アーマード・コア for Answer -mutiny by infinity- 作:銀塩
あと、なんかリンちゃんのルビが変なことになってるのもご容赦ください。
「おはよー」 「おっはー」 「昨日のテレビ見たー?」
そんなごく普通の朝の光景の中に、アルはぼーっと黒板を見つめていた。単純に眠いだけである。
「どうした、眠そうじゃないか」
そんな彼の後ろで教科書やらを準備していたウィンが声をかける。
「・・・・・・少し眠いだけだ、問題ない」
それに答えつつあくびをするアル。
「早めに寝たほうがいいですよ? あまり遅くまでおきているのは、いくらさほど若くないといえど関心はしないです」
そしてアルを諌めるメイ。リリウムもそれに同意するようにうんうんとうなずいている。
「・・・・・・今度から、気をつけるとしよう」
適当にのたまうアルにあきれたような視線を送る三人から目をそらすアル。そして始業のベルが鳴るのだった。
――――――――
「大ニュース大ニュース! なんと2組に転入生だよ!」
昼ごろにあわてた様子で駆け込んできた、例のうわさ好きの少女の声に、一同が一斉にざわめいた。
「そ、それってどんな人?!」
「見に行ったけど、なんか中国からの転入生らしいよ! めったにない転入生だから優秀なのは間違いないね!」
「もしかして、専用機持ち?」
「まだ確認してないけど、そうみたい!」
まだまだ少数でしかない情報をもとに、推測が推測を呼んでいく。
「転入なんてものがあるのか。この特殊な学校だからそういうものは一切ないものだと思っていた」
「おそらく、例外措置ではないでしょうか。そもそもそういった自体は想定されていませんでしたが、優秀なことと、国家からの推薦もあってねじ込まれたものかと」
「・・・・・・後ろ盾が国という大きなものであることも重要だが、優秀でなければそもそも入ることは無理だろう」
「なんにせよ、この学園でのライバルが増えた、ということになりますね」
それを見つつ、冷静に分析する4人。そして、おそらく近いうちになんらかの接触があることも想像していた。
「・・・・・・少なくとも、俺と一夏には接触するだろう」
「前例のない男性操縦者二人ですからねぇ」
「接触しないはずがありませんね」
「まぁ、接触してきてから考えればいいだろう。向こうが何をするかはよくわかっていないのだからな」
――――――――
「よう、アル」
授業が終わった帰り道、アルが廊下を歩いていると、後ろから一夏が声をかけた。
「・・・・・・ああ、一夏か。どうだった、例の転入生とやらは」
彼に接触しているであろうことを見抜いて、アルはたずねると、一夏はすこし驚いた顔をして、
「あれ、あいつと会ったこと知ってたのか?」
とたずねてきた。それにアルは苦笑し、
「・・・・・・前代未聞の転入生だ、そうじゃなくても世界で二人しかいない男性操縦者の俺とお前に接触しないはずがないだろう」
と答えた。それに一夏は納得の表情を浮かべた。
「・・・・・・それで、どうだった?」
「あー・・・・・・、実は、その転入生、知ってる子だったんだよ」
一夏の告白に、アルは怪訝な表情を浮かべた。
「・・・・・・お前、中国にいたことがあるのか?」
「いや、逆。向こうが日本にいたことがあるんだよ。そんで、小学生から中学生まで一緒にすごしてたセカンド幼馴染」
「・・・・・・セカンド?」
「ああ、セカンド。ファースト幼馴染は箒だよ。ほら、束さんの妹の」
「・・・・・・ああ、なるほど。そういうことだったのか」
その説明に納得の表情をするアル。と、前方に人影が飛び出してくる。
「あなたが、二人目の男性操縦者?」
そう、まさに話題になっている少女、
「アタシは
「・・・・・・そうか。俺はアルバート・ティーア。よろしく」
短い挨拶のあと、隣にいる一夏に声をかける。
「一夏、ここにいたのね」
「え、ああ、うん。そうだけど」
「アンタ、これから暇? なんだったらISの訓練つけてあげる」
「あ、ならお願いしてもらっていいか? まだまだ足りないと思っててね」
そんなやり取りに、アルは面白いものを聞いたと口の端をわずかに動かす。
「・・・・・・がんばれよ、一夏」
「え、あ、おう」
その言葉にこめられた真の意味に、気づかない一夏だった。
こうして、波乱が幕を開けていく。