帝side
カタカタとキーボードを叩く音が、部屋の中に木霊する
俺は今、昨日に貰って帰ってきたアルケイデス隕石を暇だからという理由だけで家の地下に作った研究施設で解析していた
帝「……ふぅ、まだ
現存する
帝「ま、今日のところはここまでかな。篭りっきりってのも良くないし、眼にも悪いし」
座っていたデスクチェアの背もたれに体重を預け、弓の弦のように体をピンと張って、伸びをする
昼間にカップ9分目くらいまで入れていたコーヒーも、残り1分となっていた
帝「……作業に没頭し過ぎるというのもよくないな」
そろそろ上に上がろうと思い、カップの中のコーヒーを飲み干し、集中する為に付けていた伊達眼鏡を外して、自動ドアの前へと歩みを進めた
帝「しかし、どうしたもんかねぇ……首のコレをどうにかしない限り、
軽くグロテスクな光景を想像して思わず両腕を抱えて身震いを起こした
地上へと上がる階段を上りきり、そのまま俺は自室に直行し、いつもの無地の白いシャツに、藍色のズボン、黒い半袖のパーカーを着て、財布とケータイをポケットに入れた
そして部屋の外に出ると、向かい側の部屋をノックする
帝「リアスーいるかー?」
リアス「あらエミル、どうしたの?」
帝「えっとさ、今日の料理当番って俺とリアスじゃん?食材も少し足りないし、もしよかったら一緒に買い物行かないか?」
リアス「そうね……いいわ、行きましょう。少し待っててくれるかしら?」
帝「了解。玄関で待ってるよ」
そして玄関で数分待っていると、リアスが準備を終えて、こちらに来たので、一緒に外へ出た
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リアス「……ねぇエミル、ジャンヌからの告白……受けたりした……?」
帝「……受けた。つい最近に」
家を出てから数十分後に、唐突にリアスから聞かれた
リアス「そう、やっぱり……エミル、ジャンヌの告白、あなたさえ良ければだけど……その……受けてあげて……?彼女、女の子として碌な人生を送れなかったし……独房に入れられていた時だって……その……性的な暴力も受けてたみたいだし……本当の愛をあの子に教えてあげて欲しいの。相談を受けた者として、あの子の勇気は報われるべきだと思うの」
帝「……わかってる。どうであれ、俺みたいな奴に好意を寄せていてくれたんだ。俺もできるだけ、ジャンヌの期待に応えたいと思ってる。それに普通の女の子みたいに生きて欲しいって言ったのは俺なんだ。それに、最終的な答えは2通りある。もう少しだけ考えても罰は当たらないと思うが」
それから、俺とリアスはなんだか気不味くなって黙り込んでしまった
帝「……ま、まぁとにかく、この話は一旦ここまでにしよう!折角この世界最大のデパート、パルマコスタマーケットに来てんだし!」
まぁ、読んだままの通りなんだが、俺とリアスはパルマコスタに来ている
今晩のご飯は魚介類にしようと思い、漁業が盛んなパルマコスタに来た訳で、ロイドとかに聞くことによると、俺がこの世界を去る間際に、造られていたらしい
リアス「そ、そうね!それで今日はどんな魚を使うのかしら?」
帝「海鮮丼でも作ってみようかと思うんだけどどうかな?」
リアス「そうね、いいんじゃないかしら。じゃぁ次は具材だけど、一般的に知れ渡っているような物にする?それとも新しい発見を求めて冒険する?」
帝「んー……そうだな……よし、皆には悪いが少し冒険をさせてもらおう!
……え……?」
気が付いたら、俺の体は宙に浮いていた
後ろを振り返ると、俺たちを赤い地獄が襲った
帝「リアス……リアス……リアス!」
名前を呼んでも、返事が返ってこない。しかし、動こうにも火が視界を妨げるせいで全く見えない
帝「チッ!クソったれがぁぁぁ!!!!」
咆哮を上げ、手元にリベレーターを呼び、それを振るって剣圧で火を消し飛ばす
そしてその先に見えたのは、立ち揺らめく炎の中であろうとも目立つ紅の髪
帝「リ、リアス!!」
慌ててリアスの元へと駆け寄り、乗っかっていた瓦礫を押し退け、一応他の生存者がいないか、微粒子レベルの細かい魔力をこの建物内全域に飛ばした
う、嘘……だろ……!?
帝「生存者……無し……!!??」
この魔力は息をする時の僅かな動きでも読み取れる。でもそれが読み取れない……つまり……!
リアス「エ、エミ……ル……」
帝「リアス!喋るんじゃない!傷口が開くぞ!」
急いで腰に手を回すが、今は私服であるため、腰にポーチなどはなかった
帝「クッソッがッ!!!!なんだってこんな時に限って!」
リアス「ごめん……なさい……場違いだとは……思う……けど……なんだか少し……眠く……なって……来たの……」
頭から血を流しながら、リアスは弱々しくそう呟いた
帝「おい……や、やめろ!まだ……まだ生きれるだろ!」
リアス「ごめん……なさい……本当に……ごめんな……さい……」
そう言って、リアスはゆっくりと眼を閉じる
帝「……おい……起きろよ……リアス……起きろよ……リアス……なあ……!俺たち……まだやってないこと……たくさんあるだろ……!クリスマスだって一緒に過ごしてないし、バレンタインチョコだって貰ってない……!ホワイトデーだって絶対に返すよ……!それに、まだ……まだ……まだ俺たち、結婚だってしてないだろ!なぁ、起きてくれ!頼む……頼むよ!他の人がどうなろうと……世界がどうなったっていい……!だから……神……様……リアスは……リアスだけは……せめてリアスだけは救ってくださいッッ!!!!なんだろうと差し出します!能力であろうと、記憶であろうと、命だろうと!だから……だから……!」
柄にもなく涙をボロボロと落としながら、嘆き、叫んだ
帝「だからもう……
「クハッハハハハハハハハ!!!!どうだ!我からの贈り物は気に入ったか?奴隷よ」
聞き覚えのある、憎くて憎くて仕方がない声が響いた
ヴェル「おっと、その様子だと、恋人を亡くしたのか?クックックッ、それはご愁傷様だなッ!!!!????」
ヴェルフリートがそう言ったあとに、途轍もない衝撃音がヴェルフリートの足元から響いた。俺の飛ばした神淵剣だ。その速さは光をも超え、最早眼に見えない速度にまで至っていた
帝「……た……え……うのか……」
赤黒いオーラを身に纏い、ゆっくりと立ち上がる
帝「また……お前は奪うのか……自身の勝手な理由で……何の罪もない人間を……俺の仲間を!!!!!!!!」
瞬間、俺の姿は消え、一瞬にしてヴェルフリートの腸を拳で抉った
ヴェル「グブッ……アッ……!?」
帝「おら、立てよ……まだ命は腐るほどあるんだろ!なぁ!」
ヴェルフリートの髪を掴み、上に引っ張ることで強制的に立たせる
帝「ほらどうした、それでも仮に元精霊神サマの
ヴェルフリートを思いっきり殴り飛ばし、壁に衝突させた
ヴェル「ク、ククククク……まだ終わりだと思うな……これで終わりだ!」
ヴェルフリートはそう言うと、幾重にも魔法陣を展開させ、それを重複させると、リアスの元へ放った
そしてそのあとに、巨大な爆風が俺の元にも届いた
帝「な……な……な……」
また……俺は守れなかった……
現在の状況に絶望していると、ふと、頭の中に声と呪詛が聞こえた
〈力が欲しいか?憎き敵を討ち滅ぼす力が〉
ああ、欲しい、欲しい!
〈じゃあこの呪文を唱えて?そうすれば君は……〉
〈〈全てを代償にしてあの敵を討ち滅ぼす力を手に入れることができるであろう!!〉〉
殺すんだ……殺すんだ……殺すんだ殺すんだ殺すんだ殺すんだ殺すんだ殺すんだ殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロスコロス!!!!!!!!!!!!グッチャグチャニシテコロス!!!!!!!!!!!!!!!!
帝「ーー我、目覚めるは……」
今この時を以って、災厄が再びこの世界に舞い降りた
To be continued.