教会暦702年
数多なる吸血鬼被害を抑えるために結成された特殊殲滅機関”13番目の使徒(ユダ)”。
血に濡れた修道者達の数奇なる物語が今始まる...
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「アルヘイム!アルヘイム・シュリンガー!起きなさい!」
教会暦719年中央都市(セントラル)に存在する中央正教会の朝が始まる。
「はぁい?何ですかぁ...?」
紅い髪を持つ隻眼の少女は、ベッドの上で目覚める。
「はぁい?じゃないアルヘイム。もう朝の6時だぞ?早く起きろ!」
「分かりましたよ、バイムイストさん。」
バイムイストと呼ばれた青年神父は不満気な顔をしながらも
「お前本当に”13番目の使徒”か..?」
と、冷ややかな目で見つつも赤髪の少女を起こすのであった。
「バイムイストさん。本日配備される人ってどんな人なんでしょうか?」
「私も詳しくは知らない。ただ、教育機関(アカデミー)の成績は歴代トップの天才児らしいぞ?落ちこぼれのお前と違ってな。」
”13番目の使徒”に入隊するためには、5年間の「対吸血鬼」用の戦闘訓練をする教育機関
を卒業する必要がある。3年前のアルヘイム達の世代はバイムイストが当時の成績トップで卒業していた。
因みに、アルヘイムは卒業点ギリギリの成績でありバイムイストのおかげで卒業できたと言っても過言じゃないようなことがあり、それ以来バイムイストにはグウの文字も出ないのであった。
「...むぅ..酷いですバイムイストさん。新人さんの前でそれは言わないでくださいよ?」
アルヘイムは赤面して言いつつ、バイムイストを部屋から追い出した。
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「我ら主の子等。汝らの手に何を持つ?!」
「「「我ら主の子等!右手には主を脅かす魔を打つ車輪を!左手には主より授かりし金貨を持つ!」」」
「我ら主の子等。汝らは何ぞや?!」
「「「我ら主の子等!我らは魔を打ち破りし”13番目の使徒”なり!!」」」
教会暦708年冬の月。東部に位置する村々にて急速に吸血鬼被害が増加。
これにより中央教会、並びに”13番目の使徒”は応戦。これにより一時吸血鬼との戦争状態「血界戦争」となった。教会は辛くも勝利を収めたが一般市民1970名が犠牲となった。
...。
「...ッ」
教会内の廊下を渡りながら
「まだ、やられた左目が疼くのか?」
「ええ...。痛いというよりは、体を蝕もうとしてくるような痛みですが...」
アルヘイムは708年の「血界戦争」にて両親と左目を、バイムイストは二人の妹を亡くしている。
そんな話をしつつ二人の修道者はとある部屋の前で立った。
「「司教殿。”13番目の使徒”ここに参上いたしました!」」
扉の前でそう叫ぶと、中から60代の年老いた神父が現れた。
「アル、バイム。そう叫ばなくともよい。お主達とは戦争の時からの仲ではないか。そう改まらなくてもよい。」
「そうはいっても...。我々の教会内でのルールですし...。ましてや、司教殿となると...。」
司教殿と呼ばれた老人は目を細めながら
「お主達も、大人になったのぉ...。あのころタは大違いじゃ。」
と言って、部屋の中に招き入れた。
「司教殿、それでお話と言うのは...。」
バイムストは、アルヘイムの座るイスの向こう...。扉に目をやった。
「そうじゃの。忘れておった。”13番目の使徒”の新人配備の話は聞いておるな?その新人の監督をアルヘイムに任せたいのじゃ」
「な、何でこの私ではなくアルヘイムなのですか?」
バイムストは椅子を荒立てながら立ち上がった。その様子を見て司教はさらに目を細め、
「お主はのぉ、バイムスト。少し頭に血が上りやすすぎるのじゃ。また、今回の新人はこの前の戦闘で被害を受けた村の唯一の生き残り。同じ体験をした者となら心を開けるじゃろう?」
と言って、アルヘイムのハウに向き直り、
「どうじゃ。やってくれるか?」
と、聞いた。
「...。申し訳ないけど、お断りさせてもらうよ。」
「な、何でじゃ?」
「私は、吸血鬼を倒す人の教育をするために来たんじゃない。戦争を通して知ったんだ。「あぁ、私は誰一人守れない弱小者なんだなぁ...。」ってね。私は多くの人の支えがあってここまで生きてきてるんだ。どこら今度は、落ちこぼれと呼ばれてても誰かを守れる人になろうって。もう後悔だけはしたくないから...って。」
と、アルヘイムはその隻眼の紅い目の奥に炎を燃やしながら答えた。
「......。ははははははははは。さすがは、私の教え子だ。わかった、この一件は別の者に任せよう。」
と言って煙草を吸い始めた。
「まあ、挨拶だけはしていきなさい。ほら入りなさい。」
と言って、奥の方に手招きをすると美しい銀髪を持つ少女が現れた。
「ほら、自己紹介をなさい?」
「え、えっと...このたび新しく配属されたアリエルと申します...。」
と言って引っ込んでしまった。
「アリエルはコミュニケーションが苦手でのぉ...。大目に見てあげてくだされ。さて。儂からの要件は以上じゃ。下がっていいぞ。」
「「分かりました。失礼します。」」
大きな扉は二人が部屋を出た後硬く閉ざされた。
どうでしたでしょうか。
この作品は軽くHELLSINGをイメージして書いてたりするので多少かぶりも出てくるかもしれません。どうかそこは生暖かい目で見ていた炊ければ幸いです。
[注]ここから先は2話ネタバレ含みます。
今回は、登場人物紹介と言う事でしたが次回からはついに血界戦争が動き出します。一体吸血鬼とは?”13番目の使徒”の運命は?
次回のお話しにて再びお会いいたしましょう。
では、本日はこれにて。