「ここがシンクロ次元か。」
周りの光が納まり周りを見ながらそう呟いた。
「それにしてもなんか殺風景な場所だよね。」
ミエルの言う通り、今俺達がいる場所は窓のある場所にガラスもはめられて無く所々ボロボロになった家、整備されていない道路と言ったあまり人が住みそうな場所ではなかった。
「確かにここは殺風景だな・・・そう言えばユーキ、何故フードを被っているんだ?」
「それ私も気になっていた。」
ユートの言う通り俺はこの世界に来てから頭にフードを被り顔を隠していた。
「これか?どういう訳かこの顔のせいでトラブルに巻き込まれる事が多くてな、まあちょっとした気休め程度にしかならないだろうがな。」
主に榊遊矢に勘違いされているのだが、あいつらこっちでトラブルを起こしてなければいいのだけど。
「それはそうと上を見な。」
俺はそう言って指さすと2人も上を見上げた。
そこには斜めに立てたれた巨大な柱の上に高いビルなどが複数建築されていた。さらにそれが複数ありそれをハイウェイで繋がっていた。
「すごい・・・」
「この様子だとシンクロ次元の人間はあそこに住んでいるだろうな。」
「じゃあここは?」
「使わなくなった廃墟か、もしくは・・・」
そこまで言った瞬間、突如と周りからサイレンの音がし始めた。
しかもそのサイレンの音は次第に近くなり始めた。
そしてそれと共に周りの通路から警察らしき恰好をした集団が現れ俺達を囲みだした。
「こちらはセキュリティだ!お前たちにはトップス領域にその汚らわしい足で勝手に張り込んだ重罪が賭けられている!とっとと大人しく捕まれ!」
集団の1人がマイク越しに俺達に向かってそう叫び出した。
「え!?いきなり何なの!」
「こいつら一体?」
「おそらくこの世界の警察ってところだろ。」
「って事は私達を捕まえに来たって事!?ちょっちょっと待って!私達はまだこの世界に来たばかりで捕まるような事何もしていないよ!」
「待ってくれ!俺達は!何もしていない恐らく人違いだろ!」
「黙れ!貴様らにコモンズが我らセキュリティに指図する事すら重罪だ!」
ユートの言い訳にも全く耳を貸さずセキュリティは一方的に俺達を捕まえようとし出した。
「何よその横暴!」
「やっぱりそう言う事か。」
「どういう事だユーキ?」
「さっきにの続きだが、この廃墟同然の街とあの上の街、そしてさっきこいつらの発したトップスとコモンズ、これらのことから推測できる事は、この世界は身分差別がおこなわれているという事だ。」
「身分差別?」
「言ってしまえば金持ちが偉くて裕福な暮らしと土地を使えるのに対して、それ以外の人間は貧しい生活をするって事だ。」
「そんな事って・・・」
「実際スタンダード次元でもそう言った場所は少なからず存在した。だがどうやらこの世界はそれが当たり前になっているんだろ。さっきこいつらも言ったトップスの領域に無断侵入と言っていた。つまりそれだけ差別が激しいと言った所だ。」
まあそこで何か悪さをしたのなら話は別だけど。そんな事をユートと話していると
「ごちゃごちゃ何を話している!この前の仲間とは違うやつを連れているようだが、そいつの仲間ならお前らも同罪だ!まとめて捉えろ!」
警察いやセキュリティはユートを指をさしながら叫び出した。
「はぁ・・・」
「どうしたユーキ?」
「どうやらこいつら、お前を榊遊矢かユーゴと勘違いしているみたいだ。」
うかつだった。俺は顔を隠していているが同じ顔のユートがいる事を忘れていた。
「なるほど・・・あいつこんな感じで間違えられていたのか・・・」
恐らくユーゴのことだろう。ユートもユーゴをユーリと勘違いしていたのだからな
「それよりどうするのよ!」
どうする?このまま逃げてもバイクや車相手じゃ簡単に追いつかれてしまう。俺一人ならならまだしもさすがにこの状況でこの2人を見捨てるわけにもいかない。ならとる行動は1つ!
「・・・仕方がない。」
俺はそう言いながら俺はデュエルディスクを展開した。
「ほう、我々セキュリティに歯向かうか。さらに罪を重ねるとは愚かだな。ならばデュエルで倒しこいつらを拘束せよ!」
その言葉と共にセキュリティの連中も一斉にデュエルディスクを展開した。
それに合わせてユートとミエルもデュエルディスクを構えようとしたが
「誰がお前らとデュエルすると言った!」
「何?」
「ユート?」
「ユート、ミエル!この状況を打破できる策が1つある。」
「なんだそれは?」
「それは・・・」
「それは?」
俺はカードを取りだすとデュエルディスクにセットした。
その瞬間デュエルディスクから激しい光を発した。
「何だこの光は!?」
突然の事にセキュリティとユート達は目を閉じていた。
俺はユートとミエルの手を取りながら
「逃げるんだ!」
そう言いながら2人を引っ張った。
「「えええええええええええええ!?」」
あまりに予想外の言葉に2人はキャラ崩壊しかねない叫びを発した。
だがそんな事お構いなしに俺は2人を引っ張り走り出した。
「この光に乗じて逃げるつもりか!捕まえろ!」
「ダメです!この光で目を開けられません!」
「くそおおおお!!」
やがて光が納まるとそこにはユーキ達の姿はなかった。
「まだそう遠くに入ってないはずだ!探せ!!」
その言葉にセキュリティ達はバイクや車に乗ると走り出した。
ーーーーー
「・・・・行ったようだな。」
その言葉と共にさっきまでセキュリティがいた場所に3人の人影が姿を現した。
「まさか逃げると言いながら実は近くの家に隠れるとはな。」
あの時、ユーキは2人を引っ張りながら
『すぐ近くの家に隠れる。だから静かにしろ。』
とっさの事に2人は最初は混乱していたけど、すぐに納得すると黙り込んでくれた。
「何も見えない中で”逃げる”と言う言葉を聞けば自然に遠くに行くと錯覚させると言うちょっとした心理戦法だよ。」
まあ念のために実体化せたモンスターを囮に使って足音をごまかしたのもあったのだろうけど。
「それでこれからどうするの?」
「今出て行けばみすみす捕まるよなものだ。だからと言ってこのままここにいても捕まる可能性も高い。」
「じゃあどうするのよ?」
「簡単な事だよ。上がダメなら下を移動すればいいだけの事。」
「え?まさか・・・」
ーーーー
ー???ー
ここは治安維持局。ここではセキュリティの本部である。
「逃走した3人は見つかりましたか?」
「北方面を探索しているデュエルチェイサー193からの報告では見当たらないようです。」
「デュエルチェイサー753から報告には西方面には見当たらないと。」
「南方面を探索しているデュエルチェイサー5103からも発見はないと。」
その報告を上から聞いている1人の男がいた。
その男の名はジャン・ミシェル・ロジェ。セキュリティ。シティの治安を守る治安維持局の長官であり、セキュリティのトップに君臨する男だ。
「そうですか。」
男はそう呟きながら机に置かれたチェスを動かしている。
「彼らには2度にわたって逃走されています。なんとしても捉えなさい。」
「長官!東方面を探索していたデュエルチェイサー9610が逃走者のアジトと思われる場所を発見したと報告が!今モニターを投げます!」
そう言ってモニターに映像が流れるとそこには榊遊矢と頭にM字の刺青をした男がデュエルをしている映像が流れていいた。さらにそれを見ている4人の子供と2人の男女の姿も確認できる。
「やっと見つかりましたか。それも逃走を手助けした連中もいるみたいですね。直ちに全セキュリティに通達し直ちに捉えなさい!」
「了解!」
その後、榊遊矢達はセキュリティの手により捕まるのであった。
ーーー
俺達は近くにあったマンホールの中に入ると下水道をわずかな明かりを元に歩いていた。
「臭い!」
「簡易とは言えガスマスクを着けているんだから我慢しろ。」
とは言ってもさすがに何もつけずにこんな場所を歩けば体に毒であるので簡易の携帯型ガスマスクを2人に渡して歩いている。
「それでこれからどこに向かうんだ?さすがに闇雲って訳ではないだろ?」
「ひとまず下流を目指そうと思う。恐らく都市から最も離れているだろうから。」
最も出口で待ち伏せなんてされたら困るからある程度進んだあたりで地上に出るつもりだとユート達に付け足した。
「それにしても何だったのあいつら!いきなり私達を捕まえようとして!」
ミエルはいきなり襲われたため完全に機嫌が悪い。
「俺達は何とか逃げられたけど遊矢達は大丈夫だろうか。」
対するユートは同じ目に合ったかもしれない榊遊矢達を心配していた。
「今は自分の身を優先しろ・・・とそろそろか。」
歩き始めてすでに1時間近くがたった時に上への出口を見つけて俺は足を止めた。
「ここらへんで一度外の様子を見てくる。もし大丈夫そうだったら出るぞ。」
そう言って俺は梯子を上りマンホールの扉を少しずらして外の様子を見た。
外は入って来た所と同じで壁がボロボロなコンクリート上の家が並んでいた。
俺は下に降りて2人に大丈夫と声を掛けると今度は3人ではしごを上り外に出た。
「う~ん!やっと外に出られた!!」
ミエルは腕を上に伸ばしながらそう言った。
「ふう・・・さすがにずっとかぶってばかりだと息苦しいな。」
俺もずっとかぶっていたフードとマスクを脱いで大きく深呼吸をした。
「それでここからどうするユーキ?やはり隼達と合流すべきか?」
「いや、さっきの事からもこの世界について何も知らない状態で動き回るのは危険だ。まずはこの世界について情報を集めるのが先だ。」
「私もあのセキュリティってのに追われるのは嫌だからそれでいいよ。」
「そう言う訳だ。ひとまず移動するぞ。」
俺達が移動しようとしたその時
「そこの君達!」
俺達を呼び止める声がした。
振り返るとそこにはボロボロの赤い服を着た褐色の肌に白髪の男がいた。
まさかセキュリティに追われているのに気づいて俺達を捕まえる気か?
俺は警戒心を持ちながらデュエルリンクスを構えた。
「今ユーキと言ったか?」
しかし男が発したのは以外にも俺の名前だった。
「っ!何故俺の名を?」
俺はこの世界に来てまだそんなに時間は立っていない。なのに何故この男は俺の名を知っている?
ん?まてよ・・・
俺はも一度男の顔を見た
最初は気づかなかったがその顔は背格好や髪や肌の色は変わっていたが見覚えがあった。
「まさかお前・・・・シャルか?」
俺はかつての仲間の名前を発した。
「ああ、久しぶりだなユーキ。」
その言葉に男・・・シャルドミロはそう答えた。
という訳で突如の新キャラの登場です。
このキャラが今後どう絡んでくるかはそれは次の話で。
因みに少しネタバレを言いますと彼のデッキは儀式デッキなのですがOCGのある儀式モンスターを軸にしたデッキを使います。ただしそのカード自体は強くないのでオリカでかなり補強されています。そんなわけでいったいどの儀式モンスターを使うのか皆さん予想してみてください。恐らく次回辺りで判明すると思います。
ではまた次回で