俺の家族は天才だ。姉の千冬さんは武力なら、その中でも剣道は世界クラスだと思う。
兄の晴矢は頭がいい。それしか言いたくない。
両親はいない。自分の荷物だけを持って逃げたのだ。その中に妹のマドカもいたのだ。その時、兄も姉も家には居らず、俺ひとりで家の中をずっと探していた。
結局、1日中探しても居なかった。俺は姉や兄よりもマドカと仲が良かったのだ。だから、居なくなったと実感した時は絶望を感じた。
マドカを失ってから、さらにいじめが激しくなった。
元々兄の友人なるものからいじめにあっていたのだが、マドカが俺を守ってくれていた。マドカは俺のことを
「姉さん。」
と呼んでくる。俺は男なのにと思いながらも、守ってくれることに感謝をしていた。
そして、いじめられていることを千冬さんに知られ、俺は篠ノ之道場に行かされることとなった。
俺は剣道を嫌々行かされている。そこは、姉や兄も通っている道場で俺は、そこでずっと見ているだけをしていた。
そんな毎日を送ってると、1人の女の子がこっちを見てくるのに気づいた。
篠ノ之箒ではないことは一目瞭然だ。篠ノ之箒は兄である晴矢にべったりであるからだ。
篠ノ之箒ではないとすると、篠ノ之束であることがわかった。テレビで見た事はあった。今年、行われる第1回モンド グロッソで日本代表をつとめる姉の親友だ。
「君は、どうしてそこにいるの?」
彼女から聞かれた初めての言葉だった。
「俺は来たくて来たわけじゃないから」
ニコニコしながら近づいてくる彼女に警戒しながら不器用にそう答えた。
「暇だったらさ、私のラボに来ない?」
俺はその誘いが何の意味をなしているかはわからなかったが、頷いた。
俺は彼女のラボに到着すると彼女はすぐに俺を拘束した。
「い、いきなり何をするんですか!」
俺は束さんのやったことに驚きが隠せず、怒りもあらわにし、怒鳴るように言った。
「君に興味があったからさ。女の子なのに、男の格好をした織斑一夏ちゃんにさ」
バレた....俺の顔が一瞬変わったのを束さんは見逃さなかった。
「なんで、バレたって思ってる?そんなの簡単だよ。不自然にだぼついた服装。男の子にしては高すぎる声。それに、中学生なんだから胸の発育だってあるんだからね」
「お、俺が女だからなんなんですか?」
声が震えていたのは覚えている。それ以降の質問はあんまり、覚えていなかったが最後にされた質問だけは今でもはっきりと覚えてる。
「ってことなんだけど、いっちゃんは私と一緒にいる気はない?」
質問の意味がわからなかった俺に束さんはわかりやすく言った。
「私は今、世界から逃げてるんだけどね。ちゃんとした食事をしてないんだよね...だからさ、私のところで私の為に美味しいご飯をつくってくれないかな?」
告白だ。女の俺に女の子である束さんが告白をしてきたのだ。俺には家族なんて呼びたくない人達のいる家より、俺のことを知ってくれる束さんのところにいたいと思い首を縦にふった。
まだ、一夏の記憶喪失も束さんとのイチャイチャもまだなのですが、3話以内にイチャイチャを入れていきたいと思います。