忘却のヴァルキュリア   作:林檎です。

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第三話 荊の中で何を想う

「戦争が...始まる?」

思わずアルヘイムは聞き返してしまった。

「ええ。所詮死にゆく貴様には意味のない情報かもしれませんが我々吸血鬼はある目的で聖道教会と手を結んだのです。まぁ、今から戻っても意味はないでしょうし、これから貴様は死ぬのですk...。」

「ハアッ...。ハアッ...。」

アルカードがすべてを言い終わる前にアルヘイムは発砲した。

アルカードの首から上はないものの、そのはじけ飛んだ部分からは血が流れていない。そして砕け散った顔の破片が再び顔を形作った。

「ふふふふふふ。さぁ、宣戦布告だ、中央正教会よ!!」

紅い軍服はその手にした二丁の銃を交差させ逆十字をかたどる。

+

「さぁ、諸君。血に濡れた異教徒の神官たちは皆悪である!死が欲しいなら殺せ!命が惜しいなら燃やせ!我らは人の原罪の象徴”EDENN(エデン)”だ!」

「「「「おおおおおおおお!!」」」」

「(....さぁ、”戦女神”よ。守れるのなら守って見せよ。ゲームの始まりだ。)」

+

荒れ果てた村の中心で死体が見守る中、赤と白が交錯する。

「ふふふ。さあ殺してみなさい。殺せるならねぇえええ!!!????」

続く銃声音の中、硝石のにおいの中、土埃の中で蒼い蒼い銃弾が煌めく。

「さぁ、当ててみなさい!”戦女神”よ!お前の力はそんなものか?!」

そしてついに蒼い銃弾は真紅をとらえた。

「ハァッ...やりましたねアルヘイムさん!」

そうアリエルが話した記憶はある。

銃声が聞こえる。土埃が晴れた。

「ッグゥ.....。」

下を向くと自分の腹を銃弾が抉って行ったのが分かる。白が血で赤に染まる。

「(ア、アリエルは無事か?!)」

必死の力で辺りを見回すと目の前に見慣れた少女が血を流して倒れている。その奥には自分の両親を殺した吸血鬼が哂って銃口をこちらに向けている。紅い吸血鬼は顎部を残し顔半分が消し飛んでいるがじきにそれも治るだろう。

「(い、意識...が...。)」

+

ただただ自分の復讐のために生きてきた19年だった。それが敵を前にして摘み取られてしまった。

(真実を求めるか?弱き者よ。)

「(私は...弱くはないです。)」

どこからともなく声が聞こえる。

(たわけ。守ると、決意しておきながら誰一人守れず誰一人救えないものが弱くないだと?)

「(力がなかっただけなんだ。力が。)」

すると、声はあざ笑うように

(はははは。そうか力があればいいのだな?よろしい力は与えよう。私はその生きざまを見て笑おう。我が、愛しい『娘』よ)

+

勝利を確信したアルカードは地に滴る血を舐めようとした。

「...。何をしている。アルカード。」

その背後からアルヘイムの声が聞こえる。

「貴様...!」

振り返ったアルカードが見たものは...。

+

そのころ中央都市(セントラル)は...。

「司教様!逆十字の旗を掲げた謎の軍隊が”13番目の使徒”を攻撃。一時戦闘状態になり...。」

バイムイストは急いだ様子で言った。

「総員戦闘配置。」

「しかし...。町中にも民間人はいますし...。」

「復唱せよ。総員戦闘配置。」

「復唱します!総員戦闘配置!」

教会内は”0番目の数字(ナイトメア)”~”13番目”までの特殊対吸血鬼殲滅組織が集合していた。

「(これは儂も出なきゃならんのぉ。どれ、小童共に戦争の仕方と言うものを講義してやろうぞ。)」




お久しぶりの皆様はお久しぶりです。初めましての方は初めまして。どうも林檎です。さて、今回でついにアリエルさんが死んでしまいました....。
そして始まる戦争。一体アルヘイムはどのようにして生き残るのでしょうか。

【注】次回のネタばれあり。
次回は死んだはずのアルヘイムVSアルカード
始まる戦争”13番目”VS”EDENN
となっております。では次回もお楽しみに。

P.S.
評価、改善点などがありましたら遠慮なくお願いいたします。
つまらない等でもかまいませんがどこがどのようにつまらないのかを言っていただけると幸いです。
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