友人が『ハーメルンで投稿した小説ってどうやって編集したらいいの?』と言ったので、わざわざハーメルンの垢を作ってそれを調べることにした。つまりこの小説はダミーだ!!【小説家になろう】で全く同じものを投稿してます

……原作名を【シンデレラ】ってしてたら【アイドルマスターシンデレラガールズ】と被るからオリジナルって事にしておこう…。

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ひねくれた性格の作者が【シンデレラ】を書いてみた

むかしむかし、ある国に、とても美しくて、とても心優しい娘がいました。

 でも悲しい事に、働かないお父さんに代わりずっと働いていた娘のお母さんは過労により早くになくなってしまいました。

 そこでお父さんが新たな女性からお金を搾り取る為にそこそこお金を持っている未亡人に近づき、言葉巧みにその未亡人をたらしこんでその未亡人との二度目の結婚をしました。それによって娘には新しいお母さんと二人のお姉さんが出来ました。

 ところがこの新しいお母さんと二人のお姉さんたちが、そろいもそろって大変な意地悪だったのです。

 

 新しいお母さんは、自分の娘たちよりもきれいな娘が気に入りません。

「まあ、お前は何て、にくらしい娘でしょう」

 お母さんと二人のお姉さんは、食事の用意から、お洗濯から、お掃除まで、つらい仕事は全て娘に押しつけました。

 そして娘からきれいな部屋を取り上げると、わざわざ屋根裏に人がいても底が抜けないように床を設置し屋根裏部屋を作って、そこに娘を追いやりました。

 二人のお姉さんたちは大きな鏡のあるきれいな大理石の部屋で、ふかふかの暖かいベットで気持ちよく眠りますが、屋根裏部屋の娘には一枚の毛布すら与えられず、わらの中で犬のように丸くなって寝るように言いつけられました。新しいお母さんは娘の惨めな姿を演出するために、わらを買いました。

 二人のお姉さんたちは仕立屋に作ってもらった流行の上等な服を着ているのに、娘はつぎ当てだらけのボロボロの服しか着せてもらえません。新しいお母さんは娘の惨めな姿を演出するために、服につぎ当てをわざわざ縫い付けていました。

 それに娘はお風呂に入る事も許してもらえず、娘の頭にはいつもかまどの灰が付いていました。新しいお母さんは娘の惨めな姿を演出するために、わざわざ自分の手や服を汚してまでかまどを灰でいっぱいにしました。

 そこで三人は娘の事を、『灰をかぶっている』と言う意味のシンデレラと呼んだのです。

 可愛そうなシンデレラでしたが、それでもシンデレラの美しさは、お姉さんたちの何倍も何倍も上でした。

 

 ある日の事、お城の王子さまがお嫁さん選びの舞踏会を開く事になり、シンデレラのお姉さんたちにも招待状が届きました。

 お姉さんたちは、大喜びです。

「もしかすると、王子さまのお嫁さんになれるかもしれないわ」

「いいえ。もしかするとじゃなくて、必ずお嫁さんになるのよ」

 二人はシンデレラに命じて、舞踏会に着ていく服を持って来させました。

「どう、シンデレラ。このイギリスかざりのついた、赤いビロードのドレスは素敵だと思わない?」

「シンデレラ、こっちも見なさいよ。この金の花もようのマントとダイヤモンドを散りばめた帯は、とっても高価な品物なのよ」

 シンデレラは二人の着替えを手伝いながら、ニッコリ笑って言いました。

「ええっ。お姉さまたち、とっても似合っていますよ」

 しかしシンデレラはおしゃれをしたことが無かったので、『ビロード?ダイヤモンド?なにそれ?』と思っていました。

 それから二人のお姉さんたちは町で一番腕の良い美容師をよんで、それぞれのドレスに似合った髪型と髪飾りをしました。

 二人のお姉さんたちとお母さんは、キャッキャと大はしゃぎです。

 その様子をうらやましそうに見ていたシンデレラに、上のお姉さんが言いました。

「シンデレラ。お前も、舞踏会に行きたいと思っているの?」

「まあ、お姉さまは、わたしをからかっていらっしゃるのね。わたしのような者が、どうして舞踏会に行かれるものですか」

 シンデレラの言葉を聞いて、下のお姉さんが笑います。

「あははは。それはそうよね。灰だらけの娘が舞踏会なんかに行ったら、さぞみんなの笑いものなるでしょうからね」

「・・・ええ、そうですね」

  シンデレラは涙をこらえると、ニッコリと無理に笑顔を作って舞踏会に行くお姉さんたちを見送りました。

 

 お姉さんたちが舞踏会に行ってしまうと、シンデレラはとても悲しくなってシクシクと泣き出しました。

「ああ、本当はわたしも、舞踏会に行きたいの。王子さまに、お会いしたいの」

 でも、シンデレラのボロボロの服では、舞踏会どころかお城に入る事も許されません。

 その時、どこからか声がしました。

「泣くのはおよし、シンデレラ」

「・・・? だれ?」

 するとシンデレラの目の前に、魔法のつえを持った妖精のおばあさんが現れました。

「シンデレラ。お前はつらい事があっても、いつも笑顔でがんばる良い子ですね。

 そのごほうびに、わたしが舞踏会へ行かせてあげましょう」

「本当に?」

「ええ、本当ですよ。ではまず、シンデレラ、畑でカボチャを取っておいで」

 シンデレラが畑からカボチャを取ってくると、妖精は魔法のつえで、コツコツコツとカボチャを三度叩きました。

 するとそのカボチャがどんどん大きくなり、何と黄金の馬車になったではありませんか。

「まあ、すてきな馬車」

 おどろくシンデレラに、妖精が得意そうに言います。

「どう、なかなかのものでしょう。

 でも、魔法はまだまだこれからよ。

 さて、馬車を引くには、馬が必要ね。

 その馬は、どこにいるのかしら?

 ・・・ああ、ネズミ捕りには、ハツカネズミが六匹ね」

 妖精はネズミ捕りからハツカネズミを取り出すと、そのハツカネズミたちは一斉に逃げていきました。

「シンデレラ!今逃げたネズミを捕まえて!」

妖精がそう叫んだので、シンデレラは大慌てで六匹全部捕まえました。

シンデレラは捕まえたネズミを妖精に差し出すと、魔法のつえでコツ、コツ、コツと、一匹ずつハツカネズミの頭をさわりました。

 するとハツカネズミはみるみるうちに、立派な白馬になりました。

 別のネズミ捕りには、大きな灰色ネズミが一匹いました。

「このネズミは・・・」

そう言って妖精はネズミ捕りから大きな灰色ネズミを取り出しました。するとまたもやネズミは逃げて行きました。

「・・・・・・」

シンデレラは呆れた顔をしながらネズミを捕まえました。少しバツが悪い顔をしながら、妖精が魔法のつえで灰色のネズミの頭をさわると、今度は立派なおひげをはやした太っちょ御者に早変わりです。

「シンデレラ、次はトカゲを六匹集めておくれ」

「はいはい」

 シンデレラが慣れた手つきで集めたトカゲは、魔法のつえでピカピカの制服を着たお供の人になりました。しかし、数秒前までトカゲだった彼らは直立二足歩行の方法がわかりません。すぐに地べたにはいつくばりました。よく見ると、さっきの御者も四足歩行をしていました。

「・・・・・・。ほ、ほらね。馬車に、白馬に、御者に、お供。

 さあシンデレラ、これで舞踏会に行く仕度が出来たわよ」

「全然出来てないように見えますけど!?」

「・・・うん。まぁこれが限界だから…。」

「妖精さん、思ったよりも無能なんだね。」

「・・・・・・。」

「どのみちこんなドレスじゃ舞踏会に行けないわ」

「うん? あらあら、忘れていたわ」

 妖精が魔法のつえを一振りすると、みすぼらしいシンデレラの服が、たちまち光輝く純白の美しいドレスに変わりました。

 

 そして妖精は、小さくて素敵なガラスのクツもくれました。

「なんでドレスは魔法なのにクツは別途用意なの?」

「それはお前のクツとこのガラスのクツは素材が違うからだよ」

「カボチャと馬車も明らかに素材違うよ?」

「カボチャにも馬車にも炭素が含まれているから…。」

「雑か!というか、ならガラスのクツじゃなくて普通のクツにしたら問題なかったじゃん!」

「あ、それは私の趣味」

「妖精さん、趣味悪いよ?」

「・・・・・・。とにかく、楽しんでおいでシンデレラ。

 でも、わたしの魔法は十二時までしか続かないから、それを忘れないでね」

「はい、行ってきます」

 

シンデレラが馬車に乗ったはいいものの数分前までネズミだった御者が馬を上手く扱えるハズもなく、変な方向へと走っていきます。その事にシンデレラは苛立ちを感じました。

「ああ、もう邪魔!」

そう言ってシンデレラは御者を道ばたに捨てて自分で馬車を運転し始めました。しばらくして、自分で馬車を運転するなら馬車と役にたたないお供の元トカゲはいらない事に気がついたので、馬車とお供を捨てて馬にまたがりました。

 

舞踏会が始まってしまえばやることがないお城の警備員は暇をもて余していました。暇過ぎてあくびをしていたところに、白馬に乗ったきらびやかなドレスに身を包んだ女性がこちらへやって来ました。

「(あら、イケメン…。)」

警備員が物語の王子さまのような登場の仕方をしながらやって来たシンデレラにそんな感想を抱いていると、シンデレラがこっちに近づいてきました。

「舞踏会に出席したいんですけど…。」

すると奥の方より別の警備員がやって来て言いました。

「では、招待状のご掲示をお願いします。」

シンデレラは困り果ててしまいました。それもそのはず、招待状はお姉さんたちが持っていってしまったのでシンデレラは招待状を持っていないのです。シンデレラがぱっと思い付いたのは3つの方法でした。

 

①警備員を倒す

②ひたすら媚びまくる

③どうにか嘘で切り抜ける

 

御者を道ばたに軽々と捨てる事が出来るシンデレラにとっては警備員二人くらいなら倒すのは簡単に出来ることでしたが、騒ぎをおこす事は得策ではないと考えて一つ目の案は却下しました。そしてひたすら媚びまくるにも、失敗した場合ただ単に寒いだけになるので二つ目の案も却下しました。なのでシンデレラは消去法的に3つ目の案を実行する事にしました。

 

「スミマセン。死んだ母の墓参りをしていたら招待状が風に飛ばされてしまって…。それを追いかけていたらこんなに遅れてしまって…。」

シンデレラは泣き真似をしました。警備員は少し顔をしかめました。

「追いかけていたにしてはドレスがキレイだな。本当の話なのか?」

シンデレラは冷や汗をかきました。その時、もう一人の警備員が言いました。

「こんな美人で高貴な人が嘘なんてつくわけ無いだろ?」

「そうだな。失礼しました。あなたのような高貴な方が嘘なんて言うわけないですね。どうぞ、会場へお入りください。」

 

こうしてシンデレラは罪悪感を感じながら会場に入ることが出来ました。

 

 シンデレラが大広間に入ると、誰もがそのあまりの美しさに見とれて、あたりがシーンと静まりました。

 それに気づいた王子さまが、シンデレラの前に進み出ました。

「よろしければ、ぼくと踊っていただけませんか?」

 

 シンデレラは、ダンスがとても上手でした。

 シンデレラをとても気に入った王子さまは、ひとときもシンデレラの手を離しません。シンデレラの髪から灰の匂いがしましたが、そんなことは些細な問題です。

 夢の様な楽しい時間は、あっという間に過ぎて、気がつくと十二時十五分前です。

「あっ、いけない。・・・おやすみなさい、王子さま」

 シンデレラはていねいにおじぎをすると、急いで大広間を出て行きました。

 

シンデレラが屋敷を出ると、そこにいるはずの馬の姿が見えませんでした。他の参加者の場合は御者が馬が勝手に走り出さないようにいさめながら外で待っているのに対して、シンデレラの場合は御者を道ばたに捨ててしまったから馬が逃走してしまったのです。馬での逃走が図れないことを瞬時に理解したシンデレラは自力で走って逃走することに決めました。

 

「あぁもう、このクツ走りにくすぎ!」

そう言ったシンデレラはガラスのクツを脱ぎ捨てて、裸足で走り去っていきました。王子さまはものすごい速さで走り去っていったシンデレラの背中を見つめながら言いました。

「ぼくは、あのさっき走り去った娘と結婚します」

 

次の日から、娘の捜索会議が開かれました。

「なぜだ!?なぜ受け付け名簿に彼女の名前が無いんだ!!」

娘の捜索リーダーを任された人物はそう言って、その時の警備員に詰め寄りました。

「もしかして、あの時のイケメンの娘のことですか?」

「イケメン・・・?とにかく舞踏会の最後に走り去った娘のことだ!」

「あの娘なら、招待状を持っていなかったので受け付け名簿に記名しませんでしたよ。」

「なぜ招待状を持っていない者を入れた!?」

「なんか訳ありっぽかったので・・・。」

「お前ら役立たずか!」

 

捜索は難航しました。名簿以外に個人を特定するものがないからです。娘の捜索班全員があきらめかけた時、お城の周りで娘の手掛かりになりそうなものを見つけました。そう、あの趣味の悪いガラスのクツです。

 

 次の日から、お城の使いが国中を駆け回り、手がかりのガラスのクツが足にぴったり合う娘を探しました。(通称:イケメン捜索)

 

すると、対象の人物がシンデレラを含め十数人に絞られました。しかし、それ以上の絞りこみが出来ませんでした。捜索リーダーは苦渋の決断で王子さまの御前にその十数人を集めることにしました。

 

王子さまはその十数人の娘を見比べました。そして王子さまがシンデレラの前に立ったとき、彼は体中から灰の匂いをさせているシンデレラこそが探し人だということに気が付きました。

 

 

こうしてシンデレラと王子さまは結婚し、シンデレラのお父さんは王子さまの義理の父親になったため更にヒモ男生活が充実しましたとさ。

 

                      おしまい



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