Fate/Grand Order 終結戦雄界戦 WW2 作:MRO
目を開くと、すでにレイシフトは完了していた。
踏みしめる地面は少し湿っているが、ここが心配していたような海のど真ん中ではないことを教えてくれる。とりあえずは一安心だ。
どうやらなだらかな山の中腹辺りらしい。木は生えているが鬱蒼としている訳でもなく、周りの景色もしっかり確認することができる。
しかし同時に、辺りに漂う濃い火薬の臭いにここが戦場であることを気づかされる。
「万全とは言えない体調でのレイシフトでしたが、大丈夫ですか先輩?」
「うん、マシュも大丈夫みたいだね」
レイシフトは問題なく行われたようだけど、ここはどこなのだろう。今までの特異点と違い、大まかな地名すら不明だ。
視界に入るのは、青い空に緑の木々が生い繁る山々のみ。分かることは、麓の方には田んぼが広がっていることから、おそらくはアジア圏の国だろうことくらいだ。
『よし、繋がった! 二人ともレイシフト成功したみたいだね』
「はい、特に問題はありません」
「私もバッチリだよ。でもここどこだか分からないんだけど。そっちからなら分かる?」
ちょうどロマンとも繋がったし、現在地を聞いておく。
『うーん、特異点化の影響で地形がだいぶ変わってしまって、地図との照合ができなくなってる。申し訳ないけど、現在地は不明だ。何か特徴的な景色はある?』
第三特異点と同じような状況か。カルデアからの位置情報が受け取れないのは残念だけど、第三特異点のように海上じゃない分マシだろう。
「周りは山林ばかりです。少し下ったところには田んぼと、さらに奥に村落が見えます」
「あとさっきまで戦闘があったみたい。すごく火薬臭い」
『稲作が盛んで、第二次世界大戦で地上戦が行われたとなると中国南部か東南アジアかな。でもあくまで推測だから、現地の人と接触して現状をかくに……待った! 二人とも、集団の生体反応が二つ、それぞれ逆方向から二人に近づいてきてる! しかも片方にはサーヴァント反応が一つ。戦力がマシュ一人の状態で交戦するのはまずい、逃げるんだ!』
レイシフト直後に敵襲に遭うのはもはや恒例だが、いきなりサーヴァントが襲ってくるとは。今回は特についていない。
ここはロマンの言う通り、逃げるが吉だろう。
「いえドクター、撤退不可能です! サーヴァントを含む集団に目視されました」
『なっ、なんてスピード!』
焦るマシュにつられ辺りを見回すと、一般人の私でさえ目視出来るほど、敵に接近を許していた。
確かに驚くべきスピードだ。木々が生い繁る山中を、まるで平地の馬のような走りで駆け上がってくる。まだ数百メートル距離はあるが、あのスピードならすぐにここまで来てしまうだろう。カルデアやマシュの索敵が間に合わなかったのも仕方がない。
「えっ……あれって……」
そして、山の斜面を駆けてくる彼らに、私は見覚えがあった。
現代人にはありえない筋肉のみで構成されたような屈強な肉体に、獣のような敏捷さを併せ持った兵士達。
そして先頭で彼らを率いる、金の長髪に紫の槍を携えた騎士。
「ランサー、フィン・マックールです……」
マシュが絞り出したかのような苦々しい声で告げる。
そう、私達は第五特異点で二度に渡って彼と闘った。ケルト神話屈指の英雄、誉れ高きフィオナ騎士団長“金の髪”フィン・マックール。
最終的には打ち倒すことが出来たが、仲間達の協力があってそれでもギリギリだった。
「ロマン、カルデアのサーヴァントのみんなをレイシフトさせて!」
『やってるけど、だめだ。召喚サークルの形成がまだなのと、特異点が広大過ぎるのとでレイシフトの座標指定が安定しない!』
「応戦します、先輩、後ろへ!」
「いざとなったら令呪を使うから無理はしないでね、マシュ」
『通信用の回線も使ってサーヴァント達のレイシフトを急ぐ。すまないけど、二人はそれまでなんとか粘ってほしい』
それを最後にカルデアとの通信が切れた。今ロマン達は全力でレイシフトの準備をしてくれているだろう。それならば私達は、あらゆる手を使って時間を稼がなくては。
一番確実なのは、令呪を使っての逃走だ。が、カルデアとのパスが不安定な今、次令呪がいつ補充できるか分からない。三画しかない令呪は温存するべきだろう。
それに逆方向から近づいてきている他の集団もいる。令呪を使った逃走をするなら、両集団をできる限り引きつけてから使いたい。
タイミングは難しい。支援礼装も行使しながら、出来るだけ粘る必要がある。
だが作戦を考えるのはここまで。木々の間から飛び出した兵達が展開し、中央から一人の男がゆっくりと近づいてくる。
「また会ったね、レディ達」
男――フィン・マックールが、金の長髪をたなびかせ、朗らかな笑みを浮かべながら近づいてくる。
戦場でもこういったどこかフレンドリーな態度なのは、前回と同じだ。
もはや彼我の距離は十メートルほど。サーヴァント同士の対決なら、お互い十分射程範囲と言える距離。
だがそれでも時間を稼ぐため、何より一縷の望みをかけて聞いておくことがある。
「ねぇ、フィン・マックール。今回もあなたは私達の敵なの?」
そう、そもそも彼が人理修復のために呼ばれたサーヴァントなら、戦う必要などなくなる。
「ふふ、いや、今回は君達の頼もしい騎士だ。と言えればそれはそれで爽快だったのだろうな。――だが残念、その通り私はまたしても君達の前に立ち塞がる」
まぁそうだろう。この時代にケルト兵を引き連れている時点で、味方でないことは当然理解していた。
「正直な話窮地にありながらも戦い続ける乙女と二度も敵対するのは、騎士として心苦しい。――だが召喚された以上、主に逆らうことはできない。なにより、
槍が向けられ、その先から魔力が迸る。笑みを崩さないフィンだが、その目にははっきりとした戦意が宿っている。周りのケルト兵達も、今にも飛びかからんばかりに身構えた。
どうやらこれ以上の会話での時間稼ぎは不可能らしい。
私も構えをとったマシュの後ろへ回り、魔術礼装に魔力を充填させる。
どちらもまだ動かない。少なくとも、人数で劣る私達から動くことはできない。マシュの防戦の強さを知っているフィンも、迂闊に動こうとはしない。
膠着はこちらにとっては悪くない状況のはずだが、緊張感のあまり気が逸る。風に木の葉や草が音を立てていることにさえ、気を散らしてしまいそうだ。
そんな余裕のない私に気付いたのだろうか、ついにフィンが動く。
「いざ!」
フィンが大きく地面を蹴り、周りのケルト兵も横に広がりながら迫ってくる。同時にマシュも応じるように片足を踏み出し、盾を振りかぶる。
そして、更に同時にそれは起こった。
「テーーーーッ!」
野太い男の声と、けたたましい銃声が、私たちの正面フィン達のさらに奥から聞こえた。
「先輩ッ!」
マシュが急いで私を盾の陰に隠す。回避は間に合ったようで、一瞬遅れて銃弾が盾に弾かれる高い金属音が耳元で響く。
危なかった。マシュの後ろ五メートルほどの所にいたので間に合ったが、もっと離れていたら当たっていただろう。少し遅れて冷や汗が出てくる。
しかしこれは誰の射撃なのか。安全地帯に入れたことで心に余裕ができたのか、そんな事が頭をよぎる。
今の射撃、前に走り出した瞬間に死角から撃たれたことで、フィン達は明らかに反応が遅れていた。わざわざこんな慎重な不意の突き方をするのは、彼らが構えているところに撃っても当たらないと分かっている者ということだ。
つまり、この射撃は私達でなくフィン達を狙ったものだということになる。となると今撃ってきている彼らは、味方になってくれるサーヴァント、もしくはこの時代の人である可能性が高い。
ロマンの言っていたもう一つの集団は彼等だろう。挟み撃ちにされなくてよかった。
「マシュ、撃ってる人達の姿見える?」
なり続ける発砲音。まだ射撃は続いているようで、私は盾から出ることができない。なので、盾の外で様子を見ているマシュに聞く。
「木や草の陰から撃っているようで、姿は見えません」
「フィン達はどうなってる?」
「ケルト兵は撃たれたようですが、全員行動不能には至っていません。伏せたり木の陰に隠れたりして弾を躱しています。フィン・マックールに至っては、あの体勢から銃弾をすべて弾き続けて無傷です」
やはりサーヴァントや神代の兵士には、銃は効果が薄いみたいだ。マシュだってさっきからずっと剣で銃弾を弾いている。
つまりこのまま膠着状態が続けば弾切れがない分、フィン達が有利になる。私達が動いて状況を打開しなくては。
となれば魔力の消費は大きいが、あれを使うべきだろう。
「マシュ、魔力防御で弾を防ぎながら各個撃破していこう」
マシュの持つスキル『魔力防御』は、文字通り魔力を放出し防御壁へと変換するスキルだ。似たような『魔力放出』系統のスキルが魔力を攻撃に利用するなら、こちらは防御に利用するスキル。
これを使えば近代の銃弾程度は無視して動き回ることができる。
「了解です、『魔力防御』発動。魔力壁、展開します」
魔力が流れ出す感覚に遅れて、周りの景色が一瞬歪む。それと同時に、盾に銃弾の当たる音が消えた。
魔力壁が展開されたのを確認し、盾から出る。見たところ膠着状態はまだ続きそうだ。
「魔力消費は大丈夫ですか?」
「ちょっとキツイけど短時間なら大丈夫。だからマシュ、さっさとやっちゃて!」
『魔力放出』系統のスキルの例に漏れず、このスキルもかなり魔力を食う。高い防御力を頼りに使い続ければ、すぐに並みの宝具以上の魔力を持っていかれる。
ロマンは「相応の魔力を持っていれば国一つだって守れるよ」なんて言っていたが、そんな魔力を持ってこれるのは聖杯くらいなものだろう。
正直いまの私では数分持たせられるかも怪しい。
「では、マシュ・キリエライト、行きます!」
魔力壁が銃弾では破られないことを確認し、マシュが飛び出す。どうやらフィンから少し離れたところで木の裏に隠れたケルト兵に狙いを定めたらしい。
盾を構え、十メートル程の距離を一気に駆け抜ける。ケルト兵は銃の方に気が向いていたようで、反対方向から迫っているマシュへの対応が遅れた。
距離を詰めたマシュは、焦って突き出された槍を盾で弾き、そのままチャージを決める。木と盾で板挟みの形になったケルト兵は、そのまま声もなく崩れ落ちた。
「先輩、ケルト兵は基礎スペックの差によるパワー押しでいけそうです」
「よし、そのままどんどん行こう」
一対多やフィンがいるならともかく、ただのケルト兵一人ならマシュは圧倒できる。奇襲でバラバラになりフィンも足止めをくらっている今なら、マシュ一人で制圧できるだろう。
だが、そう簡単にやられてくれるケルト兵達ではない。私達が動いたのを見て彼らも動き出した。合図でもあったのだろうか、さっきまでは隠れて銃弾を凌いでいたケルト兵達が、被弾も気にせず走り出す。均衡が破られたのを見て一気に勝負に出たようだ。
しかし効果が薄いとはいえ、彼らはサーヴァントのような絶対的な銃への耐性があるわけではない。足に当たれば倒れるし、身体中に弾を浴びた者は倒れて動かなくなっている。
数を減らしていくケルト兵。らしくはないが、玉砕覚悟の特攻だろうか。
「先輩、フィン・マックールです!」
「えっ……まずいっ!」
マシュの言葉で慌てて目を向ける。
走り出した兵達に気を取られ、一番目を離してはいけない人物への注意が薄くなっていた。
そう、ケルト兵達は勇猛だが決して無謀ではない。彼らの特攻に見える突撃も、明確かつ決定的な目的があったのだ。
走り出した彼らに私やマシュ、そして銃兵達の気が向いた。つまりそれは、フィンに集中的に向けられていた弾幕が薄くなることを意味する。
私がこれに気付いた時にはすでにフィンは前へ、銃兵達が隠れているであろう位置へ駆け出していた。薄くなった弾幕では、もはや彼を止めることはできない。
「フィンを抑えて!」
私が言うまでもなくマシュも走り出していた。だがフィンの敏捷A+に比べ、マシュのそれはD。この差では追いつくことは叶わない。
次に起こるであろう惨劇に背筋が寒くなる。こうなれば令呪でマシュを転移させ、フィンを止めるしかない。三画しかない令呪とはいえ、いまこそ使うべきだろう。
「令呪をもってめい……あれ?」
しかし、覚悟を決め令呪使用の詠唱を始めたその時、突然フィンが止まった。見ると、フィンの紫槍が刀と衝突している。刀の持ち主は、暗い黄土色の軍服を着た男。衝突の余波だろう、服と同じ色の帽子が宙を舞っている。
「あの人……サーヴァントじゃない。マシュ、加勢して!」
驚いたことに彼はただの一般人、おそらくはこの時代の軍人だ。
フィンと鍔迫り合いを繰り広げる様にサーヴァントかと思ったが、パラメータが表示されない。なにより、軍刀からはそれなりの魔力を感じるが、本人の魔力量は一般人のそれである。
「いや嬢ちゃん、そいつは任せとけ。あんたは雑兵の方を頼む」
さらにそう言いながら、同じ服装をした男達二十人ほどが隠れていた場所から飛び出してくる。やはり銃撃はこの時代の軍人達のものだったようだ。
そして、彼らの手にしている銃。軍刀と同じようになかなかの魔力が付与されている。本来なら銃が効果を発揮しないはずのフィンやケルト兵に、多少なりとも損害を与えているのはそのおかげだろう。
「しかし相手はサーヴァントです」
マシュが抗議するのは当然だ。サーヴァントと人の戦闘能力は隔絶している。いくら腕の立つ軍人とはいえ、サーヴァント、それもファンのような一流の英霊相手にそう長くは保たないだろう。現にもはや彼は防戦一方だ。
「大丈夫だ、こいつもちょっと人間じゃねえから」
どういうことだろう。彼からはサーヴァントどころか、魔力の気配すら感じられないが。
しかし口振りからすると、彼らはサーヴァントのことを多少分かっている。それでもここまで言うのには、何か理由があるのだろう。
「マシュ、急いでケルト兵を倒してからあの人と合流しよう!」
「――了解しました」
そこまで言うのなら任せよう。それに散開したケルト兵を放っおくこともできない。
特攻で数を減らしたとはいえ、見過ごせない数がまた射線から隠れている。マシュの張ってくれた魔力壁が残っているうちに片付けておかなくては、また奇襲を仕掛けてくるかもしれない。
私達はフィンの相手を彼に任せ、他の軍人達とケルト兵を追うことにした。
◇
「まだ倒れないとは、この時代の人の身とは思えないな。その身体、本当に人間のものか?」
息をつかせぬ勢いで刺突を繰り返しながらもフィンが問う。
その疑問も当然だろう。目の前の軍人は身体中に傷を負いながら、その剣筋に一切の乱れを見せない。むしろ、傷つく毎にその闘気は増しているようにも見える。
フィンほどの英雄が、近代の一兵卒に数分以上も足止めを食らう。本来ならあってはならないことが、この軍人のそんな異常さによって実現されていた。
「やはり返事はない、か。刃と言葉をともに交えるのも戦士の嗜みだと思うが、どうかな?」
そしてもう一つ異常なことが、この軍人の度を超えた寡黙さだ。
時折フィンが発する言葉への反応どころか、傷を負った際の呻き声さえ一つも発さない。無表情さも相まって、人の形をした機械のようである。ただ身体中から流れ出る血と荒くなっていく呼吸が彼が人間である事を証明していた。
そして、彼が人間であるということはフィンに対して勝ち目が無いということを意味する。
実際に打ち合い自体は一方的なものとなっている。彼の刀はフィンに擦り傷一つ与えることができていない。斬りけは穂先に払われ、突きは手甲に弾かれる。それどころか槍が振るわれるたびに大きく体勢を崩し、突き出されるたびに体に傷が増えていく。
それでも衰えぬ速さでフィンに斬り掛かっていたが、ついにその時が来た。刀が手から滑り落ち、湿った土に浅く刺さる。
「ここまでだ。その腕ではもはや剣は掴めんだろう」
フィンの繰り出した刺突が、彼の右肘を抉っていた。直撃は避けており、腕は千切れずに済んでいる。しかし右肘から先に力が入らなくなったようで、指先が地面を向いたまま動く様子がない。
「侮っていたよ、この時代にまだこれほどの兵がいようとは。最期に名だけでも聞かせてくれないか、近代の
トドメを刺すために槍を手繰りながら、フィンが告げる。その声は純粋な賞賛に満ちており、表情も相手を讃えるための神妙なものだ。
しかし返事はない。とうとう戦意を喪失したのか、それとも状況を認識できていないのか、その顔は下を向いて動かなくなった右腕を見続けている。
「……そうか、残念だよ」
その言葉と同時にフィンが槍を心臓へと突き出す。
――――そして次の瞬間、
槍が突き出されると同時に、軍人は体を捻って槍を躱し――それでも左肩を切り裂かれながら――その勢いのまま左拳を槍と交錯させ、フィンの顔へと叩き込んだのだ。
宙を舞いながら大きく目を見開いたフィンだったが、体勢を立て直し静かに着地する。
予想外の反撃だったのだろう、さしものフィンも表情が固まっている。
無理もない。フィンからすれば、最早死に体だった彼からの反撃は完全な不意打ちだったろう。
加えてフィンを拳で数メートル吹き飛ばす。そんな事は神秘が殆ど存在しない近代の人間には不可能なのだ。そもそも魔力が宿っていた軍刀と違い、生身である彼の攻撃がサーヴァントであるフィンに通じる訳がない。何より「拳で人を吹き飛ばす」などということは、この時代の人間には肉体的に不可能である。
「なんだ、まだ闘えるんじゃあないか! 今の一撃から察するに、まだまだ余力はあるんだろう?」
が、そんなことは関係ないとばかりにフィンの顔に獰猛な笑みが浮かぶ。握り直した槍から今までなかった軋むような音が微かに鳴り、踏みしめた地面が大きく抉れる。
その様は静穏な湖面が逆巻くかのよう。先ほどまでの一種の敬意とは違い、自らに刃を届かせ得る敵に対する殺意をフィンは放ち始めていた。
対する軍人からの返事はやはり無い。しかし左手で軍刀を拾い上げ構え直すその姿は、傷付き片腕を奪われたとは思えない、いや、傷付く前よりもなお鋭いものである。そして、落ちていた軍帽を剣先に引っ掛け被り直したその顔は、先ほどまでと同じ無表情ながら刺すような敵愾を孕んでいる。
二人の放つ気に当てられたか、はたまた偶然か、風が周りの木々を揺らしわずかに葉を散らせる。
その一枚が二人の目線を遮ったその瞬間、再び刃が交わる音が響き渡る。
「時間」目的の戦いから、「首」目的の死闘へと二人は踏み出した。