玄武の沢
メアリー「…思い出した。何もかも…」
メアリーは苦悩していた
過去の自分の記憶は戻ってきた。そこまでは良かったのだが、殺人鬼メアリーとしての性格は戻ってこなかったのだ
メアリー「私…なんてことを…」
殺人衝動にかられていた当時とは真逆に、後悔と罪悪感が押し寄せてきた
メアリー「どうにかして…この罪は償えないかしら?…」
メアリーは必死に考えた
メアリー「…あの人なら、何か良い方法を教えてくれるかも…」
考えた末に、とある考えに至った
メアリー「でも、最悪の場合はちょっと覚悟を決めといた方がいいわね」
そう呟くと、メアリーは来た道を戻って行った
博麗神社
さとり「そう言えば、さっきフリッカさんと一緒にメアリーさんが来ましたよ」
霊夢「あぁ、どこかで見たことがあると思ってたけど、メアリーだったのね」
さとり「思考を読んだところ、数年間の記憶が消えているみたいですけど」
霊夢「あら、そうだったの」
そんな他愛の無い話をしていると、メアリーがやって来た
メアリー「こ、こんにちは」
さとり「あら、メアリーさん?ここには来ないと言って…えぇ!?それ本当ですか!?」
霊夢「ど、どうしたの?」
さとり「…記憶が戻ったそうです」
そのことを聞いた瞬間、霊夢の目付きが変わった
霊夢「!?…まさか、私に報復でもしに来たの?」
メアリー「あぁいや、そうじゃなくて…」
メアリーが口篭る
さとりは不思議に思い、さっきよりもさらに深層まで意識を潜らせた
さとり「…あぁ、そういうことですか」
霊夢「なにか分かったの?」
さとり「何故かは分かりませんが、記憶はあっても以前のような殺人衝動は無くなっているようですね。ちゃんと意識の深層まで潜ったので間違いないです」
霊夢「…さとりが言うならそうなんでしょうね。じゃあ、何の為にここに来たのかしら?」
メアリー「えっと…私の罪を償う為に何か出来ることがあるなら、何でもいいから教えてくれないかしら?」
霊夢「えー…急にそんな事言われてもねぇ…」
霊夢は「え?今何でもって言ったよね?」と言いたくなったが、ぐっと我慢した
さとり「霊夢さん、私には筒抜けですよー。あと、メアリーさんは私の見る限りでは本当の意味で何でもって言ってますよ」
霊夢「え?そうなの?…じゃあ、私が各方面から言われてる妖怪退治を手伝ってくれるかしら?」
メアリー「分かったわ!」
自分に役目が与えられた途端、メアリーは笑顔になった
メアリー「さっそく、何を手伝えばいいかしら?」
霊夢「(うわ、目がキラッキラしてるんだけど…)んー、じゃあ魔法の森で調子に乗ってる下級妖怪共をちょっと懲らしめて来てくれないかしら?」
メアリー「了解!」
依頼の場所と内容を聞くなり、メアリーは走り出して行った
魔法の森
サニー「さてと、今日は誰に悪戯してやろうかなー♪」
ルナ「サニー…いい加減にしないと博麗の巫女に退治されちゃうわよ?」
サニー「大丈夫だよ!私達三人の力を合わせたら誰にも捕まらないわ!」
スター「二人共静かに!誰かが近づいてきてるわ」
どうやらスターの能力レーダーに何かが引っかかったようだ
スター「相手は…一人か1匹ね」
サニー「なーんだ、つまんないなぁ。まあいいや、姿を消すよー」
サニーがそういった直後、三人の姿が消えた。サニーの能力で光を屈折させて姿を消したのだ
ルナ「一応音も消しとかなきゃ」
ルナがそう言うと、さっきまで聞こえていた鳥のさえずりが聞こえなくなった
その少し後、人がやってきた
メアリー「魔法の森に入ってから真っ直ぐここに来たけど、それらしい妖怪には会わないわね」
魔法の森は結構広い事もあって、特定の人物を探すとなると結構苦労するのである
メアリー「意外と森に入ってすぐのほ……(あれ?)…(声が出ない?)」
独り言を言いながら歩いていくと、急に自分の声が出なくなった事に気が付いた
メアリー「…(鳥の声も聞こえないし、もしかして声が出せないんじゃなくて、聞こえなくなったのかしら?)」
そう思い、メアリーは周辺の様子を探ってみた
メアリー「…!(あの木の陰に何か気配を感じるわね…)」
何かの気配を感じたメアリーはその気に近付いて行った
サニー「(え!?何でこの子一直線に近づいてくるの!?まさか私達のことが見えてるの!?)」
だんだん近づいてくるメアリーを見て心配になってきたサニーであったが、メアリーはサニーたちの前で立ち止まっただけで、それ以上は何もしてこなかった
サニー「(よかったぁ…見えてはいないようね)」
木の目の前で立ち止まったメアリーはふと何を思いついたのか、懐からナイフを取り出した
ルナ「(!?この子なんでナイフなんか持ち歩いてるの!?これ見つかったら殺されるんじゃ!?)」
その直後、メアリーがナイフを振り上げて、次の瞬間木に突き立てた
三妖精「(こ、殺される!?)」
命の危機を感じた三妖精は一目散に逃げ出した
しかし、その時に慌てていたのか、後ろにあった草が体にあたって、草が揺れてしまった
メアリー「(あそこにいるのね!)」
直感を信じてメアリーはその草の少し向こう側にダイブすると、何か手ごたえがあった
するとその直後、音が聞こえるようになった
ルナ「ヒィー!許して!ちょっとした出来心なの!」
メアリー「別に取って食おうって訳じゃ無いわ。さっきのも声が出せないから文字を彫ろうとしただけよ」
ルナ「サニー!スター!助けてよー!」
パニックになってるのか全然話を聞いてくれない。と言うか一向に透明なままで、どんな顔をしているのかもわからない
メアリー「(…とりあえずナイフをしまった方がいいかしら?と言うか、まだ仲間がいるのね)」
そう思い、メアリーは懐にナイフをしまった
メアリー「何処に居るか知らないけど、別に貴方達と敵対しようとしてるわけではないわ。なんならナイフをそこの木まで転がすけどー?」
そう言って、持ってるナイフ5本を2m横にある木まで軽く投げて武装がないのをアピールした
サニー「…本当に私たちを殺さない?」
そんな声が目の前の木の裏から聞こえた
メアリー「あんな事で殺したりしないわよ。ただ周りの人が迷惑してるみたいだから、やめてほしいって警告しに来たのよ」
そう言うと、さっき声がした木の上、その反対にある木の上、メアリーの足元の三か所にメアリーと同じくらいの背丈の羽がある幼女が姿を現した
メアリー「あら、思ったよりも可愛らしい妖怪ね」
スター「よ、妖怪じゃなくて妖精…」
メアリー「あら、そうだったの」
ルナ「ご、ごめんなさいぃぃぃぃぃぃ!」
メアリー「えっと、なんでこの子はこんなに怯えてるのかしら?」
サニー「あー…ルナは怖がりだからナイフが相当怖いんじゃないかなー」
メアリー「(今何も持って無いんだけどなぁ…)大丈夫よ。何も怒ってないから」
そう宥めると、やっと落ち着いたようだ
メアリー「まあ、悪戯も程々にしないと霊夢に退治されるわよー」
三妖精「肝に銘じときます!」
ここまで統率のとれた謝罪もなかなか見られないんじゃないかというくらい声がハモっていたので、メアリーは苦笑した
まあ、自分の役目は終わっただろうと思い、メアリーは帰っていった
To Be Continued
あの殺人鬼メアリーが人助けとは…人は変わるもんですね!
次回はメアリーが妖怪を助ける話を書こうと思います
それではまた次回 (*≧▽≦)ノシ