インフィニット・バリアンズ   作:BF・顔芸の真ゲス

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ドルベ「済まない、滅茶苦茶遅れて本当に済まない……」
ベクター「悪い、色々と忙し過ぎて遅れちまった。これからも不定期になると思うから、気長に待ってくれると助かる」


ep27 青き瞳の龍

side一夏

 

 

 

真耶「皆さん、おはようございます!」

 

『おはようございます!』

 

黒咲さんと鈴が謹慎になった翌日、俺達はいつものように学校に行っていた。

 

真耶「それでは出席を……あれ?オルコットさんと真月君は居ないんですか?」

 

秋介「ん?そういや居ないな。体調でも崩したか?」

 

一夏「いや、あの二人は本社の方に行ってる。セシリアの専用機を用意するんだとさ」

 

真耶「ああ、そういえばそんな話してた気がしますね。それじゃあ二人は欠席ですね」

 

秋介「専用機を?……ああ、そういや壊れたんだっけ?」

 

そう言って秋介は壊した張本人であるミザエルさんの方を見た。しかし当のミザエルさんは寝ているのほほんさんを起こそうと必死で秋介の視線には気がついていない。

 

真耶「まあそれはもう良しにしましょう。あ、あと黒咲君と鳳さんが昨日アリーナを使い物にならないくらい破壊したので、しばらくの間ISの貸し出しとアリーナの使用は出来ません」

 

秋介「何やってんのアイツ等!?」

 

ISの貸し出しも無しか、まあ借りても練習する場所が壊れてるんじゃ意味無いしな。

 

真耶「現在二人は謹慎処分を下されて部屋にいるので、二人に何か用事がある場合は先生達か同室の人に頼んで下さいね!それでは朝のホームルームを終わります!一限目の用意を……」

 

一夏(本社の人って個性的な人多いんだよな。零の奴は平気だけど、セシリアは大丈夫かなぁ?)

 

山田先生の話をぼんやりと聞きながら、俺は本社に戻った二人の事を考えていた。

 

 

 

side真月

 

 

 

一夏達が朝のホームルームをやっている頃、俺とセシリアはアークライトカンパニー本社に向かう為にある場所に向かっていた。

 

セシリア「あの、零さん?」

 

真月「ああ?何だセシリア?」

 

セシリア「わたくし達アークライトカンパニー本社に向かっているんですよね?」

 

真月「ああ、そうだが?」

 

セシリア「何故学園の校舎裏に来ているんですの?」

 

セシリアの疑問は尤もだ。今俺達はアークライトカンパニー本社ではなく、IS学園の校舎裏に向かっている。

 

真月「なあセシリア、アークライトカンパニーが結構デカイ会社っていうのは知ってるよな?」

 

セシリア「馬鹿にしていますの?篠ノ之束博士以外で初めてISコアの製造に成功し、尚且つそれを男性でも扱えるように改良するという偉業を成し遂げた会社……。それを知らない訳が無いじゃないですか」

 

真月「そう、ウチはかなりビッグな会社だ。だから当然俺達を良く思わない奴らもいる。例えば、女性権利団体とかな」

 

そう言ってようやく、セシリアは俺が言いたい事を理解したらしい。

 

セシリア「ああ、尾行を警戒しているのですね?でもそれで何故校舎裏に来たんですの?」

 

真月「ああそうか、肝心なそれを言い忘れてたな。此処が待ち合わせ場所なんだ」

 

セシリア「待ち合わせ場所?此処が?」

 

真月「ああ。もうそろそろVの奴が迎えに来る筈なんだが、まだ来てねえみたいだな」

 

セシリア「いや、何でよりによって学園内を待ち合わせにするんですの!?」

 

真月「そりゃ誰にも見つからない為だろ。……お?来たみたいだな」

 

セシリア「いや、どこにもそれらしき人は……!?な、何ですのアレ!?」

 

セシリアが驚愕の声を上げて指さした先には、光の穴があった。俺達の世界ではお馴染みのゲートだ。

 

V「済まないベクター、会議が長引いて遅れた」

 

真月「ククク、気にすんな。俺達も丁度今来た所だ」

 

セシリア「いやいやいや!何で普通に会話出来ますの!?明らかに異常な事が起きてましたよね今!?」

 

真月「異常?何処だ?」

 

セシリア「全てですわよ!?そこの青髪の方は誰ですの!?というか何ですかあの光の穴は!?」

 

真月「何だそんな事か。コイツはクリストファー・アークライト、ウチの会社のトップだ。んであの光の穴はコイツが紋章の力で作ったゲート。これを使えばどんなに離れた場所にもすぐ行けるのさ」

 

セシリア「……真月さんの会社は怪物みたいな方ばかりなのですか?」

 

真月「安心しろセシリア、俺の部下になった以上お前もすぐにこちら側(人外)の仲間入りだ」

 

セシリア「全然嬉しくありませんわよそれ!?」

 

青い顔をしながらそう言うセシリア。こいつも数少ないツッコミ役になりつつあるな。

 

Ⅴ「……ベクター、そろそろ良いか?慣れているとはいえ長時間ゲートを開け続けているのは疲れる」

 

真月「おう、悪い悪い。んじゃあ、久しぶりに本社に戻るとしますか。ついてこいセシリア、これに入れば本社はすぐだ」

 

セシリア「……身体の一部だけ目的地に到着とか有りませんよね?」

 

そう言って若干不安そうについてくるセシリアと共に、俺とVは本社へと向かった。

 

 

 

ゲートに入って数秒、カップ麺に湯を入れるよりも早く俺達は本社に辿り着いた。

 

真月「ほれ、着いたぞ」

 

セシリア「四肢は……良かった、ちゃんとついてますわね。それで、此処がアークライトカンパニーですか。大体四、五階建てですか。大して大きくないのですね、数十階建てを予想していたので意外ですわ」

 

真月「その分地下に伸びてんだよ。今見えてるのは本社の先っちょでしかねえよ」

 

セシリア「成る程、地下に伸びているのですか。ちなみにこの会社、社員はどれくらい居るのですか?」

 

真月「数えてないから詳しくは知らんが、百人も居なかったと思うぜ?」

 

セシリア「そんな少人数でやってけてるんですかこの会社!?」

 

真月「社員一人一人が優秀だからな。一人が普通の会社員十人分の働きをする。お前もウチに入ったからには他の奴らと同じくらい働いてもらうぜ」

 

セシリア「……わたくし、もしかしてとんでもないブラック企業に入ってしまったのでしょうか?」

 

Ⅴ「雑談するのは本社に入ってからにしてくれないか?君達は地下のラボから専用機を選びに来たんだろう?」

 

真月「へいへい、それくらい分かってますよ。そんじゃあセシリア、ラボに案内するからついてきな。はぐれたら置いて帰るぞ?」

 

セシリア「子供でもあるまいし、はぐれたりなどしませんわよ」

 

Ⅴ「ベクター、私は今から中国政府の人間と話があるからここでお別れだ。案内は他の人間に頼んだから後は任せたぞ」

 

真月「中国だあ?何でそんなトコと話する流れになってんだよ?」

 

V「詳しい事はまたいずれ話す。今は当初の目的であるセシリア・オルコットの専用機選びをしろ」

 

真月「へ〜い。んで、その案内役ってのは一体何処の何奴なんだ?」

 

V「それならもうすぐ「零兄ちゃ〜ん!」……来たみたいだな。後はあの二人に任せる、それではな」

 

そう言ってⅤはその場を去って行き、入れ替わるように二人の子供が俺とセシリアの前に来た。

 

???「久しぶり零兄ちゃん!大体一ヶ月振りかな!」

 

真月「いや、一ヶ月ならそんなに久しぶりでも無いだろ。それはそれとして、ただいまだな龍亜。元気にしてたか?」

 

龍亜「うん!俺も龍可も元気一杯だよ!ほら、身長も少し伸びたんだ、ググーンとね!」

 

龍可「……五月蝿い、黙って龍亜。ついでに呼吸も止めて、一時間くらい」

 

龍亜「龍可ちゃん辛辣過ぎィ!?ま、龍可が辛辣なのはいつもの事だから別に平気だけどね!」

 

龍可「……チッ!」

 

龍亜「……兄ちゃんはね、舌打ちはレディがするもんじゃあ無いと思うの」

 

龍可「生まれたのがたった数分早かったくらいで兄貴面しないで欲しいんだけど」

 

龍亜「グハァッ!?い、今のは少し効いたよ龍可ちゃん……」

 

そう言って涙目になる龍亜を見て少しニヤリと笑う龍可、これはこの二人が一日に一回は必ずやる兄妹漫才だ。

 

この二人は双子だ。生まれてすぐに両親に捨てられ、それ以降二人だけで生きていたのだが、一年前に偶々出会った俺が引き取って一緒に生活していた。

 

兄の龍亜は兎に角元気な性格で、その性格が災いしてよく怪我をしている。

 

妹の龍亜はあまり感情を表に出さない性格で、基本的に無表情だ。口数もあまり多い方では無く、アウトドア派の龍亜と違って読書を好むインドア派だ。

 

セシリア「真月さん、この二人は一体……?」

 

真月「ああ、そういやお前が居たんだったな。こいつらは俺の弟と妹だ。ほら、自己紹介しろお前ら」

 

龍亜「はーい!俺は真月龍亜!趣味はプラモ作成で得意な科目は体育!あ、あとロボットが大好きなんだ!」

 

龍可「……真月龍可。趣味は読書。ジャンルは童話。好きな童話は白雪姫」

 

セシリア「自己紹介ありがとうございます。わたくしの名前は「セシリアさんだよね!」あら、わたくしの事知ってますの?」

 

龍亜「うん!クリスさんに案内を頼まれた時に教えて貰ったんだ。専用機を取りに来たんだよね!」

 

セシリア「ええ、ラボにある機体から好きな物を選べと零さんに言われました。それで、ラボにはどれくらいの機体が有りますの?」

 

龍亜「どれくらい?うーん……ねえ龍可、ラボってどれくらいISが有るんだっけ?」

 

龍可「……大体二百機くらい。その内の八割がフレームだけのコア無し。それを選んだ場合は後からコアを用意する」

 

龍亜「おおー!流石龍可ちゃん、記憶力バツグン!」

 

セシリア「いやちょっとお待ちになって下さいまし!?二百機!?多過ぎませんかそれ!?世界で一番多くISを保有しているアメリカでも百機程なのにその倍も作ったのですか!?」

 

龍可「作っただけ。実際に使ってるのはその内の扱い易い二割くらいだけ。ウチの技術者は腕は良いけど変人ばかりで扱い難い機体ばかり作るから使える機体が限られて困ってる」

 

セシリア「……わたくし、専用機を選ぶのがかなり不安になってきたのですが」

 

龍亜「大丈夫だよセシリアさん!変人が多い技術者の中にもマトモな人は居るから平気だよ!」

 

セシリア「その言い方だと変人の方が多いように聞こえますが……?」

 

真月「まあ、実際変人が殆どだから覚悟しとけ。そら、とっとと専用機取りに行くぞ」

 

そう言って俺達はラボへと向かった。

 

 

 

???「おおおおォォォォ!!ミサイルポッド、グォレンダァ!!!」

 

???「ほ〜ら、良い子だね〜!ほら、此処が気持ち良いんだね〜?僕がすぐにキレイにしてあげるからね〜」

 

???「アァァクセルシンクロォォォォ!!!」

 

セシリア「……あの、帰って良いですか?」

 

真月「気持ちは痛い程分かるが、耐えろセシリア」

 

ラボはカオスで満ち溢れていた。血走った眼で機体にミサイルポッドを大量に積んでいく男、字面だけだったら通報必至な言葉を口にしながら機体を整備する男、赤く発光しながら大声で叫ぶ男、たった三人の男達によってこの空間はカオスそのものに変貌していた。

 

龍亜「……紹介するね。この人達がウチの技術者だよ」

 

そうやって龍亜が引き気味に三人を指差すと、その内の一人、顔の右半分に包帯を巻いたカニ頭の男が此方に気づき、近寄って来た。

 

ダニエル「龍亜、龍可、それに零も、来ていたのか。それで、彼女が例の新入りか?」

 

セシリア「あ、はい、つい先日ここに入ったセシリア・オルコットと申します」

 

ダニエル「そうか、俺はダニエル。不動ダニエルだ、宜しく頼む」

 

セシリア「ダニエルさん、ですか?でも貴方はどう見ても純日本人に見えるのですが……」

 

ダニエル「良く言われるが、俺はハーフだ。後顔の包帯は気にしないでくれ。昔負った火傷の痕が酷くてな、それを見えないようにしているんだ」

 

セシリア「そうなのですか、宜しくお願いしますダニエルさん。それで、後の二人は?」

 

ダニエル「ああ、済まない。二人の紹介がまだだったな。亮!ブルーノ!ちょっとこっちに来てくれ!」

 

ダニエルがそう言って呼び掛けると、奥にいた二人が作業を止めて此方に近寄って来た。

 

ダニエル「紹介しよう、こっちの青い髪の奴がブルーノ、そしてもう一人のこいつが丸藤亮だ」

 

ブルーノ「宜しくね。機械弄りは得意だから、機械の事ならいつでも相談してよ」

 

そう言ってブルーノは笑顔でセシリアと握手をした。こいつ、機械弄ってる時以外はマトモなんだよなぁ。

 

セシリア「はい、宜しくお願いしますブルーノさん。それで、丸藤さん、でしたよね」

 

そう言ってセシリアはもう片方の人間、亮に話しかけるが、当の本人は全く反応をしない。

 

真月「おい、どうしたパワー馬鹿?」

 

亮「丸藤亮……?ククク……違う!今の俺は、ヘルカイザー亮だぁ!!」

 

セシリア「……はい?」

 

真月「……ああ、いつもの発作か」

 

龍亜「ねえ龍可、これ大丈夫?」

 

龍可「……いつものバカイザーモードでしょ、気にかけるだけ無駄」

 

亮「ハハハハハ!相手へのリスペクトなど無意味!世の中力こそが全て!勝者が正義だ!だから、俺は!勝利をリスペクトするっ!」

 

大声で笑いながらそう叫ぶ亮を見てドン引きするセシリア。こいつはウチの社員の中でも上位に入る部類の変人だからな、引くのも無理は無い。

 

セシリア「あの、零さん?この方は一体どうしたのですか?」

 

真月「気にすんな。普段は此処まで酷くはないんだが、なんかストレスが溜まるとこうなるんだ。おいダニエル、今回は何でこうなった?」

 

ダニエル「ああ、亮はさっきまで凌牙とデュエルしていてな。せっかく出したサイバーエンドが奈落であっさり除去されて、こうなった」

 

真月「餓鬼か!」

 

セシリア「あの、わたくしの専用機、ホントに大丈夫なんですか?」

 

真月「問題ねぇよ。さっきも言ったが、こいつらは変人だが腕は確かだからな。おら、とっとと専用機見せろ!」

 

ダニエル「分かった。先に聞いておくが、機体について何か注文はあるか?」

 

セシリア「そうですね、射撃メインの機体が良いですわ」

 

ダニエル「分かった。今から機体を紹介する、気に入った奴が有ったら言ってくれ」

 

そう言ってダニエルはポケットからリモコンらしき物を取り出し操作し、天井のスクリーンを下ろし、プロジェクターを起動した。

 

ダニエル「射撃メインの機体なら数多く揃えているが、俺のおすすめはコレだな」

 

ダニエルがそう言うと、スクリーンに弓を構えたオレンジ色の機体が表示された。

 

ダニエル「『ジャンクアーチャー』、弓による射撃がメインの機体だ。射撃の威力も高く、発射速度も速い、バランスの良い機体だ」

 

真月「おお、テメェ等にしては中々にマトモな機体じゃねぇか」

 

ダニエル「その言い方だと俺達が普段はマトモな物を作っていないように聞こえるが……」

 

真月「事実だろうが。んで、どうだセシリア?コレ、気に入ったか?」

 

セシリア「う〜ん、性能は素晴らしいのですが、わたくし弓の経験が皆無でして……」

 

ダニエル「そうか、ならばこれはどうだ?」

 

そう言うと画面が切り替わり、龍の様な形をした黒い機体が表示された。

 

ダニエル「『真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラックドラゴン)』、機体性能が高く武装無しの素手でも大抵の機体と渡り合える。だがこの機体一番の目玉は単一能力にある。レッドアイズの単一能力である『黒炎弾』は連射が出来ない分威力が高く、直撃させれば一撃で相手のシールドエネルギーを削りきる事が出来る」

 

真月「ほう、そりゃ凄い。それで、んなモン喰らった操縦者は大丈夫なのか?」

 

ダニエル「いや、計算した所、十中八九絶対防御貫通して死ぬ事が分かった」

 

真月「駄目じゃねぇか!?」

 

セシリア「……本当に大丈夫なのですか?」

 

真月「大丈夫、な筈なんだけどなぁ……」

 

正直不安しかない。こいつらの作る機体は趣味十割で作られるから本当に困る。

 

ブルーノ「よし、今度は僕が紹介しよう!コレなんかどうかな?」

 

そう言ってブルーノはダニエルからリモコンを受け取り、スクリーンの表示を切り替えた。

 

ブルーノ「『マシンナーズ・フォース』、ソルジャー、ガードナー、スナイパーの三体合体によって誕生する浪漫溢れる合体ISさ!」

 

セシリア「合体IS!?そんな物作ったんですか!?」

 

ブルーノ「驚くのはまだ早いよ!この機体の長所は遠近中どの距離でも問題なく戦えるオールマイティさ!そして圧倒的なパワー!単純な力だけ見ればミザエル君のタキオンドラゴンさえ倒せるのさ!」

 

セシリア「それは凄いですね……。ですが、コレは一人では使えないのでは?」

 

ブルーノ「うん、使えないよ!これ三人居ないと合体出来ないからね!」

 

真月「やっぱ駄目なんじゃねぇか!?」

 

セシリア「じゃあ何故紹介しましたの!?」

 

ブルーノ「あはは……、ごめんごめん」

 

亮「次は俺だぁ!ヘルカイザーの力を見るがいい!『キメラティック・オーバードラゴン』!」

 

バカイザーの叫びと共に画面が切り替わり、ヤマタノオロチのような姿をしたおよそISと呼び難い何かがスクリーンに表示された。

 

セシリア「あの、これは一体……?」

 

亮「説明しよう!この機体はパワーだけをひたすら追い求めた結果生まれた俺の最高傑作!無数の頭部から放たれる熱線は敵のシールドエネルギーを貫き敵操縦者を一瞬にして蒸発させ、胴体に積まれた計六基のミサイルポッドが撃ち漏らした敵を焼き尽くす!最大最強のISだ!」

 

セシリア「ただの破壊兵器じゃないですか!?」

 

真月「却下に決まってんだろ!」

 

亮「何故だああぁぁぁぁぁぁ!?」

 

真月「逆に如何して大丈夫だと思ったんだお前は……。もういい、紹介はいいからカタログ見せろ。セシリアに直接決めさせる」

 

そう言ってダニエルからカタログをひったくり、俺はセシリアに選ばせる事にした。

 

セシリア「……かなり有りますわね。何にするか迷いますわ。零さん、少し時間がかかりますがよろしいですか?」

 

真月「構わねえよ。ゲテモノ機体ばっか用意したこっちに非があるからな。どうせ学校には休むって伝えたんだ、ゆっくり選べ」

 

そうセシリアに伝え、俺は龍可と龍亜と話をして時間を潰す事にした。

 

真月「他の奴らは元気か?あのニートはスコールの胃に負担かけてないか?」

 

龍亜「ジャックは相変わらずニートしてるよ!スコールさんは最近病院に通い始めた!」

 

龍可「……マドカがストレス溜まってる。近いうちに戦闘させた方が良い」

 

真月「……予想はしてたが、酷いもんだな。レジスタンスの奴らは?」

 

龍可「……前よりのんびり出来てる。黒咲さんがいないのが大きいんだと思う」

 

龍亜「遊矢兄ちゃんもユーリ兄ちゃんも最近は大人しいし、レジスタンスの方は結構平和だよ」

 

どうやら黒咲以外の問題児は大人しくしているらしい。黒咲居なくなるだけで大分違うんだな。

 

真月「後でレジスタンスの方にも顔出すか……。おいセシリア!まだかかりそうか?」

 

セシリア「もうそろそろ決まりますわ。……ふむ、これなんて良いですね」

 

そう言ってセシリアはダニエルにカタログを返し、リモコンを操作し画面を切り替えた。

 

切り替えられたスクリーンには青い瞳が特徴的なフルスキン型の白い龍の姿をした機体が表示されていた。

 

ダニエル「……む?これは……」

 

???「ふぅん、数ある機体からその『青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイトドラゴン)』を選ぶとは、中々に見る目があるな小娘」

 

セシリア「あら、どちら様ですか?」

 

突然後ろから話しかけられた事に大して驚いた様子もなく、セシリアは声の主の方に振り返りながらそう答えた。

 

???「ふん、この俺を知らないとはな。まあ良い、貴様のような小娘に名乗るなど本来なら有りえん事だが特別に名乗ってやろう。俺の名は……」

 

そう言って声の主は俺たちの前に姿を現した。

 

???「俺の名は……正義の味方カイバーマン!」

 

真月「…………」

 

セシリア「…………」

 

ダニエル「…………」

 

ブルーノ「…………」

 

亮「…………」

 

龍亜「……わー、すごーい」

 

龍可「……馬鹿らしい」

 

その瞬間、世界が凍りついた、ように感じた。

 

カイバーマン「ふぅん、驚いて声も出ないか。まあ俺が出てきたのだから当然だな」

 

真月「いや、ただコメントに困ってるだけなんだが……」

 

セシリア「……えっと零さん、この方は?」

 

真月「俺が説明しなきゃ駄目か?正直面倒なんだが」

 

龍亜「えっと、海馬さん、如何して此処に」

 

セシリア「海馬……、もしかしてミザエルさんのお知り合いですか?」

 

龍可「……海馬瀬人、って聞けば分かると思う」

 

セシリア「海馬瀬人……ああ!?もしかしてあの海馬コーポレーションの社長さんですか!?」

 

海馬「元社長、だ。会社は弟のモクバに任せた。今は新しいゲームの開発をしている」

 

真月「社長の座を退いても仕事してんのか……」

 

海馬「当然だ。俺の人生のロードに終わりは無い。俺が歩みを止めるのは俺が死んだ時だけだ」

 

セシリア「噂には聞いていましたが、本当にアグレッシブな方なのですね……」

 

龍亜「海馬さんは足がある限り前に走り続けるからね〜」

 

龍可「……猪突猛進過ぎる」

 

海馬「ふぅん、俺の事は良い。それより、貴様がミザエルの言っていたセシリア・オルコットか。成る程確かに、ミザエルが認めるだけはあるな」

 

そう言ってセシリアを見つめる海馬。あいつセシリアの事をこいつに話してたのか。

 

海馬「貴様にならこのブルーアイズを任せても良いだろう。それは俺自らデザインした最強のISだ。そのISならば、ミザエルにも対抗出来るだろう」

 

セシリア「あ、ありがとうございます!」

 

海馬「ただしこれだけは言っておく!負けても良い、だがその機体を使って闘いから逃げ、醜態を晒すのは許さん!敗北は次の勝利への糧となる、だから例え勝ち目の無い闘いであろうと絶対に背を向けるな!負けて勝て!」

 

セシリア「……っ!!」

 

海馬のその言葉には重みがあった。いかなる場合においても逃げを選ぶなというその言葉は、セシリアの心の奥底まで響いた。

 

海馬「俺が言いたい事はそれだけだ。今の言葉を絶対に忘れるなよ」

 

セシリア「……はい」

 

そう力強く頷いたセシリアに、海馬は一枚のカードを手渡した。

 

海馬「ふん、ラッキーカードだ。貴様にこのカードをくれてやる。そのカードが貴様を守るだろう」

 

セシリア「あ、ありがとうございます」

 

海馬「言いたい事は全て言った、俺はゲーム開発に戻る。セシリア、その機体を、ブルーアイズを使いこなしてみせろ。クククク、ハーッハッハッハ!!」

 

やたらでかい高笑いを残して海馬は去っていった。

 

……あいつ、結局何しに来たんだ?

 

真月「はあ、どっと疲れたぜ」

 

セシリア「嵐のような方でしたわね…」

 

龍亜「まあ、そこが海馬さんの良いところだし……」

 

龍可「人の話を聞かない所は致命的だけどね」

 

真月「まあ居なくなったやつの事気にすんのは疲れるからやめだ。色々あったが、無事セシリアの専用機も決まったしな」

 

ダニエル「そうだな。セシリア、待機状態のISの形状について何か注文はあるか?」

 

セシリア「そうですね、イヤーカフスのようにして頂けますか?」

 

ダニエル「分かった。調整も必要だから専用機の受け渡しは後日になる。今から色々と準備があるから今日の所は一先ず学校に戻ってくれないか?」

 

真月「おう、そうするわ」

 

セシリア「色々と、ありがとうございました」

 

ダニエル「ああ、二人共、学校生活頑張れよ」

 

龍亜「次はもっといっぱいお話ししようね〜!」

 

龍可「……バイバイ」

 

真月「おう、またなてめーら!」

 

ダニエル達に見送られながら、俺とセシリアはゲートを通って学園に戻った。

 

 

 

side龍亜

 

 

 

龍亜「行っちゃったね〜。ちょっと寂しいかな〜」

 

龍可「……そうね」

 

零兄ちゃんとセシリアさんが居なくなった後、俺は龍可と一緒に本社の廊下を歩いていた。

 

龍亜「あの人が俺たちの後輩になるのか〜。どう龍可?あの人使えるかなぁ?」

 

龍可「……実力は十分。でも精神はまだ未熟。裏の仕事が出来るかはまだ分からない」

 

龍亜「そっか〜。まあそうだよね。『殺し』が出来なきゃ俺たちと同じ仕事出来ないもんね」

 

龍可「……でも兄さんが引き抜いた人間だから、大丈夫だと思う」

 

そうだろう。口にはしないが俺も龍可と同じ意見だ。零兄ちゃんが仲間に引き入れたんだ。俺たちが心配する必要は無い。

 

俺たちをあの地獄から救ってくれた零兄ちゃんの為なら、大好きな龍可の為なら、俺は何だって出来る。

 

龍亜「ごはんまでまだ時間あるし、ゲームでもして遊ぼうか!ルチアーノも誘ってさ!」

 

龍可「……龍亜弱いから嫌」

 

龍亜「龍可ちゃんやっぱ辛辣ぅ!?」

 

そうやっていつものようなやり取りをしながら、俺たちは笑いあった。




次回予告
鈴「セシリアの専用機を選び、学園に戻って来た零。零が部屋に戻ると、見慣れない二人の少女がいた」
「私は獏良天音、宜しくね」
「あ、えと……光焔ねねです。宜しくお願いします……」
鈴「簪の友人らしい二人との出会い、そしてさらなる乱入者の登場が零から安息の時間を奪っていく」
次回、インフィニットバリアンズ
ep28 来訪者達
鈴「あ〜、何もないのは暇ね〜!零、ちょっと組手しない?」
真月「テメェとやったら怪我必至だろうが!」

おまけ〜ラッキーカード〜
真月「そういやセシリア、海馬から一体何のカード貰ったんだ?」
セシリア「ああ、『正義の味方カイバーマン』というカードですわ」
真月「それ単体じゃまるで役に立たねえじゃねぇか!?」
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