真っ赤な一夏と、悠李とで、記念に写真を撮りたいらしい。

 

 バーニングインヘル状態の一夏をストロベリーサンデーで治してやり、セシリアと悠李が一夏を挟むように位置を取る。薫子が距離を撮り、一夏にフォーカスを当てながら、シャッターに指をかけた。

 

「それじゃあ撮るよー。35×51÷24=?」

「74.375」

「74.375ですわ」

「正解っ!」

「暗算はええ……」

 

 悠李とセシリアの頭は完全に理系。一夏がその能力を羨ましがっているようだが、こんなもの誰だってやれば出来る、と悠李は言った。

 

 肝心の写真は、バックにクラスメイトが大勢写っていた。これもこれで記念になるんじゃないか、と悠李と一夏は思う。セシリアだけなにか不服そうだが。

 

「じゃ、私はこの辺で」

「ついでにこれも差し上げますよ」

 

 悠李は立ち去ろうとする薫子に缶ジュースを渡した。撮ってもらった礼、ということらしい。サンキュー、と彼女は言って立ち去り、悠李は軽くお辞儀して彼女を見送った。

 

 集団に戻るその隙を伺って、一夏が悠李に近付き、パイを投げ付ける。悠李は首を傾けたが、悲惨なことに、それは箒の顔に直撃した。

 

「仕返しだっ!!」

「あーあ……」

「一夏……。成敗!!」

「なんでこうなるのおっ!?」

「僕に当てようなんざ二千年早いよ」

「つまり一生当てられないと」

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