ちょっと変わってる人はひふみんに好意を寄せていた。 作:カントーさん
「おぉっす〜」
「「おっす〜」」
一人の男がデスクに向かう5人の男にそう挨拶すると、その5人の男達も同じように挨拶をする。
「あぁ、そうだ羽海野さん。さっき葉月さんがお前探してたぞ」
5人の内の一人が代表して羽海野と言う男に喋りかけた。
「なに、葉月が?花ちゃんじゃなくて?」
羽海野と呼ばれた男は意外そうな顔で聞き返した。
「あぁ。でも葉月さんとこのチーム、もうすぐフェアーリーズストーリーのグラフィックできあがんだろ?」
「あぁそうか、それでか」
なるほど、と羽海野は納得したように手を叩いた。
「て言うか羽海野さん、お前まだ葉月さん呼び捨てで呼んでんのかよ」
先ほどの男が呆れたように羽海野の目を見た。
「ほっとけよ。てかそう言う秦野だって俺の事羽海野【さん】なんて呼んどきながらタメじゃん」
羽海野は言い返した。
どうやら先程から羽海野と喋っている男は秦野と言うらしい。
「俺のが歳上で羽海野さんのが立場が上なんだ。これが上等だろ?」
秦野はふふんと誇らしげに言った。
何がそんなに誇らしいのか、立場は負けているのに。
「じゃぁ俺だって葉月の方が立場は上でも歳は俺のが上なんだ。これが上等だろ」
そう言って羽海野もふふんと誇らしげに言う。
だから何が誇らしいのか、立場は負けているのに。
「何言ってんだ。葉月さんの方が目上だろ」
秦野は、はぁ?と言うように反論した。
「いやいや、俺のが歳上だ。確かに葉月はどう見ても俺より歳上(失礼)だ。でもあの人自分で永遠の20歳なんて言ってんだ。歳上は俺だ」
羽海野はだろ?と付け足した。
「でもあの人確実に自称(失礼)だろ?まぁ確かに本人が言ってんだもんな。いいか」
そんな秦野の言葉になんだよいいのかよと羽海野は思った。
「あー、葉月ってどこに居るか知ってる?」
羽海野は秦野に聞いた。
「いーや。でもまたうみこさんに捕まってるんじゃねえの?」
秦野はパソコンに向かって言った。
「そうだな。ちょっと俺抜けるけどいける?」
羽海野は心配そうに聞いたが、秦野は「いいから早くいけ」と追い出した。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「あ、葉月、いいところに。丁度探してたんだ」
羽海野は葉月を見つけ呼び止めた。
「あぁもz……あぁ悪い悪い。羽海野くん」
葉月は名前を言おうとしたが、羽海野の嫌ーな気配に察し、言い直した。
「阿波根さんこの人借りていいですか」
羽海野はあからさまな不機嫌さを醸し出しながらうみこと言う女性に問う。
「【うみこ】です。貴方も相当ですね」
どうやらこの人は阿波根うみこと言うようだ。
「すみませんところで葉月借りてもいいですか」
羽海野は何故か早口で言った。
「あぁ、どうぞ。丁度仕事をしろと叱っていたところですので」
うみこはジト目で葉月を見ながら言った。
「そうですか、ありがとうございます。それで葉月、なんのようですか」
相変わらず不機嫌な羽海野は葉月の方へ向き直り聞いた。
「あぁそれなんだが君にフェアリーズストーリーの"音響"を担当して欲しいんだ。頼めるかい?」
葉月は返事は既に分かっているが羽海野へ問いた。
「当たり前でしょう。俺がやらなきゃ逆に誰がやるんですか」
こちらも既に要件は分かっていて、その気だったので迷うことなく受け入れた。
「他に詳しいことは作った本人たちに聞いてくれ。ちょうど今あの子達にも君の事話してきた所なんだ」
葉月は「では頼んだよ」そう言って通り過ぎていった。
うみこもまた、葉月に付いて行った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
その頃グラフィックチームは……
「羽海野さんってどんな人なんですか?」
紫髪のツインテールをした中学生くらいに見える少女が聞いた。
「それがウチとはじめも知らんのよ」
金髪のこちらもまたツインテールの関西弁少女は、はじめと呼んだ少女の方を向いて言う。
「名前は知ってるんだけどね、去年は羽海野先輩デスク移動とか無かったから」
そう言ってはじめと呼ばれた少女は頷いた。
「そうそう。でもたまーに八神先輩達の口から名前が出てきたりしてどんな人なんかとかは想像ついてんねんけどな!もし気になるなら青葉ちゃん、八神先輩に聞いてみたら?」
先程の金髪ツインテールの少女が言う。
「はい、そうします!あ、ひふみ先輩は羽海野さん、知ってるんですか?」
どうやら紫のツインテールの少女が青葉と言うようだ。
青葉は斜め後ろのデスクに居るポニーテールの女性に話を振った。
「!?……えっと……なに…青葉ちゃん……?」
ひふみ先輩と呼ばれた女性は音楽を聞いていたのかイヤホンをつけていて、話していた内容をはっきりとは聞こえていなかったようだ。
そしてイヤホンを外し青葉に問いた。
「ひふみ先輩は、羽海野さんの事知ってますか?」
青葉はニコッと素敵な、しかしまだどこか幼さを残した笑顔で聞く。
「え……と……その…知って…る…けど……」
ひふみは「けど」と、何か続きを言おうとしたが、
「知って…る…けど…………………………知ってる…」
やはり続きを言うのは止め、言い直したようだ。
「(知ってるけど知ってる?どう言う意味だろう?)どんな人なんですか?」
青葉は少し謎は残ったがまたもひふみに笑顔で質問した。
「えっ……!?それは……その………」
ひふみは何処か言いづらそうに目をそらした。
そんな時だった。
「言いにくそうだねひふみん。代わりに私が説明しようか?変な人だって」
そう言い奥から出てきたのは金髪でロングヘアの八神コウだった。
キャラがいまいち掴めてない!?