元USNA軍最強の魔法師   作:メイス・ハイマツ

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プロローグ

 

 

「逃げろ!お前たち!」

「ですがこの数‼︎」

「いくら総隊長でも!」

「その総隊長命令だ!行け!」

 

小さな仮面をつけその目は禍々しいまでに強烈な金色の瞳に深紅の髪を持つ少女。

 

彼女は仲間の制止を振り切りなんとしてでも隊長の元に駆け寄ろうとする。

 

「総隊長っ!」

「すまないな…俺がお前のことを推薦したばかりにこんな目に合わせてしまって…」

 

しかし彼はそれを良しとしない…次々に撤退を始める仲間を見届けながら集中を高める。

 

「後は頼むぞ…ベン」

「わかり…ました…総隊長っ…!」

 

ベンと呼ばれた軍人の頰を涙が流れる。

 

見た目だけで判断するならベンはその青年よりも一回り以上も年を取っている。

 

しかしベンにはその背中が誰よりも大きく誰よりも逞しく見えた。

 

それを見てベンは再確認した。

 

彼が自分にとってどれだけ偉大な存在であるか…自分にとってどれだけ大きな存在だったか…そしてこの人についてきて良かったと…

 

「ご武運をっ…‼︎」

「ああ…またな」

「総隊長っ!」

 

先程の仮面の少女は大量の雫をその瞳からこぼしていた。

 

そんな彼女に彼はゆっくりと口を開きこう言った。

 

「お前ならやれるさ…俺と同じところまで辿りつけよ」

 

そして彼は囮となるために粉塵渦巻く戦場の舞台へと飛び出し大声を出した。

 

「お前らの狙いはこの俺だろ‼︎相手してやる!このスターズ総隊長ルイン・シリウスがな!」

 

彼は自分のサイオンを爆発的に放ち自分に向けられている魔法の全てを無効化した。

 

「俺がUSNA最強と呼ばれる所以…」

 

自分の仲間たちが完全に撤退したのをベンから無線を通じ知らされた彼は無線を外し懐に隠していたあるCADを取り出した。

 

「…じゃあな…リーナ」

 

その言葉を最後にUSNA最強の魔法師ルイン・シリウスは姿を消した…

 

彼が使用したのは戦略級魔法と呼ばれている都市や艦隊を一撃で壊滅させることが可能な魔法であり敵の軍隊を一瞬のうちに壊滅させた。

 

のちにわかったことだがこの戦争の真の目的はUSNAの上層部によるルイン・シリウスの抹殺。

 

よってこの件が一般に報道されることはなくルイン・シリウスは任務中に不慮の事故でその命を落としたということになった。

 

「総隊長…ありがとう…ございましたっ!」

「総隊長……っ!」

 

ベンの涙を堪え敬礼しリーナも最初はそうしていたがついに堪えきれなくなりしゃがみこんだ。

 

「ルイン…さんっ!あ…ありがとうっ……ございました…っ!」

 

リーナは次から次に流れ出る涙を必死に拭いながらルインへの感謝を伝える。

 

周りでは彼の部下であった軍人も敬礼を決めながら涙を流していた。

 

USNAの中でもスターズに属す軍人の実力は高い。そんな彼らが涙を流していることからもルイン・シリウスがどれだけの人物だったかを物語っていた。

 

「いいのかい?みんな泣いているよ」

「いいんだよ…これ以上俺がいるとリーナにまで迷惑がかかっちまうからな」

「そうだね」

 

その様子を遠くから見ている二人の人物がいた。

 

一人は僧侶のように頭を丸めもう一人はその姿がばれないようにフードを深めに被っているがその風貌はこの前の青年と同じだ。

 

「それじゃあ行こうか」

「ああ。しばらく世話になるな八雲さん」

「別に構わないよ。僕と君の仲だしね」

 

フードの男が手を差し出すと八雲がそれを握る。

 

「そういえば日本に来ても生活できるのかい?データとかは…」

「抜かりはないさ。既に偽装データを日本のデータベースに送り込んである」

「元スターズ隊長はやることが早いねぇ」

 

その言葉に当たり前だと言わんばかりに口角を吊り上げてニヤリとした。

 

「こいよ…俺と同じところまでな」

 

自分のことを想い泣きじゃくる少女に聞こえていないとわかっていながらも彼はその言葉を贈った。

 

「もういいのかい?ルイン・シリウス…嫌今はルイン・ウォーレスくんかな」

「それも違うな…今の俺の名前は…」

 

彼はフードを外しその素顔をさらす。

 

アンバーと呼ばれる金色の瞳はどこまでも輝きプラチナブロンドの髪は太陽の光を浴び頭に天使のような輪っかを生み出している。

 

「守王 ルイだ」

「これが《クルーアル》…君の本当の姿なんだね」

「って聞いてんのか?」

 

八雲は思わずその珍しい容姿に惹かれてしまい一切ルインの話を聞いていなかった。

 

「ああ、ごめんごめんそれでルイくんは日本で何をするんだい?」

「俺か?とりあえずは学校とやらに行ってみたい」

「ルイくん今歳はいくつだったかな?」

 

ルインはまだ軍人にしては若すぎる気がするがそれでも学生という歳には見えない風貌をしているため八雲はその回答に疑問を持ったのだ。

 

「15だけど何か?」

 

八雲は開いた口が塞がらなかった。

普段からその表情を隠すことがうまい八雲には珍しいことだ。

 

「君がスターズ隊長になったのは?」

「一昨年」

「君が軍入りしたのは?」

「12だな」

 

つまり彼はわずか12で軍人としUSNA軍に入りそこから一年足らずで最強の地位を獲得したのだ。

 

「まぁ君ならそこまで意外でもないかな」

「どーしたんだ?ばれないうちに早くいこーぜ」

 

そして時は流れ半年後…

 

「オォーここが学校ってところか」

 

ルインはかなりの土地を誇る学校の校舎を眺めていた。

 

国立魔法大学付属第一高校…

 

ここに元USNA軍スターズ総隊長ルイン・シリウス改めて守王 ルイが入学した。

 





今後予定

・八雲との繋がり
・ルイン軍入りのキッカケ

まで決まってます。
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