亡国機業のスカイウォーカー   作:執筆使い

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家族

ルークが天災のラボに暮らすこととなって2日が経った。やはり彼は相変わらず暴れている。戦いが生きがいだった彼にとって、そこでの暮らしは退屈なことこの上なかったのだった。そして何より彼が気に食わなかったのが

 

 

「またですか...いい加減大人しくしてください。」

 

 

もう一人の同居人の存在だった。彼女はクロエ・クロニクル。ルークと同じく造られた存在である。失敗作の彼女に対する研究員の扱いは最悪。最早人として見られていなかった。そんなある日篠ノ之束が研究所へ襲撃、彼女の気まぐれによってラボに居候させてもらってる身だ。

 

 

「...テメェは憎くないのか?」

 

 

ふと...彼はそんな質問を投げかけた。それは同じ人間の都合で造られたものとして、彼女が何故人間に対して憎しみを抱かないのかという純粋な思いであった。

 

 

「それは人間が...という解釈で構いませんか?でしたら答えはノーです。確かに私を造った連中は嫌いでしたが、今となってはどうでもいいと思ったんですよ。」

 

 

「...あのクソ兎も同じだ。どうせ都合が悪くなれば貴様を捨てるぞ。」

 

 

今まで同じような光景をずっと見てきた。実験で結果を出したら研究員に褒められる。最初はそれが嬉しかった。もっと褒められようと頑張って取り組んだ。だが、それを何回か続けて気付いたのだ。

 

 

「あいつらが見てンのはテメェ自身じゃねェ、結果だけなンだよ。」

 

 

「いくら貴方が客人であろうと、束様の悪口を言うのは許しませんよ。」

 

 

一触即発。少年はいつでも飛び掛かれる体勢に入り、少女は閉じていた両目を開けようとする。子供の喧嘩と侮るなかれ。どちらも一般の子供の身体能力は超えている。もし暴れ出したらひとたまりもないだろう。

 

 

「夕飯できたよ~、あり? どうしたの二人ともそんな互いを見つめ合っちゃって?」

 

 

そんな時だ。二人の(一応)保護者が現れたのは。とはいえ天災は生憎空気を読むことが出来ない。

 

 

「あ、わかった! るーくんくーちゃんの事が好きなんでしょー?」

 

 

神経を逆なでするセリフを言って、火に油を注ぐ天災。

 

 

「テメェ...うぜェンだよ!!」

 

 

苛立ちを隠せないルークは標的を目の前のチビ兎からクソ兎に変える。瞬時に間合いを詰めてそのヘラヘラした顔を潰そうと拳を振るう。しかし、

 

 

ゴン!!

 

 

それが届くことはなかった。普通科学者というのは総じて肉体的な強さは備えてないものなのだが、天災はそんな有象無象とは一味も二味も違う。細胞レベルでオーバースペックな身体能力は二人の人物を除いて世界一である。現に彼が振るった拳は受け止められてそのまま一本背負いを決める。その間2秒であった。

 

 

「も~、お母さんに乱暴しちゃめっなんだから。」プンスカ

 

 

「クソが...ふざけやがって。」

 

 

余りに馬鹿げている。圧倒的な力を見せつけられて尚、生きながらえている彼はそう思うことしかできなかった。

 

 

「じゃ、私は先にテーブルの所に行ってお皿を並べたりするからくーちゃんるーくんをお願いね~。」

 

 

さんざん場の雰囲気を乱した天災はなんの悪びれもせずにその場を離れる。後に残ったのは二人の子供だった。

 

 

「...いい加減学習したらどうですか? このまま暴れた所で何も良くはなりませんよ。」

 

 

「うる...せェ...」

 

 

クロエはしゃがみこんで床に倒れているルークに話しかける。あれほどこっぴどくやられたというのにその眼はまだ凶暴そのものだった。それでも彼女は恐れ一つせず話を続ける。

 

 

「最初は私も戸惑いました。この人を信用して大丈夫なのだろうか? もしかしたらまた捨てられるかもしれないんじゃないか? と。だからある日聞いてみたんです。どうして私なんかと一緒にいるんですか? と。」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ん~、強いて言うなら輝いていたからかな?」

 

 

「輝いている...?」

 

 

「こう見えて束さん人を見る目はあるんだ。なんというか面白そうな人だと輝いて見えるっていうか...ま、安心して。私はそこらの有象無象と違ってくーちゃんと一緒にいるのが幸せなんだ。なんだか娘が出来た感じだしね♪」

 

 

「...娘。」

 

 

「そ、だからお母さんって「それは無理な話ですね」ちょ!? ひどいよくーちゃん...」シクシクシク

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「家族...でしょうか。私はその日から束様といることが一番の幸せとなった訳なんです。」

 

 

「ああそうかい...よーく解った。テメェとお前は絶対に分かり合えない事がな。」

 

 

そういって起き上がるルーク。だが、襲いかかろうとはしなかった。

 

 

「...だけど、少しは言わんとしてる事がわかるかもなァ。」

 

 

そういって顔を赤らめるルーク。それを見たクロエは微笑みを浮かべるのだった。

 

 

「ふふっ、素直じゃないですね。」

 

 

彼の心が少しだけ変わった。そんな気がしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

~オマケ~

 

 

「それじゃあ皆..いただきます!」

 

 

「「いただきます」」

 

 

「るーくんもちゃんといただきますが言えるようになったね~。束さん嬉しいよ。」

 

 

「...なぁクソ兎。」

 

 

「ん? どうしたの? ひょっとしてピーマン嫌いだった?」

 

 

「...お母さんって呼んでいいか?」

 

 

「...るーくーん!!!」ガバッ!

 

 

「ダァァァァァァァ!? 離れろクソ兎?!やっぱやめだ! テメェはクソ兎って呼んでやらァ!!」

 

 

「お二方、お行儀が悪いですよ。」

 

 

 

To be continued...

 

 

 

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